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フォーカス

先日、ある雑誌社から
「○○さん(有名人)の同級生の方にお話を伺いたいのですが」と電話がありました。
その有名人自分の高校の同級生だったなんて話は全く聞いたことがなかったので、
何か新手の詐欺かもしれないと警戒し、すぐに電話を切りました。
あとで卒業アルバムを見てみると、たしかに同級生だったみたいで驚きました。
同級生とはいえクラスは違うし、接点も全くなかったので、
どのみち取材に答えることはできませんでしたが、
自分の知らない人や会社から電話がかかってくると、
すぐに何かのセールスか詐欺に違いないと思ってしまいますね。
まぁその雑誌社も、どこからか勝手に名簿を手に入れて、
手当たり次第に電話しているのだろうから、あまり褒められたものではなく、
もしその有名人の大親友だったとしても取材には応じないかな。

ということで、今日は詐欺師の映画の感想です。

フォーカス
Focus.jpg

2015年5月1日日本公開。
ウィル・スミス主演のクライム・ロマコメ。

30人の熟練詐欺師集団をまとめるニッキー(ウィル・スミス)は、半人前な女詐欺師ジェス(マーゴット・ロビー)に可能性を見いだし、一流の犯罪者にすべくノウハウを伝授する。やがて二人は恋に落ちるが、恋愛は自分の仕事の邪魔になると判断しジェスのもとを去る。数年後、ニッキーが一世一代の詐欺を仕掛けるブエノスアイレスのモーターレース会場で、一段と美貌に磨きをかけたジェスと再会し……。(シネマトゥデイより)



本作は『メン・イン・ブラック3』以来となるウィル・スミス、久々の主演作です。
なんでも彼は息子ジェイデンと共演した『アフター・アース』が大失敗したことで、
「自分はもう終わりなんじゃないか」と思ったそうです。
たしかにあれは駄作にも程があり、ボクも彼は終わりだなと思いました。
その後『ニューヨーク 冬物語』に脇役で出演しますが、
これがまた考えられないほど駄作で、一時はハリウッド随一の人気者だったのに、
もうこんな駄作のクソみたいな役しか貰えなくなっちゃったんだなと。
本作で再び主演に返り咲いた彼ですが、すんなりと主演になったわけではなく、
もともと彼の役はライアン・ゴズリングが演じるはずでしたが降板され、
ブラッド・ピット、ベン・アフレックにオファーしたものの断られ、
そこにウィル・スミスが手を挙げたので決まったみたいです。
いわば人気スターたちのお零れを預かった形になったわけですが、
ウィル・スミス主演ありきでどんどん映画が企画された頃が嘘のようです。
彼もすっかり自信を失い「もう興収は気にしないことにしよう」と考え、
本作に挑んだらしいのですが、蓋を開けてみれば意外にも、
全米初登場1位の大ヒットを記録するのです。
どうやらウィル・スミスの俳優としての価値は、
本人や周りが考えるほど落ちてなかったみたいですね。
本作は物語自体は出来がいいとは言えないだけに尚更そう感じます。
やはり『アフター・アース』失敗の戦犯は息子ジェイデンだったということでしょう。

これだけ主演が迷走するほど期待されていない作品が1位になるのは
ちょっと珍しいことだと思いますが、実は主演だけではなくヒロインも迷走しました。
当初ヒロインを演じる予定だったのはエマ・ストーンだったのですが、
やはり降板されてしまい、紆余曲折を経てクリステン・スチュワートに決まるも、
ウィル・スミスが主演になったことで、年齢的なアンバランスを嫌って彼女も降板。
結局それほど人気があるとは言い難いオーストラリア出身の女優
マーゴット・ロビーにお鉢が回ってきたみたいです。
大した脚本でもない上に、そんな微妙なキャストで1位になれるなんて、
映画というものは公開してみないことにはどう転ぶかわからないものですね。
まぁひとつ確実なことは、ここ日本ではヒットしなさそうなことかな。
GWで人気作が群雄割拠する中、せいぜい初登場8位が関の山でしょう。
以下、ネタバレ注意です。

主人公ニッキーがホテルのレストランで食事をしていると、
男に迫られていた女性ジェスから「今だけ彼氏のふりをして」と頼まれます。
恋人のふりをして一緒に食事をするうちに意気投合した二人は、
そのまま彼女の部屋に行ってイチャイチャし始めるが、
そこに彼女の旦那が帰って来て、間男に拳銃を突き付ける修羅場に…。
ところが間男ニッキーは一切焦る様子もなく…。
実はニッキーは天才詐欺師で、ジェスが美人局であることに気付いていたようです。
もちろん旦那も偽物なので、撃たれることはありません。
見破られたスリを得意とする新米詐欺師ジェスはニッキーを尊敬し、
彼が率いるスリ専門の窃盗団の仲間になりたいと懇願し、
AFFAボウル期間中のニューオリンズでの仕事に参加することになります。
本作はクライム映画の皮を被ったロマコメなので、
もちろんこの二人は恋に落ちることになるのですが、
どちらも詐欺師なのであまり好意は持ちにくいキャラですよね。
特にヒロインのジェスは、いくら美人だろうが、美人局なんてする女に
魅力なんて感じるはずなく、ロマコメのヒロインとしては致命的な設定です。

ニッキーの窃盗団は30名ほどの集団で、抜群のチームワークで、
人混みから財布はもちろん腕時計や宝石など貴金属をスリまくります。
盗品は全てバッタ屋で現金化するので足が付きません。
またクレジットカードやキャッシュカードのスキミングも行い荒稼ぎし、
大会最終日を前に120万ドルも儲けるのです。
儲けは後日30人で山分けするのですが、それまでニッキーが預かります。
こんな時にスリなんかに遭ったら最悪な気分で観戦も楽しめなくなりますよね。
コイツらはなんて残酷なことをしやがるんだと思いました。
ジェスも新参者のくせに何故かチームワーク抜群で大活躍しました。
そんな彼女を、ニッキーは御褒美がてらに、
AFFAボウルの最終戦の観戦に連れて行ってあげることにします。

VIP席で観戦する二人ですが、ジェスが全くアメフトに興味がないことがわかり、
二人は別のことで賭けをして遊ぶことにします。
例えば前に座っている観客がウェーブするかどうか賭けたりしますが、
そんな二人に気付いた後ろの席の中国人客リー・ユァンが
「楽しそうだから私も混ぜてほしい」と言い、アメフトの試合内容をネタに
ニッキーとユァンは賭けることになります。
まず1000ドルを賭け「次に反則を取られるチームはどちらか」を賭け、
ニッキーが勝利するも、ユァンは5000ドルでもう一勝負要求。
「次にボールを持った選手が走るかパスするか」を賭け、今度はユァンが勝利。
5000ドルもの大金を取られてしまったニッキーは引き下がれなくなり、
「ゴールキックが決まるか」に倍の1万ドルを賭けるが、またしてもユァンの勝利。
もう勝つまで止められず、「ニーダウンするか」で5万ドル賭けるも連敗します。
ついに手持ちが尽きたニッキーは窃盗団の儲けに手を付け、
「パスが成功するか」で10万ドルを賭けるも、やっぱり負け、
ついに儲けの残り全額110万ドルを賭けてカード勝負を挑むのです。
…が、やっぱり負けて、預かっていた仲間の分もスッテンテンに…。
どうやらニッキーはギャンブル依存症のようですが、
天井知らずに賭け金を上げる彼に応えられるユァンは相当金持ちですね。
なによりイカサマもせずにこんなに連勝するなんて恐るべき強運です。

泣きの一回、更に倍付で勝負を挑むニッキー。
さすがのユァンも呆れ気味ですが、ニッキーは彼をその気にさせるために、
あり得ないほど不利な条件の賭けを提案します。
フィールドの全選手約100人の中からユァンが好きな選手を当てるというのです。
しかも当てる役目をジェスに任せるというもので、ユァンも乗り気に。
まずユァンが選手をひとり選び、次にジェスがユァンの選びそうな選手を探します。
220万ドルも賭けた大博打なので彼女のプレッシャーも半端なく、
「全く見当が付かない」と焦りながら選手を見渡しますが、
なぜか選手の中に知った顔の男が混ざっていて…。
55番を付けたその選手は窃盗団の仲間のひとりファーハドで、
彼女は何か裏があると察し、「55番」と答えます。
ユァンは「まさか」と驚きますが、なんと的中していたのです。
もちろん偶然なはずはなく、ニッキーが何かイカサマを仕掛けたはずですが、
ボクも全く見当が付かず、とても気になりました。

しかし、そのタネ明かしを聞いてガッカリしたというか、
あまりにあり得ないタネで呆れてしまいました。
ニッキーはユァンが有名なギャンブラーだと知っていて、
今日にいたるまでに彼の目の付くところに「55」という数字を沢山配置し、
さらに中国語で「五五」と聞こえる「woo woo」というコーラスが多用される、
ローリング・ストーンズの「悪魔を憐れむ歌」をヘビロテして、
目と耳から「55」を刷り込ませ、ユァンが知らず知らずのうちに
「55番」の選手を選んでしまうようにしていたとタネ明かしします。
そんな刷り込みがそんなに上手くいくとは思えませんが、
百歩譲って刷り込みが上手くいったとしても、
普通ならユァンが55番を選ぶことは考えられないはずです。
なぜならユァンはAFFAボウルをVIP席で観戦するほどの男なので、
「好きな選手を選べ」と言われれば、贔屓の選手を選ぶはず。
それなのにわざわざ双眼鏡でフィールドを見渡して、
初めて見た選手を選ぶなんてあり得なさすぎるでしょ。
机上の空論にもほどがあるご都合主義で雑な展開です。
これで本作の脚本の酷さが決定的となり、急激に興味が失せましたが、
本作は実はまだ本題にも入ってない状態なので、まだ長々と続き、
もう退屈で退屈で「早く終わらないかな」とばかり考えていました。

その後ニッキーはジェスに8万ドル渡し、急に姿を消します。
それから3年後、彼はブエノスアイレスで、
オータースポーツのオーナーであるガリーガ氏に雇われていました。
ガリーガは開発費4000万ユーロも賭けた自分の車が負けるのをおそれ、
ライバルのマキューレンを嵌めてほしいとニッキーに依頼します。
ニッキーはマキュレーンに偽のEXRを売りつけようと計画しますが、
ボクはモータースポーツに疎いので「EXR」が何かもわかりません。
どうもガリーガ陣営が開発した何かのシステムのらしいのですが、
何を売りつけるかわからない詐欺なんて全然面白くないです。
ただでさえ先の一件で本作に対する興味を失っていたので、
その詐欺の内容を理解しようと努力する気も起らなかったし…。

まぁ売るまでにいろいろ紆余曲折あるんだけど、
半分寝てたので覚えてないから端折るとして、
とりあえずニッキーは偽のEXRなるものをマキュレーンに売りつけます。
マキュレーンだけではなく全チームに勝手に売りつけ、2700万ユーロを荒稼ぎ。
しかし偽のEXRは実は本物だったみたいで、ガリーガが大激怒。
ガリーガの手下に拉致られ、どうやって本物のEXRを手に入れたか尋問されます。
どうやらガリーガの恋人がジェスだったみたいで、ニッキーはジェスを利用し、
相棒ファーハトと協力して、本物のEXRを盗み出したみたいです。
でもジェスは本当はガリーガの恋人ではなく、
彼のレアなピアジェの腕時計を盗もうと彼に近づいていただけみたいで…。
それなら本当はどうやってEXRを盗み出したのか、
ニッキーが白状しようとした瞬間、ガリーガの手下が彼に発砲。
ニッキーは左胸を撃ち抜かれて倒れてしまいます。
ガリーガはニッキーが死んだと思って焦り、どこかに逃げてしまいますが、
実は彼を撃ったガリーガの手下はニッキーの父バッキーで、
息子をガリーガから助けるため、殺したように見せかけたのでした。
乳首の少し上を撃つと心臓や大動脈を傷付けず、肋骨の間を通って、
弾が貫通するみたいで、すぐ治療すれば大事に至らないらしいです。
しかしそんなマンガみたいな正確な射撃を出来るものかな?
それに殺しを偽装するだけなら、本物の銃弾なんて使う必要もないような…。

ニッキーに利用されていたことにジェスは気付いてなかったし、
ジェスがガリーガの恋人じゃないことにニッキーは気付いてなかったし、
ニッキーとガリーガの手下が親子だったことも明かされ、
どんでん返しに次ぐどんでん返しでしたが、もともと詐欺師の話なので、
どんでん返しがあるのは想定できたことだし、
特にニッキーと手下が親子という大ネタは、伏線張りすぎてバレバレでした。
詐欺の極意は「フォーカス(注意)を逸らすこと」というのが本作の主題ですが、
その伏線からは全くフォーカスを逸らせてなかったのが皮肉ですね。
結局、ニッキーは父から応急処置を受け一命を取り留めますが、
稼いだ2700万ユーロは父に持って行かれてしまい、儲けはゼロです。
文字通り死ぬほど危険な詐欺を働いて、一銭も残らないなんて失敗も同然で、
クライム映画としては痛快感もゼロですが、ニッキーとジェスは結ばれたので、
金よりも愛を取った的な展開で、ロマコメとしてはハッピーエンドかな。
詐欺師カップルなんて全然祝福したい気になりませんけどね。

ウィル・スミスも俳優として返り咲いたけど、
こんな薄っぺらな作品の主演では、彼の評価はまだ保留です。
息子を俳優に育てることは諦めたのか、今後は自身の主演作が続くみたいで、
次回作はNFLを題材にしたスポーツ映画『コンカッション(原題)』に主演します。
その次は本作のヒロイン役マーゴット・ロビーと早くも再共演となる
『スーサイド・スクワッド』で主演するみたいですが、
『マン・オブ・スティール』『バットマンvスーパーマン』に次ぐ
「DCコミック・シェアードユニバース」第三弾だから、大ヒット間違いなしです。
ボクとしては楽しみにしていた『スーサイド・スクワッド』のデッドショット役に
落ち目の俳優なんて起用してほしくなかったけどね。
(ちなみにロビーはハーレークイン役らしいです。)

コメント

アメフトのギャンブルが出来すぎなのは同感。ただ中国人の連勝は中国人が強運なのではなく、大勝負に持ち込むためにわざと負け続けた主人公が凄いのだろう。

  • 2015/05/04(月) 14:42:18 |
  • URL |
  • TM #-
  • [ 編集 ]

TMさんへ

言われてみればその通りですね。
『ベスト・キッド』を中国舞台に改変してリメイクした
ウィル・スミスは、親中派というイメージがあったので、
中国人ユァンを凄いギャンブラーとして描いているのではないか、
という先入観で観てました。
まぁあのギャンブラーを中国人の設定にしたのは、
中国市場へのアピールなのは間違いないでしょうけどね。

  • 2015/05/04(月) 17:26:31 |
  • URL |
  • BLRPN #-
  • [ 編集 ]

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