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寄生獣 完結編

昨年11月公開の『寄生獣』を一緒に観に行った人と、
後編である『寄生獣 完結編』も一緒に観に行く予定だったのに、
今月になって急に観に行きたくないと言い出して…。
どうやら5カ月ちかくも間が空いたことで、すっかり醒めてしまったようです。
(代わりに来月、違う映画を観に行くことになりました。)
その気持ちはわからないでもなく、ボク自身も興味が失せ気味だったので、
この際ボクも観るのをやめようかなと思いました。
やっぱり前後編だと間隔を空けすぎるのはよくない気がします。

ところが別の人が完結編を観に行きたいと言い出したので、
急転直下でその人と観に行くことになりました。
どうやら前編公開時は興味が全く無く、観てなかったらしいのですが、
金曜ロードSHOW!で前編を編集した特別編を見て、続きが気になったらしいです。
公開中の映画の関連作をテレビ放映するのって意外と効果あるんですね。
前編公開から時間が経っていたからこそテレビ放映できたので、
(それでも半年も待たずにテレビ放映するのは早すぎますけど。)
一概に前後編の間隔を空けすぎるのがよくないとも言い切れないのかも?
でもやっぱり興収は前作を下回りそうかな?

ということで、今日は前作とは別の人と観に行った映画の感想です。

寄生獣 完結編
寄生獣 完結編

2015年4月25日公開。
岩明均の人気コミックを山崎貴監督が実写化したSFサスペンス2部作の後編。

新一(染谷将太)の暮らす東福山市で、市長・広川(北村一輝)が率いるパラサイトたちの強大なネットワークが形成されていく。彼らの動向を注視していた人類側は、パラサイトの全滅を図るべく特殊部隊を編成して広川と配下たちの根城となっている東福山市庁舎の急襲を画策していた。静かに対決の時が迫る中、パラサイトの田宮良子(深津絵里)は人間の子供を生んだのを機に人類と共存する道を探る。新一とミギーがその鍵になると考えるが、彼は母親を殺したパラサイトへの憎しみと怒りに支配されていた。(シネマトゥデイより)



前述のように、別に観なくてもいいかなとさえ思った本作。
期待できなかった理由は、2部作のくせに前編から5カ月も間隔が空いたことで、
熱が冷めてしまったこともありますが、それ以上に、
どう考えても前編よりも面白くなりそうにないと思えてしまったからです。
予告編もイマイチ面白味が伝わらないものだったのもあるけど、
とにかく前編の盛り上がりが相当なものだったので、
これ以上の内容になるなんて考えられませんでした。
前編は新一とミギーが出会うコミカルでワクワクする展開から始まって、
中盤でパラサイトに乗っ取られた母親に殺されかける展開を契機に、
どんどんシリアスな物語になって、ラストは母親と戦って殺すわけですが、
後編がどれほど壮絶な物語だったとしても、
母親を殺さなければいけないことに勝る悲劇なんて考えられません。
なので後編が前編を超えることはありえないと思えたのです。
それに前半はコミカルで笑いどころも多かった前編と違って、
後編はずっとシリアスな展開が続きそうなのも、しんどそうでした。

と思いつつも観に行くことになった本作ですが、そんな予想はほぼ的中し、
やはり前編を超えるものではありませんでした。
…が、全然期待してないことが功を奏し、予想よりも楽しめた気がします。
前編では少ししか出てない北村一輝、浅野忠信の出番が増え、
新井浩文、ピエール瀧、大森南朋など新キャストも加わって、
出演者は前編よりも格段に豪華になった印象だし、
前編である程度見慣れてしまったとはいえ、パラサイトなどを描くVFXも、
日本映画最高峰のクオリティで見応えは十分で、
前編より劣るとはいえ、日本映画としては高レベルな作品です。
でもやはりストーリーの劣化は否めなく、いくら最高のキャストを集めても、
最高のVFXを用いても、この陳腐な脚本では活かしきれず、ただ勿体ないだけ。
いや、特段に酷い脚本ということもないですが、
やはり前編が良すぎたため、比較してしまいます。
以下、ネタバレ注意です。

母親の仇を討つため、パラサイト狩りを続ける新一でしたが、
彼の右手に宿るパラサイトのミギーは無茶しすぎだと心配します。
現にパラサイトである田宮が作ったパラサイト組織「ネットワーク」では、
幹部の広川市長を中心に、新一を危険視し、早く始末するべきだと意見も。
しかしパラサイトと人間の共存を謀る田宮は、
ミギーと共存する新一を貴重な実験台と考え、手出しを許しません。
しかし凶悪なパラサイト後藤の部下である三木が、独断で新一を襲撃します。
パラサイト同士は脳波で相手が近くにいることを感知できますが、
ミギーは三木から5体分の脳波をキャッチします。
なんと三木は両手両足に別のパラサイトが寄生した複合体で、
頭からだけでなく、両手も伸ばして攻撃できるのでかなり強いです。
しかし人間1人の体に5体が寄生しているので、統率が取り切れてなく、
チームワーク抜群の新一とミギーに返り討ちにされ、頭を落とされ負けます。
ところが新一が去った後、右手が頭に移動し復活し、なんと後藤になるのです。
5体のパラサイトのどれが頭を担当するかで、人格が変わるみたいですね。
パラサイトは宿主の顔を踏襲するものと思っていたけど、
自分で好きな顔になれるということなのかな?
三木は本来右腕のパラサイトだから、右だけに三木なんですね。
新一の右手ミギーもだけど、パラサイトのネーミングセンスは安易で面白いです。
もしや後藤も「五頭」だから?

一方、新一は何者かに尾行されていることに気付きます。
ミギーが感知できないので、尾行者はパラサイトではなく人間のようです。
尾行していた倉森は、新一を観察するために送り込まれた田宮のスパイです。
倉森は田宮がパラサイトだと知らず、恋心から協力しているのですが、
尾行に気付いた新一が、田宮がパラサイトであると彼に教えます。
田宮に騙された倉森は、その事実を公表しようと考えますが、
それが広川市長に知られ、彼のアパートが襲撃され、娘が殺されてしまうのです。
襲撃が田宮の差し金と考えた倉森は、復讐のため彼女の赤ちゃんを拉致します。
母親と言うものを調べるために、妊娠・出産・育成していた田宮でしたが、
いつの間にか我が子(人間)に対して母性が芽生えていて、
我が子を助けるために倉森の呼び出しに応じます。
公衆の面前で赤ちゃんを投げ殺そうとする倉森から我が子を取り戻すため、
顔を変形させて彼を攻撃してしまい、それを見ていた警官たちから、
パラサイトだとバレて一斉射撃を受けて彼女は死んでしまうのです。
しかし我が子だけは被弾しないように守り抜き、その子を新一に託します。
前作に引き続き、何よりも強い親子の絆を描いた展開で、
田宮だけでなく、倉森の娘に対する想いも交差し、感動的でした。
まだ中盤でしたが、ここが本作のクライマックスといってもいいくらいです。
でも被弾を避けるために我が子を髪で包んでガードしますが、
そんなに硬化できるなら自分自身も包んでガードすればいいのにね。
パラサイトを憎む新一も、この件でパラサイトに対する見方が揺らぎます。

一方、警察はパラサイトのコロニー化した市役所に特殊部隊SATを送り込み、
職員全員並ばせてX線スキャナーに通し、パラサイトを見つけて銃殺します。
銃声を聞いたパラサイトたちが逃げ出したので、「移動式スキャナー」を使い、
所内の隅々まで探して、見つけ次第撃ち殺します。
この移動式スキャナーは機械ではなく人間なんですよね。
移動式スキャナーになった猟奇殺人犯・浦上は人間を解体しすぎた影響で、
人間とパラサイトの違いを目視で見分けることが出来るようになったみたいです。
ただ新一にパラサイトが混じってることまでは気付かないみたいですが。
娘を殺され狂気に駆られた倉森や、問答無用でパラサイトを殺すSAT、
そしてパラサイトのように捕食が目的でもないのに人間を殺す浦上など、
本作はパラサイトの脅威を描いた前編とは逆に、
人間の恐ろしさを描く意図があるのだろうと思います。
SATによって議事堂に追い込まれた広川市長は壇上に登り、
「万物の霊長ならば、一種の繁栄よりも生物全体のバランスを考えるべき」と演説。
しかしSATは聞く耳を持たず、浦上がパラサイトと判断したので市長を射殺。
ところが市長は人間だったようで、SATは浦上に担がれたみたいです。
広川市長はネットワークに賛同した、ただの人間だったのですが、
ミギーも前作で市長のことを脳波でパラサイトと判定していた気がしたけど、
いつも隣にいるパラサイトの秘書と誤認したってことなのかな?
三木が5体の集合体だとわかるくらいの精度なのに、ちょっと都合がよすぎますね。

三木市長は間違って殺しちゃったものの、市役所の制圧完了したSATですが、
そこに現れた5体の集合体・後藤に全滅させられるのです。
後藤は三木とは違い、他の4体を完全に統率しているので最強です。
田宮の件の後、新一も市役所に駆け付けますが、強すぎる後藤を見て戦慄し、
車を盗んで(ミギーが運転して)逃げ出しますが、後藤から脳波を追われ、
山奥まで逃げたところで追いつかれてしまいます。
脳波を追われるのは新一ではなくミギーなので、ミギーは新一から離脱し、
囮になって新一だけでも逃がそうと考えます。
自分が生きるために宿主である新一を守っていたはずのミギーが、
新一を生かすために自らを犠牲にするなんて、ミギーも変わったものです。
ミギーは後藤の足止めをして、ズタズタにされて惨敗しますが、
その間に新一はゴミ処理場に逃げ込み、後藤から逃げ切れました。

ところが新一は全身の細胞にミギーの細胞が混じっているためか、
完全にパラサイトの脳波を断つことは出来なくなっていて、
翌朝、またしても後藤から襲撃を受けます。
新一は覚悟を決め、ゴミ処理場の焼却炉内で後藤と対峙。
拾った鉄の棒を突き刺し一矢報いますが、やはり後藤には敵わず殺されそうに…。
その時、後藤の左腕がなぜか新一の右腕と繋がるのです。
なんと後藤はミギーを殺さずに吸収していたみたいで、
ミギーは後藤が攻撃した瞬間に新一の右腕に戻って来たのです。
さらに新一の刺した鉄の棒が放射線汚染されていたみたいで、
後藤は他の4体の統率が取れない状況なり敗北。
なかなか白熱のバトルでしたが、SATをひとりで壊滅するくらいだから、
後藤はもっと強いイメージだったけど、それほどでもなかったですね。
新一は田宮の「我々をイジメるな」という言葉を思い出し、
トドメをさせることを躊躇しますが、やっぱり焼却処分します。
大炎上した車の中からでも生還した後藤が、焼却でちゃんと死ぬのか…。

後藤を倒した後、なぜか他のパラサイトが人間を襲うことも少なくなります。
どうやら食性が変化し、他の物を食べても生きられるようになったみたいで、
田宮の共存計画が実を結び始めたということでしょうね。
でもミギー以外のパラサイトが全てネットワークのメンバーだったことになり、
それもちょっと不自然な気がします。
後藤は人類を食い殺すつもりだったみたいだけど、
本作の舞台である東福山市周辺にしかパラサイトがいないのも変ですよね。
海から湧いて出たのだから世界中にいそうなものなのに…。
ミギーも後藤との決戦で放射性物質によるダメージを負っていて、
その治療のために健康な細胞を使い果たしてしまい、
回復するまで何年か、何十年か活動停止することになります。
ミギーが眠っている間は新一の右手は普通の右手に戻るみたいですが、
新一は右手が戻る嬉しさより、ミギーとの別れを悲しむのです。

この感動的な別れのシーンで終わっていればよかったですが、
この後も蛇足としか思えない展開が続き、本作の評価を大きく損ないます。
普通の人間に戻った新一は恋人の里美と一緒に、
田宮の子供を預けた施設に行きますが、その帰りに、
移動式スキャナーこと浦上に里美が拉致され…、という展開になります。
前述のように本作はパラサイトの脅威よりも人間の恐ろしさが主題なので、
ボスキャラがパラサイトである後藤ではダメだったのかもしれませんが、
正直、普通の人間である浦上との戦いなんて面白くないです。
特に白組を率いる山崎貴監督の作品には凄いVFXを期待しているので、
VFXで描かれたミギーたちパラサイトが登場しないシーンなんて要らないです。
実際は浦上にビルの屋上から突き落とされた里美を、
ミギーが救出してくれるのですが、そのシーンは描かれないし、
ミギーはまたすぐに眠ってしまうので、新一と再会するわけでもなく、
浦上は特殊すぎて、これで人間の恐ろしさが描けているとも思えないし、
本当に全く必要ない蛇足な展開で、非常に残念な幕引きでした。

前編が面白くないと後編を観てもらえない二部作は、
前編に力を注ぐのも当然で、竜頭蛇尾になりがちです。
今後も実写版『進撃の巨人』など二部作で予定されていますが、
後編も頑張ってほしいです。

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