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シンデレラ

ディズニーが『ジャックと豆の木』の映画化を企画しているそうです。
同童話を基に書いた『ビーンスタック』を映像化するらしいですが、
超面白ドラマ『ブレイキング・バッド』の脚本家が書いた物語らしく、
一筋縄ではいかない面白い作品になりそうで楽しみです。
アニメーションになるか実写になるかはまだ明らかにされていませんが、
アニメーションだとディズニークラシックス扱いになるだろうから、
おそらく2019年ごろ公開の58作目『アナと雪の女王2』以降になってしまうので、
実写になる可能性が高い気がします。

それにしても昨今のディズニーはクラシックスの実写化に躍起です。
近年では13作目『ふしぎの国のアリス(アリス・イン・ワンダーランド)』
16作目『眠れる森の美女(マレフィセント)』を実写化し、公開されましたが、
本日も12作目『シンデレラ』の実写版が日本公開を迎えます。
来年には19作目『ジャングル・ブック』が実写化され、
『アリス・イン・ワンダーランド』の続編も公開され、
再来年にはエマ・ワトソン主演で30作目『美女と野獣』も実写化予定。
それ以降もティム・バートンを監督に迎え4作目『ダンボ』を、
ギレルモ・デルトロを監督に迎え『ピノキオ』を実写化。
更に36作目『ムーラン』、17作目『101匹わんちゃん』、
22作目および51作目『くまのプーさん』など、
連日のように実写化情報が飛び込んで来ます。
楽しみなのもあれば、そうでもないのもありますが、
いずれにせよ過去の作品に頼りすぎな印象は否めませんね。

ということで、今日はディズニークラシックス実写化作品の感想です。

シンデレラ
Cinderella.jpg

2015年4月25日日本公開。
ディズニー・クラシックス『シンデレラ』を新たに実写映画化。

貿易商を営む父親が再婚し、継母とその連れ子である姉妹ドリゼラとアナスタシアと暮らすことになったエラ(リリー・ジェームズ)。だが、父親が不慮の事故で命を落とし、それを機に継母と義理の姉妹からつらく当たられ、召使いのように扱われる毎日を送る。勇気と優しさが魔法の力になるという亡き母の教えを胸にひどい仕打ちに耐えてきたエラだったが、ついにこらえきれずに家を飛び出してしまう。森へと馬を走らせた彼女は、城で働いているという青年キット(リチャード・マッデン)と出会い、心惹(ひ)かれるが……。(シネマトゥデイより)



半世紀以上前のアニメーション映画『シンデレラ』を実写リメイクした本作。
前述のようにディズニーは昨今、『ふしぎの国のアリス』と
『眠れる森の美女』をリメイクしましたが、単なるリメイクには留まらず、
前者『アリス・イン・ワンダーランド』は後日談として、
後者『マレフィセント』はヴィランを主人公に据えるという、
原作アニメとは違う、かなり捻ったリメイク作品として制作されました。
しかし正直なところ、どちらもそれほど出来がよかったとは言えません。
前者は別物になったし、後者は原作アニメを否定するような内容となり、
やはり実写リメイクとしては捻りすぎるというのも考え物だなと思いました。
しかし今回は原作アニメにかなり忠実に、ストレートな実写化となっています。
それはそれで、せっかくリメイクするならちょっとは捻ればいいのにとも思うけど、
物語はほぼ同じでも映像的に原作アニメを確実に凌駕しているので、
前二作のように劣化リメイクという印象は受けません。
ディズニーらしい王道フェアリーテイル映画に仕上がっています。

『シンデレラ』を題材の一部にしているディズニー映画といえば、
先月『イントゥ・ザ・ウッズ』が公開されたばかりですが、
『イントゥ・ザ・ウッズ』は捻り倒された内容だったので、
それを観た上で本作も観ると尚更王道感が強まります。
ただ、原作アニメの原作である童話は『イントゥ・ザ・ウッズ』に近い内容です。
(もちろん巨人と戦う後半の部分は別ですけど。)
原作童話とかなり内容が違うのに、これぞ『シンデレラ』と思ってしまうのは、
原作アニメの内容が『シンデレラ』のパブリックイメージになっているからで、
その影響力がディズニー映画の恐ろしいところです。
『塔の上のラプンツェル』や『アナと雪の女王』も
原作童話『髪長姫』や『雪の女王』と全く違う内容だけど、
すでにアニメの方がパブリックイメージ化しちゃってますよね。
こうしてディズニーは世界中の童話をどんどん自社のものにしてしまうのです。
まぁ原作アニメ『シンデレラ』なんかは、パブリックイメージ化どころか、
日本ではパブリックドメイン化しちゃってますけど。
ディズニーが実写化に踏み切った背景にも、その影響はあると思われます。

原作童話とは違うけど、原作アニメにはかなり忠実な本作ですが、
それでも実写化するにあたり、変更されているところもあります。
シンデレラが動物と話せるような設定は、さすがに実写だと奇異に映るので、
かなり控えめになっているなど、実写に合わせた変更が多々見受けられます。
それに伴い、原作アニメの矛盾点も改善されているところもあるし、
アニメではなく実際に人間が演じているので、登場人物も人間味が増し、
ヒューマンドラマとして見応えがあるものになっています。
これでこそ実写にした意味があるというもので、実写リメイクのいいお手本です。
ただやっぱりもうちょい捻ってほしかったけどね。
有名な物語そのままなので、警告する間でもないが、以下、ネタバレ注意です。

牧場を営む裕福な両親と幸せに暮らす少女エラでしたが、
優しい母親が病気で他界してしまいます。
「人生の試練を乗り切る秘訣は、勇気と優しさを持つことよ」という
母親の最期の言葉を胸に、父と2人で前向きに暮らす彼女でしたが、
父が急死したトレメイン卿の未亡人と再婚することになり、
継母とその連れ子の義姉2人とも一緒に暮らすことになります。
しかし継母と義姉は派手好きな上に、とても意地悪な性格で…。
なにしろ彼女たちのペットのネコの名前がルシファーですからね。
ペットに魔王の名前を付けるなんて頭がおかしいに決まってます。
まぁシンデレラも家に住み着いたハツカネズミを友達にしているので、
けっこうな変人だとは思いますけど…。

ある日、父親までもが旅先で病死してしまい、悲しむエラでしたが、
妻である継母は夫の死を悲しむこともなく、財政の心配ばかり。
夜な夜な夜会を催すような浪費家だった彼女は、
完全に財産目当てで再婚したみたいです。
継母は倹約のために使用人を解雇し、エラを使用人のように扱き使います。
いや、扱き使うというよりも完全にイジメですね。
実写にされるとイジメ描写の現実味も強くなって、より陰険に感じます。
それに原作アニメのシンデレラはかなり逞しい性格だったので、
イジメも苦にしないタイプに見えましたが、本作のエラは普通の娘なので、
イジメを我慢しているのがわかるし、より可哀想な印象を受けて、
ホントに見てられないほどの境遇でした。
そんな悲惨な境遇でも我慢し続けたのは実母の最期の言葉である
「勇気と優しさを持つ」ということを実践していたからですが、
言いなりになることが優しさだとは思わないし、
勇気を出して「イジメ、かっこ悪い」って言わなきゃダメですよね。

暖炉の前で寝起きしているエラは意地悪な義姉から
「Cinder Ella(灰だらけのエラ)」と呼ばれショックを受けます。
ボクたちも普通にシンデレラって呼んでるけど、実は悪口だったんですね。
落ち込んだ彼女は気晴らしに乗馬で森へ行きますが、
そこで鹿狩りをしているチャーミング王子に会います。
王子はキットと名乗り、宮殿で父に仕事を習っていると言ったので、
エラは王子が宮殿の家臣の見習いだと勘違いしますが、
紳士的なキットの態度に好感を持ち、彼も美しいエラに一目惚れします。
原作童話や原作アニメでは舞踏会が初対面になるはずなので、
ここはオリジナルな展開ですが、舞踏会前に接点を描くことで、
ロマンスとして説得力が増したような気がします。

宮殿では国王が自分の死期が近いことを悟り、
王子に早く結婚させ、後を継がせようと考え、嫁探しの舞踏会を企画します。
たしか原作アニメでは、早く孫の顔が見たいという理由だったので、
嫁は誰でもよかったはずですが、さすがに実写でそれは嘘っぽいので、
ちゃんと国王らしく国の行く末を憂慮しての政略結婚を目論み、
舞踏会に招待するのも王侯貴族だけの予定でした。
しかし森で会った美女にもう一度会いたい王子は、国民を労うという建前で、
国中の未婚女性全員招待するように申し出、国王もなぜか了承します。
お布令を聞いた継母は娘を王子に嫁がせるチャンスだと大喜び。
エラも舞踏会で宮殿で働くキットと再会できると喜びますが、
継母は自分たちの分しかドレスを仕立ててくれず、エラは着て行くものがなく…。
やはり舞踏会ともなるとドレスコードが高くて、国民全員参加と言われても、
ドレスなんて買えない平民は参加できませんよね。
王子も森であった小汚い恰好の美女がなぜドレスを用意できると思ったのか…。

幸い家事が得意なエラは裁縫で実母の古いドレスを仕立て直します。
原作アニメでは友達のネズミたちがドレスを作ってくれますが、
さすがに実写だとあり得なさすぎるので普通にエラが作ります。
ところが舞踏会当日、ドレスを着たエラを見た継母は、
明らかに娘たちよりも美しい彼女に王子が取られると危機感を覚え、
「そんなボロではダメ」と難癖を付けて、彼女のドレスを引き裂いてしまいます。
置いてけぼりにされて泣くエラですが、そこに小汚い婆さんがやって来て、
「ミルクを一杯ほしい」と言うので、彼女はミルクを用意してあげます。
すると婆さんはフェアリーゴッドマザーに変身するのです。

フェアリーゴッドマザーは魔法でカボチャを馬車に、
友達のネズミ4匹を白馬に、家畜のガチョウを御者に、トカゲを従者に変えます。
ガチョウまではわかるけど、縁も所縁もないトカゲを従者に変えるのはどうなの?
それならエラがトカゲとも友達という描写がほしかったです。
原作アニメだと彼女の愛馬が御者になっていたと思うのですが、
馬を馬として使わず、わざわざ御者にするところが面白かったので、
ここだけは原作アニメの方がよかったかもしれません。
ゴッドマザーは馬車に乗って舞踏会に急ぐように急かしますが、
エラがドレスを繕いたいと言うので、ドレスも出してあげることに。
でもエラが母のドレスに愛着があるので新品は嫌だと言うので、
破れたドレスを「ちょっとだけ変える」と言って魔法を掛け、
エラのピンクのドレスは青い豪華なドレスに変わるのです
色も完全に変わってるけど、袖も無くなっちゃってるし、
ちょっと変えるどころか全然別物になっちゃってますね。
たしかに豪華ですが、個人的には元のピンクのドレスの方が可愛かった気が…。

ドレスは綺麗になったけど、まだ靴が小汚かったので、
ゴッドマザーは「靴の魔法は得意なの」とガラスの靴に変えてくれます。
これで原作アニメの矛盾点だった「なぜ靴だけ魔法が解けないのか」
という疑問が解決されたことになりますね。
馬車やドレスと違って、靴の魔法だけ得意で強力だったからでしょう。
もうひとつ、なぜ舞踏会で継母たちがシンデレラに気付かないかと言う疑問も、
本作では継母たちがエラだと気付かなくなる魔法を
ゴッドマザーがわざわざ掛けてくれるので解決です。
ゴッドマザーから「12時の鐘が鳴り終ると魔法が解ける」と警告され、
エラはカボチャの馬車で宮殿の舞踏会に向かいます。

継母たちには気づかれない魔法をかけられていたエラですが、
王子は舞踏会に現れた謎の王女が森の美少女だと気付き、
彼女にダンスを申し込み、一緒に踊ります。
社交ダンスが踊れるなんてエラは庶民のわりに教養が高いですね。
フランス語も堪能だし、さすがは元・金持ちの子って感じかな。
参加者の王侯貴族や国民も謎の王女の正体に興味津々です。
実はこの舞踏会に参加した各国の王女たちの中には、
ベル、ティアナ、オーロラ姫、白雪姫、アリエルなど、
歴代ディズニープリンセスのドレスを着たいるらしいです。

シェリーナ姫と王子を政略結婚させるつもりだった大公は、
謎の王女と楽しそうに踊る王子を見て焦り、
是が非でも謎の王女の正体を暴こうと奔走しますが結局わからず…。
12時の鐘が鳴り始め、エラは慌ててカボチャの馬車に乗り込んで帰りますが、
(もちろんその途中でガラスの靴が脱げ落ちてしまいます。)
大公は軍を率いて馬車の後を追って来ます。
なかなか迫力のある馬車チェイスですが、その間にも馬車や白馬や従者が、
どんどん元の姿に戻り始める映像は面白かったです。
なんとか逃げ切り、大公に正体はバレませんでした。
でも後から思えば、大公はともかく大尉にここでバレておいた方が、
後々面倒なことにならずに済んだかもしれませんね。

舞踏会後、国王が亡くなります。
王子の結婚相手は王女しか認めないと言っていた国王でしたが、
今際の際に愛する人と結婚することを了承し、喪が明けてすぐ、
王子、いや新国王は謎の王女に名乗り出てほしいとお布令を出します。
エラは宮殿に忘れて来たガラスの靴のもう片方を持参して名乗り出れば、
自分が謎の王女だとわかってもらえると考えますが、
床下に隠しておいたはずのガラスの靴の片方が無くなっていて…。
なんと継母が見つけて持っていたみたいです。
おお、これは予想外なオリジナル展開で盛り上がりますね。
継母は名乗り出て新国王に嫁ぐなら、私を後見人にしろとエラに迫ります。
宮殿の女官長となって、若造の新国王を操ろうと考えたみたいです。
エラは新国王と国民を守るため、断固拒否しますが、
怒った継母にガラスの靴を割られた挙句、屋根裏部屋に監禁され…。
そして継母は謎の王女との結婚反対派の大公に会いに行き、
ガラスの靴の破片を見せて脅迫し、エラのことを公表されたくなければ、
自分を伯爵夫人にして、娘たちに良縁を用意するように約束させます。
原作アニメとは格が違う、とんだ大悪人になった継母ですが、
これはもう立派なディズニーヴィランの仲間入りですね。

この約束は大公にとっても好都合で、エラが監禁されているうちに
謎の女王探しをして、どうしても見つからないと新国王を諦めさせ、
自分の斡旋したシェリーナ姫と結婚させるチャンスです。
大公は国中の未婚女性に残されたガラスの靴を履かせ、
ピッタリ合う女性を見つけようとする行脚を行います。
もちろんエラが監禁されているのは知っているので、
靴にピッタリ合う女性が現れないのも承知の上のパフォーマンスです。
まぁ靴のサイズが同じ女性なんて五万といる気がしますが、
エラはよほど足が小さいのか、そんな女性は見つからず…。
そんなことはあり得ないと思いますが、なにしろ魔法のガラスの靴なので、
エラ以外履けない魔法がかかってるということにしときましょうか。

ガラスの靴に合う女性探し行脚も最後の一件となり、
大公はついにエラの牧場にやって来ます。
屋根裏に閉じ込められているエラはガラスの靴を履く機会もありませんが、
義姉2人は挑戦してみるも、当然合うはずありません。
でも大公や継母にとっては、エラさえ見つからなければ思惑通りで、
これで王子を政略結婚させられると意気揚々と帰ろうとする大公でしたが、
屋根裏の窓をネズミが開けたため、エラの美しい歌声が外に漏れ、
大公に同行していた大尉がそれを聴き、牧場にまだ娘がいることに気付きます。
大公は無視して帰ろうとしますが、大尉の率いる兵士のひとりが
なんと新国王の変装で、歌う娘を連れて来るように命令。
エラは新国王の前でガラスの靴を履き、当然ピッタリ合い求婚されるのです。
まぁさすがに新国王もガラスの靴を履く前から
彼女の姿を見て謎の王女だと気付いてましたけどね。
2人は結婚し、末永く幸せな王国を統治し、めでたしめでたし、です。
結婚式の白いドレスのエラが最も原作アニメのシンデレラっぽい雰囲気ですね。
一方、大公は失脚し、継母たちと共に王国から姿を消しましたが、
あの図太い継母たちなら、どこかでまた金持ちを誑し込んでそうです。

絵に描いたようなシンデレラストーリーで、女性なら憧れの物語でしょうが、
ありのままの自分を見せる勇気を説いた結末だったわけだけど、
結局エラが王子に見初められたのは美人だからで、
勇気と優しさを持っているだけではこんなうまい話はないでしょうね。
まぁ多少ご都合主義でも絶対ハッピーエンドになる安定感も
ディズニー映画の魅力ですけどね。
原作アニメはミュージカルなので、劇中歌も多いかなと思ったのですが、
本作は数曲だけで意外に少なかった印象です。
でも使われている劇中歌は原作アニメのものを踏襲していたし、
使いどころも気が利いていたので、なかなかよかったと思います。

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