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セッション

昨日、FC2社の代表が逮捕されたと報道されました。
FC2の動画サイトで利用者の性行為のライブ配信に関与した
公然わいせつの疑いで逮捕されたみたいです。
FC2社は「当社の代表ではなく委託先の社長が逮捕されただけ」と弁解してますが、
事件発覚後に利用者に対し説明責任を怠る同社の話なんて全く信用できません。
今回の逮捕劇の影響はFC2動画だけに留まらず、
ここFC2ブログにも波及するような気がします。
下手すればサービス終了の可能性もあり、現に管理画面のバナー広告が消え、
単なるFC2側の自粛なら問題はないが、スポンサーが引き上げたのかも。
広告収入を得られなければ当然無料ブログの運営なんて不可能なので、
FC2ブログは沈みゆく船かもしれません。
来月でteacupからFC2に引っ越してきて丸2年になりますが、また引越しかな。
それは面倒なので、できれば膿を出し切って、健全に再出発してほしいが、
委託先に責任丸投げするようなFC2社に自浄は期待できません。

そんな状況ではボクも更新意欲が減退しちゃうし、
現に昨日は執筆意欲が湧かず、更新できませんでした。
今日は更新しますが、執筆意欲が完全に回復したわけでもないので、
暫くは200行を超えるような長文は書けそうにないです。
でもその方が訪問者様には読みやすくていいのかもしれません。
これを機に、また文章を短くする努力をしてみようかな。

ということで、今日は短めの感想です。
仮にもオスカー作品なので、普段なら長文になるところですが…。

セッション
Whiplash.jpg

2015年4月17日日本公開。
J・K・シモンズ出演のヒューマン・ドラマ。

名門音楽学校へと入学し、世界に通用するジャズドラマーになろうと決意するニーマン(マイルズ・テラー)。そんな彼を待ち受けていたのは、鬼教師として名をはせるフレッチャー(J・K・シモンズ)だった。ひたすら罵声を浴びせ、完璧な演奏を引き出すためには暴力をも辞さない彼におののきながらも、その指導に必死に食らい付いていくニーマン。だが、フレッチャーのレッスンは次第に狂気じみたものへと変化していく。(シネマトゥデイより)



本作は第87回アカデミー賞で、作品賞他5部門ノミネート、
助演男優賞他3部門受賞したオスカー作品です。
特に助演男優賞を受賞したJ・K・シモンズの評価はかなり高く、
第72回ゴールデングローブ賞助演男優賞をはじめ、
様々な映画賞を総なめにしています。
たしかに鬼気迫る演技で素晴らしかったとは思うのですが、
彼の今回の役が助演というのがどうにも納得できません。
主人公の学生ニーマンと対決する鬼教授フレッチャー役ですが、
ボクの印象からするとこれはW主演です。
本来なら主演男優賞にノミネートされるべきだったと思ってしまいますが、
もし本当に主演男優賞にノミネートされていたらと思うと、
たぶん受賞は無理だったんじゃないかなと思うんですよね。
なんだかシモンズに受賞させるべくしてノミネートされた出来レースのような…。

それにシモンズの高評価に対して、
主人公ニーマンを演じる主演マイルズ・テラーがあまりにも評価されてない気が。
どの映画賞でもほとんど主演男優賞にノミネートすらされてません。
若手なのにベテラン俳優シモンズの鬼気迫る演技に
必死に食らいつく迫真の演技で、それは決してシモンズに劣るものではなく、
むしろ肉体的には彼の方が何倍、何十倍もキツイはずなのに…。
ニーマンよろしく、実際に手から出血するほどドラムを叩いたそうで、
ドラムに飛び散る血の一部は意外と本当の血かもしれません。
テラーが下劣コメディ映画出身という経緯から軽視されたのか、
これまでロクな受賞歴がないベテランのシモンズを
功労賞的に受賞させようという力が働いたのか、
やはり映画賞なんて権威主義だなと思ってしまいますね。

とはいえ録音賞も受賞しているだけあって、音楽は抜群。
ドラムの音で鼓膜が振動するのがわかるくらい臨場感のある音楽です。
とはいえ、それも映画館という最高の音響環境があってのことなので、
是非設備の整った映画館での鑑賞をオススメします。
作品賞、脚本賞にもノミネートされているので、物語も悪くないですが、
やっぱり最後に印象に残ったのは音楽だったように思います。
以下、ネタバレ注意です。

プロのジャズ・ドラマーを目指すニーマンは名門シャッファー音楽院の一年生。
ある日の授業中、彼は名指導者と名高い指揮者フレッチャー教授から、
音楽院のスタジオバンドの控えのドラマーとしてスカウトされ有頂天に。
しかしフレッチャー教授はスタジオでは異常に厳しい鬼指導者で…。
椅子は投げるは顔は叩くは体罰上等だし、生徒に対する罵詈雑言も酷いですが、
それはもう厳しいというか理不尽なんですよね。
ニーマンの初練習の時も意味なく練習開始の3時間前(早朝6時)に呼び出すし
(まぁこの時はニーマンが寝坊で遅刻したので結果的に助かりましたが。)
フレッチャーは練習中「音程がズレてるぞ」と怒り出し、
トロンボーンの生徒を追い出しますが、
実際にズレていたのは他の生徒で、その生徒はお咎めなしです。
フレッチャーはトロンボーンがズレてないことがわかっていながら、
なぜかそんな理不尽なことをするんですよね。
スタジオの外では意外にも気さくで、休憩中ニーマンにも声を掛けてくれるが、
それも生徒の弱みを握る作戦で、世間話で彼の両親が離婚したのを聞き出すと、
練習中に「そんな甘ったれだから母親が出て行くんだ」と、
他のバンドメンバーの前で彼を侮辱しまくるのです。
そんなプライベートな心の傷を抉るなんて、さすがに反則ですよね。

有名楽団のスカウトも観に来るオーバーブルッグ・ジャズ・コンテストの日。
控えで参加したニーマンは主奏者タナーから楽譜を預かるが、
ちょっと目を離した隙に楽譜が失くなってしまうのです。
ベンチに楽譜を置いて、自販機でジュースを買ったほんの一瞬なので、
ホントにどこに紛失しちゃったんだろうって感じですね。
劇中では誰が盗ったとか原因は描かれなかったので気になります。
主奏者タナーはニーマンが楽譜を失くしたとフレッチャー教授に言うが、
教授は「楽譜の管理は自分の責任、預けるのが悪い」とニーマンを弁護。
楽譜がないと演奏できないというタナーの代わりに、
暗譜しているニーマンが演奏することになり、そこで結果を残し、
ニーマンは主奏者に昇格することになります。
ニーマンを庇ったり、結果を残せばちゃんと評価してくれるなんて、
フレッチャーも意外と公平なところもあるんだなと思いましたが、
やっぱりそんなに簡単に主奏者として認めてはもらえません。

後日、フレッチャー教授は主奏者候補の新人コノリーを連れてきます。
どうやらニーマンは臨時の主奏者だったらしく、
コノリーに主奏者を取られないかと戦々恐々です。
もちろんタナーも主奏者返り咲きを狙っていてドラム争いは熾烈を極めます。
そのプレッシャーとストレスで余裕が無くなったニーマンの精神は病み始め、
文字通り血の滲むような練習に明け暮れることになります。
スティックを持つ掌のマメは潰れ、何重にも絆創膏を貼って練習を続けますが、
あんなに絆創膏が分厚くなったら逆に演奏の邪魔になりそうですね。
血塗れの手を氷水に突っ込んで冷やしたりもしますが、
そんな過酷な練習を続けたら、ドラマー人生が短くなりそうです。
でもニーマンはストイックになりすぎて傍目には嫌な奴になってしまったので、
彼がどんな過酷な目に遭っても気の毒だとは思わなくなったけどね。
従兄弟に対する傲慢な態度も酷かったけど、恋人ニコルのことを
「ボクが偉大になるために君は邪魔だ」と一方的にふるなんて最低です。
後にヨリを戻そうとして逆にふられた(男が出来ていた)時は痛快でした。

激しいレギュラー争いの結果、ニーマンが主奏者としてダネレン大会に出場。
大会当日は現地集合だったが、ニーマンの乗る路線バスがパンクで動けず、
出番が迫る中、彼は慌ててレンタカーを借りて会場入りします。
しかしレンタカーショップにステックを忘れて来てしまい取りに戻るはめに。
スティックなんてどれも大差ないんだから借りればいいのに、
控え奏者タナーやコノリーとは険悪だから借りれないんでしょうね。
レンタカーショップから再び会場に向かう途中、彼の車はトラックに衝突し横転。
それでも主奏者を控え奏者に奪われたくない彼は
血塗れで這いつくばりながらも会場入りしステージに立ちますが、
まともに演奏できるはずもなく演奏を止めてしまう大失態を演じるのです。
この事故はケータイを使いながら運転していたニーマンが100%悪く自業自得。
バスの故障は不運だが、大事な大会なら公共交通機関が遅れても間に合うように、
もっと早めに会場入りするように心掛けるのが常識で、同情の余地はないです。

ボロボロのニーマンは、フレッチャーから「お前は終わりだ」と冷酷に告げられ、
ブチ切れて「殺してやる!」とステージ上で彼に殴りかかります。
当然大問題になりニーマンは退学処分となります。
しかしフレッチャーも解雇されることになるんですよね。
まぁ血塗れの生徒をステージに上げたら、そりゃ問題にもなりますが、
それよりも彼の元教え子ショーンが鬱で首吊り自殺したらしく、
学院側もフレッチャーの指導方法に問題があるのではないかと調査をはじめ、
被害者ニーマンにも聴取に来て、密告を受けて解雇したみたいです。
むしろあれほど酷い指導を繰り返していて、今まで密告されなかったのが不思議。
理不尽に追い出されたトロンボーンの生徒とか、
なぜ学院に文句を言わなかったのでしょうね。
やっぱり自殺者が出なければ学院は黙認していたかな。

退学になりドラムもやめてしまったニーマンは、4カ月後、
あるジャズ・クラブでゲスト出演しているフレッチャーに会います。
フレッチャーは解雇されてから、プロバンドの指揮の仕事をしているそうで、
今度バンドがJVCジャズ・フェスティバルに出るのですが、
ニーマンにドラムとして参加してほしいと頼みます。
フレッチャーはニーマンをシゴいたのは、どんな嫌な目にが遭っても諦めず、
練習を続け偉大なサックス奏者になったチャーリー・パーカーのような
偉大なドラマーを育てたかったからだと弁明され、
ニーマンも溜飲を下げ、そのプロバンドに参加してあげることにします。
パーカーは演奏中にミスした罰としてシンバルを投げつけられたそうで、
偉大な人物を育てるには罰も必要だという考えみたいですね。
この事実については本作には否定的な意見もあるみたいで、
シンバルを投げられたのは別に罰のためではなく、
才能と体罰は無関係だと言う見解もあり、批判されたりもしてますが、
別にそれは登場人物の一人の考え方なだけであって、
本作自体は体罰を推奨しているわけではないと思います。
なにしろ体罰によって自殺者が出ている展開ですからね。

実はフレッチャーに認められていたとわかり、
意気揚々とバンドに参加したニーマンですが、本番のステージで、
指揮者フレッチャーがMCで、新曲「Upswingin'」を演奏すると言い出し、
スタジオバンドで演奏した「Caravan」と「Whiplash」しか
演奏しないと聞かされていたニーマンは動揺します。
フレッチャーは彼に「私を舐めるな、密告したのはお前だろ」と言い…。
どうやらニーマンに恥をかかせようとハメたみたいです。
ニーマンは何とかアドリブで乗り切ろうとしますがグダグダで…。
フレッチャーに「やはり無能だ」と侮辱され、舞台袖に引っ込みます。
ハメられたのは気の毒ですが、ちゃんとバンドの練習にも参加していたら、
新曲をやることもわかったはずので、飛び入り参加した彼の自業自得。
むしろ気の毒なのはそんな個人的因縁に演奏を台無しにされた
他のバンドメンバーですよね。

泣いてパパの胸に飛び込み、慰めてもらったニーマンは再びステージへ。
そしてフレッチャーのMCの最中、勝手に「Caravan」を叩き始めます。
バンドメンバーも驚きながらも合わせて演奏してくれ、
フレッチャーもやむなく指揮することになります。
それが素晴らしい演奏でフレッチャーも感心。
「Caravan」終了後もニーマンはドラムを叩くのをやめず、
そのまま超絶テクのドラム・ソロに突入。
その鬼気迫る怒涛の演奏にはフレッチャーも彼を認めざるを得ず、
見事なステージを見せ、めでたしめでたしです。
結局、フレッチャーの望む通り、シゴキで天才ドラマーを育てたわけですが、
予定外の新曲をするというのも、嫌がらせではなくシゴキの一環だったかな?
ニーマンは素晴らしい演奏をすることで見返そうとしたのでしょうが、
結局憎むべきフレッチャーの指導にお墨付きを与えたようなっもので、
この勝負はやっぱりフレッチャーの勝利でしょうね。
でも自殺者が出るような指導はやはり正しいとは言えないので、
フレッチャーにはもっと反省してほしいと思うし、
ニーマンにも余計なことをするなと思ってしまいました。

フレッチャーもニーマンも不愉快なタイプの人間ですが、
作品自体はなかなか愉快な内容だったと思います。
第87回アカデミー賞の作品賞候補8本のうち本作を含め7本観ましたが、
暫定4番目に面白い候補作でした。
残る候補作1本『グローリー/明日への行進』は再来月公開です。

…書き始めたら、意外と長くなっちゃったな。

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