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戦慄怪奇ファイル コワすぎ!最終章

先週土曜日からシネリーブル梅田で1週間限定レイトショー上映していた
白石晃士監督の『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!最終章』ですが、
この作品は来月2日にもDVDリリースされるので、
あえて劇場で観ることもないと思っていたのですが、
来場者特典が非常に気になるものだったのでシネリーブルに観に行きました。
先日書いた『ドラゴンボールZ』の感想記事では、
特典商法に対して異を唱えた手前、特典に釣られて面目ないです。

でもこの来場者特典ですが、数に限りはあるものの
『ドラゴンボールZ』のように先着ではなく、抽選なんですよね。
各日、上映終了後に当選した座席番号が掲示され、
当選者はカウンターで自分の席の半券と特典を引き換えるのです。
特典目当てで観に行ったボクとしては、是が非でも当選したいところ。
そこで日曜日に観に行くことにしました。
翌日がブルーマンデーな日曜日のレイトショーは、
映画館も客入りが悪くなることは映画ファンの常識なので、
客が少なくて当選確率が上がることを期待しました。
更に平日が各日当選者数10名なのに対し、
金土日は20名に当たるビッグチャンスです。
1週間限定なので土曜日は公開初日で客が多そうだし、
最終日の金曜日は白石監督らの舞台挨拶が付いているため混雑必至。
これは当選者数は多く客は少なそうな日曜日に行くしかないと考えました。

一番当選確率が高そうな日を選んだものの、当日どれくらいの客が来て、
実際どれくらいの確率になるのか、(座席予約できる)3日前からドキドキ。
前作の公開時はホントに連日満席だったので、111席全て埋まっていたら、
用意された特典の数は平日の倍でも、当選確率2割未満です。
上映終了後に発表されるなんて、ドキドキして作品に集中できないじゃないか、
なんて考えながら劇場に行ったのですが、劇場入りしてビックリ。
想像を絶する客の少なさで…。
上映開始時の目算で客は十余人しかおらず、もれなく全プレ状態です。
律儀に当選座席は発表され、それを見たところ来場者15人だったみたいで、
ここ数日ドキドキして損したって感じです。
でも平日だったら15人でも抽選が行われるので、この日を選んで正解だし、
特典を貰える確信があったので作品も落ち着いて楽しめたのでよかったです。

…でもその特典自体は期待していたほどの物ではなかったかも。
これなら舞台挨拶付きの金曜日を選んだ方がよかった気も?
ということで、今日は特典目当てで観に行った映画の感想です。
もちろん特典が欲しいくらいなので、作品自体も大好きです。

戦慄怪奇ファイル コワすぎ!最終章
戦慄怪奇ファイル コワすぎ!最終章

2015年4月11日公開。
ホラードキュメンタリー『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』シリーズの最終章。

取材時に工藤(大迫茂生)と市川(久保山智夏)が異世界にのみ込まれてから1年半後も、彼らの消息は不明だった。そんなあるとき、新宿の上空に謎の巨人が突如出現。政府当局の調査で危険な存在ではないとされ、異様な存在はそのまま放置される一方、カメラマン田代(白石晃士)は行方不明の二人を現世に連れ戻すため調査していた。(シネマトゥデイより)



全国各地の心霊・怪奇現象を取材・調査する
ホラードキュメンタリーシリーズ『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』。
5作がオリジナルビデオとしてリリースされ、
前作の6作目『史上最恐の劇場版』は、その名の通り劇場公開されました。
上記のように前作がシネリーブル梅田で上映された時は連日満席で、
さすがは劇場版になるだけあり、本当に人気のある作品だなと驚きましたが、
その大人気作の続編である本作が、まさかこんなに閑散としているとは…。
やはり前作は直前にニコニコ動画で無料配信された過去作を観たニワカが、
劇場に大量に湧いたのが大盛況の原因かもしれません。
ニワカが湧いたことで、ホラー映画なのに大爆笑するマナー違反が続発し、
本当に不愉快な環境で観ることになってしまいました。
しかし今回は直前に前作の無料配信等を行ってなかったためか、
お客さんは本当のファンばかりで、シリーズの楽しみ方は熟知していて、
変な爆笑も起こらず、とてもいい環境で鑑賞することができました。

しかし本作の劇場公開がアナウンスされた時には、
新作が観れることの喜びよりも、「騙された」と憤りを覚えたものです。
というのも本作のタイトルに「最終章」と銘打たれていたからで、
白石監督は以前に「まだまだ続ける、2桁は行く。」
「劇場版に続くビデオシリーズも期待してほしい。」みたいなことを言ってたので、
まさか通算7作目、劇場版の次の作品でシリーズ終了になるなんて、
本当にガッカリさせられました。
あんなに大盛況だったのに劇場版の成績が悪かったのか…。
しかし本作をいざ観たら、なぜ「最終章」になったのか納得できました。

本作はホラードキュメンタリーシリーズ最新作ですが、
もちろんフェイクドキュメンタリーでもあります。
というかホラードキュメンタリーは全てフェイクドキュメンタリーですけどね。
白石監督お得意のPOV(主観撮影)形式で撮られていますが、
本作のPOVとしての最大の特徴は、ネット動画で生配信されているという体裁で
制作されていることで、物語がリアルタイム進行することでしょう。
それがハンディカメラ一台で撮影されているという設定なので、
まるでオスカー『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』のように
あたかもワンカットで撮られたかのような映像になっています。
白石監督はシリーズ4作目以降、ワンカットシーンに挑戦していますが、
せいぜい20分程度の一部のみだったので、全編ワンカットはシリーズ初です。
いや、白石監督の前作『ある優しき殺人者の記録』をスピンオフと考えれば、
シリーズ初の全編ワンカット作品はそちらかもしれません。
実際は序盤にインサートも使っているので、厳密にはワンカットではないけどね。
以下、ネタバレ注意です。

ホラードキュメンタリー『コワすぎ!』の劇場版の撮影中。
ディレクターの工藤とADの市川が異世界に飲み込まれ、
その後なぜか新宿の上空に謎の巨人が出現します。
しかし政府の調査で巨人に危険性はないと判断され、そのまま放置されます。
一方、現世にひとり残されたカメラマン田代は、それから一年半後、
巨人の謎を解明し、工藤と市川を救おうと調査を続け、
その調査報告の場として「Tストリーム」という番組を自宅から生配信します。
本作は客(視聴者)がその生配信番組を見ているという設定なので、
劇場の大スクリーンで観るよりも、自宅のパソコンで観た方が臨場感があるかも。
リアルタイムで進行するため、更なる臨場感を追及するなら、
劇中の時間に合わせて観た方がいいので、夜明けの約2時間前がベスト。
大阪では1週間限定公開でしたが、東京では2日間限定公開だったみたいで、
やはり本作は劇場よりも自宅で楽しんでもらいたいのかもしれません。

新宿上空に巨人が現れて以来、東京中にゴミ袋で作られたような
呪術的で不気味な人形が沢山放置されます。
人形が数体現れたという情報を得た田代は生配信前日に調査に行くが、
人形の周囲に何やら巨人を仰ぎ拝む謎の集団がいて、
そのリーダー格の女性がなんと2作目「震える幽霊」で失踪した上村早苗で…。
さすがは最終章だけあって、過去作の登場人物も沢山登場しそうで、
過去作の謎も全て解き明かされるかもしれないと期待しました。
残念ながら上村は正気ではなさそうで、有力な情報は得られず…。
そんな昨日の映像をインサートしながら番組は進行しますが、

番組の途中にベランダで物音がしたため田代が確認に行き部屋に戻ると、
包丁を持った江野祥平という男が座っていて…。
ボクは「この男、何か見覚えあるけど、シリーズに登場したかな?」
と思ったのですが、田代は彼を知らないみたいでシリーズ初登場のようです。
江野祥平は2009年公開の『オカルト』の主人公で、見覚えがあるのはそのためです。
『オカルト』はある未解決の通り魔殺人事件のドキュメンタリー番組を
制作することになった白石監督が、その事件の生存者の江野に密着すると、
怪奇現象に巻き込まれてしまう…、という内容のフェイクドキュメンタリーです。
本作で江野は白石監督が演じる田代に対し「君には別の世界で恩がある」
と言いますが、その別の世界での出来事が『オカルト』だったのでしょう。
江野が田代のことを「白石くん」と呼ぶのもそのためです。
『オカルト』の江野の後日談(?)としては『殺人ワークショップ』もあります。
こちらは関西公開されなかったのでボクは観れませんでしたが、
最近制作された韓国映画『ある優しき殺人者の記録』だけではなく、
シリーズ以前に制作された『オカルト』も『殺人ワークショップ』も、
『コワすぎ!』のシェアードワールドだったという興味深い展開です。
(別世界なのでシェアードワールドというのは語弊があるかな?)

別世界から来た江野は法力を使って、ある男を出現させます。
その男は2作目「口裂け女捕獲作戦」で失踪した矢野明で、
工藤DやAD市川と同様に異世界に飲み込まれていたそうです。
そして田代に「工藤や市川を呼び戻せる方法がある」と告げ、
別世界での恩を返すために協力してくれると言うのです。
その方法とは夜明けまでに4つの困難なミッションをやり遂げることで、
田代は言われるがまま、そのミッションに挑戦することになり、
江野の法力で、1つ目のミッションを行う場所に瞬間移動します。
何というか、ドキュメンタリー体裁のフェイクドキュメンタリーとは思えない
序盤からぶっ飛んだSF展開ですが、それも本シリーズならではの魅力です。

1つ目のミッションは、路上でホームレスが大事そうに抱えている
例のゴミ袋人形2体を奪い取ることです。
田代は人形を譲ってくれと頼みますが、ホームレスは10万円を要求。
10万円どころか財布も持ってない田代は力尽くで強奪し、ミッション成功です。
完全な傷害事件(ついでに窃盗事件)なので犯罪ですが、
この4つのミッションはどれも違法行為になるそうです。
まぁ撮影のためには犯罪も辞さない工藤Dの下で働く田代にとっては、
ホームレスに関節技極めて人形(ついでに靴も)強奪するくらい朝飯前ですね。

意外とチョロいかもしれないと思ったミッションでしたが、
2つ目のミッションは夜道を歩くある女性の穿いているパンツを食って、
その嘔吐物を先程の人形の中に入れろというものです。
さすがの田代の性犯罪に躊躇いを感じますが、後で自首する覚悟で、
その女性に「パンツください」と声をかけますが、変態と思われて拒否られ、
結局やっぱり力尽くで脱がして、パンツをゲットします。
その行為自体もけっこうキツいけど、パンツを飲み込むのもキツそうですね。
田代はワーム状の嘔吐物を2体の人形に入れ、2つ目のミッション成功です。

2つ目も上手くやれば円満にパンツ貰えたかもしれないし、
やっぱり意外とチョロいかもしれないと思いましたが、3つ目は相当過酷でした。
3つ目のミッションを行う場所に瞬間移動すると、
そこはどうやら人形を作っている民家の一室らしく、
大量に転がる人形の中に包丁を持った女性が座り込んでいました。
その女性は前作「史上最恐の劇場版」で失踪した大畑菜々で、
田代は「まさか彼女を殺せというミッションか」と動揺します。
でも殺人ではなく、彼女の持っていた包丁で自らの右手の小指を切り落とし、
縦半分に割いて2体の人形に入れろというのが3つ目のミッションです。
指を詰めるだけでも嫌すぎますが、自分でやるなんて絶対無理ですよね。
ボクも自分のパーツが欠損するくらいなら、他人を殺すが楽な気がします。

さすがの田代も逃げ出しますが、なぜかその民家から出ることは出来ず…。
しかも江野曰く、その消極的行動のせいで法則が変わってしまったらしく、
ミッションはさらに困難なものに変化してしまいます。
小指詰めるより困難なことなんてなかなかないだろ、と思ったら、
なんと小指だけではなく親指まで切り落とし、その指を1本ずつ、
人形に入れるというミッションに変わるのです。
田代も覚悟を決めて指を切ろうとしますが、何度も何度も躊躇い…。
見かねた江野が拳銃を突き付けて早くするように脅しても、やはり躊躇い…。
ところがカメラに拳銃を向けられた瞬間に、あっさり切り落とすんですよね。
さすがはカメラマン、カメラを壊され、撮影が止められることに比べたら、
指の一本や二本は我慢できるってことでしょう。
しかも指が3本でも撮影できるように、カメラを右手にガムテで固定。
カメラと一体化してしまう見上げたカメラマン根性です。
切り落とした小指と親指を人形に入れて、3つ目のミッション成功です。

これ以上に過酷なミッションなんてあるのかと思いながら、
最後のミッションを行う場所に瞬間移動します。
そこには昨日会った上村が這い蠢く人形に囲まれて立っており、
彼女の頭を拳銃で撃ち抜き、飛び散った脳みそを2体の人形に入れろ、
というのが最後のミッションらしいです。
殺人なので過酷と言えば過酷ですが、3つ目より楽そうですよね。
しかも江野曰く、彼女は向こうの世界に片足突っ込んでるそうなので、
もうすでにバケモノみたいな存在らしいので罪悪感も薄れます。
それでも田代はかなり躊躇しますが、結局実行するのです。
ちなみに3つ目で田代が逃げようとしなかったら、
最後のミッションは彼女の髪の毛を人形に入れるだけで済んだそうです。
それなら楽勝ですが、徐々にミッションが難しくなる設定とは矛盾しますね。

ミッションをやり遂げた田代と江野は、『コワすぎ!』の事務所に瞬間移動。
間もなく2体の人形のから工藤DとAD市川が出て来て、
ついに2人を異界から呼び戻すことに成功したみたいです。
しかし小指と親指を逆に人形に入れてしまっていたみたいで、
2人の肉体と中身が入れ替わってしまっていて…。
工藤のような市川と市川のような工藤の姿は面白くて、
ホラードキュメンタリーは笑いながら観るものじゃないと思うボクも
思わず吹き出しそうになってしまいました。
肉体が入れ替わったことのショックよりも、自分が異界に吸い込まれた後に
劇場版がヒットしていたことを喜ぶ工藤が、相変わらずで笑えました。

しかしそうこうしているうちに、現世と異界の境界が曖昧になり始め、
工藤も「こんな世界じゃホラードキュメンタリーが売れない」と焦ります。
異界から進攻されそうなのに、そんなことを心配するのが可笑しいです。
工藤が世界を戻す方法を江野に問い詰めると、
時間を遡り巨人が誕生する原因をぶち壊せばいい、と返答が。
巨人を作る研究をしていた工藤の両親を、工藤が生まれる前に戻って、
巨人を作らないように説得すればいいみたいです。
江野の法力と2作目で登場した異界スポットの歩道橋の力で時間を遡りますが、
彼らにとっては時間移動なんてもう慣れたものですね。
時間移動したのにリアルタイムの生配信が続いているというのは
一体どうなってるのかと思っちゃいますが、深く考えたら負けです。
時間移動のワームホールの中では、過去の登場人物やバケモノが総登場し、
シリーズのクライマックス感を否応なく盛り上げてくれます。

両親の説得は意外とあっさり成功しますが、その途端時間が停止。
どうやら巨人の干渉により、改変した新しいタイムラインが止まったみたいで、
動かすためには、元の時間に戻り巨人を倒さなくてはいけません。
そして元の時間の歩道橋に戻った4人。
その真上に巨人が浮かんでいますが、江野曰く巨人はヨモツヒラサカの出口で、
自分が弾丸になるので、出口が開いた時に撃ち込んでほしいと工藤に頼みます。
すると工藤の右手は拳銃と融合し巨大なバズーカになり、
AD市川が支えて照準を固定し、江野弾丸を撃ち込み見事命中。
巨人は崩壊し、新しいタイムラインが動き始めるのです。
つまり歴史が改変された新しい世界が生まれるということで、
元の世界の人々の記憶も消える(書き換えられる)ことに。
それは工藤たちも例外ではなく、改変されたタイムラインでは
田代と市川にも出会わないかもしれないし、『コワすぎ!』もなかったことに。
しかし工藤は、新しい世界でも2人を見つけて引き込み、
『コワすぎ!』シリーズを作ってみせると宣言。
「『コワすぎ!』はまだ終わらないんだよ!」と叫んで本作は終了します。

さらにその言葉の通り、エンドロール後に「2015年 新シリーズ始動」と表示され、
シリーズがこの「最終章」で完結しないことが明示されるのです。
これにはシリーズ終了が残念だったボクも嬉しかったです。
おそらくどんどん内容がインフレし、収集が付かなくなった大風呂敷を一度畳み、
新しい世界という設定でリブートするための「最終章」だったわけですね。
言わば巨人(鬼神兵)編が終了したって感じでしょうか。
たしかにボクも物語が壮大になりすぎて、ビデオシリーズ時代のような
都市伝説を調査するホラードキュメンタリーに戻れない懸念があったので、
末永くシリーズを続けるために一度リセットしたのは英断だと思います。
まぁもし本作が本当に最後だったとしても、本作に江野が登場した時点で、
白石監督の作品はほぼ全てシェアードワールドだと判明したようなものなので、
彼の今後の作品は『コワすぎ!』を冠しなくても、
『コワすぎ!』シリーズの一部として楽しめるようになったと思いますけど。

なお来場者特典のDVD「コワすぎ通信 特別編 ‐異界からのメッセージ‐」は、
シリーズ続行を示唆する短くてチープな映像が収録されているだけなので、
もし抽選に外れても、それほど悔いるようなものではないです。
「コワすぎ通信」だから白石監督の製作裏話でも収録されているかと思い
期待したのですが、これだったら明後日の舞台挨拶の回にでも行って、
生で製作裏話を聞く方が価値があったでしょうね。
とりあえず新シリーズには期待しています。
特に別世界となり、どういう風に始まるのか楽しみです。

関連作の感想
オカルト
戦慄怪奇ファイル コワすぎ! 史上最恐の劇場版
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