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ブルー・リベンジ

第67回カンヌ国際映画祭のパルムドール受賞作『雪の轍』の公開日が、
6月27日に決まったそうです。
なんでも同作を撮ったヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督は、過去にカンヌ映画祭で、
審査員特別グランプリ2回、監督賞1回の計4度の受賞経験があるそうですが、
日本で劇場公開されるのは同作が初めてだそうです。
さすがに今回はパルムドールだから公開されるみたいですが、
世界最高峰のカンヌ映画祭の主要部門受賞作でも公開されなかったなんて、
外国映画の日本公開の壁は高すぎます。
まぁボクもパルムドール受賞作なら観に行きますが、
審査員特別グランプリ受賞作程度では観に行こうか悩むけどね。

ということで、今日はカンヌ映画祭である賞を受賞した映画の感想です。

ブルー・リベンジ
Blue Ruin

2015年2月14日日本公開。
ジェレミー・ソルニエ監督によるスリラー。

ボロボロの青色のセダンを根城にし、誰とも関わらないようにひっそりと生きているホームレスの男ドワイト(メイコン・ブレア)。警察に呼び出された彼は、両親を殺した犯人が刑に完全に服すことなく刑務所から出されることを告げられて大きなショックを受ける。やがて、すさまじい怒りに駆られた彼は復讐(ふくしゅう)を決意。セダンを激走させ、釈放された犯人のもとへと向かうドワイト。だが、その復讐(ふくしゅう)劇は思わぬ事態を引き起こし……。(シネマトゥデイより)



現在、シネリーブル梅田で開催中の「未体験ゾーンの映画たち2015」も
もう4週目に入り、来週で終了となります。
5週間で49本の外国映画が上映されたわけですが、
ボクが鑑賞できたのは『オキュラス/怨霊鏡』と本作だけになりそうです。
(2本目だったからリピーター割を適用してもらえました。)
例年の「未体験ゾーン」は上映本数ももっと少なかったけど、
それでも今年よりは本数を観ていた思いますが、
今年は大幅増の49本もあったのに、あまり興味を惹かれる作品がなく…。
なにしろ49本のほとんどが有象無象でしたからね。

そういう意味では、本作は数少ない由緒正しい作品でした。
なにしろ第66回カンヌ国際映画祭の監督週間で
国際批評家連盟賞(FIPRESCI)を受賞していますからね。
まぁそんな独立賞にどれほど価値があるかはわかりませんが、
少なくとも評価された作品なので、他の有象無象より信頼感があります。
『オキュラス』も全米3位という実績がある作品だったし、
やはりある程度実績がある作品じゃないと観に行き難いです。
そんな数少ない注目作であるはずの本作ですが、
なぜか「未体験ゾーン」の期間中、たったの4回しか上映されません。
『オキュラス』は10回も上映されるのに…。
もう少し考えてタイムテーブルを組んでほしいものです。
以下、ネタバレ注意です。

主人公ドワイトは、ボロボロの青い車で生活し、ゴミを漁って飢えをしのぎ、
他人の家に侵入して勝手に風呂を使う、髭モジャの浮浪者です。
ある日、彼は婦人警官に同行を求められるのですが、
家宅侵入がバレて逮捕されるのかな、と思いきや、
警察署で「2人殺したあの男が司法取引で釈放される」と聞かされるのです。
どうやらその男はドワイトの因縁の相手らしく、
彼は男を自分の手で始末するため準備を始めます。
結局、男を殺すことには成功するのですが、冒頭から殺害までの長時間、
ドワイトはほとんど何も喋らず、黙々と行動するんですよね。
その演出が好評だったみたいですが、坦々とした展開がボクには退屈で…。
ドワイトが何も喋らないから、彼がどんな人間なのか、どんな計画なのか、
釈放された男とはどんな関係なのか、ほとんど説明されないため、
感情移入は出来ないし、彼が何をしたいのかもわかりません。
空き缶を売った金で切手を買って、誰かに手紙を出すところなどは、
その時は意味がわからなくても、後々にわかるからまだいいんだけど、
例えば駐車場に停めてある車からドワイトが拳銃を盗む展開がありますが、
男を殺す凶器に使うのかなと思いきや、その後なぜか拳銃を破壊して…。
なんでそんな無意味に思えることをしたのか、未だにわかりませんでした。
理由のわからない行動を延々と見守るというのは退屈なものです。
まぁ退屈で意識飛びそうだったから理解できなかったのかもしれないけど。

ドワイトは釈放された男ウェイド・クリーランドを尾行し、
バーのトイレで待ち伏せし、ナイフでコメカミを刺して殺し、逃走しますが、
現場に自分の車のキーを落としたみたいで、取りに戻るわけにもいかず、
ウェイドのリムジンを盗んでその場を立ち去ります。
もちろんウェイドの身内は怒りますが、なぜか警察には通報せず、
車のキーの持ち主を自分たちで探し始めるのです。
ドワイトは他人の家で伸び放題だった髭や髪を切り、
シャツも盗んで綺麗な恰好になり、姉の家に向かいます。
髭モジャの小汚い恰好の方がインパクトがあったのに、
サッパリしたら急に普通のオッサンになっちゃて、なんか残念でした。

ドワイトが姉に会いに行ったのは、車の名義が姉だったためで、
ウェイドを殺したことを告げ、家から逃げるように促します。
姉が逃げた後、案の定ウェイドの兄弟たちが武装して家を襲撃。
武装と言っても銃じゃなくてボウガンなんですよね。
なぜか逃げずに熊手を手に待ち受けていたドワイトでしたが、
ボウガンで足を射抜かれながらも、ウェイドの兄テディを車で轢き、
彼をトランクに放り込んで逃げます。
轢き殺しちゃったかと思ったけど骨折して気絶していただけみたいです。
ウェイドは足に刺さったままの矢の箆の糸ノコで切り落とし、
ラジオペンチで鏃を抜くのです。
通報されたら困るから病院に行くことができず、自分で治療するしかないのか。
…と思ったら、結局病院に駆け込んじゃうんですよね。
たぶん鏃を抜いた後なので、何も勘繰られないと思ったのかもしれませんが、
医者が診れば撃たれた傷かくらいわかりそうなものですけどね。

ドワイトは旧友ベンに会いに行き、銃を貸してもらいます。
ベンは元軍人で銃マニアみたいで、いろんな銃を持ってるみたいですが、
何に使うかも聞かないで自動小銃を貸してくれます。
親切というか、ちょっと変な人ですが、なんだか面白いキャラです。
日本から帰ってきたと言ってましたが、本作の舞台は太平洋戦争直後かな?
ドワイトはベンから私有地を借りて、車のトランクを開けて、
目を覚ましたテディに銃を突き付けます。
が、撃ち殺す気はないようで、もう自分や姉に報復しないでほしいと、
テディにお願いするのですが、そんな甘っちょろい考えだったため、
隙を突かれてテディに銃を奪われ、逆に撃ち殺されそうに…。
が、遠くで見守っていたベンがテディの頭を狙撃するのです。

死ぬ前のテディとの会話から、漸くウェイドとの因縁も見えてきました。
どうやらドワイトは両親をウェイドに殺されたと思ってましたが、
両親を殺したのはウェイドの父親ビッグ・ウェイドだったみたいで、
ドワイトの父親がウェイドやベンらの母親を寝取ったそうで、
それに怒った夫ビッグ・ウェイドが報復したみたいです。
しかしビッグ・ウェイドは癌だったので、代わりに初犯で司法取引も可能な
息子ウェイドが出頭したみたいです。
この話を聞く限りでは、一番悪いのは浮気したドワイトの父親な気もしますが、
ドワイトは無実のウェイドを両親の仇と勘違いし、殺しちゃったんですね。
勘違いだったとしても、ウェイドもベンも殺しちゃってはもう後戻りできません。
彼らの残る兄弟から更なる報復があるのは間違いなく、
ドワイトは姉とその家族を守るために、ベンから散弾銃を借りて、
ウェイドと兄弟たちの家に侵入し、彼らが帰って来るのを待ちます。

留守宅で待ち伏せしていると、ウェイドの兄弟3人が帰宅したので、
ドワイトは彼らに銃を突き付けるのです。
しかし残る兄弟は4人だったみたいで、気付かれていない末っ子が、
ドワイトの死角から近づき、彼の腹を撃ちます。
兄弟は「頭を狙え」と言いますが、なぜか末っ子は「嫌だ」と…。
どうも末っ子は殺人に躊躇があるみたいで、
攻撃的な他の姉弟とは毛色が違うみたいですが、
そんな彼をドワイトは腹違いの弟だと思ったみたいで、反撃することもなく、
彼をこの場から去らせて、他の兄弟を撃ち殺すのです。
が、兄弟も隠してあったサブマシンガンで反撃し、相撃ちに…。
その場を去った末っ子以外全員死んで、チャンチャンです。

ユーモアが薄目なコーエン兄弟みたいな作風の復讐劇で、
映画通が好きそうな作品だなと思ったし、
本作がカンヌで国際批評家連盟賞を受賞したのも納得です。
でも映画に娯楽しか求めていないボクとしては、
ベンが登場した辺りからはなかなかよかったけど、
そこまで坦々としすぎていたので、退屈な映画という印象でしたね。
上映機会が少なかったため、選択肢がなく強行して観に行きましたが、
疲れていた時に観たのもよくなかったかも…。
もっと沢山上映されていて、元気な時に観れていたら、
評判通り、もっと楽しめたかもしれないです。

コメント

駐車場の車から盗んだ銃は盗難され悪用されない為の装置がトリガーに付いてありました。
それを壊そうとして勢い余って銃そのものを壊してしまった感じです。

  • 2015/09/04(金) 02:37:36 |
  • URL |
  • ベン #-
  • [ 編集 ]

ベンさんへ

なるほど。
銃に対する知識がなさすぎて気付きませんでした。

  • 2015/09/05(土) 20:03:35 |
  • URL |
  • BLRPN #-
  • [ 編集 ]

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