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モンスターVSエイリアン

どんなハリウッド超大作も上映後半年もすればDVDが発売されて、
ツタヤに行けばワンコイン以下でレンタルできるご時世。
1000~1800円も払って、わざわざ劇場に観に行くのってバカらしく感じることが…。
ブルーレイとかオーディオ機器とかの進歩で、下手なシアター以上の環境を
自宅に持ってる人も少なくありません。

そんな中、映画館に行く意味を取り戻すために、最近頻繁に公開されているのが、
専用の眼鏡をかけて鑑賞する、最新デジタル処理による3D映画です。
ドリームワークスの代表作『シュレック』シリーズや、
20世紀フォックスの代表作『アイス・エイジ』シリーズ、
ピクサー最新作『カールじいさんの空飛ぶ家』、ディズニー最新作『ボルト』など、
今後のCGアニメ映画はほぼデジタル3D対応です。
アニメだけじゃなくて『センター・オブ・ジ・アース』などフル3D実写映画も。
『スパイダーマン4』もフル3Dになるとか…。
フルじゃないけど、もうすぐ公開の『ハリー・ポッターと謎のプリンス』も
冒頭約12分がデジタル3Dで観られる劇場もあるんだそうです。(日本で3館だけ。)
ハリウッド映画だけじゃなくて邦画でも秋に『戦慄迷宮3D』が公開され、
来月公開の『侍戦隊シンケンジャー』の一部も3D対応になるらしいです。

でもアメリカでは3D映画の評判は上々らしいけど、日本に馴染むかな?
デジタル3Dは設備の導入にけっこうお金がかかるらしくて、
その回収のためか普通の映画よりも鑑賞料が割高なんですよね。
概ね大人2000円で、普通の映画に比べてたったの200円差だから、
どうせだったら3D観ようかなって程度の差に感じるけど、
特別料金のためレイトショーやファーストデイのサービス価格の対象外だし、
不思議なことに前売券で観る場合、鑑賞料と額面の差額700円が余分に徴収されます。
前売券は確かに額面は1300円だけど、1800円の価値がある商品券だと思ってたのに…。
日本はただでさえ諸外国に比べ映画鑑賞料がボッタクリ価格なのに、
1800円満額払って映画観る奇特なお客さんがいることも不思議なのに、
2000円も映画に払うお客さんがそうそういるとは思えません。

文句あるなら2D版観とけばいいじゃんって思われるでしょうが、
デジタル3Dの弊害は料金だけじゃありません。
デジタル3D映画は字幕との相性が悪いのか、基本的に吹き替えのみで上映。
ハリウッドのアニメ映画ってとんでもない大物俳優が声優してたりで、
それも売りのひとつなのに、それを楽しみたい人は2D字幕版を観るしかない。
吹き替え版の声優に客寄せのために下手なタレント使われても客に選択の余地は無し。
更にデジタル3D版、2D吹き替え版、2D字幕版を平行に上映するために、
スクリーン数を圧迫して、他の映画の上映機会が減ります。
もうお客さん無視して、劇場の都合だけで勝手に導入されてる気がします。
そんなことだと、逆にお客さんから無視され、デジタル3Dの普及も頓挫するはず…。
それを願います。

…とは書いてはみたものの、なにぶんCGアニメ映画が大好きなもので、
うっかりデジタル3Dの普及に貢献してしまいました…。
前置きが長くなりましたが、今日はそんな3Dアニメ映画の感想です。

モンスターVSエイリアン

2009年7月11日日本公開。
ドリームワークス初のデジタル3Dアニメ映画。

結婚式当日、スーザンは隕石に衝突して突然身長が、約15メートルの巨人に変身してしまう。彼女は政府によって新種のモンスターの烙印(らくいん)を押され、そのほかのはみ出し者のモンスターらとともに秘密基地に収容される。ある日、突如エイリアン・ロボットが地球に現れ攻撃を開始したため、スーザンはモンスター軍団とともに戦うよう言われるが…。(シネマトゥデイより)

3D吹き替え版で観ました。
去年『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』のデジタル3D版を観た時の感想で、
「立体的には見えるものの、"飛び出す"というよりは"奥行きがある"といった感じ」
と書きましたが、本作もそんな感じです。
『ナイトメア~』とは違って、端から3D用で作られてるはずだから、
もっと飛び出してくるような演出が多いことを期待してたんですが、
実際はスクリーンの枠が窓枠になってて、窓越しに外を見ているような感じです。
なのでスクリーンの中に立ってるような臨場感は正直ありません。
でも宇宙の遠景シーンなんかは、まるでシャトルの窓から宇宙空間を見ているようで、
ちょっと目を見張るものがあります。
3Dに関しては特に期待もしてなかったんで"まぁこんなもんか"って感じですね。

ドリームワークス初のデジタル3Dアニメ映画ってことで
3Dばかりが強調されがちですが、実はそんことのは瑣末なことで、
この映画、内容がかなり良くて、めちゃめちゃ面白いです。
かわいいキャラが活躍するので子供向けっぽい印象は拭えませんが、
そこは流石のドリームワークス作品です。
『シュレック』シリーズや『カンフー・パンダ』同様に、
ピクサーやディズニーでは考えられないブラックユーモアがあったり、
往年のいろんな映画のパロディ、オマージュ満載で、子供以上に大人が楽しめます。

メジャー作品のパロディが多い『シュレック』シリーズ、
いろんなカンフー映画のパロディになっている『カンフー・パンダ』に対して、
本作『モンスターVSエイリアン』はB級オカルト映画のパロディ満載です。
タイトルは多分、『エイリアンVSプレデター』のオマージュでしょうが、
メインは隕石にぶつかって巨大化してしまう女の子ナンシーの物語。
これは知る人ぞ知るオカルト名作『妖怪巨大女』のパロディになってます。
『妖怪巨大女』はUFOになぜか巨大化させられた女性が、浮気な婚約者に復讐する話。
本作も自己中心的な婚約者を見返す話なので大筋は同じようなものですね。
ナンシー、あんなにデカイのに、何気にかわいいです…。

ナンシーの仲間となるモンスター達にも元ネタがあります。
体内に取り込んだものを何でも溶かす、ぷにぷにアメーバモンスター・ボブは
『マックイーンの絶対の危機』に登場するアメーバ・ブロブがモデル。
実験によりゴキブリと合体してしまったコックローチ博士は
『ザ・フライ』の実験の失敗でハエと合体してしまうハエ男がモデル。
氷河の中から発見された半魚人ミッシング・リングは
『大アマゾンの半魚人』の地層から発見された半魚人がモデルです。
まぁこれは受け売りなんで実際には『ザ・フライ』しか観たことないですが…。

そして、もう一匹の仲間ムシザウルスは日本に縁のあるあの怪獣がモデルです。
ムシザウルスは東京を襲撃した昆虫型怪獣の幼虫なんですが、
もうお分かりの通り、モデルは日本が誇る怪獣『モスラ』です。
ボクはゴジラシリーズが終了した時に泣いたくらいの東宝怪獣映画オタクなんで、
パロディとわかっていても、かなり感動しました。
こいつがまたオイシイ役どころで、これだけでも2000円払って観た価値がありました。
擬態シーンなんかはもう、震えがきたし、ちょっと涙も…。

ナンシーの仲間の他にもSFパロディ満載で、ちょっと元ネタハッキリしないけど、
エイリアンの操るロボットは『地球が(の)静止する日』のゴートかなと思ったり、
エイリアンのボス、ギャラクサーは『マーズ・アタック』のような気がしたり、
ギャラクサーのクローンはほぼ間違いなく『スターウォーズ』のオマージュだったり、
『E.T』や『未知との遭遇』のオマージュぽいシーンがあったりで、
SFファンはそれを探すだけでも楽しいはずです。
ボクはそこまでコアじゃないから見付け切れてないネタもいっぱいありそうです。
チビッコにはわかりにくいかもしれないけど、
ドリームワークスならではの大人向けサービスですね。
あ、でもチビッコもイカツイ眼鏡装着してキャッキャ言ってたので、
SFファンじゃなくても普通に楽しめるとは思いますよ。

で、始めの話に戻りますが、充分に楽しめた本作ですが、
デジタル3D版は日本語吹き替え版オンリーでの上映だったわけだけど、
そのことによる大きな弊害にひとつ気付きました。
メインキャストに抜擢されたタレントのベッキーとバナナマン日村は
ボクの懸念を覆す、すごく自然な声の演技をしていました。
それはよかったんですけど、問題はモンスターを統括するモンガー将軍の声。
モンガー将軍は字幕版ではキーファー・サザーランドが声優を務めています。
それに伴い爆笑必至の『24 -TWENTY FOUR-』のパロディが織り込まれていましたが、
日本語吹替え版では、それを事前に知らない人は全く気付かないかもしれない。
もし字幕版観てたら、大統領とモンガー将軍の絡みなんて大爆笑だったはずなのに…。
デジタル3D(というか日本語吹替え)によって笑いがひとつ殺されました…。
せめてジャック・バウアーの日本語吹き替えしてる声優さんが、
モンガー将軍の声を充ててたら、かなりマシだったとは思うんだけど…。

料金が割高ということもあってか、公開日なのに劇場はガラガラ…。
"3Dは高いから観たくないけど、2Dで観るのは癪だから作品自体パス"
みたいな人って結構いるんじゃないかな?
いい映画なのに3Dであるがためにお客さんを逃してるとしたら勿体無いです。
3D眼鏡を700円くらいで売って、それを持参したお客さんには
通常料金で観れるシステムにすればいいと思うなぁ。
"せっかく3D眼鏡買ったんだからまた来よう"って動機にもなるだろうし。
デザインもいろいろ作って、子供用とか、眼鏡かけてる人用とか…。
まぁ一番いいのはデジタル3D映画が廃れることですけど。

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