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オキュラス/怨霊鏡

先月、日本を代表するホラー映画シリーズ『呪怨』の最新作の
製作発表会見が行われましたが、その報を聞いて耳を疑いました。
最新作は『呪怨 ザ・ファイナル』というタイトルで、その題名通り、
シリーズの最終作ということになるのだそうですが、
『呪怨』シリーズは前作『呪怨 終わりの始まり』で、その題名通り、
リブートされたばかりだったのに、始まったばかりでもう終わるなんて…。
よほど前作の成績が期待ハズレだったのかもしれませんが、
前作の落合正幸監督を続投させ、それで完結と言うのは納得できません。
せめて最後くらいはオリジナルの清水崇監督に締めてほしかったです。

まぁ『呪怨』シリーズが終わると言っても、本当に終わる保証はないし、
単なる閉店商法の可能性が高いので、アテにはなりません。
それにもし終わったとしても、昨年ハリウッドで再リメイクすると発表されたし、
『THE JUON』シリーズは続くと思われます。
ただハリウッド再リメイクには佐伯伽椰子は登場しないのだそうで、
それを『呪怨』と呼べるのかどうかは悩ましいですが…。

ということで、今日はハリウッド・ホラー映画の感想です。

オキュラス/怨霊鏡
Oculus.jpg

2015年3月9日日本公開。
『人喰いトンネル』のマイク・フラナガン監督によるサイコ・ホラー。

新居に引っ越したばかりの幸せな4人家族に、ある日凄惨な事件が起きる。父親が妻を拷問して殺害。さらに父親も銃で撃たれて死亡した。2人の子どもは救出されたが、10才の弟は父親を殺害した容疑で精神病院に入る。そして11年後。弟ティム(ブレントン・スウェイツ)は退院し、懐かしい姉ケイリー(カレン・ギラン)が出迎えて再会を祝う。長い治療を経たティムは、ようやく過去を乗り越えて新しい人生を始めようとしていた。一方、ケイリーにはある目的があった。それは、鏡が魔力を持ち、忌まわしい事件の原因が鏡にあることを証明し、父親と弟の罪を晴らして鏡を永遠に葬り去ることだった。苦労して鏡を手に入れたケイリーは、その過去を詳細に調査する。すると、過去400年の間に、なんと45件もの不審死があったことが判明。空き家となった実家に鏡を持ち込み、ティムとともに超自然現象を映像に収めようとするケイリーだったが……。(チラシより)



先週末から関西でもいよいよ「未体験ゾーンの映画たち2015」がスタートしました。
本作はその企画で上映される49本中の1本です。
その49本のほとんどはマイナー作品ですが、本作は全米3位のヒット作で、
世界興収でも49本中ダントツの1位、…いや、唯一のヒット作であり、
今年の「未体験ゾーン」の目玉作品なのは間違いないです。
「オキュラス」(ラテン語で目玉)だけにね。

目玉作品、いや、オキュラス作品だけに、
他の作品を牽引すべく、企画開催初日から公開されました。
ボクとしても本作が今年の「未体験ゾーン」の指針となる作品で、
本作の出来如何で他の作品も観るべきかどうか決めようと考え、
初っ端に観に行ったのですが、正直イマイチで…。
今年の「未体験ゾーン」は7~8本観ようかと思ってましたが、
目玉がこれでは他も期待できないし、あと3本くらいにしておこうかな。
全米3位のハリウッド・ホラーということで、ハリウッド映画ファンのボクは
企画抜きにしても期待していたので、本当に残念でした。

…いや、悪い作品ではないと思います。
なかなか凝った内容のホラーで、見方によっては興味深いです。
ただ、ボクが期待していたものとは違ったため、肩透かしを食らった感じで、
素直に楽しめなかったのかもしれません。
邦題に「怨霊鏡」なんてサブタイトルが付いているので、
てっきり心霊ホラーだと思って観に行ってしまったのが間違いで、
たしかに霊のようなものは出てくるのですが、幻覚かもしれない演出で、
本作は怨霊による恐怖を描いた心霊ホラーというよりも、
主人公たちが精神的に追い詰められていくサイコ・スリラーなんですよね。
端からサイコ・スリラーのつもりで観ていれば楽しめたかもしれないけど、
心霊ホラーを期待していたら、あまり怨霊が出てこないし、
怨霊に襲われることもないので、もう退屈で退屈で…。

新居で両親と幸せに暮らす12歳の姉ケイリーと10歳の弟ティムでしたが、
ある日、父親が母親を殺害し、次に姉を殺害しようとした父親をティムが射殺し、
彼は父親を殺した容疑で精神病院に送られます。
11年後、自宅にあったアンティークの鏡の呪いが事件の原因だと考えたケイリーは、
退院したティムを誘って、鏡の正体を調査し、父親と弟の罪を晴らそうと計画する。
という物語ですが、本作は鏡を調査する姉弟を描いた現在のシーンと、
11年前の事件を描いた回想シーンが並行して描かれます。
その境界が非常に曖昧に描かれる凝った演出で、ある意味興味深いですが、
退屈で思考停止気味のボクには少々ややこしく思えてしまいました。
それに現在のシーンで事件の顛末はほぼ説明されるので、
その様子を描いた回想シーンは二度手間というか、やっぱり退屈。
両親が死に、姉弟は生き残るということはわかりきっているのでハラハラもしません。
なのでやはり現在の姉弟がどうなってしまうのかに関心が向きますが、
現在の話が展開している途中に、シレッと回想が始まるので、
「回想はいいから現在の話を進めろよ」と、回想が邪魔に感じてしまうのです。

それに、ケイリーの目的は鏡の呪いが実在することを立証し、
父親と弟の無罪を証明することなので、調査は11年前の再現をするわけですが、
結局11年前の二の舞になるような展開になるため、
現在の姉弟に対しても「もっと学習しろよ」と思ってしまいます。
その結果、回想は退屈、現在はイライラする展開でイマイチ楽しめません。

そして何より致命的なのは、ホラーとして微塵も怖くないということです。
前述のように霊は出てくるのですが、本当にただ出てくるだけで、
ただ不気味な顔でコチラを見ているだけのことが多いです。
そもそもこの事件が怨霊の仕業だということもハッキリしません。
11年前、アンティーク家具好きの妻のために
父親がアンティークの姿見「ラッサーの鏡」を買ってきて、
(妻のためなのに何故か)自分の仕事部屋に飾ります。
父親は知らなかったみたいなのですが、「ラッサーの鏡」はイワク付きの鏡で、
1754年にラッサー男爵が所有していたものですが、男爵は不審死。
その後、いろいろな人の手に渡り、その都度、持ち主が不審死し、
その犠牲者は少なくとも45名に登るらしいです。

ですが、その鏡を所有したら何故不審死するのかが不明です。
最初の所有者であるラッサー男爵が手に入れた時から呪われていたはずですが、
誰が呪ったのかなど、鏡が呪いの鏡になった経緯が描かれていません。
というか、鏡が呪いの鏡だということも明確には示されておらず、
事件との因果関係もケイリーの想像でしかありません。
それは製作サイドの狙いだと思いますが、因果関係が明示されないと、
事件が鏡や怨霊の仕業とも明示されず、鏡や怨霊に怖さを感じません。
出てくる霊も過去の犠牲者のようなので、彼女たちが所有者を襲う理由はなく、
そもそも怨霊と言えるかどうかも疑問ですよね。
というか、そもそもケイリーや家族の思い込みの可能性もあり、
怨霊自体が幻覚の可能性も否めませんが、そこも不明瞭なままです。
まぁ「オキュラス(目)」というタイトルなのだから、視覚がテーマだろうし、
怨霊は思い込みから生じる幻覚と考えるのが自然かなと思います。
本当に人を殺す鏡なら、オークションに普通に出品されて、
1万6000ドルなんて微妙な値段で取引されるはずないしね。

普通のホラー映画のように、恐怖映像に頼らない凝った作品なので、
批評家の評価は高いけど、一般客の評価が悪いのも頷ける、
娯楽性の低い、通好みのホラー映画だと思います。
ボクは映画通の域にはまだまだ達してないので、
もうちょっとストレートなホラー映画の方が楽しめたと思いますが、
普通のホラー映画に飽きた人にはオススメかもしれません。

次に観に行く「未体験ゾーン」は19日以降に関西公開となる
『ランダム 存在の確率』になりそうかな。
本作がイマイチだったことで、ほぼ2週間も空いてしまいますが、
そもそもほとんどの作品は、すでにDVDがリリースされていたり、
DVDリリースまで間がないので、あえてシネリーブル梅田まで観に行くまでもなく、
近所のTSUTAYAに行けばいいです。
その意味では、DVDリリース日が決まっていない本作『オキュラス』は、
観に行く価値はある程度あったのかもしれません。

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