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アナベル 死霊館の人形

ボクは不定休なので、平日の昼に映画館に行けることも多いですが、
週末に比べるとやっぱり空いています。
映画によってはほとんど貸し切り状態なことも間々あり、
その状態を少し前まではゆったり落ち着いて見れるので嬉しいと思ってたけど、
最近はこんなに客が少なくて大丈夫なのだろうかと心配するようになりました。
MOVX六甲とか客が少なくて潰れた映画館も何軒か見てきたので、
映画館の経営が心配なのもあるけど、それ以上に心配になるのは、
配給会社や映画館に「こんな作品は人気がない」と判断されてしまうことです。

ボクが観る映画は主に洋画、特にハリウッド映画なのですが、
どんなに世界的人気作でも、洋画離れが進む日本で客が入らないことが多々あり、
世界的人気作なので当然シリーズ化されるのですが、
日本では人気がないというレッテルを貼られてしまうため、
日本では続編が公開されないなんてことも少なくないです。
特にホラーとコメディは日本で苦戦を強いられることが多いですが、
ボクの特に好きなジャンルでもあるので、毎回お客さんが入って欲しいと、
祈るような気持ちで観に行っていますが、なかなかどうして閑古鳥で、
またホラーやコメディの日本配給が忌避されるようになるかもしれないと懸念します。

ということで、今日はハリウッドのホラー映画の感想です。
本作を観た時も、観客はボクの他に一組だけで…。
続編も決まっているけど、ちゃんと日本公開されるのか不安です。

アナベル 死霊館の人形
Annabelle.jpg

2015年2月28日日本公開。
実在する呪われた人形を題材にしたホラー映画。

出産が近いミア(アナベル・ウォーリス)は、真っ白なウエディングドレスを着た美しいビンテージ人形を夫ジョン(ウォード・ホートン)からプレゼントされる。ある夜、二人はカルト集団の男女の襲撃を受け辛くも命は取り留めるが、人形に恐ろしい呪いがかけられてしまう。 やがて、待望の子供が生まれ二人は新生活をスタートさせるが、人形をめぐり次々と不可解な現象が起こり……。(シネマトゥデイより)



本作は「死霊館の人形」というサブタイトルの通り、
一昨年公開の映画『死霊館』に出てきた人形を題材にした物語で、
『死霊館』のスピンオフであり、プリクエルでもあります。
『死霊館』は実在する(自称)バチカンも認めた悪魔研究者
ウォーレン夫妻の体験談(事件簿)を映画化したものでした。
夫妻は自宅でイワク付きグッツを収集したオカルト資料館も運営しているそうで、
その資料館に実際にある代表的展示品が「アナベル人形」です。
もちろんオカルト資料館は『死霊館』でも描かれ、アナベル人形も登場しますが、
『死霊館』は夫妻が呪われた家に住む7人家族を助ける物語なので、
アナベル人形はカメオ出演程度の扱いでした。
でも人形のインパクトは凄まじく、この程度の出番では勿体ないと思ったものです。

『死霊館』はホラー映画としては異例の全米興収1億ドルを軽く超える
爆発的大ヒットを記録し、当然のように続編製作が決まりますが、
続編はウォーレン夫妻の体験した別の超常的事件を映画化すると思ったので、
まさかアナベル人形のスピンオフになるとは嬉しい誤算でした。
本作にはウォーレン夫妻は一切登場せず、夫妻に収集される前の
アナベル人形がイワク付になった経緯が描かれます。
でも今思えばこのシリーズ展開は必然だったようにも思えます。
なにしろ、前作から続投するジョン・R・レオネッティ監督は、
呪われた人形ホラー『チャイルド・プレイ3』の監督ですから、
彼がアナベル人形を掘り下げたいと思うのも当然な気もします。
アナベル人形はチャッキーのように包丁を振りかざして襲ってきたりはしませんが、
本作には『チャイルド・プレイ』のちょっとしたオマージュもあるそうです。
(ボクはあまり気付きませんでしたが…。)

でも主人公一家の役名はロマン・ポランスキー監督の『ローズマリーの赤ちゃん』の
キャストから引用されているみたいで、何の関係があるんだと思ったら、
当時のポヤンスキーの妻で『ローズマリーの赤ちゃん』にも出演した
女優シャロン・テートの非業の死を元ネタの一部にしているみたいで、
主人公一家の名前でそれを暗示しているみたいですね。
ちなみにシャロン・テートの元ネタとは、『ローズマリーの赤ちゃん』の公開翌年、
妊娠8か月だった彼女はカルト教団の信者に殺害されたという事件です。
本作のヒロインもそれと似たような体験をすることになるのですが、
つまりそんな元ネタがあるということは、前作『死霊館』とは違って、
本作の物語は完全フィクションということですね。
まぁ前作だって夫妻の体験談が本当の事とは限らないけどね。
(てか、悪魔や怨霊なんて存在しないんだから、嘘に決まってるけど。)
以下、ネタバレ注意です。

1969年、サンタモニカ。
ミアは医大生の夫ジョンの子を妊娠しており、ある日ジョンから、
早めの出産祝いにアンティーク人形を貰い、大喜びします。
この人形が後のアナベル人形なわけですが、
元は可愛い顔だったチャッキーことグッド・ガイ人形とは違って、
この人形は端から不気味(不細工)な顔をしていて、
ミアがなんでこんな人形を喜ぶのか不思議です。
「どこも品切れで探してたの」「これで揃ったね」みたいな会話をしていたので、
何かのシリーズで、グッド・ガイ人形ほどじゃないが過去に量産されていたみたい。
こんな子供が泣き出しそうな不気味な顔で、けっこう値も張りそうな人形、
市販して誰か買う人がいるのかって思っちゃいますが、売れなかったから、
幻の人形としてミアのような人形蒐集家が欲しがるのかもしれません。
実際にオカルト資料館に展示されているアナベル人形は、
ラガディ・アン人形という現在も市販されている布製の可愛い人形だそうで、
不気味な陶器製の顔を持つ本作のアナベル人形とは似ても似つきません。

その人形が贈られた夜、隣のヒギンズ家から叫び声を聞き、ミアは飛び起きます。
夫ジョンに様子を見に行ってもらうと、隣の家の中は血の海で…。
どうやら隣人ヒギンズ夫妻は何者かに斬殺されてしまったようです。
ボクはきっと人形が勝手に動き出して、隣人を殺したのだろうと思ったのですが、
どうも違うようで、犯人は男女2人組の人間で、こいつらはミアの家にも侵入し、
通報中のミアに襲い掛かり、なんと男が妊婦である彼女の腹を刺すのです。
通報を受けて急行した警官が犯人2人を射殺し、ミアは病院に運ばれます。
警察の調べでは犯人は悪魔崇拝のカルト教団「羊の使徒たち」の信者でした。
動機は悪魔に忠誠の誓うための儀式と推測されます。
妊婦がカルトに殺されそうになる展開は前述の殺人事件のオマージュですが、
ミアもお腹の胎児も一命を取り留めました。
お腹も子はダメかなと思ったけど、助かってホッとしましたね。
まぁハリウッドのホラー映画は審査が厳しいので、R指定程度だと
子供や妊婦が殺されるような展開になることは、まずないですけど。

こんな悲惨な目に遭ったのも呪いの人形が呼び寄せた不幸かな。
…と思ったけど、どうやらそれも違うみたいで、
人形は贈られた時点では普通の人形で、この事件をキッカケに呪われたのです。
犯人の女は隣人夫妻の失踪中の娘アナベル・ヒギンズで、
人形は銃殺された彼女の血を浴び、呪われたアナベル人形になったのです。
死んだサイコキラーの怨念が人形に宿るという経緯は、チャッキーと同じですね。

それ以来、退院したミアの周りで数々の不可解な現象が置きます。
ミシンが勝手に動いたり、テレビの映像が乱れたり、揺り椅子が揺れ出したりと
些細な現象でしたが、犯人の血が付いた人形は捨てることにします。
ある日、夫が研修のために一晩留守にすることになるのですが、
寝室でミアが裁縫をしていると、誰もいないキッチンのコンロが勝手に着火し、
コンロの上に置かれていたポップコーンに燃え移り、キッチンが炎上します。
ポップコーンがポンポン鳴ればミアも気付けたのに、なぜか無音で膨らむんですよね。
煙で異変に気付き、脱出しようとするミアですが、見えない何かに足を掴まれ…。
それも怖いけど、ボクとしては最も怖かったのは、
テレビを付けて、脇見しながらミシンを扱うミアの手元です。
案の定、針で指を貫いてしまいますが、あまりの痛々しい映像にドキッとしました。
何気にあり得ない怪奇現象よりも実際に起こり得る怪我の方が怖いですね。

出火に気付いた警官が家に踏み込み、ミアは無事救助され、また入院。
入院ついでに出産もして、娘リアが誕生します。
ミアが「あの家は呪われているから、この子を連れて帰りたくない」と言うので、
一家はパサデナのアパートに引っ越すのです。
まぁ呪われてる以前に、半焼した家には帰りたくても帰れないよね。
しかし荷物の中に、なぜか捨てたはずの人形が紛れ込んでいて…。
そんな不気味なもの、またすぐに捨てるかと思いきや、
ミアは気が変わったみたいで、あろうことか子供部屋に飾ります。
そんな彼女の周りで、また怪現象が続発。
そしてついに部屋の中でアナベルの怨霊を目撃するのです。
アナベルの怨霊は少女の姿で現れ、急に大人の姿に変化しますが、
そういえば前作では人形に憑りついているアナベルは7歳の少女だと言ってたので、
アナベルの霊が7歳くらいの少女の姿で現れるのは、その帳尻合わせなのかも。

その後、ミアはアパート地下のゴミ庫で壮絶な怪現象に遭遇します。
その時に何か邪悪なモノに追いかけられるのですが、
その姿は頭に角が生えた、露骨に悪魔っぽいバケモノで…。
いい雰囲気だったのに、こんなバケモノが出てきたら興醒めですよ。
女の怨霊なら不気味で怖いけど、こんなファンタジーな姿の悪魔なんて、
一体誰が怖がるんだと言いたいですが、ハリウッドのホラー映画は、
怨霊ものだと思っても往々にして悪魔が登場するんですよね。
クリスチャンが多いアメリカ人は怨霊よりも悪魔の方を恐れるのかもしれませんが、
その感性は日本人には理解し難いものがあります。
結局人形に憑りついていたのも死んだアナベルではなく悪魔だったみたいで、
悪魔を恐れていないボクとしては急に怖くなくなってしまいました。

怪現象が悪魔の仕業とわかったミアは近所の古書店に行き、
黒魔術関連の本を探しますが、彼女に気付いた女店主エブリンが、
相談に乗ってくれて『悪魔の誘い』という怪しい本を紹介してくれます。
その帰り、ベビーカーが勝手に動き、車に撥ねられるという出来事があり、
悪魔は生まれたばかりの娘リアの魂を狙っているのだと確信。
その後、例の人形が浮き上がるという怪現象が起き、
ミアは馴染みの教会のペレズ神父に来てもらって相談します。
神父は「悪魔は物を媒介にすることがある」と言い、
その媒介が人形ではないかと考えるのですが、自分では手に余る事例で、
バチカンの認めた悪魔研究家夫妻に来てもらおうと提案。
前作の主人公、ウォーレン夫妻のことに間違いなく、彼らが登場するのか?
とボクも期待しましたが、前述のように彼らは本作には出演しません。
ミアは娘が殺されそうなのに夫妻を待ってられないと言うので…。

神父もウォーレン夫妻には連絡せず、とりあえず自分で人形を持ち帰ることに。
ところが人形を持って教会に入ろうとしたところ、見えない力にぶっ飛ばされ入院。
人形はアナベルの怨霊が持ち去ってしまいます。
神父の入院した病院には研修医の夫ジョンの勤め先で、
神父はジョンに、「悪魔は魂を奪うには本人の同意が必要」
「まだ赤子のリアは同意できないので、悪魔の狙いは母ミアだ」と告げ、
それを聞いたジョンは妻を心配し、すぐさま帰宅の途につきます。
その頃ミアは、親しくなった古書店店主エブリンを自宅に招き、
彼女の悲しい身の上話を聞いてあげていました。
その時、天井から物音が聴こえてきて、また上の階の住人が騒いでいるのかと思い、
天井を見上げると、天井に張り付いている悪魔がいて…。
ミアは娘を守ろうと考えますが、娘の姿はどこにもなく、
代わりに神父に渡したはずの人形がベビーベットで寝ており、
逆上したミアは人形をボッコボコに殴り、強烈に投げ捨てます。
すると床にグッタリと倒れた人形がリアの姿になって…。
悪魔が見せた幻覚でリアが人形に見えたのかと思って、
気付かずに娘を手に掛けるとは、なんて残酷な展開なんだと驚いてしまいました。
…が、リアの姿に見えたのも幻覚だったようで、本当は全く別の人形でした。

でもアナベル人形も戻って来ており、窓の前に座っています。
ミアが「娘以外なら何でもあげるわ」と叫ぶと、
窓に赤いクレヨンで「お前の魂」と書かれ、窓が開きます。
ここから飛び降りて死ねってことのようで、ミアは人形を抱き上げ、
飛び降りようとしますが、そこに帰宅したジョンとエブリンが止めに入り、
なんとエブリンが身代わりとなって、人形を抱いて飛び降りてくれるのです。
それ以来、怪現象は起きず、人形も消えていました。

神父はエブリンの葬式でキリストの言葉を引用し、
「最も尊い愛は、友人のために命を捧げることだ」と弔辞を述べますが、
たしかにエブリンがミアとリアを助けるために身代わりになったのは間違いないけど、
この展開はどう考えても納得がいきませんよね…。
結局、悪魔は誰の命でもよかったのかというのも疑問ですが、
エブリンとミアは知り合って日も浅すぎるし、いくらエブリンが奇特な人でも、
この時点でミアの代わりに死のうなんて思うとは考えにくいです。
しかもこれは完全な無駄死になので、その犠牲精神に感動することもできません。
なにしろ悪魔は同意なしには魂を奪うことができないので、
ミアが同意(自殺)しなければ、リアの魂だって奪えないのです。
まぁ奪うまで悪魔に付きまとわれるのは辛いですが、即危険なわけでもないので、
暫く我慢すればウォーレン夫妻を呼ぶことだって出来たはずで、
ウォーレン夫妻がアナベル人形の力を封じることが出来るのは、
その後アナベル人形が彼らのオカルト資料館に展示されていることからも明らか。
なのでエブリンもジョンから神父の話を聞いていれば、死に急ぐ必要もなく、
完全に早とちりの無駄死にだったことになります。

半年後、現場から消えたアナベル人形は、何故かある骨董品店に並んでいて、
もの好きなオバサンが看護師の娘のプレゼントに買って帰ります。
その後、その家でも怪現象を起こして、ウォーレン夫妻に引き取られたのは、
前作や本作の冒頭でも明らかです。
本作も前作の爆発的ヒットには及ばないものの、かなりヒットしたため、
本シリーズの更なる続編も検討されているみたいなのですが、
アナベル人形については誕生の経緯から現在の所在に至るまで、
もう描き切っちゃっているので、続編での活躍はないかもしれません。
いや、骨董品店に並ぶまでの半年間は消息不明なので、
その間のアナベル人形の話なら描けるかもしれませんね。
まぁ普通に考えれば、ウォーレン夫妻の体験した別の事件の話になるけど、
実際のウォーレン夫人は前作の時に、「最も恐ろしい事件」と言っていたので、
別の事件ではパワーダウンすることは否めませんね。
どのみちこの客入りでは、続編が日本で劇場公開されるのは難しいか…。

前作の感想
死霊館

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