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AFFLICTED アフリクテッド

関東の映画ファンには今更な話でしょうが、いよいよ来月の7日から、
関西(シネリーブル梅田)でも「未体験ゾーンの映画たち2015」が開催されます。
関東(ヒューマントラストシネマ渋谷)よりも2か月遅れで開催なんて、
地方の映画ファン軽視も甚だしいと思って、あまり観に行かないつもりでしたが、
3月は観たい映画の封切りが少なく、数本しか観る予定がないので、
「未体験ゾーン」を観に行ける余裕は十分あるんですよね。
なので1~2本しか観ない予定だったけど、増やしてみようかなと。
でも「未体験ゾーン」の全49本を観に行くのはもちろん不可能、
…というか、どんなに頑張っても7~8本が限界です。
玉石混交というか、石率がやたら高そうなラインナップですが、
どうせ観に行くなら全て玉を引きたいところです。
そこで後発で開催されることを逆手にとって、先行する関東での評判や、
海外での評判を参考に、期待できそうな作品ベスト8を作ってみました。

1位『ブルー・リベンジ』
2位『ランダム 存在の確率』
3位『ハニートラップ 大統領になり損ねた男』
4位『特捜部Q -檻の中の女-』
5位『AFFLICTED アフリクテッド』
6位『オキュラス/怨霊鏡』
7位『13の選択』
8位『マイ・メモリー・ライフ』

以上、評判だけでランキングしているので、ボクの私見は入ってません。
ボク自身は『オキュラス/怨霊鏡』が最も面白そうな予感がします。
とりあえずこの8作品は観に行く方向で検討しようかな。
あ、『AFFLICTED アフリクテッド』はわざわざ劇場に観に行く必要もないか。
あと『ハニートラップ 大統領になり損ねた男』も。

ということで、今日は「未体験ゾーン」期待作5位の感想です。

AFFLICTED アフリクテッド
Afflicted.jpg

2015年1月27日日本公開。
カナダ発ファウンド・フッテージ。

俳優のデレクと友人のドキュメンタリー作家のクリフは、世界中を旅して、各地の映像をブログにアップする"The end of the Earth"という計画を始動させる。デレクは脳の病気を抱えており、一時は旅を辞めることも考えていたが、クリフの支えもあり決行の日を迎えたのだ。 旅をつづけて7日目、パリ。デレクはバーで魅力的な女性と出会う。 デレクは彼女を口説き、ホテルの部屋に連れて行く。クリフは2人の"お楽しみ"の感想を聞こうと帰ると、そこにいたのは、肩から血を流し倒れているデレクだった。 彼はその女性に何かされたようだが、覚えていないという。その日から、彼の身体に変化が起こる。食事が食べられなくなる、光を浴びると全身が火傷に襲われる、そして、大きな石を割れるほどの力と、バイクを追い抜けるほどの脚力がつく――。 一体、彼の身体に何が起こっているのか?苦痛に耐えながらも、強大な力を手に入れた彼の運命は――?(公式より)



本作はトロント映画祭やシッチェス映画祭で大好評だった作品で、
「未体験ゾーンの映画たち2015」でも目玉作品のひとつだと思われます。
…が、「未体験ゾーン」のヒューマントラストシネマ渋谷での開催が終了するや否や、
シネリーブル梅田での開催を待たずに早くもDVD化されてしまいました。
関西在住のボクは梅田で観るつもりだったけど、
TSUTAYAのDVDレンタルでワンコイン以下(270円)で鑑賞できるものを、
わざわざシネリーブル梅田まで行って、千数百円払って観るなんてアホらしく、
DVDレンタルで済ませることにしました。
カネだけの問題じゃなく、本作の梅田初公開が3月27日なので、
DVDリリース日に観たら1カ月以上も早く観れるわけですから、
遅れてまで劇場で観るメリットなんて何もありません。
「未体験ゾーン」のラインナップ全49本の中には、本作の他にも、
梅田初公開よりもDVDリリースの方が早い作品が何本もあります。
DVDリリースの方が遅くても、公開中や公開直後にDVDリリースされる作品も多く、
ラインナップの概ね半分は、あえて劇場で観る必要はないです。
この地方軽視のスケジュールに善良な関西の映画ファンがカモられないように、
本記事の最後に劇場で観るべきではない「未体験ゾーン」作品を載せておきます。
ぜひ参考にしてもらって、来年の開催時には地方軽視を改善させましょう。

もちろん、例えDVD化が先行していたとしても、
「映画は映画館で観るもの」と考える映画ファンもいるでしょうし、
基本的にはボクもその意見に賛成です。
しかし映画館で観るべきかどうかは作品にもよります。
例えば「午前十時の映画祭」で上映されるような名作・傑作映画は、
DVDで観れたとしても劇場で観る価値はあると思いますが、
世の中には劇場で上映する価値のない、DVDで十分な凡作・駄作も多いです。
本数の少なかった初期の「未体験ゾーン」はちゃんと吟味されていたでしょうが、
約50本も公開される今年は、もう手当たり次第公開しちゃっている状態で、
そんなDVDで十分な作品が大半を占める状態になっています。
この早すぎるDVD販売スケジュールを見てもわかるように、
普通ならビデオスルーになる作品を、DVDの売り上げを少しでも上げるために、
劇場公開という実績を作ってあげるための場に成り下がり、
今や「未体験ゾーン」は映画ファンのための企画ではなく、
配給会社のためのビデオスルー救済企画になっているのは間違いないです。
もともとビデオスルー同然の作品ばかりなので、映画館で観る価値なんてなく、
DVDリリースから大して先行しない、或はDVDリリースより遅いのなら尚更です。

「未体験ゾーン」はビデオリリース作品の溜まり場ではあるのですが、
全ての作品がビデオスルー当然な作品ではないのが悩ましいところ。
客寄せパンダとして、何本か映画館で上映すべき佳作も混ぜられています。
今回で言えば全米3位のヒット作『オキュラス/怨霊鏡』や
カンヌ映画祭にも出品された『ブルー・リベンジ』などがそうで、
「未体験ゾーン」の目玉作品として客を釣り、リピーター割引や
全作コンプ特典を用意し、他の凡作・駄作に誘引するズル賢い商売です。

その点で言えば、本作は前述のように映画祭でも注目された作品であり、
ビデオスルー当然の凡作ではなく、何本かの目玉作品のひとつでしょう。
だからその理論で言っても、例えDVDリリースの方が早かったとしても、
映画館で観るだけの価値はあるということになるのですが、
目玉作品の中でも本作だけはその限りではありません。
なぜなら本作はPOVファウンドフッテージ映画だからです。
普通の映画とは違い、ハンディカメラやウェアラブルカメラで撮影され、
素人が撮ったチープな映像という体裁の作品なので、
映画館の大スクリーンで観るよりも家庭のチープなテレビで観た方が、
むしろ趣がある内容なんですよね。
家庭用テレビよりもパソコンのモニターなら更に趣が増すくらいです。
音響だってそんなにいい録音機材使ってるはずないので、
映像も音もあえて映画館で観るほどのものではないです。

本作がそんなチープな撮影方法なのは、予算がなかったからです。
POV撮影も低予算で映画を撮るための手法のひとつですが、
予算がないのも当然、本作は実績ゼロの若手監督の処女作だからです。
なんでも30万ドルほどの予算を助成金で賄ったそうです。
主演のアジア系カナダ人の若者が監督らしいですね。
ボクはファウンドフッテージやフェイクドキュメンタリーが好きで見慣れていますが、
正直本作は他のファウンドフッテージに比べて、そこまで面白いわけでもないです。
ただ若いのに頑張ってるなと思うし、トロント映画祭などでの本作の高い評価も、
「低予算なのに凄い」とか「処女作なのに凄い」という感じだったのかも。

よく本作は『クロニクル』に例えられたり比較されたりしますが、
『クロニクル』も若手監督の処女作のファウンドフッテージだったので、
引き合いに出されるのは当然かもしれないけど、
『クロニクル』に比べると本作はあまりにチープすぎます。
たしかにスピーディな映像などはPOVには珍しく、画期的かもしれませんが、
画期的なのは監督の腕ではなく、ウェアラブルカメラの性能です。
ウェアラブルカメラが一般的になったことで、ハンディカメラではあり得ない、
こんなスピーディでアクロバティックな映像に違和感なくなっただけです。
本作はウェアラブルカメラを本格的に導入した走りだとは思うけど、
今後のPOV作品はこのくらいの映像、当たり前になるはずです。
ただ、ボクとしてはハンディ一台で頑張ってる伝統的なPOVの方が好きですけど。
以下、ネタバレ注意です。

旅好きのデレクは一念発起し、親友クリフと2人で世界一周の旅に出ることに。
デレクは脳動静脈奇形という難病を患っており、脳内の欠陥が破裂して、
いつ倒れてもおかしくないが、だからこそ悔いのないように旅をしたいのでしょう。
旅はスペインからスタートし、旅7日目にフランスに到着しますが、
その夜デレクはバーで女の子オードリーをナンパし、ホテルにお持ち帰り。
クリフは茶化してやろうと、お楽しみ中と思われるデレクの部屋に突入しますが、
そこにはオードリーの姿はなく、頭から流血して倒れているデレクの姿が…。
どうやら部屋に入るなり、何者かに頭を殴られたらしいのです。
病気のことを知ってるクリフは焦りますが、意識を取り戻したデレクは、
入院で旅が終わってしまうのが嫌で病院に行くのを拒否。
そのままイタリアに行き、旅11日目にワイン醸造業者を見学。
そこで急にデレクの肌が焼きただれたようになり…。
その夜、一度帰国しようと言い出したクリフに苛立ったデレクが
ホテルの部屋の壁を殴ると、壁は粉々に破壊され…。
更にクルマを持ち上げたり、時速60km以上で走れるようになったり、
ひとっ跳びでビルの屋上まで登れたり、ビルの壁をよじ登れたりと、
アメコミヒーローのようなスーパーパワーを開花させるのです。
なるほど、これではアメコミをモチーフにしたファウンドフッテージSF映画
『クロニクル』と比較されるのも当然ですね。

ところが本作は、ファウンドフッテージSF映画ではなく、
ファウンドフッテージホラー映画だったのです。
スーパーパワーを手に入れたデレクは、なぜか食べ物を受け付けなくなり、
更に目玉も取れたと思ったら、新しい不気味な目玉が再生し…。
ある時、デレクは街で若者に絡まれ、相手をぶっ飛ばすのですが、
相手の血が付いた自分の拳を美味しそうに舐め始め…。
そう、デレクはヒーローではなくヴァンパイアになっていたのです。
ヒーローSFだと思ったらまさかの吸血鬼ホラーだったわけですが、
各所で『クロニクル』と比較されていたので、
その先入観のせいで意外な展開に思えました。
でも、吸血鬼ホラーとわかってからは、もう在り来たりな吸血鬼ホラーです。

血を渇望するデレクのために、クリフは精肉店から牛の血を貰ってくるけど、
生臭くて飲めず、新鮮な血を求めて野良犬を探すことにしますが、
この辺りには飼い犬しかおらず、デレクはブドウ園の家畜の仔豚を襲います。
しかし仔豚の血も受け付けず、予想通り人間の血しかダメみたいです。
そして予想通り病院の血液バンクを襲いますが失敗。
救急車をジャックして逃走し、警察から逮捕状が出されてしまいます。
その夜、部屋に戻ったデレクは渇ききったのか意識を失ってしまい…。
数日後、クリフは自分から採血し、デレクに与えようとしますが、
血の匂いで理性を失ったのか、デレクはクリフを襲って吸血するのです。
いずれは親友クリフを襲う展開になるとは予想していましたが、
その展開になるのは予想よりも少し早かったですね。
クリフは主に撮影担当だったので、こんな中盤でカメラマンが死んだら、
この後もPOVを続けられるのか、…と思ったけど、
ウェアラブルカメラがあるからデレクひとりで大丈夫でした。

クリフの血を啜り、渇きが満たされたデレクは我に返り、
親友を殺してしまったことを後悔し、散弾銃を咥えて自殺を図りますが、
後頭部がグチャグチャにブチ抜かれても死ぬことは出来ず…。
このシーンは並みのホラー映画にも負けないグロさで感心しました。
旅21日目、デレクは何か治療法があるはずだと、
こんな体になった原因と思われるオードリーを探すことに。
フランスに戻り、ホテルでオードリーの忘れ物のケータイを発見し、
そのアドレス帳に入っている人に、片っ端から呼び出しのメールを送り、
旅27日目、モリスという男が呼び出しに応じ現れます。
デレクはモリスを尾行して監禁し、オードリーについて聞こうとしますが、
そこにフランス特殊部隊が突入してきたので、デレクは隊員一人から吸血して退散。

デレクが隠れ家の倉庫に戻ると、オードリーが現れるのです。
案の定、オードリーもヴァンパイアで、治療法はないと告げます。
どうやらデレクが難病だと知って、親切心から命を助けてあげようと
ヴァンパイア化させてくれたみたいですが、4~5日毎に吸血が必要だと…。
デレクは人を殺してまで生きたくないが、自殺も不可能で…。
ヴァンパイアなんて十字架とかニンニクとか弱点ばかりの怪物なんだから、
死のうと思えば死ねる気がしますよね。
本作では十字架が効くかはわかりませんでしたが、日光が苦手なのは明らかで、
昼間に外で日光浴でもしたら、焼けただれて死ねそうな気がします。
でもヴァンパイアの弱点である杭をオードリーから心臓に刺し込まれても
死ぬまでには至らなかったので、日光でも痛いだけで死にきれないのかな?
オードリーから殺す相手を選べばいいと助言を受けたデレクは、
児童を強姦した男を捕まえて餌にするのです。
犯罪者からしか吸血しないことにしたのでしょう。
あまりに普通すぎるオチで拍子抜けしちゃいますよね…。
オードリーの正体もヴァンパイアだなんて、あまりにも当たり前すぎ。
もうちょっと意外な結末を考えられなかったものか…。
エンドロールでは、クリフもヴァンパイア化していたことが明らかになりますが、
吸血した相手がもれなくヴァンパイア化するなら、
犯罪者なんて吸血したら凶悪なヴァンパイアの犯罪者になっちゃうんじゃ?

観るべきところもあったものの、イマイチな作品でしたが、
これでも評判が高い方の作品だなんて、今年の「未体験ゾーン」は
ホントに駄作揃いなんじゃないかと不安になります。
関西の映画ファンはしっかり吟味して観に行きましょう。
良い子は絶対に全作コンプなんて考えてはいけません。
特典の1カ月無料パスポートを貰って、1カ月無料で観た映画の料金の総額よりも、
全作分の鑑賞料から全作分のDVDレンタル料金を引いた額の方が大きいです。
まぁ1カ月パスポートを利用して20本以上観れたら、
後者の額が大きいとも言い切れないかもしれませんが、
4スクリーンしかないシネリーブル梅田は1カ月に20本も公開されませんからね。
以下の作品はなるべくDVDで観て、後はどうしても観たい作品だけ
シネリーブル梅田に観に行くことをオススメします。

劇場で観るのは損な「未体験ゾーン」作品(DVD発売日)
『余命90分の男』(2月4日)
『デッドハング』(2月4日)
『AFFLICTED アフリクテッド』(2月25日)
『オール・チアリーダーズ・ダイ』(3月4日)
『ハン・ゴンジュ 17歳の涙』(3月4日)
『アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ アナザー』(3月4日)
『エージェント:コール』(3月4日)
『コウノトリの道 心臓を運ぶ鳥【前編】』(3月11日)
『コウノトリの道 心臓を運ぶ鳥【後編】』(3月11日)
『アノマリー』(3月20日)
『Facebookで大逆転』(3月20日)
『ファイナル・デッド・クルーズ』(4月2日)
『ネクロマンティック』(4月2日)
『デス・クル―』(4月2日)
『アメリカン・マッスル』(4月3日)
『DEBUG/ディバグ』(4月3日)
『クロース・エンカウンター 第4種接近遭遇』(4月3日)
『レベル15』(4月3日)
『トラップ』(4月3日)
『ハニートラップ 大統領になり損ねた男』(4月8日)
『ハイヒールの男』(5月2日)
『ロスト・フロア』(5月8日)
『アイ・アム・ソルジャー SAS英国特殊部隊』(5月13日)
『メイド・イン・アメリカ』(6月3日)
以上、まだ見落としているものもあるかもしれません。

関連作の感想
クロニクル

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