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マッハ!無限大

昨日、109シネマズHAT神戸に『マッハ!無限大』を観に行ったのですが、
観終った後も用事がなかったので、ハシゴで何か観ようと考えました。
でも109シネマズHAT神戸では観たいものがなかったので、
シネ・リーブル神戸まで行って『フォックス・キャッチャー』を観ることに。
109シネマズHAT神戸のJRの最寄り駅は灘駅で、
シネ・リーブル神戸のJRの最寄り駅は三ノ宮駅ですが、
一区間なので、運賃勿体ないし歩いて行こうとしたのですが、
意外と遠くて、30分近くもかかって漸く到着した頃には、
ハシゴはやめて帰ろうかと思うほど疲れました。
以前は一区間程度の距離なんて何でもなかったのに、体力の衰えを感じます。
まぁ『フォックス・キャッチャー』観ている間に完全回復しましたけど。

ということで、今日は演者の体力の衰えを否めない映画の感想です。

マッハ!無限大
Tom Yum Goong 2

2015年2月14日日本公開。
トニー・ジャー主演の大ヒット・ムエタイ映画の続編。

古式ムエタイ兵士の子孫であるカーム(トニー・ジャー)は、象のコーンと一緒にタイの小さな村で暮らしていた。ある日、突然現れた動物密輸入組織のボス・スチャートと手下たちによって誘拐されたコーンを取り戻すため、カームはバンコクに向かう。だが、彼が屋敷に侵入したときにはすでにスチャートは息絶えており、カームに殺人の疑いが掛かる。(シネマトゥデイより)



本作は『マッハ!!!!!!!!』(以下『マッハ!』)のトニー・ジャー主演のムエタイ映画で、
『マッハ!無限大』なんて邦題ですが、『マッハ!』の続編ではありません。
『マッハ!』の続編は『マッハ!弐』と『マッハ!参』で、三部作として完結しています。
『マッハ!』は現代を舞台にしたムエタイ・アクション映画でしたが、
その続編二本はなぜか武侠もの歴史ファンタジー映画になっていて、
1作目とはあまりに別物だったので、期待を裏切られましたね。
ムエタイよりもカルマとか輪廻とか仏教がテーマの物語でしたが、
三部作終了後、主演で2~3作目の監督だったトニー・ジャーは
急に出家してしまったので、この時期に仏教に目覚めたのかもしれません。
しかし一説には3作目が興行的に失敗したことで、
映画会社が雇ったギャングに追われることになり、仏門に避難したとか…。
半年余りで早くも還俗し、その復帰第一弾が本作になるみたいですが、
また同じ映画会社で製作しているので、関係が修復されたということかな?
それとも映画会社から借金返済のために無理やり働かされてるとか?
まぁ何にせよ、トニー・ジャーが復帰してくれたことは喜ばしいことです。

本作は『マッハ!』の続編ではありませんが、
トニー・ジャー主演作の続編ではあります。
彼のもうひとつの代表作である『トム・ヤム・クン!』の続編です。
それなら邦題も『トム・ヤム・クン!無限大』にしろよって感じですが、
公開当時『マッハ!』が日本で大ブームになったために、
『七人のマッハ!』や『マッハ!ニュー・ジェネレーション』など、
タイのアクション映画にとりあえず「マッハ!」を冠する習慣が出来てしまい、
それを『マッハ!』から10年以上も経つ今でも引きずってるんですね。
ボクの印象では『トム・ヤム・クン!』も負けず劣らずヒットした気がするので、
素直に「トム・ヤム・クン!」を冠した邦題でもよかった気がするのですが、
なんでこんなややこしい邦題にするのか、ちょっと不誠実さを感じます。
例えるなら『ロッキー』の続編に『ランボー』を冠するようなものなのに…。

でもまぁ本作の内容にはトム・ヤム・クンは全く出てこないので、
「トム・ヤム・クン!」を冠するのも変と言えば変かもしれませんね。
なのでやはり「マッハ!」を冠するとして、ボクが邦題を付けるとしたら
「チョコレート・マッハ!」なんてのはどうかな。
本作のヒロインであるジージャー・ヤーニンの主演作の邦題には
デビュー作の『チョコレート・ファイター』から必ず「チョコレート」が冠されていたので、
その週間が本作で途切れるのもちょっと惜しい気がするしね。
実はボクも『マッハ!』2~3作目の出来の悪さや、出家騒動などから、
トニー・ジャーにはちょっと愛想を尽きていたので、本作を観た動機も、
トニー・ジャー目当てではなく、ジージャー目当てです。
もちろん新旧男女ムエタイスターの初共演ということが何よりも楽しみだったので、
トニー・ジャーあっての高い期待感でしたけどね。
日本ではジージャーにも熱烈なファンが少なくないので、
本作はトニー・ジャーとジージャーの「Wジャー」共演なんて宣伝され、
まるでW主演作のような扱いになっていますが、実際はそうでもなく、
トニー・ジャーの単独主演でジージャーは華を添える程度の脇役扱いです。
正直そんなことじゃないかとは思ってましたが、やはり残念です。

残念と言えば、トニー・ジャーのムエタイ映画の代名詞ともいえる、
「ノー・CG、ノー・ スタント、ノー・ワイヤー」が本作では踏襲されなかったことです。
それを「今度は何でもアリです。」なんて謳ってますが、物は言いようですね。
そもそも彼のムエタイ映画は誤魔化しなしのマーシャルアーツ映画として、
香港のカンフー映画のアンチテーゼ的に大ヒットしたと考えられますが、
CGもスタントマンもワイヤーも、更には早回しも使っていると宣言する本作は、
もう誤魔化しだらけのカンフー映画と同じで、ガッカリです。
どんなアクロバティックなアクションを見せられても「どうせワイヤーで吊ってる」、
どんなビル飛び越えなど危険なアクションがあっても「スタントマンにやらせたな」、
どんな素早い組み手を披露されても「ホントはゆっくり動いてるだろ」と興醒め。
使ってるのに「ノー・CG」などと謳えば詐欺になるけど、
そこはあえて公言せずに、観客の判断に任せる方がよかったんじゃないかと…。
ボクもわざわざ公言されなければ「ここは○○使ってるな」とか思わないし、
もっと素直にアクションを楽しめたの思うのですが…。
それに何より、様々な誤魔化しを駆使しているにも関わらず、
アクションの過激さは前作を上回っているとは言えない程度で、
トニー・ジャーの衰えをCGなどで補っているような印象で、なんだか寂しい気分に。
『トム・ヤム・クン!』のゲテモノ料理店でのワンシーン・ワンカットなんて、
ホントに素晴らしかったので、もうあんなことも出来ないのかと思うと…。

残念なことと言えば、ハリウッド俳優を起用していることも残念。
仇役として、カリスマ的なHIPHOPクルー「ウータン・クラン」のリーダーで、
『アイアン・フィスト』など自身でカンフー映画も手掛けるRZAを起用していますが、
もうトニー・ジャーの人気だけでは集客できないと判断された印象で、
彼は体力だけじゃなく人気まで衰えたのかと思ってしまって…。
『マッハ!』や『トム・ヤム・クン!』の頃はホントに一世を風靡したのに、
そんな兼業俳優の人気に頼るようでは悲しいです。
まぁ今は正直落ち目なトニー・ジャーですが、今が底だけど復調するかも。
ハリウッド超大作『ワイルド・スピード』最新作でハリウッドデビューするしね。
できれば全盛期にハリウッドで活躍する彼が観たかったですが…。
以下、ネタバレ注意です。

主人公は前作に引き続き、象を守るムエタイ戦士チャトゥラバートの末裔カーム。
前作ではシドニーの密猟組織から象の親子を救い出すために戦う、
とてもシンプルな話でしたが、本作は冒頭から何やら小難しい、
ポリティカルな舞台設定が語られ、ちょっと身構えてしまいます。
なんでもカタナ共和国という国で、分離独立運動が起こり、
内戦の末、反政府の将軍を国主とした西カタナが独立し、
和平のためにタイなど関係各国が動いているみたいです。
そんな国家規模の話に、田舎の象使いカームがどう関わるのか気になりますが、
その関係性はなかなか見えてこないんですよね。

シドニーに浚われた象の親子の親象ポーヤイは密猟組織に殺されましたが、
小象コーンは奪還に成功し、カームと田舎で生活しています。
そこにスチャートという怪しげな男が訪れ、コーンを言い値で買うと申し出ますが、
コーンを弟のように愛するカームは「値段はあんたの親と同額だ」と拒否。
スチャートは諦めて帰るが、カームが買い物に行った先で見たテレビで、
象が連続で斬殺されている事件が報道されており、慌てて家に帰るが、
案の定、そこにコーンの姿はなく…。
カームはスチャートがコーンを浚ったと考えるのです。
この連続殺象事件ですが、コーン誘拐と関係ある気もするけど、
後にわかるコーンを浚った奴らの動機だと、像を殺す意味なんてないし、
その事件との関係性はちょっとよくわかりませんでした。
正直、本作は微妙にわからない展開が多いですが、たぶん製作サイドも
物語に重きを置いていないので、筋を通そうともしてないのかもしれません。

カームはスチャームの屋敷に乗り込みますが、
スチャームはすでに何者かに殴り殺された後で…。
そこにスチャームの双子の姪スースーとピンピンがやってきて、
彼女たちは伯父がカームに殺されたと思い込むのです。
その姪を演じるのがジージャーですが、なるほど双子役だから、
一人二役にCGを使うのも仕方ないか、…と思いきや、
ジージャーが演じるのはピンピンだけで、スースーは他の子が演じます。
髪型と服装は同じにしてるけど、正直全然似てなくて双子とは思えません。
警察も駆け付け、双子に見つかったカームは言い訳する暇もなく逃走。
その途中で、前作でも世話になったマーク巡査に会うのです。
マーク巡査はシドニー警察の人情お巡りさんだったはずですが、
なぜタイ警察にいるんだ?…と思ったら、どうやらICPO捜査官らしいです。
数年前まで街のお巡りさんだったのに、インターポールに昇格するなんて
考えにくいですが、マーク巡査を続投させるための苦肉の策でしょうね。
マークはタイ入りするカタナ共和国の国主の警護で来ていたみたいです。
マークはカームを捕まえず、何か事情があると考え逃がしてあげます。

後にカームとマークは密会し、カームはまた浚われた象を捜していると説明。
そこにどうやって場所を突き止めたのか、双子が襲撃してきます。
更に謎のバイカー集団も襲撃してきて、三つ巴の戦いになるのですが、
せっかくトニー・ジャーとジージャーの共演バトルが見れると思ったのに、
バイカー集団の横槍が入ったのは残念です。
バイカー集団はウヨウヨ湧いて出るので、バイカー集団とのバトルは長いですが、
正直、バイク乗った敵が相手だと、あまりムエタイも活かされないです。
ムエタイの神髄は肘とか膝とか人体の堅い場所を武器にして、
関節とか神経系とか人体の弱いところを攻撃して破壊することにあるのに、
バイクなんかと戦ったらムエタイの醍醐味が味わえません。
ボクはムエタイを観に行ってるのに、こんなシーン長々と見せられても退屈です。
バイカーとの対決なんて前作でも一度やってたことで目新しくない上に、
今回はノー・CG、ノー・スタントでもないですからね。
バイカー集団から逃げるために、カームは鉄橋からバンジーするのですが、
あり得ないアクションを見せるけど、やはりそれはワイヤーを使ったみたいで、
ご丁寧にもその撮影風景をエンドロールで流すんですよね…。
ワイヤーで吊られているトニー・ジャーなんて見たくないです。

双子の伯父スチャームを殺して、象コーンを浚ったのは
武器商人のLCという男で、彼は大勢の凄腕格闘家を手下にしています。
手下はナンバーで呼ばれますが、特にNo.02が強いみたいです。
No.20は女性格闘家ですが、どうやらLCの情婦みたいです。
No.24はICPOの潜入捜査官で、LCの組織を調べているのですが、
バレてしまったみたいでNo.24はNo.20に殺されてしまいます。
うーん、数字の若い方が強いってことなのかなと思うのですが、
ナンバーは刺青や焼印で人体に刻まれているので、
もし強くなっても昇格したり出来ないでしょうね。
LCはNo.02をカームに差し向けます。

カームは造船所でNo.02率いるLCの手下に襲撃されますが、そこに双子も乱入。
また三つ巴の戦いになるけど、双子のひとりスースーがNo.02とタイマンとなり、
No.02の破壊力抜群のパンチを3発叩き込まれ、殴り殺されてしまうのです。
その死に様が伯父スチャームと同じだったので、ピンピンも真犯人に気付きます。
正直ジージャー演じるピンピンは、よく知らない若手女優演じるスースーと
ニコイチ状態なのは不満だったので、スースーがリタイアしたのは嬉しかったかも。
ただ、ジージャーのアクションは出演作を重ねるごとにショボくなっており、
『チョコレート・ファイター』の頃のような激しさがありません。
今回はムエタイだけではなく、針やテーザーガンなど武器も使うし…。
やっぱり彼女も肉体的にピークを越えてしまっているのでしょう。
若く見えてももう三十路女性なので仕方がないのかな…。
主演作『チョコレート・ファイター2』が控えていますが、持ち直してほしいです。

カームもNo.02に敗れ、拘束され、LCの前に連れて行かれます。
LCはシドニーの事件でのカームの活躍を知っており、組織にスカウトします。
カームは象コーンを人質(象質)に取られているので従うしかないですが、
カームに与えられたナンバーは、なんとNo.01で…。
強い順だとNo.02に負けたのにNo.01になるのはおかしいので、
やっぱり数字と強さはあまり関係ないのかもしれませんね。
No.01になったカームですが、実際は全く信用されてないので、
命令無視すると電撃が流れるスタン装置を背中に付けられ、
LCからある任務を命じられるのです。
スチャームの雇主ウィニという男の暗殺ですが、ICPOが踏み込んできたため、
暗殺に失敗し(というか端から暗殺する気はなかったようで)逃げます。
その後、捜査から外されたマークと合流しますが、
マークが簡単に背中のスタン装置を外してくれるんですよね。
あれなら自分でも外せたような…。

それにしてもLCがなぜウィニを暗殺しようとしたのかよくわかりません。
LCはどうやら和平会議のためタイのプーケットを訪れる
西カタナの将軍とカタナ共和国の大統領を殺害するつもりです。
うーん、武器商人だから和平が成立したら武器が売れなくて困るからかな?
でも西カタナの将軍とは懇意みたいだし、ちょっとよくわかりませんね。
両カタナの国主には和平の証として象が贈られるのですが、
その象の牙には爆弾が仕込まれていて、和平の祭典で両国主が象に近づくと、
大爆発する計画で、その象にコーンが利用されているのです。
それなら別にどの象でもよかったのに、なぜわざわざコーンを選んだのか?
というか、別に象の牙に爆弾を仕掛けなくても、他の場所でもよかったのでは?

カームはマークと一緒にプーケットに向かい、ピンピンも合流。
LCの計画を阻止(コーンを救出)するために、LCの手下と戦います。
といってもNo.02以外は雑魚みたいなものです。
意外なのは幹部キャラだと思われたNo.20とは戦わなかったことです。
ピンピンと女同士のバトルがあると思ったけど、No.20はLCに殺されるんですよね…。
周りは雑魚ばかりですが、No.02はめちゃめちゃ強く、めちゃめちゃタフです。
まずピンピンと戦うのですが、彼女が火を付けたガソリンで焼け死んだと思ったら、
ほぼ無傷で今度はカームと戦うし、カームからチャトゥラバート奥義を食らい、
流石にリタイアかと思ったら、クライマックスでもまた無傷で登場します。
結局、最後はピンピンに針を心臓に刺し込まれ死にます。
まぁNo.02は双子の姉妹の仇なので、カームに殺されるよりも、
ピンピンが仇討できたのはよかったですが、タイマンではなく、
マークにも手伝ってもらったのはちょっとどうだろ?

本作の最大の敵はNo.02ではなく、やっぱりLCでした。
彼は単なる武器商人ではなく格闘家で、実は最強のNo.00だったのです。
でもLC演じるRZAはアクション俳優ではなくラッパーですから、
普通にトニー・ジャーとバトルできるはずなく…。
カームはコーンの牙の爆弾が取れて爆発しないように、
コーンの牙を押さえながら戦うことを強いられる両手の塞がった状態になり、
クライマックスなのにムエタイが封じられた状況になります。
両手が塞がっているので、LCのサンドバッグ状態になりますが、
そんなことして、もしカームが両手を離したら、牙が抜けて爆発し、
LC自身も爆発に巻き込まれちゃうかもしれないのにね。
結局LCは自分でコーンの牙を抜いてしまい、爆弾が起動して爆死…。
カームとコーンは爆風で海に転落して助かり、めでたしめでたしですが、
こんなの自爆も同然で、せっかくムエタイ映画なんだから、
決着くらいムエタイの技で決めてほしかったです。
あと命は助かったけど、牙が切られたコーンの姿が痛々しく、
どうにもいまいちハッピーエンドな気持ちになれませんでした。

なんだかタイのムエタイ・アクション映画に限界を感じてしまいました。
一世風靡したムエタイ映画が一過性のブームで終わったのも、
結局、ポスト・トニー・ジャー的なムエタイスターが誕生しなかったからですが、
トニー・ジャーもジージャーも肉体的に限界みたいなので、
早急に若いムエタイスターを発掘した方がいいんじゃないかな?
まぁ『愛しのゴースト』とか、ムエタイ映画以外にも面白いものがあるので、
タイ映画自体はいつになく活気がある気がしますけど。

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