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エンジェルの狂気

DVDのリリースカレンダー見ていたら、映画『AFFLICTED アフリクテッド』が
2月25日にリリースされると載っていて愕然としました。
この作品はテアトル系で上映される「未体験ゾーンの映画たち2015」の一本ですが、
「未体験ゾーン」が関西(シネ・リーブル梅田)で開催されるのは3月7日から…。
しかも『AFFLICTED』の関西初回は3月27日でDVDより1カ月以上遅いです。
関西公開よりもDVDリリースの方が早いなんて、地方をバカにしてます。
他の「未体験ゾーン」作品もわかる範囲で調べてみると、
『オール・チアリーダーズ・ダイ』が3月4日リリース(関西初回3月22日)、
『コウノトリの道 心臓を運ぶ鳥[前編]』が3月11日リリース(関西初回3月15日)、
『コウノトリの道 心臓を運ぶ鳥[後編]』も同日リリース(関西初回3月28日)で、
いずれも関西公開よりもDVDリリースの方が早いです。
おそらく上映される49本中、他にも何本かそんな作品があるでしょうが、
もし関西公開の方が早くても、ほとんどの作品は1カ月以内にDVDしそうな気が…。
これではDVD化されてから見ればいいと思ってしまうし、
映画館に足を運ぶモチベーションにはならないので、
今年の「未体験ゾーン」はほぼスルーすることになりそうです。
観に行くとしたら全米3位だった『オキュラス/怨霊鏡』くらいか…。

ということで、今日はDVDで観た映画の感想です。

エンジェルの狂気
Repentance.jpg

2015年2月4日リリース。
フォレスト・ウィテカー主演のサイコスリラー。

舞台は米ニューオリンズ州の小さな町。ふざけて車を運転していたトミーとベン兄弟が"何か"にぶつかり、大事故を起こす。ベンはすぐに意識を取り戻し逃亡を試みるが、トミーは呼びかけても返事をしなかった…。あれから4年、トミーは本のサイン会場にいた。セラピストとなり成功をおさめていた彼は、自身の臨死体験を綴った著書を発表したのだ。するとそこへ、エンジェルと名乗る謎の男が姿を現し、1対1でカウンセリングをして欲しいと頼まれる。最初は拒んだトミーだったが、兄ベンの多額の借金を返済するため引き受けることに。だが、それが悪夢の始まりだった…。(公式より)



本作は全米ボックスオフィス初登場24位だった作品だそうですが、
ボクは毎週10位まではチェックしているものの、10位未満はわからないので、
本作の存在は全く知りませんでした。
でもTSUTAYAの店舗でたまたま本作を見かけて、面白そうだなと。
パッケージの表面を見ただけで、内容もわかりませんでしたが、
キャストに惹かれて思わず手に取ってしまったジャケ借りです。
大御所フォレスト・ウィテカーももちろん好きですが、
W主演のアンソニー・マッキーが決め手です。
『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』でキャップのサイドキックである
ファルコン役を務めた、今注目も黒人俳優ですよね。
ウィテカーとマッキーの共演であれば、全米ランキングももっと伸びそうだけど、
本作が全米公開されたのは『キャプテン…』より前だったので、
単なるウィテカーの主演作として、あまり注目されなかったのでしょう。

注目されなさ過ぎて本作の評価も調べることが出来ませんでしたが、
いざ見た限りでは、それほど高い評価は受けられない気がします。
本題に入るまでがちょっと長すぎる気がするし、
本題に入ると今度は「そんなバカな」な展開の連続です。
面白くないわけではないけど、脚本の出来はイマイチなのかな。
以下、ネタバレ注意です。

ある夜、兄ベンとドライブ中にトミーは飲酒運転で人を撥ねてしまい、
そのまま木に追突して彼は一時意識不明になります。
4年後、トミーは臨死体験をしたスピリチュアル・カウンセラーとして活躍し、
著書『Don't Look Back』も好評を博します。
どうやら4年前の轢き逃げは世間にバレてないみたいですが、
その時に意識不明になったことを臨死体験と称しているみたいで、
臨死体験時の状況を詳しく聞かれたら答えることが出来ないのに、
なぜ臨死体験を売りにしたスピリチュアル・カンセラーなんかになったのか…。

彼の書店ツアーのサイン会にエンジェルという名の男がやって来ます。
エンジェルがサインしてもらうために持参した本はかなり読み込まれていて、
どうやらトミーの熱烈な信望者のようです。
エンジェルからぜひ個人セッション(カウンセリング)してほしいと頼まれます。
トミーは兄ベンが揉め事を起こして1万2000ドルもの大金を必要としているため、
エンジェルの個人セッションを1時間300ドルで請け負うのです。
弁護士の法律相談だってせいぜい1万円なのに、
スピリチュアル・カウンセリングなんて怪しげなものに300ドルも払うなんて、
と思いましたが、エンジェルは言われるままに払います。
あんなボロ屋に住んでるから、そんなに裕福ではなさそうですが…。
そんな貧しそうなエンジェルに1時間300ドルなんて吹っ掛けすぎだろと思うけど、
それで1万2000ドルを稼ぐには何時間かかるんだよって感じですね。

エンジェルの悩みは、死んだ母親が至る所で見えるというもので、
かなり精神的に参っており、その苦痛を取り除いてほしいと…。
トミーは落ち着く呼吸法を試したり、気持ちを解放するためにボートに乗せたり、
母親の墓参りに行ったりするのですが、エンジェルにあまり改善は見られません。
最終手段として彼の家族を集めて、死者の来世への移行を祈る儀式を行うが、
その儀式の最中でも「そこに母が立っている」と騒ぎ出す始末で…。
折しも兄ベンが弟から援助されたくないと言い出し、また本屋ツアーも始まるので、
もうエンジェルの個人セッションは打ち切ろうと考え、
これまでのセッション代を全額返金し、「もう続けられない」と告げます。
するとエンジェルは、おもむろにバットでトミーを殴って気絶させ、
ビニールシートで簀巻きにして、自宅の地下室に監禁するのです。

やっと本題に入った感じですね。
エンジェルはトミーに強めのモルヒネを注射して痛めつけます。
モルヒネの影響で痛みは感じないのですが、
足にバールを突き刺したり、ガラスの破片入りの布袋で殴ったり、
電動ドリルを肩に刺し込んだりと、かなり強烈な仕打ちをします。
なぜエンジェルが単なるカウンセラーにそこまでするのか謎ですが、
普通に考えたら、彼の死んだ母親が4年前の轢き逃げの被害者と思いますよね。
或はエンジェルなんて名前だから、実は天使か堕天使のような超常的な存在で、
過去の罪深い行いを隠しているトミーに罰を与えているとか…。
でもどうも彼は、トミーの狂信者であり、セッションを打ち切られて激怒した、
精神を病んだサイコ野郎な気も…。

しかし実際は大方の予想通り、エンジェルは轢き逃げ被害者の息子で、
轢き逃げ犯であるトミーに復讐しているわけですが、
彼が警察すらも掴めなかった轢き逃げの真相を知ってるはずありません。
エンジェル自身も確信がないのか、トミーに「真相を話せば解放する」と言い、
「今までで一番の悪事は何か」を問い続けるのです。
トミーは「子供の頃に猫を殺した」とか「兄の女を寝取った」とか、
適当なことを言って誤魔化そうとしますが、エンジェルは納得せず、
やはり母の死にトミーが関わっていることを確信しているようにも思え…。
実際に母の死の原因がトミーだと明言したりもするのですが、
その確信に至った経緯が「そんなバカな」なんですよね。

エンジェルの母の遺体は轢き逃げから数週間後に川から見つかりますが、
彼はなんと霊媒師を川に呼び、口寄せみたいなことをしてもらうのです。
その時、霊媒師が「暗闇を嘆くより蝋燭を灯す方がいい」と
意味不明な格言を口にするのですが、それと全く同じセリフが、
トミーが事故後に書いた著書にもあったため、彼を疑ったのです。
もちろんトミーがエンジェルの母に会ったのは、事故の時が最初で最後なので、
彼女とは話したこともないし、そんな格言も知らなかったはず。
トミーは臨死体験の時にその格言を得たと話していますが、
つまりこのあり得ない偶然の一致が偶然ではないのだとしたら、
トミーの臨死体験も、霊媒師の口寄せも本物だったということになります。
サイコスリラー映画だと思ったら、とんだスーパーナチュラル映画で、
ホントに「そんなバカな」って感じの展開でした。
エンジェルが見える母の姿も、彼の幻覚ではなく、
本当に実在する霊的な存在のようですからね。

エンジェルはトミーがなかなか真実を語らないので、
彼の妻マギーも拉致して、キッチンに監禁します。
そして地下室にいるトミーに、マギーの鞄と出刃包丁を渡します。
マギーを助けに行きたければ、柱と繋いである鉄の手枷を外すために、
自分の手を出刃包丁で切り落せってことです。
トミーは自分にモルヒネを注射し、左手の親指と人差し指を包丁で切断。
手枷から腕を抜いて地下室を出て、マギーを見つけます。
ついでにその包丁でエンジェルをぶち殺そうとしましたが、返り討ちに…。
更にエンジェルはトミーの兄ベンも拉致して、3人を地下室に拘束します。
トミーのセッションの家族を集める儀式の真似事をしているわけですが、
エンジェルは3人に「全員殺すが後悔して死にたいか?」と言い、
兄ベンに「最後に共有したい話題はないか?」と問うのです。
するとベンは4年前の轢き逃げ事故の真相を話し始めます。
エンジェルの母は轢かれた時にまだ息があったけど、
ベンが川に投げ込んでトドメをさしたみたいです。
エンジェルにとっては初めてちゃんと真相を聞けたのは意味があるでしょが、
ボクたち視聴者にとっては、特に意外なことろもない予想通りの真相ですね。
トミーが轢き殺したわけではなく、ベンがトドメをさせたということですが、
ベンが後始末をしたのはそれまでに語られていることだし、
それでトミーの罪が軽くなるわけでもなし、何の驚きもない真相でした。

3人を地下室に残して一階に上がったエンジェルのもとに、
8歳の娘フランチェスカが駆け寄って来ます。
エンジェルは3人を監禁しているのを娘に知られないように、
娘にニ階でピアノの練習をさせ、部屋には鍵を掛けておいたはずなのに、
なぜ一階に降りてきているのか不思議に思って尋ねると、
娘は「お婆ちゃんが開けてくれた」と…。
やはりエンジェルの母の霊は実在するみたいです。
それを聞いたエンジェルは地下室に戻り、トミーの拘束を解き、
ピストルを一丁残して、娘と一緒に家を出ます。
ラストシーンで家から銃声が一発聴こえますが、トミーが自殺したのかな?
「俺たちはもう魂が死んでいる」みたいなことを言っていたので、
心中すると思ったけど、銃声一発なら普通に考えたら自殺ですよね。
ただトミーが自殺したら、他の2人の拘束を解いてくれる人がいないので、
結果2人も餓死して心中したも同然になるか。
だとすれば轢き逃げとは何も関係ない妻マギーは可哀想ですね。
というか、核シェルターとして作られた完全防音の地下室なのに、
なぜあんなに明瞭に銃声だけが漏れるのか不思議です。

展開的にいろいろ拙いところはあるものの、一番ダメなのは、
主人公であるトミーが過去の殺人を隠しているロクでもない男なので、
彼がサイコ野郎のエンジェルに酷い目に遭わされても気の毒に思えないし、
彼が一生懸命脱出を図っても応援する気になれず、
スリラーなのに全くハラハラできなかったってことかな。
やっぱりジャケ借りなんかでは、なかなか佳作に当たりませんね。

余談ですが、上の劇場ポスター画像のフォレスト・ウィテカーは、
左目が写ってないので、なんだかウィテカーに見えませんよね。
DVDのジャケットは似たようなデザインですが、
ちゃんとウィテカーとわかるように両目が写っていました。

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