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はじまりのうた

昨日、シネ・リーブル梅田に映画を観に行ったら、
なにやらサーバがダウンしたとかで、カウンターで座席指定が出来ないみたいで、
急きょ、自由席にして営業していたのですが、ちょっとビックリしました。
(カウンターで発券できず、チケットも係員さんが手書きで対応してました。)
係員さんは謝っていましたが、ボクは自由席でも全然問題ないです。
シネ・リーブル梅田はほんの2年ほど前までは自由席だったので懐かしかったくらい。
それにこの映画館は、座席の勾配がかなり緩いため、
前の席に座高の高い人(平均的な男)が座ると、頭がスクリーンにかかるので、
そうなった場合、簡単に移動できる自由席の方がよかったりします。
(だからなのか最前列が人気のあるちょっと変わった映画館です。)

なので別に自由席でも問題なかったのですが、ちょっと困ったのは、
ネットで座席購入した人には座席指定されているので、
自由に好きなところに座っていても、ネット購入組がその席を取っていたら、
譲らなくちゃいけないみたいで、せっかく前が空席ないい席を確保しても、
あとからその席を譲らなくちゃいけなくなるかもしれないと、
上映前や予告編が流れている間はソワソワして落ち着けませんでした。
結構混んでいたけど、結局その席を予約していた人はいなかったみたいで、
そのまま観ることが出来てよかったです。
(ネット購入組も先客がいたら座席を譲れとは言い難いでしょうね。)

ということで、今日はソワソワした気持ちのまま始まってしまった映画の感想です。

はじまりのうた
Begin Again

2015年2月7日日本公開。
キーラ・ナイトレイ、マーク・ラファロ主演の音楽コメディドラマ。

ミュージシャンの恋人デイヴ(アダム・レヴィーン)と共作した曲が映画の主題歌に採用されたのを機に、彼とニューヨークで暮らすことにしたグレタ(キーラ・ナイトレイ)。瞬く間にデイヴはスターとなり、二人の関係の歯車に狂いが生じ始め、さらにデイヴの浮気が発覚。部屋を飛び出したグレタは旧友の売れないミュージシャンの家に居候し、彼の勧めでこぢんまりとしたバーで歌うことに。歌い終わると、音楽プロデューサーを名乗るダン(マーク・ラファロ)にアルバムを作ろうと持ち掛けられるが……。(シネマトゥデイより)



本作はトロント国際映画祭でプレミア公開された作品で、
キャストがいいし、内容も面白そうな作品だと思いメモっておきました。
でもプレミア当時は『Can a Song Save Your Life?』だった原題が、
全米公開時には『Begin Again』に改題されていたので、
本作が全米ボックスオフィスにランクインした時に、
ボクもトロントの時にメモっておいた作品だったとは気付かず、
「あれ?このキャストのメンツ、見覚えがあるぞ?」って感じでした。
改題されたのが公開直前だったためか、客に混乱を招いたみたいです。
でも『Begin Again』というタイトルは字面もゴロも良くて、秀逸なタイトルですよね。
思いついちゃったら混乱を招いてでも改題したくなる気持ちもわかります。
それに比べると元の原題は酷すぎますね…。
邦題『はじまりのうた』も悪くはないですが、原題の方がしっくりきます。

本作は音楽映画で、ヒロインのグレタはシンガーソングライターなのですが、
そのグレタ役をキーラ・ナイトレイが演じるというのは意外です。
彼女にはあまり歌を唄うイメージがなかったので、
どんな歌声を披露してくれるのか、とても興味が湧きました。
たぶん映画で歌声を披露するのも本作が初めてでしょうが、
いざ聴いてみて、正直上手いかどうかは判断できなかったけど、
予想以上にキュートで魅力的な歌声でしたね。
弾き語りもあるので、ミュージシャンの旦那さんから習ったそうで、
やはりハリウッド女優ともなれば演技だけではなく、
楽器も歌も出来なきゃダメなんでしょうね。

グレタの恋人役のデイブは現役ミュージシャンのアダム・レヴィーンで、
彼の所属バンド「マルーン5」はグラミー賞新人賞も取った人気バンドですが、
ボクは先達てグラミー4冠になったサム・スミスすらも全く知らなかったほど、
洋楽に疎いので彼のことも全く知りませんでした。
しかしある情報によればレヴィーンは本作が映画デビューですが、
なんと本作にはノーギャラで出演しているそうで、ビックリですよね。
その理由はよくわからなかったけど、アメリカだと映画の挿入歌はヒットするし、
もちろん劇中には彼の美声を披露する歌唱シーンもあるので、
バンドのプロモーションとして出演しているのかもしれませんが、
グラミー賞受賞の人気歌手が今更ノーギャラでプロモーションというのも変です。
「俺はミュージシャンだから演技でカネは稼がない」なんて理由だったら
超かっこいいですが、そんな男気溢れる彼の役柄は正直酷いです。
もっといい役にしてあげたらいいのに…。
以下、ネタバレ注意です。

過去にはヒット歌手も輩出したスカウトマンのダンですが、
彼の立ち上げたレーベルに送られてくるデモテープを聴いても、
いい新人は見つからず、もう7年もアーティストと契約できていません。
ボクの耳には彼が気に入らないデモテープの曲もそう悪くないし、
日本だとそのまま発売してもいいクオリティだと思いましたが、
あの程度ではアメリカで成功するのは難しいってことかな。
レーベルの共同設立者サウルは、そんなダンをクビに…。
別に全く新人を発掘しなくなったからだけではなく、
レーベルの方針とダンの考えに乖離があるからなのですが、
このレーベルの方針が、アーティスト自身が曲を解説する音声を収録するという
ダサいにも程がある失笑ものの計画で、ダンが反対するのも当然です。
いや、意外とファンは喜ぶかもしれませんけど…。

失業したダンは更に別居中の妻と娘にも無下に扱われ、
なんと地下鉄で自殺しようと思い詰めます。
(電車内で布教活動を行うクリスチャンに邪魔されて一時思い留まりますが。)
落ち込んだ彼はあるバーのカウンターで酒を飲んでいましたが、
バーのステージに飛び入り参加した女性シンガーのグレタの歌に魅了され、
彼女をスカウトするのです。
彼女の歌はダン以外の客には全くウケてなかったのですが、
ダンは酒に酔うと、聴いている曲が勝手にアレンジされて聞こえる特殊能力者で、
才能はあるもののまだ洗練されてなかった彼女の歌も、
脳内で完璧にアレンジされて、高クオリティに完成された歌に聴こえるのです。
彼女のステージはアコギの一本の弾き語りですが、ダンの脳内では、
ピアノやらチェロやらドラムやらが鳴り始めますが、その脳内映像が面白いです。
たしかにアコギ一本の時よりもいい曲に聴こえましたね。
まぁ曲の良さだけでなく、寂しさを綴った歌詞がダンの心境にマッチしたのかも。

そのシンガーソングライターのグレタですが、彼女の恋人デイブもミュージシャンで、
デイブが歌った映画の挿入歌が大ヒットして、彼は一躍人気者になります。
デイブとグレタは学生時代から音楽活動も一緒にやっていたので、
その挿入歌を含むデビューアルバムも一緒にやるつもりでしたが、
プロデューサーから「冗談でしょ?」と言われてしまい、ソロアルバムに…。
デイブが忙しくなり、すれ違いが多くなる2人ですが、
デイブがツアー中に女性スタッフと浮気してしまい、破局するのです。
グレタはデイブがツアー中に書いたラブソングを聴いて浮気に勘付くのですが、
「これは他の女に向けた歌だわ」なんて、女の勘は恐ろしいですね。
傷心のグレタはストリートミュージシャンの男友達スティーブの家に転がり込み、
スティーブに誘われて、彼の出演するバーのステージに飛び入りし、
ダンからスカウトを受けることになったわけです。

ダンは古巣のレーベルに行き、サウルにグレタの歌を聴かせますが、
サウルには脳内アレンジ能力はないので、反応はバーの客と同じで、
「アレンジした歌のデモ持ってくれば契約するか考える」と…。
でもスタジオ代などデモの製作費も出してくれないので、
金欠のダンには彼女のデモを作る資金はありません。
でも「デモ録るのにスタジオ借りる必要なんかない」
「PCで編集できるからNYの街角で録ればいい」と閃きます。
NYのいろんな場所で録ったことが売りにもなると考えたみたいです。
しかもただ街角で録るだけではなく、ゲリラ的に無許可で録るみたいです。
その方がNYの空気感が録れるってことかな?

グレタの希望でダンがプロデューサーになり、
編集はグレタの友達スティーブがやってくれるけど、
バックバンドも集めなければいけませんが、雇う金はなく…。
しかしダンは「暇なミュージシャン集めればいい」とメンバー集めを開始します。
チェロとバイオリンは音楽学校の生徒である姉弟、
ピアノは子供バレエ教室の伴奏者に声を掛けます。
彼のアレンジを実現するためには、演奏の腕はそこそこでいいのかな?
まぁこのご時世、どんな下手っぴでも編集でなんとかなるしね。
ダンは大物ラッパーのトラブルサムにも会いに行きますが、
まさか歌の途中でラップを挟むつもりか?…と思いきや、
トラブルサムにベースとドラムを用意してもらっただけでした。
トラブルサムは昔ダンが手掛けて大ブレイクしたラッパーみたいで、
彼はダンを半端なくリスペクトをしているみたいです。
グレタの歌に惚れ込んだダンが全く趣の違うヒップホップも手掛けていたとは
なんだかちょっと意外な気がしますね。
トラブルサムはかなり大物っぽいので、フィーチャリングするのもありかも。

初レコーディングは路地裏で行いますが、野外なので喧騒は避けられません。
まぁそれもNYの空気感の演出にもなるので、ある程度は我慢しますが、
近くでボール遊びしている子供たちには、ひとり1ドルずつ渡して、
「暫く静かにしてくれ」と頼むのですが、子供たちは「5ドルずつくれ」と…。
金欠のダンには痛い出費ですが、彼はタダでは転ばない男で、
なんと5ドルあげる代わりにコーラスとして参加させちゃうのです。
さすがにド素人の子供がコーラスは無理だろとは思うけど、
使えるものは何でも使っちゃうダンの手法は面白いですね。
そんなダンは、自分の娘ヴァイオレットもギターとして参加させることにします。
本当はダンではなくグレタの思いつきだったのですが、
学校に友達がいないヴァイオレットは嬉しかったみたいで、
それがキッカケでダンと別居中の妻と娘の関係も改善されるのです。
ヴァイオレットは可愛いし学校でも人気者になりそうな感じですけど、
セクシーすぎて同性に嫌われるタイプなのかもしれません。
そんな彼女にグレタは控え目な服装をアドバイスして、一緒に買い物に行くけど、
グレタってダンにもダメ出しされるほど服装のセンスがないんじゃなかったっけ?

一方、グレタの元恋人デイブはどんどんスターダムを駆け上がりますが、
アーティスト気取りでヒゲモジャにして、まるで別人のような風貌に…。
そんな元カレをテレビで見たグレタはその気持ちを歌詞にして、
その歌をデイブの留守電に吹き込んでおきます。
その歌を聴いたデイブは「こんなことが出来る女性はグレタだけだ」と
別れたことを後悔し、「会いたい」と連絡してくるのです。
実際に2人は会うことになり、デイブはヨリを戻したいと言い、
2ndアルバムの一曲「さまよう星たち(Lost Stars)」をグレタに聴かせます。
この曲は交際していた頃にグレタが作ったバラードでしたが、
聴いた彼女はポップスにアレンジされ曲の良さが消えたと感じます。
うーん、ボクはポップス風アレンジも売れそうでいい感じだと思いましたけど、
たしかにグレタが歌っていたものとは別物になってますね。
そんなグレタにデイブはライブを見に来てほしいと頼み、
ライブではグレタが作った元のバラードのアレンジで歌うのです。
うん、たしかにポップスよりもコッチの方がいいかもしれませんね。
ただやっぱりグレタが歌っていたものとは別物だと感じましたが、
まぁ歌い手が違えばそれも当然かな。
ナイトレイ演じるグレタが歌ったこの曲は可愛くて魅力的でしたが、
レヴィーン演じるデイブが歌うこの曲も流石はプロと思うクオリティで、
どちらがいいとは言い切れませんけど。
この曲は「マルーン5」名義で実際にリリースされ、
本作の挿入歌としての効果もあり、各国(特にアジア)で大ヒットしたみたいです。

グレタのデモが完成し、サウルに持って行くと、サウルもその出来に驚き、
ぜひ契約してリリースしたいと言われるが、グレタは契約前に印税に付いて質問。
スタッフからアルバム1枚10ドルとして、アーティストに入る印税は1枚1ドルと聞き、
宣伝もしなくていいし、ネット配信のみでいいし、手を加える必要もないので、
おたくは製作費を全く出してないのに9ドルも抜く気か、と不満を表明。
なんと彼女は、自分でアルバムをネット配信してしまうのです。
しかも価格はたったの1ドルですが、印税も1ドルなら彼女にとっては同じことか。
でも1ドルで売るのはやっぱり勿体ないですよね。
参加メンバーにも利益を配分するなら、もう少し高くてもいいのに。
とはいえ、購入者にとっては手が出しやすく有難い価格ですよね。
まぁレーベルを通してもアルバムが10ドルなら、かなり安いと思っちゃいますが、
日本だとアルバム1枚がその3倍の値段はしますからね。
Jポップなんかクオリティは洋楽の半分にも満たないのに、ふざけた話です。

しかしグレタのセルフネット配信は、音楽業界を敵に回す行為で、
サウルもカンカンで、彼女を発掘したことで職場復帰したダンも再びクビに。
まぁダンも納得ずくでグレタのネット配信を容認したんだから仕方ないけどね。
それにダンの口利きで、トラブルサムがアルバムの宣伝をツイート。
大物ラッパーの彼のフォロワーは半端ない数みたいで、それが拡散して、
口コミで大ヒットし、1日1万ダウンロードもされるんですからね。
1枚1ドルとはいえ、1日100万円ちかくグレタの口座に入るわけで、
その収益の一部はベースで参加したダンにも配分されるので、
クビになってもすぐに金欠で困るようなことはなさそうかな。
バイラルマーケティングというか、ステルスマーケティングというか、
まさか最後にトラブルサムをこんな風に利用するとは意外で面白いラストでした。
本作も全米公開時にはたった5館での上映でしたが、
バイラルマーケティングで1300館にまで増え、ボックスオフィス・トップ10に入りました。
やはり口コミの力というのは侮れませんが、本作にしてもグレタのアルバムにしても、
それが出来るのは作品としていいものだからです。
本作は本当に面白い作品だったので、日本でも10館のみの小規模公開ですが、
口コミでもっと拡大公開されたらいいと思います。
ウチのブログだけではトラブルサムの何百万分の一の効果しかないけど…。

本作が面白いのは音楽がいい音楽ドラマということだけではなく、
ロマコメに走らなかったこともとても好印象でした。
普通こんな展開だと、グレタとダンはフォーリンラブしそうなものですが、
お互いのプレイリストを聴き合って意気投合して、
あわやベッドインか、ってところでスティーブが邪魔したり、
アルバム完成後、見つめ合っていい雰囲気になって、
キスしちゃうのかと思いきや思い留まったりと、けっこうギリギリな展開でしたが、
結局最後までビジネスパートナーの関係を貫いたのがよかったです。
それによってダンが妻とヨリを戻すことも出来たし、
娘ヴァイオレットの立場を考えても、ダンがグレタと結ばれるのはちょっとね。
製作サイドもそれがわかっていて、あえてフォーリンラブしそうな
冷や冷やの展開を随所に差し込んでくるところが憎いです。
それにしてもプレイリストを聴き合って親密になるというのはわかる気がしますね。
ボクのプレイリストもかなり偏っているので、人に聴かせるのは抵抗あるけど、
これを聴かせられるようになったら相当打ち解けている気がします。

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