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繕い裁つ人

明日の夕方から一泊で日本海までカニを食べに行きます。
ボクは太平洋側の港町に住んでいるので、日本海まで行くには
本州を横断するためちょっと遠いですが、県境は跨がないんですよね。
ボクの住む西宮市を擁する兵庫県は、本州で唯一海が二つある県なので。
ボクはカニやキャンプのため、3年に1度くらい日本海に行ってますが、
日本海側と太平洋(瀬戸内海)側は本当に同じ県かと思うほど趣が違います。
兵庫県南部(特に阪神間)はけっこうな都会ですが、
北部はけっこう田舎だし、方言も違います。(北部は関西弁じゃない。)
南部は瀬戸内式気候で、一年中とても安定した気候ですが、
中北部は豪雪地帯でもあり、明日も大雪になりそうかも…。
(車で行くけどタイヤチェーンも用意しておかないとダメかな。)
そんな他県には類を見ないほどの多様性が兵庫県の魅力です。

ということで、今日は西宮市を含む兵庫県南東部で撮られた映画の感想です。
ボクは地元LOVEなので、もちろん公開当日に見に行きました。

繕い裁つ人
繕い裁つ人

2015年1月31日公開。
池谷葵のコミックを実写映画化。

市江(中谷美紀)は祖母が始めた洋裁店を継ぎ、町の仕立て屋の2代目店主として日々年季の入ったミシンの前に座っている。彼女が職人技を駆使して丁寧に仕立てる洋服は、依頼人たちを喜ばせていた。職人気質の市江はブランド化の依頼にも目もくれず、その服に袖を通すたった一人のためだけのオーダーメイド服を縫うだけで幸せだったが……。(シネマトゥデイより)



今年も丸一カ月が過ぎようとしていますが、今年観た映画は16本目。
16本目の本作が今年初めて観る実写邦画になります。
インフレが進む中、今年は遊興費を少しでも節約するため、
実写邦画を鑑賞するのを泣く泣く諦めていたのですが、
我が西宮市のご当地映画とあっては、地元愛溢れるボクとしては、
どうしても諦めることが出来ず、観に行ってしまいました。

まぁ実際は西宮市のご当地映画ではなく、神戸市から西宮市の間が舞台で、
西宮市内でのロケ地も2か所だけです。(しかも室内。)
メインの舞台となる主人公の店「南洋裁店」のロケ地も川西市の旧平賀邸です。
(旧平賀邸はNHK朝ドラ『マッサン』のロケ地でもあります。)
しかもこの物語の舞台がどこなのかは劇中でも言及されていません。
(登場人物も関西弁を喋りません。)
漫画が原作ですが原作者は別に神戸周辺を想定して描いているわけではなく、
ただメガホンを取った三島有紀子監督が関西出身だったため、
この辺りで撮影することにしたみたいです。
三島監督自身は大阪府出身ですが、母校が神戸女学院だったらしく、
劇中の図書館が神戸女学院の図書館で、そこが西宮市のロケ地のひとつです。
("神戸"女学院だけど神戸市ではなく西宮市内にあります。)
女子大だし、さすがにボクも入ったことはないです。
もうひとつのロケ地はヨシムラ洋服店という店で、
劇中では「テーラー・ハシモト」という紳士服店として登場しましたが、
場所的に前を通ったことは何度もありそうですが、やはり入ったことはないです。
どうせなら阪神甲子園球場とか福男レースがある西宮神社とか、
もっとわかりやすい名所でロケして欲しかったけど…。
…おっと、宮っ子以外には全くどうでもいい情報でしたね。

本作の主演は中谷美紀ですが、彼女は2011年には西宮市が舞台の
『阪急電車 片道15分の奇跡』でも主演していました。
彼女は東京出身なので、特にこの辺に縁があるわけでもないと思うけど、
たぶん『阪急電車』を観た人がキャスティングしたんじゃないかな?
他にも、片桐はいり、中尾ミエ、余貴美子など、いい演技派女優が脇を固めています。
銀熊賞受賞の黒木華、ブレイク必至の杉咲花の若手女優2人にも注目です。
ちなみに伊武雅刀は本作が100本目の出演作だったそうです。
そこまで大きな役でもないし、そんなメモリアルなら作品選べばいいのにね。
以下、ネタバレ注意です。

大丸デパートの藤井は、南洋裁店の市江の服に惚れ込み、
ウチのデパートでも扱いたいとブランド化を打診しますが、市江は頑なに拒否します。
ブランド化って、南洋裁店というのも立派なブランドだと思うけど、
ブランド化というよりも大量生産を打診したってことでしょうね。
市江は祖母からこの店を継ぎますが、二代目の自分の仕事は先代の作った服の
仕立て直しとサイズ直しだけだと考えているみたいです。
3年前に亡くなった先代は本当に皆から愛される偉大な仕立て屋だったそうな。
一応、服も作っていますが、それも先代のパターンをそのまま使っていて、
その服も先代からの付き合いである雑貨店「NAIFS」にしか卸しません。
それも生活のために仕方なくやっているだけで、
本当は先代の服の仕立て直しだけをしていたいような感じです。
せっかく高い洋裁技術を持っているのに、そんな仕事面白くなさそうだけど、
まぁ何が面白いかなんて人それぞれですね。
不思議なのは藤井で、彼は先代の作った服よりも、市江の作った服に惹かれ、
市江のオリジナルデザインの服も作ってほしいと思い、ブランド化を打診しますが、
洋裁技術が高い人がデザイン力も優れているとは限らないし、
市江のデザインも見たことがないのに、なぜそこまで熱心に交渉するのか…。
南洋裁店に入り浸りで、他の仕事はないのかと心配になるくらいですからね。
彼女の洋裁技術に惚れ込んだのなら、人を雇って大量生産したがるはずないし、
藤井が何を考えているのか、ちょっと理解に苦しいです。

年に一回、南洋裁店が主催する「夜会」なるパーティが行われますが、
30歳未満は入場禁止という規則の如何わしい集まり、…というわけでもなく、
先代の仕立てた服を着た人たちが集まる野外立食パーティです。
夜会の前には参加者が着ていく服を市江に仕立て直してもらいます。
南洋裁店にとっては仕立て直し料で儲けられる、いいイベントですね。
夜会に参加できない30歳未満の人は、どんなパーティか気になるみたいで、
女子高生たちが南洋裁店に忍び込み、仕立て直し中の服を見て回りますが、
やはり流行を追っている彼女たちにとってはダサくて古臭い服ばかりで、
「こんな服、別に欲しくないや」みたいなことを言います。
それを見ていた藤井は「君たち用じゃないから当たり前だ」と言い返します。

その言葉通りで、女子高生たちは夜会本番にも忍び込みますが、
ダサくて古臭いはずの服を着ている自分たちの両親や祖父が、
いつもの姿とは全く違うエレガントな姿で驚き、
夜会に乱入して市江に「私にも作ってほしい」と頼み込みますが、
参加者の老人が「これは仕立て直しながら20年も寄り添える服だ」
「買った服を一カ月で売ったり捨てたりする君らには勿体ない」と言い、
女子高生たちを追い返してしまいます。
別にNAIFSに行けば女子高生にも売ってくれると思うし、
市江はすでにその女子高生のひとりが着れる服を仕立て直してあげてるけどね。
それにこの老人の発言は若者に対する偏見が強すぎて同意しかねます。
買った服を一カ月で捨てられるほど金持ってる女子高生がそんなにいるかよ。
その老人の発言を聞いた藤井は市江が仕立て直しにコダワる気持ちを理解し、
ブランド化も諦め、市江のもとを去るのです。

しかし本当は市江も自分のデザインした服を作りたいのですが、
偉大すぎる先代と比べられるのを恐れているのか挑戦できないだけで…。
それに藤井に付きまとわれているうちに、彼のことも気になるようになっていて、
藤井が姿を現さなくなったことを寂しく思います。
ある日、大丸の近くに行った時、藤井の妹に出合い、市江は彼女から、
藤井が自ら願い出て、東京のデパートの家具売り場に異動になったと聞きます。
異動の理由は、もちろん市江への打診を諦めたのもあるでしょうが、
大丸が仕立て直しを依頼していた紳士服店が、
時代の流れで服を仕立て直す客が減ったから店仕舞いすると聞いて、
服への情熱が強い彼は「コダワリのあるものがなくなるのは我慢できない」と
服の仕事から離れようとしたみたいですね。
たしかにボクも気に入った服を何年も着続けるタイプですが、
そんな服でも仕立て直すくらいなら、新しい服を買っちゃうかな。
まぁ体型維持は意識しているので、仕立て直す必要もないのだけど…。
しかしそれにしてもブランド化交渉をする裏方(バイヤー?)だった藤井が、
異動で家具売り場の接客に配属されるなんて畑違いすぎて変な感じです。
しかも家具の説明も完璧に熟していたし、本当に服一筋だったの?

それがキッカケで心境が変化し、オリジナルデザインの服を仕立てることを決意。
手始めに結婚する藤井の妹のウェディングドレスを作ります。
ウェディングドレスって、たしかに綺麗だと思うけど、ボクにはどれも同じに見えて、
どこに市江のオリジナリティが発揮されているのかわかりませんでしたが…。
結婚式にはもちろん兄の藤井も参加し、念願の市江のオリジナルドレスに感動。
その頃、市江はまた夜会を主催していたので、結婚式には出てませんが、
市江がオリジナルの服を作り始めたと知れば、
藤井は当然市江に会いに行くと思ったけど、なぜか再会は描かれず、
本作は幕を閉じてしまうので、「え、これで終わり?」って感じでした。
市江が先代を超える仕立て屋になろうと挑戦し始めたのはよかったけど、
これでは藤井が再び服への情熱を取り戻したかはわかりません。
東京に戻って、まだ家具売ってるのではないかと…。
まぁ藤井がまた市江にブランド化を打診するというのも変だし、
曖昧なままで終わらせるのも悪くないかもしれませんね。

地元愛で観た映画でしたが、やはり邦画はイマイチかも。
キャストの演技はよかったし、悪い作品ではないけど、洋画に比べると満足感が薄い。
とりあえず来月(2月)は実写邦画は1本も観ないかも…。

余談ですが、エンドロールで流れる主題歌は平井堅が歌っていますが、
今週、平井堅の歌う映画主題歌を聞いたのは、
『ANNIE/アニー』(字幕版)の「Tomorrow」(英語Ver.)に続いて2回目です。
同時期(一週違い)に公開される映画で、こんなバッティングは珍しいですよね。
しかし『ANNIE/アニー』の主題歌が「Tomorrow」なのは当然ですが、
なぜ本作の主題歌が「切手のないおくりもの」なの?
馴染みがあるし、いい歌だとは思うけど、内容と全く関係ない気がするけど…。
まぁいろんな意味で話題の平井堅の新曲『ソレデモシタイ』とタイアップよりはマシか。

コメント

私も初日に観に行きました(ブログ更新で先を越されました)。原作は好きなのですが、なにしろ地味な話なので、どう映画化されるのか期待半分で、不安半分でした。中谷サマには「合っていなかった」としか言いようがないですね。いろいろと残念な映画でした。

CHARADEさんへ。

中谷美紀では原作の市江と違いすぎるということですか?
ボクは原作を知らないので中谷美紀自体には不満を感じませんでした。
そういえば劇場で販促用の原作の試し読みの冊子を配ってました。
ボクはそれも読んでなかった(どこかで失くした)のですが、
原作とあまりに違うなら、そんなものを配って比較されてしまったら、
宣伝目的なのに逆効果かもしれませんね。

  • 2015/02/02(月) 21:25:27 |
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