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ドラフト・デイ

ニューヨーク・ヤンキースをFAとなったイチローが、
日本でマリーンズ入団の記者会見を行うと聞き、
「え、イチローが千葉ロッテに入団するのか?」
…と思ったというのは冗談ですが、マイアミ・マリーンズに入団というのも、
なんだかちょっと微妙な気持ちです。
マリーンズと聞いて真っ先に千葉ロッテが過ぎるのは、あながち冗談でもなく、
それくらいマイアミ・マリーンズは日本人に馴染みがないメジャー球団です。
ピンとこないのはフロリダ・マリーンズから改名して間もないこともあるけど、
今まで日本人選手が在籍したことのない球団なんですよね。
(これで残る日本人選手未在籍球団はシンシナティ・レッズだけ。)
強いのかどうかもわかりませんが、都落ち感は否めません。

でもさすがはイチロー、異例の日本での入団会見では、
「応援してください、という気はない。応援してもらえる選手であり続けたい。」
と、めちゃめちゃ渋いイチロー節を聞かせてくれました。
きっと新天地でも活躍してくれるでしょう。
このイチロー節ですが、MLBのサイトに誤訳されて掲載されたことが少し話題に。
再翻訳すると「応援し続けてください。応援し続けてもらえる選手であり続けたい。」
と、せっかくのイチロー節丸潰れの意味になってしまいます。
ただ、これは誤訳と言うよりもわかりやすく意訳されただけのような気も…。
要は「応援してもらえる選手であり続けたい」ということを、
イチロー節でちょっと捻って言っているだけですからね。
この程度の意訳を誤訳と言っていたら、洋画の日本語字幕なんて誤訳の嵐です。
更に日本語吹替えなんて誤訳の大嵐ですよね。

ということで、今日は全く馴染みのない米国のプロスポーツチームの物語の感想です。

ドラフト・デイ
Draft Day

2015年1月30日日本公開。
ケビン・コスナー主演のスポーツドラマ。

アメリカンフットボールのプロチーム、クリーブランド・ブラウンズ。そのゼネラルマネージャーを務めるサニー(ケヴィン・コスナー)は、成績の不振が続いているチームの状況に焦りを感じていた。地元ファンから寄せられる熱い期待とオーナーからのプレッシャーに応えるべく、12時間後に迫ったドラフト会議で是が非でも大物ルーキーを獲得せねばと決意する。そんな中、ライバルチームのGMの口車に乗せられて、自身とチームの存亡を揺るがしかねない危険なトレードに応じてしまうが……。(シネマトゥデイより)



昨年公開され、約3000万ドルの世界興収を稼いだ本作ですが、
そのほぼ全額が北米での興収になります。
アメフトを題材にした映画ですが、さすがはアメリカン・フットボールだけあって、
アメリカ(とカナダ)でしか人気がありませんから、世界的ヒットは難しいです。
日本もアメフトは全く人気がないので、よく劇場公開を決心したなと思いましたが、
それは裏を返せば、誰も関心ない題材だけど公開する価値があるということで、
きっと面白い物語に違いないと期待が膨らみます。
ただボクもやはりアメフトには全く関心がない、というかほとんど知らないので、
話についていけるかはかなり不安でした。
数年前に週間少年ジャンプで連載されていたアメフト漫画『アイシールド21』も
ルールが全くわからなくて、5巻ともたず読むのを止めましたからね。

まぁ本作の場合は試合が描かれるわけではないので、
アメフト自体のルールを知っている必要はそれほどないけど、
(ただポジションの役割くらいは理解しておいた方がいい。)
NFLのドラフト会議が舞台なので更に馴染みがない題材です。
配給会社もそんなNFLに疎い観客のために、わざわざ本編上映前に、
ドラフト会議の「3つのポイント」という説明映像を用意してくれていますが、
この説明がなかったら全く楽しめなかっただろうなと思うほど重要でした。
比較的馴染みのあるプロ野球のドラフト制度とは全然違います。
NFLを知らずに本作を観に行く人は、本当に遅れない方がいいです。

そのドラフト会議の3つのポイント、というか3つのルールですが、
1つ、指名順は前年度の成績が悪かった順で、重複指名できません。
各球団1位指名を出して重複したらクジ引きでというプロ野球とは違い、
運否天賦の介在しない、とても公平なわかりやすいルールですね。
32チームあるので、1巡目で全体1位から全体32位までが決まり、
それが7巡まであり、全体224位までの指名選手がプロ入りするわけです。
なのでプロ野球の各球団1位なんかとは違い、NFLの全体1位は凄い栄誉で、
全体順位の高い選手ほど初年度の年棒や契約金も高いみたいです。
弱いチームから順に指名できるというのは、とても公平で単純ですが、
事態を複雑にしている謎のルールが、2つ目のポイントである、
指名権をトレードできるという制度です。
より高い指名順のチームに翌年以降の指名権や所属選手をトレードに出して、
指名権を取引することが出来てしまうのです。
まぁ金で指名順を買ってるわけではないし、翌年は不利になるわけですが、
その年の公平性は著しく欠けるし、なんだか釈然としないルールですよね。
ただこのルールのお蔭で本作のようなドラマが生まれるわけですが。
3つ目のポイントは、指名する持ち時間は10分間ということ。
これは別にたいしたルールでもないけど、32チームが持ち時間をフルに使えば、
1巡目だけで5時間以上かかるってことで、長丁場にも程があります。
以上、これであなたも遅れて観に行っても大丈夫です。

このルールを理解した上で観ると、本作はとても面白い頭脳戦で、
まるで『ライアー・ゲーム』や『カイジ』のような心理ゲーム映画を観ているようです。
でもただルールを覚えるだけではダメで、序盤は沢山登場する
チーム名や登場人物名、それぞれの役職を覚える作業があり、これも少し大変で、
かなり早口な字幕を必死に追わなくてはいけませんでした。
ホントに序盤は映像をゆっくり観る余裕もなく、字幕だけを読んでましたよ。
それでも振り落とされかけるくらいでしたが、実際は余談的なセリフも多く、
重要なところは反復してくれるので、気楽に観ても何とかなるかも。
以下、ネタバレ注意です。

物語はドラフト会議の13時間前から始まります。
主人公のサニーはクリーブランド・ブラウンズのGM。
ブラウンズは全体7位の指名権を持っていて、
サニーはオハイオ州大のディフェンシブライン(DL)のボンテを指名するつもりです。
でもペン監督はフロリダ州大のランニングバック(RB)レイを希望しています。
ところがオーナーのモリーナがウィスコンシン大のクォーターバック(QB)
キャラハンを絶対に取れというので、GMのサニーもオーナーには逆らえず…。
しかしキャラハンは大学アメフトでハイズマン賞(年度最優秀選手)を受賞した
今年のドラフトの目玉選手であり、全体1位指名で獲られるのは必至。
そこでサニーは1位指名権を持つシアトル・シーホークスにトレードを持ち掛け、
3年間の1巡目指名権と交換に1位指名権を譲ってもらうのです。
来年どころか再来年の1巡目指名権まで取られるなんて…。
キャラハンが獲得できるとオーナーとファンは大喜びですが、
なぜかキャラハンもブラウンズ入りをかなり喜んでいるみたいで…。
元7位指名権ってことはブラウンズは32チーム中、下から7番目の弱小チームでは?
まぁ元1位指名権のシーホークスは前年最下位ってことだから、
そこよりはマシなチームに入れることを喜んだってことなのかな?

もちろん喜ぶ人もいれば怒る人もいます。
QBよりRBのレイが欲しかった監督、ほぼ7位指名で内定していたボンテ、
そして何よりブラウンズの現役QBドリューは大激怒です。
前年は故障で活躍できなかったドリューですが、自主練を積み今絶好調。
なのにルーキーにポジションを取られそうになってるんだから怒りたくもなるけど、
(イチローがFAで入団したマリーンズの外野手の心境に近いかも?)
プロだったら実力でポジションを守ってほしいものです。
もし実力で負けても、監督の所望するRBに転向するわけにはいかないのかな?
まぁそれだけアメフトにおいてQBは名誉なポジションなのでしょうね。
怒ってオフィスを荒らしたりと、ちょっと乱暴者のようなドリューですが、
自身のドラフト前にはあるチームからの賄賂(?)を付き返したこともあるみたいで、
なかなか誠実な男だと思われ、好感が持てますね。

本当は1巡目でボンテを指名するつもりだったサニーですが、
キャラハンでも不満はないけど、不安はあるみたいで、
せっかく代償を払って獲っても問題を起こされたり使い物にならなかったら困るので、
キャラハンの素行に問題はないかとか、体調や精神に問題はないかとか、
スカウトたちに徹底的にリサーチさせるのです。
とはいえ、もう数時間後にはドラフト会議ですから、今更な感じで、
女好きということ以外に全く欠点は見つかりません。
前々からキャラハンを調査していたカンザスシティ・チーフスのGMにも聞きますが、
ライバルがわざわざ親切に教えてくれるはずもなく…。
そこでサニーは自らウィスコンシン大に行き、学長や部活の監督に話を聞きます。
そこでキャラハンの誕生日会にチームメイトが誰も参加しなかったという話が…。
ぶっちゃけ、スター選手にありがちなワンマンプレーで嫌われていたんでしょうね。
アメフトはチームスポーツなので、ちょっと不安になりますよね。
そこにキャラハンを狙うバッファロー・ビルズのGMからトレードのオファーが。
2年分の一巡目指名権と所属選手2人を提示され、心が動きますが、
「これを受けたら今年誰も獲れない」という不安に駆られ拒否します。
ビルズはきっと指名順がかなり低いんでしょうね。

サニーは大学アメフトでキャラハンとボンテが直接対決した、
ウィスコンシン大対オハイオ州大の試合テープを見直してみます。
この試合はボンテがキャラハンにサックを4回も決めた時のものです。
ボクはルールがよくわからないので、「サック」が何かもわかりませんが、
たぶんキャラハンを止めたってことでしょうね。
サックされた以外はキャラハンのプレーはやはり素晴らしく、
結局キャラハンのウィスコンシン大が勝利しますが、
オハイオ州大の敗因はボンテが途中退場させられたことでした。
試合中ボンテが客席にファンの娘にボールをあげてしまい退場させられた、
…と言われており、愚かな行為だと嘲笑されていましたが、
よく見てみるとファンの娘ではなく、甥たちを連れて観戦していた彼の姉でした。
姉はその半年後に亡くなったそうで、ボンテは何か思うところがあったのでしょう。
ボンテをメリケンサック型のケータイを持ったふざけた男だと思ってましたが、
甥も引き取ったみたいだし、本当は優しい青年なのでしょうね。
サニーもボンテを大いに見直したことでしょう。

そんな折、15位指名権を持つヒューストン・テキサンズのGMから、
ボンテの情報を教えて欲しいとの電話が掛かってきます。
テキサンズは1巡目にボンテを指名するつもりのようで、
これでボンテが2巡目まで残らないことは確実となり、
サニーは本当にボンテを捨てて、キャラハンを指名していいものか悩みます。
そんなアニーに年棒上限を担当する女性幹部が、
「2位指名でもダメな選手もいれば、199位指名でも活躍した選手もいた」と助言。
ドラフト会議開幕目前、サニーはある決断をするのです。
それにしても年棒上限(サラリーキャップ)っていい制度ですね。
所属選手の総年棒の上限を超えてはならないという制度で、
金満球団ができない、とても公平なシステムだと思いました。
ぜひプロ野球でも導入してほしいです。

ラジオシティ・ミュージックホールでNFLドラフト会議が開幕。
シーホークスとのトレードで全体1位指名権を持つサニーのブラウンズは、
なんとというか、やはりというか、キャラハンではなくボンテを指名します。
これではわざわざ高い代償を払って指名権トレードした意味がないと、
オーナーやファン、そして仲間からも批難されまくるサニー。
特にキャラハンにユニフォームを自ら渡そうと来場していたオーナーはブチ切れ、
サニーがクビになるのは間違いないですが、それも当然ですね。
ボンテなんてトレード前の7位指名で余裕で獲れた選手だから、
トレードに出した来年、再来年の1巡目を無駄にしただけで明らかな判断ミスです。
絶対今年の全体1位指名は自分だと思っていたキャラハンもパニック状態です。
でももちろんボンテは大喜びで大号泣です。
彼にとっては7位指名より1位指名の方が年棒も上がるし、
甥たちの面倒を見るためにも儲かる上位指名を願ってましたからね。
あと、ブラウンズ現QBのドリューも大喜びです。

信念を貫いたもののクビ確実のサニーでしたが、ドラフトは意外な展開に、
2位、3位の指名権を持つセントルイス・ラムズとマイアミ・ドルフィンズが、
なんとキャラハンを指名しなかったのです。
おそらくキャラハンは1位が獲ると思ってロクに調査もしてないし、
ブラウンズがキャラハンを避けたので、問題のある選手と思ったのかも。
続く4位アリゾナ・カージナルス、5位デンバー・ブロンコスもキャラハン回避。
このまま7位指名まで回れば、1位をトレードしたシーホークスが
キャラハンを指名できることになってしまいます。
3年分の一巡目を渡した上に、望み通りキャラハンまで獲られるなんて許せないと、
サニーは6位指名権を持ジャクソンビル・ジャガーズのGMに電話。
キャラハンを扱き下ろし、経験の浅いジャガーズの新米GMを口車に乗せて、
ブラウンズの3年分の2巡目指名権とジャガーズの6位指名権をトレードします。
これで6位となったブラウンズがキャラハンを獲れば、オーナーも満足だし、
シーホークスのキャラハン指名も阻止できて一件落着です。

…と思いきや、サニーの攻勢はまだ終わりません。
なんと彼はシーホークスに6位指名権のトレードを申し出るのです。
サニーは三年分の一巡目指名権の返還する条件で6位指名権を譲ると言い、
キャラハンを獲りたいシーホークスは渋々了承。
…と思いきや、完全にシーホークスの足元を見たサニーは更に、
パントリターナー(PR)の所属選手パットニーも付けろと要求。
結局シーホークスは三年分の一巡目指名権の返還と所属選手1人を出して、
ブラウンズから6位指名権をトレードしてもらい、それでキャラハンを獲ります。
もちろん三年分返還されたので、今年の一巡目指名権である7位指名権も復活し、
ブラウンズはペン監督が希望していたRBのレイまで獲ることに成功します。
オーナーはキャラハンが獲れなくて納得してないと思いきや、意外にも大喜びです。
まぁかなり上々の成果ですからね。
3年分の2巡目指名権でDLボンテ、RBレイ、PRパットニーを獲ったようなものです。
いや、絶好調の現QBドリューも活かせるし、4選手分得してるかもね。
一方のシーホークスはQBキャラハンは獲れたものの、PRパットニーを失い、
来年再来年のブラウンズの一巡目指名権も返しちゃって大損…。
だけどキャラハンを1位ではなく6位で獲れたので、年棒は節約できたかもね。

サニーの起死回生の作戦勝ち、と言いたいところですが、
実際は2位~5位指名権を持つチームがたまたまキャラハンを回避したから、
たまたま成功しただけのことで、かなり危ない橋でしたね。
それに本当の勝負は試合で着くものなので、今回獲得した選手が
シーズン中に期待通りの活躍をしてくれないと全て無駄です。
仮にもハイズマン賞を受賞しているキャラハンを獲ったシーホークスが
彼の大活躍で大躍進するかもしれませんしね。

他にもサブプロットとして、監督だったサニーの亡き父の話や、
サニーと女性幹部アリとのロマンスなんかも描かれますが、
メインプロットを追うので精一杯で、サブプロットまでは楽しめませんでした。
でもメインプロットだけでもかなり楽しめたので、よかったです。
だけどやっぱりアメフトには興味が湧きませんね…。

コメント

Ichiro's Team is ・・・

イチロー選手が入団した球団は 「マリーンズ (Marines)」 ではなくて ・・
「マーリンズ (Marlines)」 だってご存じでしたか~?
千葉ロッテはマリーンズですが、マイアミはマーリンズなのでした!

  • 2015/04/18(土) 01:54:58 |
  • URL |
  • 通りすがりのメジャー通 #9xTjfHUI
  • [ 編集 ]

Re: Ichiro's Team is ・・・

えぇ、全然知りませんでした!
新しいことを覚えた記念として、
この記事は訂正しないでおきます。

  • 2015/04/18(土) 02:30:11 |
  • URL |
  • BLRPN #-
  • [ 編集 ]

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