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やさしい本泥棒

今週末は観たい映画が7本も公開されます。
なので毎日でも映画館に行きたいところですが、
一泊ニ日の小旅行の予定があるので全ては観れません。
いや、ハシゴすれば何とか観れなくもないですが、
明日公開の『エクソダス』とか『ミルカ』なんて上映時間150分越えなので、
ハシゴして観るのはちょっとしんどそうな気がします。
別に今週末公開作でも来週末以降に観ればいいだけの話ですが、
やっぱりブログには新しい映画の感想記事を書きたいと思うので、
どうせ観るなら公開後すぐに観て、早く感想を書きたいです。
その方が需要もあって、読んでもらえやすい気がするので、
執筆のモチベーションも上がるから書いてて楽しいです。

ということで、今日は配信レンタルから1カ月半以上経ち、
ビデオレンタルからも3週間以上経ってしまった、全く需要のない映画の感想です。
鑑賞したのは2週間前ですが、新作劇場映画の感想が優先で後回しに。
でも何とか今月中に書くことが出来てよかったです。

やさしい本泥棒
The Book Thief

2015年1月7日レンタル開始。
マークース・ズーサックのベストセラー『本泥棒』を映画化。

第二次世界大戦前夜の1938年、リーゼルは弟に先立たれ、ミュンヘン近郊の田舎町へ里子に出されて母と別々に暮らすことになる。里親のハンスはリーゼルが「墓掘り人の手引き」という奇妙な本を肌身離さず持っていることから、彼女が字を読めないことに気が付き、本を読み聞かせるようになる。そして、リーゼルは読み書きを学び、たくさんの本を通じて知識だけでなく、勇気と希望を与えられるのだった。しかし、折りしもドイツはナチスによって自由を奪われ、本を読むことすら禁じられる。ある日リーゼルは、反ユダヤ主義の暴動が激化する広場で焼かれた大量の本の中から、焼け残った1冊の本をこっそりと持ち帰るのだが・・・。(公式サイトより)



2013年にアメリカで公開された本作ですが、日本でも昨年公開される予定でした。
ところがというか案の定というか、いつまで経っても公開未定のまま、
気が付けばビデオスルーになってしまい…。
(ビデオスルーといっても、販売はされずレンタルのみです。)
20世紀フォックスはホントに自社配給作品の日本劇場公開に後ろ向きで、
昨年も18本もの映画を製作していますが、日本で公開した作品、
或は公開予定の作品はその半数にも満たない7~8本だけですからね。
そのくせ本作よろしく、公開する気もないのに公開するようなポーズだけ取ります。
昨年で言えば『ミケランジェロ・プロジェクト』や『ヒックとドラゴン2』などがそうで、
やはり昨年中に公開される予定でしたが、未だに未公開のままです。
まぁそれでも本作の場合は、まだビデオスルーになるだけマシで、
前述の2作品含め、多くの作品はビデオリリースすらされませんからね…。

『ミケランジェロ・プロジェクト』や『ヒックとドラゴン2』なんて、
方や超豪華俳優共演作、方や昨年世界ナンバー1のアニメ映画なので、
日本でも普通に劇場公開されて然るべき、
いや、配給会社には公開する義務がある重要な作品だと思いますが、
本作だって劇場公開されるべき、輝かしい成績があります。
たしかに、ボックスオフィス最高7位という成績はイマイチかもしれませんが、
ゴールデングローブ賞、アカデミー賞の二大映画賞にノミネートされています。
ノミネートされたのが作曲賞というのはちょっと地味かもしれませんが、
オスカー候補くらいは全て劇場公開してほしいものです。
本作の楽曲を手掛けたのは、スピルバーグやルーカスの作品でお馴染みの、
オスカー作曲家ジョン・ウィリアムズです。
『ジョーズ』『スターウォーズ』『E.T』などで計5回もオスカー受賞しています。
でも所詮はノミネート止まりだけのことはあって、
本作の音楽は特に印象にも残らない、良くも悪くもないもので…。
近年、彼がスピルバーグ作品以外の音楽を手掛けるのも非常に珍しいですが、
やっぱりスピルバーグ作品以外だと手を抜いてしまうのか…。
以下、ネタバレ注意です。

1938年、ナチス・ドイツ。
共産主義者の母は、ナチスの赤狩りのせいで幼い姉弟を里子に出しますが、
その道中、弟ヴェルナーが死んでしまい急きょ埋葬することに。
その時、姉リーゼルは墓掘り人が落とした本を拾って、こっそり持ち去るのです。
『墓掘り人の手引き書』という、拾っても何の役にも立たない本でしたが、
識字できないリーゼルは、何の本かもわからず盗んだみたいです。
それなら尚更本なんて盗んでも何の役にも立たないだろと思いますが、
その本で字を勉強できると思ったのでしょうね。

リーゼルはミュンヘンに住むフーバーマン夫妻の里子になりますが、
義父ハンスは彼女に字も教えてくれたりと、とても親切な人だけど、
義母ローザは「給付金目当てで里親になった」と公然と言い、
彼女にも「小汚い子だね」と冷たく当たる、ちょっと嫌な人で…。
ボクも最悪な義母に貰われてリーゼルが可哀想だと思いましたが、
実はツンデレで、ぶっきら棒で口は悪いけど根はいい人だとわかります。
リーゼルは読み書きが出来ないことで転入した小学校でもからかわれますが、
近所に住む少年ルディとは大親友になります。
里子としては、なかなか恵まれた環境といえるかもしれませんね。
ただ最大の問題は、ここが第二次世界大戦前のドイツだってことでしょうね…。

1939年4月、ヒトラー総統の誕生日を祝う(祝わされる)日の夜、
広場でナチスの集会が開かれ、リーゼルもヒトラー青少年団として強制参加に。
知的有害物を一掃する名目で、ナチスが許可してない本を焼く焚書の会です。
字を覚えたてで本に興味があるリーゼルは、本が欲しくて仕方ないので、
燃え残った本をこっそり持ち帰り、義父ハンスと一緒に読みます。
一体ナチスが焼くなんてどんな本かと思ったら、H.G.ウェルズの『透明人間』で…。
そんなのナチスにとっても有害でも何でもない単なるSF小説だと思いましたが、
内容はともかく敵性外国人(英国人)作家の著書だからダメなのかな?
そんなリーゼルが燃えカスから本を拾っているところを見ていた人が…。
それはヒトラーとも懇意にしている町長の夫人で、リーゼル大ピンチ、
…かと思ったら、リーゼルが義母ローザのお遣いで町長邸を訪れた時に、
町長夫人は彼女を書庫に招いてくれ「いつでも本を読みに来てね」と。
どうやら町長夫妻の戦死した息子が本好きだったみたいで、
夫人は本好きなリーゼルが息子と重なり、優しくしてくれたのでしょう。
でもお言葉に甘えて通ってるうちに、ついに町長に見つかって出入り禁止に…。
別に町長邸にナチスの禁止本があるとも思えないので、
夫人がリーゼルに本を読ませてあげてもそんなに怒る必要はないのにね。

ある日の夜、家にユダヤ人の青年マックスが訪れます。
マックスは1938年11月の反ユダヤ主義暴動「水晶の夜」事件から逃れ、
父の知人であるハンスを頼って来たみたいです。
ユダヤ人なんて匿えば、もしバレた時に大変なことになりますが、
ハンスは先の戦争でマックスの父にとても世話になったみたいで、
夫妻は衰弱している彼をリーゼルの部屋で看病してあげるのです。
年頃の女の子の部屋に男を寝かせるなんて…、って感じですが、
リーゼルは全然平気で、マックスが大切そうに抱えている本に興味津々。
ボクもそんなに大切にする本だから、タナハかタルムードかと思いましたが、
なぜかヒトラーの本だったみたいで、なぜユダヤ人の彼がそんなものを大切に?
もしかするとヒトラーを批判する本だったのかな?
まぁ後にマックスはその本の前ページを白いペンキで塗りつぶして、
白紙にして「何か書いて」とリーゼルにプレゼントするので、
実際はそれほど大切にしていたわけでもないのかも。

しばらくリーゼルの部屋で療養していたマックスですが、
ずっと寝たきりにしておくわけにもいかないけど、
あまり動き回られて誰かに見つかっても大変なので、
薄暗くて寒い地下室に移ってもらうことになります。
リーゼルは頻繁に地下室に降り、マックスに外の様子を教えてあげます。
1941年クリスマス、リーゼルは地下室に雪を持っていってあげ、
夫妻も参加して地下室で雪合戦して遊びますが、それが原因なのか、
マックスが風邪をこじらせ、再び衰弱して寝込んでしまいます。
もちろん医者にも診せられず、寒い地下室では治るものも治らず…。
リーゼルは寝込むマックスに『透明人間』と読み聞かせてあげるのです。
ほんの3~4年前まで全く字が読めなかった彼女が、
スラスラと朗読できるようになっているのも不思議でしたが、
2年間も地下室に籠っていたのに今まで風邪ひかなかったマックスも不思議です。
リーゼルはマックスに読んであげる本を調達するために、
町長邸に忍び込んで本を盗み、…いや、勝手に借りるようになります。
それはヤバすぎると思いましたが、意外と親友ルディ以外にはバレません。
いや、もしかしたら町長夫人は気付いていたかもしれないけど、
まさかユダヤ人を匿っているとは思ってないので黙認してくれたのかも。

ある日、ナチスの党員が地下室を検査しに訪れます。
まさかマックスのことがバレたのか?…と思ったけど、
ただこの通りで防空壕に使えそうな地下室がないか探していただけでした。
ハンスは寝込んでいるマックスをハーケンクロイツの旗で覆い隠して
検査をやり過ごすことし、事無きを得ます。
そんな苦労やリーゼルの看病が実を結び、マックスは見事に回復するのです。
ところがある日、ご近所さんが実はユダヤ人だったとナチスにバレて、
強制連行されそうなところをハンスが止めに入り、彼も目を付けられてしまうのです。
このままではいつかナチスが家にくると考え、マックスに出て行ってもらうことに。
その後、案の定ナチスが家に来ましたが、ハンスが連行されるかと思いきや、
訪ねる家を間違えただけみたいで…。
防空壕の時然り、ナチスが家に来るたびに何事かとドキドキしちゃいますね。

ナチスには連行されなかったハンスですが、その後すぐに赤紙が届き、
徴兵のために家を出て行くことになります。
2人きりになるローザとリーゼルはもちろん悲しみますが、
劇中でも言われてたけど、こんな爺さんを今更徴兵するなんて…。
ところがいざ戦場に行く前に、ハンスが乗った軍用車が地雷で横転。
これは死んじゃったか?と思ったけど、ちょっと負傷しただけで済み、
逆に負傷したことでお役御免となってハンスは帰宅できるのです。
人間万事塞翁が馬で、怪我したお蔭で兵隊にならずに済みラッキーでしたが、
本当に人間万事塞翁が馬で、ハンスは帰って来てしまったために死ぬことに…。
1942年11月、連合軍による空襲が激化し、ある夜、彼らの家付近も爆撃され、
家は崩壊し、夫妻も死んでしまうのです。
たまたま地下室で寝ていたリーゼルは助かりますが、義理の両親が死に、
さらに親友のルディまでその空爆で死んでしまい、ひとりぼっちに…。
この空爆は連合軍の誤爆だったみたいですが、全く酷い話で、
一番悪いのはヒトラーですが、連合軍のことを批難したくなる展開ですね。
その後、孤児になったリーゼルは町長夫人に保護されますが、
あのリーゼルを出禁にした町長がよく認めたものですね。

1945年、ナチスドイツ敗戦。
リーゼルはルディの父が経営する店で働きます。
ルディの父は空爆時に徴兵されていたので無事だったみたいです。
ハンスも徴兵されたままだったら生きてたかもしれませんよね。
その店に、リーゼルに会いにマックスが訪れます。
再会した2人は結婚して、幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし。
…だけど、リーゼルが本当に好きだったのは死んだ親友ルディだったでしょうね。
この物語を語る声の主は神さまなのかなと思ったけど、
どうも神は神でも死神だったのはちょっと意外なオチでした。
死神と言っても悪魔的なやつではなく、死を迎えた魂を導く天使的なやつですが。

リーゼルも義父ハンスが徴兵に取られたりしたことで、
ヒトラーのことは嫌いですが、別にナチスに対して批判的でもなく、
普通に何の迷いもなくヒトラー青少年団に入っているし、
ナチスの学校に通い、ハーケンクロイツのついた制服を着ています。
それにユダヤ人のマックスに対しても「ドイツは勝つよね?」なんて平気で聞く、
本当に無邪気な子供なんですよね。
そんな市井のドイツ人少女の視点からナチス時代が描かれているのは新鮮でした。
キャストの演技も素晴らしく、なかなか面白い作品だったと思います。

コメント

原作をオススメします。

2ヶ月も前の記事なのに申し訳ございません。
原作の本泥棒が大好きなのに最近映画化されたことを知って思わずレンタルせずに
グーグルさんから買ってしまいました。便利な時代になったものです。

マックスが持っていた本はヒトラーの「わが闘争」という本です。
眠るときも片時も離さずにいる理由は彼がユダヤ人であるからです。
ユダヤ人が当時一番持っていない本だからですね。

素敵な装丁の本で「本泥棒」訳書が出ています。
少し分厚いですし、内容も内容なので手に取るまで時間がかかるかもしれませんが
私はオススメします。
ちなみに私は図書館で借りたのが本泥棒との出会いでした。

それでは長文失礼致しました。

  • 2015/03/09(月) 12:42:23 |
  • URL |
  • 名無し #-
  • [ 編集 ]

Re: 原作をオススメします。

いつの記事でもコメントを貰えるだけ有難く、大歓迎です。

なるほど、マックスはあの本を持ちたくて持っていたのではなく、
ユダヤ人であることを誤魔化すために肌身離さず持ってたんですね。
言われてみれば納得の理由ですが、
映画を見るだけではそこまで理解できませんでした。
(ボクが鈍いかっただけかもしれませんが…。)

ボクは読書の習慣がないので、分厚い本はなかなか手が出ませんが、
そんなに面白いのなら、機会があれば読んでみたいと思います。

  • 2015/03/09(月) 18:17:51 |
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