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サンバ

これで今年劇場鑑賞した映画199本目です。
今年は年200本観る予定ですが、昨年は250本観たので、2割減らすことになります。
これは節約に迫られたからで、消費増税による鑑賞料金の値上げや、
紙の前売りより割高なムビチケの普及、一部映画館の会員サービス改悪により、
映画鑑賞にかかる費用が増えることを懸念したからです。
2割も削ればかなりの節約だろうと期待して、家計簿で計算してみたら驚きました。
昨年の映画鑑賞費用の総額は250本で19万8300円だったのに、
今年は198本の時点で19万8800円で、すでに前年を超えていて…。
どうやら1本あたりの平均が793円から1004円に上がったみたいで、
インフレの影響は予想以上に大きかったです。

こうなれば、せめて20万円に到達しないようにしなければなりませんが、
20万円まで残り1200円ですから、普通に観たらアウトです。
2本で1200円に抑えるには、もう映画を無料で観るしかなく、
TOHOシネマズのポイントがそこそこ貯まっているので、
それを利用してポイント鑑賞するしかないです。
普段ポイント鑑賞するのは、上映時間が100分未満の作品と決めていましたが、
(上映時間が長い作品でポイント鑑賞するとマイルが勿体ない。)
20万円以内に抑えるためには、そんなことも言ってられないです。

ということで、今日は上映時間119分なのにポイント鑑賞した映画の感想です。

サンバ
Samba.jpg

2014年12月26日日本公開。
オマール・シー主演のフランス映画。

アフリカからフランスに来て10年になるサンバ(オマール・シー)は、料理人になるべく頑張っていた。ある日、ビザの更新に気が付かなかったことが原因で国外退去命令を受けて拘束されてしまう。サンバのためにやってきた移民協力ボランティアのアリス(シャルロット・ゲンズブール)は、以前燃え尽き症候群によって大企業を辞めたことがあったが、厳しい状況でも明るいサンバに興味を持ち……。(シネマトゥデイより)



本作は日本でも大ヒットを記録したフランス映画『最強のふたり』の
エリック・トレダノ&オリビエ・ナカシュ監督が、
同じく主演だったオマール・シーと再タッグを組んで撮った作品です。
『最強のふたり』がとても面白かったので、ボクも本作に興味を持ちましたが、
ヒロインがフランスの大女優シャルロット・ゲンズブールというのもポイント高いです。
でも期待感が高すぎたためか、『最強のふたり』とは比較にならない、
ちょっと微妙な内容だったように思います。
はじめのうちはポンポン話が転がって面白かったのですが、
ある時点から、物語がどこに向かっているのかゴールが不明瞭に感じられ、
物語が前進しているような印象が受けられず、2時間を切る上映時間ですが、
3時間くらいに感じられるような冗長感を覚えました。
実際、いざ終わってみれば「あそこは要らなかったな」と思うところが多く、
冗長だと思えたのは間違いではなかったみたいです。
いや、決して悪い作品ではないのですが、『最強のふたり』タッグに、
更にゲンズブールまで足した布陣で、この程度のものになるのかと…。

10年前にセネガルからフランスにやってきた移民の黒人青年サンバが、
突如、国外退去を命じられるという物語で、フランスの移民問題を題材にしてますが、
フランスの状況をある程度知らないと、ちょっとわかり難かったりもするし、
移民問題と言うのは、移民を原則受け入れない日本の国民であるボクからすると、
ちょっと実感が湧きにくいんですよね。
それにボクは移民を受け入れない我が国の判断は正しいと思っているので、
移民の主人公に対して感情移入は難しいし、移民を支援するヒロインのことも、
あまり正しいことをしているとは思えません。

フランスはもともと欧州各地の民族が統合してフランス人となった多民族国家ですが、
19世紀後半に出生率が低下し、大戦後の経済成長で労働力確保のために
アフリカ、中東などの元植民地から大量の移民を受け入れ発展しましたが、
オイルショックなどで経済が停滞して高失業率になり、
移民やその子孫は仕事が少なくなってしまったみたいで、大規模な暴動が頻発し、
窃盗や違法ドラッグ取引、暴力事件など治安もかなり悪いみたいです。
現在ではフランスは選択移民の促進をする政策により、
自国にとって必要ない移民をどんどん追い出そうとしています。
本作もそんな状況の中で生まれた物語で、何の資格も技術もないサンバは、
急に滞在許可が取り上げられて不法移民となり、国外退去が命じられるのです。
日本も少子化による労働力確保のために、移民を受け入れが協議されていますが、
移民政策が如何に危険なことかは、フランスの歴史が証明しています。
奇しくも、カナダに渡った日本人移民の苦難を描いた『バンクーバーの朝日』が、
先週末に公開され、短い間に映画を通して移民について考えさせられましたが、
やはり移民は受け入れた方にも受け入れられた方にも多くの不幸な人を生む、
かなり恐ろしいものだと再認識させられました。

サンバは大戦後にフランスに渡った移民ではないし、その子孫でもなく、
母の死をキッカケに仕事を得るため10年前にセネガルから来た新しい移民だそうで、
なぜその時は滞在許可が下りたのかよくわかりませんが、
当時はまだ移民締め出しが緩かったのかもしれませんね。
セネガルは旧フランス領なのでフランス語が通じるのが大きいでしょうが、
フランスは人種差別が比較的緩いので、今でも移民なりたい人は多いのかも。
日本は昨今の右傾化からもわかるように民族主義が強い国なので、
将来、日本に来た移民は非常に苦労することになると思います。
移民政策の協議にはフランスの失敗を学ぶべきですが、
日本の場合はフランス程度の失敗では済まないと考えた方がいいです。
本当に日本の移民政策の動向が心配なので、ついついその話に流れちゃいますが、
本作とは関係ないのでいい加減にして、そろそろ本作の感想に入ります。
以下、ネタバレ注意です。

セネガル人フランス移民のサンバは、結婚式の厨房で皿洗いをしながら、
料理人の免状を取得しようと頑張っていましたが、ある日、急に収監されます。
どうやら滞在許可証がいつの間にか取り消され、不許可になっていたみたいで、
不法移民としてダカールへの強制送還のために逮捕されたみたいです。
そこに移民を支援する組織からマニュとアリスがやって来て、
再び許可が下りるように尽力してくれることに。
しかし何の資格も技術もなく、フランスに妻子もいないサンバの状況は不利で、
判事は膠もなくフランス領土退去(OQTF)を言い渡すのです。
つまり強制送還のことかな?と思ったらそうでもないみたいで、
とりあえず解放して、勝手に退去してくれということらしいです。
強制送還費用までケチって自腹で帰国しろってことかな?と思ったけど、
調べてみたらそうではないみたいで、少し滞在の猶予をあげるから、
その間に帰国の準備をして、1カ月以内に退去してねってことみたいで、
次捕まったら問答無用で送還しちゃうよって感じですね。
さすがは移民だらけのフランス、変わった制度があるものですが、
解放しちゃったら、ちゃんと退去してくれるなんて保証はなく、
当然サンバも不法移民としてフランスにこっそり残ることにします。

ただ不法滞在は当然犯罪だから日陰者になるので、元の職場にも戻れませんし、
滞在許可証もないので仕事に就くこともできません。
それどころか少しでも警察に関わったらアウトなので、職質などを受けないように、
外出時には不法移民とは悟られないように欧州人のような服装で、
大きな地下鉄駅にも行かない、18時以降はバスを利用するなど、
とにかく大人しく控えめに行動しなければならないみたいです。
かなり不自由な生活ですが、それでも帰国したくないなんて、
セネガルってそんなに酷い国なの?(サッカーのイメージしかない…。)
そんなに外出が不自由で危険なら、家で大人しくしてればいいのに、
サンバは拘置所で知り合ったコンゴ出身の移民ジョナスに頼まれて、
ベルベスの美容院で働く彼の恋人グラシューズを探しに出歩きます。
なんて律儀ないい奴なんだ、…と思ったのも束の間、
彼女がジョナスに未練がないとわかるや、抱いちゃうのです。
いやー、もう少し真面目な青年だと思ってたけど、そうでもないですね。
もともと移民なので感情移入しづらいけど、更に幻滅しちゃいました。

サンバは支援を求めて、支援会に面談に来るのですが、
拘置所での面談以来、サンバを気に掛けていたアリスが応対してくれます。
こんな移民を支援する会なんて、日本にはたぶんないので馴染みがなく、
どういう組織かよくわかりませんが、単なる移民はまだしも、
不法移民まで支援するなんて犯罪幇助じゃないのかって思っちゃいます。
ただ劇中で観る限りでは、来所した移民の愚痴を聞いてあげているくらいで、
特に支援らしいことはしてないような気が…。
助言も「裁判はまともな服装で」くらいのものだし…。
なにより相談員もボランティアかなと思われるオバサンが多くて、
アリスも本業は別にあり、休暇を取って手伝っているだけみたいです。
そんな感じだから当然サンバにもまともに助言できるはずもなく、
滞在許可証がなくて職に就けずに困っているという彼に対し、
「一年後に再び申請書を提出しましょう」と悠長な助言しかできず、
あまりの役立たなさにサンバはブチキレ、大声で怒鳴ってしまいます。
しかしアリスは逆ギレし、その勢いにはサンバもタジタジになり謝罪するのです。
サンバから謝罪の抱擁を受け、アリスの怒りは収まりますが、
彼女はなぜかサンバに惚れてるんですよね…。
拘置所の面会時から電話番号を聞かれて答えちゃってるし、一目惚れかな?
なぜ白人でフランス人の彼女が、黒人の不法移民に惚れるのか理解できないけど、
彼女は精神的に病んでるので、その影響もあるのかも。

なんでもアリスは食品加工の人材紹介会社で働いているらしいけど、
15年一生懸命働いても全く感謝されることもなく燃え尽きてしまい、
同僚の髪を毟ってしまい、病気扱いで休暇を取らされたみたいです。
彼女にとってはこの支援の仕事は、自分の治療でもあるみたいですが、
言葉も通じない移民の愚痴を聞く仕事なんて逆にストレス溜まって悪化しそうですね。
実際、その反動で過剰にセックスを求めるようになってしまったと、
彼女は冗談めかして言ってましたが、たぶんそれは本当なのでしょう。
だから見るからに逞しいサンバに一目惚れしたんじゃないかな。
アリスを演じるのはゲンズブールですが、黒人を求めるセックス中毒者って、
なんだか『ニンフォマニアック Vol.2』のあのシーンを思い出しちゃいますね。
アリスがサンバから抱擁されたことで2人は親密になりますが、
いくらフランスとはいえ、女性に急に抱擁するなんてあり得ないと思ったし、
彼は妻子がいないことでOQTFになったこともあり、アリスを誑し込んで結婚して、
滞在許可でも得ようと考えているのかと疑ってしまいましたが、
後の展開を観る限りでは、別にそんなつもりでもなかったみたいですね。

サンバは一緒に住んでいる料理人の伯父から滞在許可証を借り受け、
それを使って日雇いの仕事を始めるのです。
他人の許可証を使うなんて当然犯罪ですが、雇う方も雇う方で、
提示された許可証を全く確認しないんだからいい加減なものです。
(伯父とは全然歳が違うんだから気付きそうなものなのに…。)
なお、伯父さんは許可証不携帯で料理人の仕事を失うことになります。
サンバは高層ビルの窓拭きの仕事で、ブラジル人移民ウィルソンと知り合います。
さすがはラテン系、陽気なお調子者だなと思いましたが、
実は彼はブラジル人ではなく、本当はオラン出身のアラブ人(アルジェリア人)、
本名もウィルソンではなくワリドですが、ブラジル人移民を騙った方が、
仕事や女を得やすいという理由でブラジル人移民の偽造許可証を持っているのです。
でもブラジル人移民の偽造許可証は高額らしくて、黒人の許可証の倍額らしいです。
やっぱりどこの国の人かによって得られる仕事が変わってきたりするんでしょうね。
ちなみに中国人の許可証も激安らしいけど、なんか納得ですね。

サンバはアリスと一緒に支援会のパーティに出席したり、
彼女の自宅へ遊びに行ったりして、どんどん親密になりますが、
ジョナスの恋人グラシューズとは初対面でも即やっちゃったくせに、
なぜかアリスとは一線を越えられず、急に奥手になります。
でもアリスが本業に復帰する時に、ついに初キス、そして結ばれるのです。
どこがゴールかわからない物語ですが、アリスとの恋が成就したので、
そろそろ終わるかと思いきや、まだ続く感じなんですよね。
サンバはワリドの紹介で売人から買った偽造許可証でモジボを名乗り、
料理人の仕事を得ようとしますが、こんな不出来な許可証では無理みたいで、
結局誰もがあまりやりたがらないようなゴミの分別の仕事を得ます。

そんな折、拘置所で知り合ったジョナスが出所して訪ねて来るのです。
コンゴ出身のジョナスは、内戦の難民として政治難民になれたそうで、
10年の滞在許可を得て釈放されたみたいです。
そのお祝いがてらサンバを飲みに誘うのですが、アリスとデートの約束をしていたため、
サンバはジョナスに少し素っ気ない態度を取ってしまいます。
それに不信感を覚えたジョナスは、サンバが恋人グラシューズを寝取ったと考え、
(その予想は当たってたわけですが、)殴りかかったことで路上で大ゲンカになり、
騒ぎに気付いて警官が集まって来てしまうのです。
OQTF中のサンバは警官に職質されたらジ・エンドなので逃げますが、
ジョナスがしつこく追いかけて来て、2人とも運河に落ちてしまいます。
そして運河からは遺体があがり…。

ゴールが見えないと思ったら、まさかのデッドエンドで唖然としましたが、
その後、なぜか伯父の家に帰宅するサンバ。
どうやら死んだのはジョナスで、その遺体がサンバだと思われたみたいです。
というのも、ケンカの前に2人は上着を交換していたので、
上着に入った持ち物から警官(?)が勘違いしたのかもしれません。
それにしても運河に落ちたくらいで人が死ぬとは思えませんが、
これはサンバが逃げるためにジョナスを意図的に水死させたと考えていいのかな?
帰宅したサンバは逃げるように出国しようとするのです。
しかし出国の見送りに来たアリスは、サンバの着ていたジョナスの上着から、
政治難民の滞在許可証を発見し、「あなたのよ」とサンバに渡します。
そしてサンバはジョナスのふりをしてフランスに滞在し続けることが出来、
めでたしめでたし、…ってちょっと際どいラストですね。
きっといずれは正式な滞在許可証を得て、本当にめでたく終わると思ったのに、
死んだ他人に成り済ますなんて、とんでもない犯罪じゃないですか…。
このラストを「よし」とすることは、ボクにはちょっと無理そうです。

全編を通して、移民問題を扱った社会派でシリアスな内容だと思いますが、
ところどころでコメディっぽいシーンが挟まれるんですよね。
グラシューズをデブ女と勘違いするところとか、ストリップするワリドとか、
マネキンで遊ぶサンバとか、高所恐怖症の設定とか…。
そのせいで社会派なメッセージ性が若干薄まっている気がします。
かなり長尺だった支援会のダンスパーティの場面なんかも要らないんじゃないかな?
あんなサンバやワリドたちが楽しげにしているシーンがあると、
移民の置かれている厳しい状況も伝わり難くなる気がするんですが…。
まぁそんな楽しげなシーンや笑えるシーンのお蔭で、
本当はシリアスな内容なのに誰でも見易くなっていると思いますが、
如何せんシリアスともコメディとも言えない中途半端なドラマになっている印象です。

とにかくボクは、移民には断固反対、外国人の単純作業への就労も反対です。
外国人技能実習制度で在留資格を得た中国人実習生を、
川上村のレタス農家が奴隷のように過酷労働を強いるのも絶対に許せませんが、
日本で移民を受け入れたらこうなるということを示す、ひとつのモデルケースです。
これでも移民を受け入れようとするような非人道的な奴は、
日本には要らないからどこかに移民してくれと思います。

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