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バッドガイ 反抗期の中年男

今日はクリスマスでしたが、イブが終わると急激に年の瀬ムードになりますね。
昨日までクリスマスムードに浮かれ気味だったボクも、
今日になって急に年賀状のことを思い出し、慌てて書いて投函しました。
なんでも元旦に確実に届けてくれるのは今日の投函分までらしいので焦りました。
数年前に4年連続で服喪なって以来、年賀状を書く習慣がなくなり、
今では本当に送りたい数人に出すだけになったので、書く枚数は知れてます。
なので印刷なんかも使わずに、全部手書きで書いているのですが、
今回初めて気付いたんだけど、インクジェット紙の年賀状って、
ただ印刷が綺麗に出来るだけじゃなくて、手書きには向いてないんですね。
鉛筆で下書きしてペン入れした後に消しゴムかけすると、
鉛筆の跡がうまく消えず、なんだか汚らしくなってしまいます。
だから二枚目からは下書きなしのフリーハンドでペン入れするのですが、
そういう時に限って字を間違えたりしちゃうんですよね…。
焦ってるのもあるけど、一枚52円と思うと緊張しちゃうんですよね…。
まぁホワイトで修正するけど、宛名の間違いを修正するのは失礼な気がして、
宛名は更に慎重に書くけど、更に緊張しちゃって…。
でもなんとか無事投函できたのでよかったです。

ということで、今日は絶対に字を間違えられない物語の感想です。

バッドガイ 反抗期の中年男
Bad Words

2014年12月19日リリース。
ジェイソン・ベイトマン主演・監督のブラック・コメディ。

母子家庭に育ち、40歳になっても相変わらず問題児(?)のガイ(ジェイソン・ベイトマン)は、優秀な子どもたちが出場する「全米スペル大会」の出場資格に抜け穴を見つけ、本大会への出場権を得る。出場者のために用意されたホテルに到着すると、会場までの機内で知り合った、優勝候補である10歳の少年チャイタニヤ(ローハン・チャンド)と共に夜の街へ繰り出し、様々ないたずらや遊びに興じる。その頃、ガイを取材する記者のジェニー(キャスリン・ハーン)は、ガイが大会に出る理由は彼の生き別れた父親にあり、大会主催者のボウマン博士(フィリップ・ベイカー・ホール)こそがその人であることを知る…。(公式サイトより)



本作は『モンスター上司』シリーズでお馴染みジェイソン・ベイトマンの主演作ですが、
なんと彼がメガホンも取っているそうで、監督業もしていたのかと意外でしたが、
どうやら本作が第一回監督作品だったみたいです。
なかなか面白い映画でしたが、初監督でこれだけ撮れるなんてすごいですね。
でもやはり監督としての実績がなかったためか、
全米でも人知れずヒッソリと公開されたみたいですね。
そんな作品なので、日本での劇場公開は見送られ、ビデオリリースとなりました。
まぁ全米成績だけじゃなく、活躍はコメディ中心のベイトマンは、
出演作のビデオスルー率が高い俳優で、今回もやっぱりかって感じです。
とてもいい俳優なのに、日本で人気(知名度)が低いのは残念ですね。

でも、もしベイトマンが大人気だったとしても、本作の日本劇場公開は難しいかな。
「バッドガイ」なんて、まるでアクション映画のような邦題ですが、
原題は「バッドワード」といい、実際は言葉を題材にしたコメディ映画です。
なので言葉がわからない…、つまり英語がわからないと、
面白味が多少目減りしてしまうので、英語圏以外の外国での上映には不向きです。
(もちろん吹き替えなんて論外で、)英語が不得意なボクは字幕で鑑賞しましたが、
翻訳家の苦心の跡は見えるものの、やはりあまりいい日本語訳ではなく、
ボク自身、英語が出来ない分、ちょっと損しているかなと思わされました。
でもそれを差し引いたとしても、十分に面白い作品だったと思います。
ハリウッドコメディらしく、放送禁止の汚い言葉や過激な下ネタはあるのですが、
老若男女問わずに楽しめる、楽しい映画になっていると思います。
以下、ネタバレ注意です。

金の羽根協会が主催する全米スペル大会。
「absquatulate」など難しい英単語のスペルを答えられるか競う大会で、
8年生(中学生)以下の子供が出場できますが、その地区予選に、
なんと40歳の中年男ガイが出場して、子供ら相手に圧勝し全国大会出場を決めます。
この大会は8年生修了者には出場権利がありませんが、
ガイは中学校中退しているため、8年生を修了していないと言い張り、
言わば規則の穴を突いて出場しており、協会側も泣き寝入るしかありません。
しかし出場者の保護者は強い不満を示し、ガイを強烈に批難します。
でもスポーツ大会なら不公平な場合もあるでしょうが、こんな知識を競う競技なら、
大人だからって勝てるわけじゃないし、それほど年齢は関係ないんじゃないかな。
英語は全然ダメなボクも漢字は得意で、その辺の大人には負ける気がしないけど、
全国大会レベルの小学生が相手だと勝てる気はしませんからね。
大人のガイも相手が子供だからって全国大会に出場できるはずないし、
たしかに大人げないが、その実力は賞賛に値すると思います。
まぁ彼の場合は文章校正を生業にしているので、いわばスペルチェックのプロ。
年齢は別としてアマチュアである子供を相手にするのは、やはり不公平なのかも。

しかし彼がなぜ恥ずかしげもなく子供の大会に出場するのかは、
かなり終盤まで明かされないんですよね。
別に子供たちに嫌がらせしたいわけでもなさそうだし、
5万ドルの賞金が目当てなわけでもなさそうで、楽しんでる感じでもなく、
むしろ何か切実な理由がありそうですが、彼は黙して語りません。
だから彼にはボクも「大人げないオッサンだな」という悪い印象よりも、
むしろ何だかわからないが成し遂げてほしいと応援したくなりますし、
逆に彼を批難する協会や保護者らに対して反感を覚えます。

ロサンゼルスで行われる全国大会に向かう飛行機の機内で、
ガイは全国大会出場者のインド人少年チャイタニア(10歳)と出会います。
どこかで見た子役だなと思ったら、先月観た『マダム・マロリーと魔法のスパイス』で
インド人主人公の子供時代を演じていたローハン・チャンド君ですね。
ハリウッドはちょっとしたインド(ボリウッド)ブームみたいだし、
今後実写版『ジャングル・ブック』などにも出演するそうで、注目の子役になりそうです。
そんなチャイタニアはガイに悪意はないみたいですが、とても興味津々で、
「好きな単語は?」とか、いろいろ質問してくるのです。
ガイはガキンチョに絡まれて鬱陶しそうにしますが、
協会からLAでのホテルもたまたま隣室となり、次第に親しくなります。
そしてスペルの勉強ばかりで友達がいないというチャイタニアのために、
夕食がてら夜の街に連れ出して一緒に遊んであげるのです。
…が、飲酒させたり万引きしたり、極めつけは娼婦にオッパイ見せてもらったりと、
純真無垢な少年になんてことを教えるんだと思っちゃいました。
まぁチャイタニア自身はめちゃめちゃ満喫したみたいで、
ガイと友達になれたことを心底喜んでいる様子でしたけどね。

そして第111回全国スペル大会、一回戦が開幕。
なんでも今大会が初のテレビ全米生放送ということで、
金の羽根協会の会長の言語学者ボウマン博士も気合が入っています。
博士は権威ある大会を自負してますが、111回も開催してて初めての全国放送って、
全然人気ないんじゃないのかと思っちゃいますよね。
でも番組としても、タレントが出てる勉強系クイズ番組よりも面白そうです。
ガイもチャイタニアも難なく勝ち進み、二回戦進出の30人に残ります。
そして二回戦、他の子たちは「nougat」とか「asterisk」とか、
ボクでも答えられる程度の英単語が出題されるのに、
(すみません、嘘です。スペルはボクもわかりませんが、意味はわかる単語です。)
ガイに出題される英単語は「floccinaucinihilipilification」とか
「antidisestablishmentarianism」とか「immunoelectrophoresis」という超難題ばかり。
明らかにガイを落とそうという作為的な出題になっています。

この偏った出題は保護者からオッサンが出場していることを抗議され、
「オッサンが決勝に進出したら理事を辞する」と宣言してしまった協会理事が、
ガイを準決勝である二回戦で落とすべく仕組んだことだったのです。
この理事はガイのホテルの部屋に備品室を割り当てたり、
ガイを面と向かって侮辱したりと、ちょっと態度が目に余るオバサンです。
こんなイジメを平然と行う輩が子供の教育的大会の理事なんて…。
しかしガイは、そんな難題もモノともせず、しっかり正解し、決勝進出。
すると理事は恥知らずにも辞職を撤回しようとします。
全くこの協会はクソみたいな組織だな、…と思ったら、中にはちゃんとした人もいて、
問題を読み上げる係の人が、「無作為なはずの難問が重なるのはおかしい」
「理事が出題リストを操作しているのは職権乱用で不公平だ」と告発し、
理事は辞職に追い込まれるのです。
この出題係がそんな義理もないのに、なぜガイの肩を持つのか不思議ですが、
たぶんガイのことはどうでもよく、ただただ理事のことが嫌いだったのでしょうね。
理事から聞いたこともない単語を渡されて、「正しい発音で読め」なんて言われたら、
そりゃムカっとしちゃうよね。

その夜、ガイはボウマン博士から呼び出されます。
会長である博士が理事の非礼を詫びるのかと思いきや、
「決勝ではおまえのような負け犬は勝てない、人生を棒に振るぞ」と脅してきて…。
やはりこの会長にして、あの理事あり、ロクでもない組織です。
しかしそんな脅しにもガイは動じませんが、その後思わず動じてしまう出来事が…。
ガイはチャイタニアと彼のパパの会話をたまたま立ち聞きしてしまうのですが、
パパは「ガイは最大の敵、親友のふりをして同情を煽れ」と指示していたのです。
チャイタニアが機内で同じエコノミー席だったのも、ホテルの部屋が隣だったのも、
息子をガイに接近させるためにパパが仕組んだことだったのかも?
チャイタニアも始めはそのつもりだったでしょうが、ガイと遊ぶうちに、
本当の友達になりたいと思うようになっていたのですが、
ブチ切れたガイから大切にしている自作の単語帳を焼却され、
その報復に、ガイが10代の少女に猥褻行為をしていると警察に嘘の通報をし、
2人は険悪な関係になってしまいます。
しかしチャイタニアのパパも、よくガイが最大の強敵だと見抜きましたね。
他にも優勝候補と呼ばれる少年もいたのに…。
でもこんな作戦は、個々に別の問題が出題されるこの大会のルールだと、
出場者同士の対決にはならないので、最後に2人が残るような状況にでもならない限り、
全く意味がないと思うんですけどね…。

…と思ったら、全国大会決勝戦で本当に2人が残り、サドンデスとなるのです。
その展開を見通していたパパも凄いが、ちゃんと最後まで残るチャイタニアも凄いね。
「slubberdegullion」と出題されたガイに、客席の保護者から、
「その単語の意味は"無礼で卑劣な人間"よ。あんたに相応しい問題ね」と野次が。
その保護者は例のガイに宥和的な出題係から退場させられますが、
それをキッカケにガイに対する批判的シュプレヒコールが沸き上がり…。
初めての全国生放送で罵詈雑言が飛び交うことに我慢がならないボウマン博士は、
「大会と私に敬意を払え!」と客に一喝するのです。
それで騒ぎはひとまず収まりますが、「私に敬意を払え」なんて自意識過剰な奴です。

決勝進出者が次々と脱落し、最後に2人残ったガイとチャイタニア。
しかしガイが大会に出場した目的は優勝ではなかったため、
険悪な関係だったチャイタニアに優勝を譲ろうと、あえて間違えるのです。
しかし後攻のチャイタニアも間違えて、勝負は続行。
誰が考えても両者ともわざととしか思えないスペルミスですが、
チャイタニアもガイを友達なのに傷つけたと反省し、やはりわざと間違えたのです。
その後、泥沼の間違い合戦がはじまり、一向に決着が付かないばかりか、
壇上で優勝を譲り合って醜いケンカに発展する有様で、生中継も中断…。
ボウマン博士もこの不祥事に憤りを隠せませんが、なぜか2人を失格にせず、
そのまま決着を付けろと試合を続行するのです。
間違い合戦は続きますが、チャイタニアへの出題の時に、ガイが口を挟み、
わざと間違った答えを言い、思わずチャイタニアがそれを訂正してしまいます。
それによって、チャイタニアの優勝が決まりますが、
彼はガイがわざとそうしたことを悟り、「分けっこしよう、友達でしょ」と言い、
2人は和解し、優勝賞金の折半を要求して大会は終わります。
後にガイは賞金の半分で中古のパトカーを買い、
チャイタニアを誘って遊びに行って、めでたしめでたしです。
親と子ほども歳の離れた友情ですが、なかなか感動的でした。

ところで、ガイが大会に出場した真の目的ですが、
これがどうにも理解しがたいもので、なんだか釈然としません。
実はボウマン博士はガイの父親で、ガイが生まれる前に母を捨てて逃げたのですが、
数か月前に母が亡くなった時にその事実を知った彼は、
父が主催するスペル大会に出場しようと決めたのです。
でも母や自分を捨てたことへの恨みを晴らしたかったわけでもないようで…。
そうしたいなら、優勝するか全国大会の壇上で自分の素性を発表すれば、
子供の大会に出場する大人げないオッサンが身内だと世間に報せることで、
自意識過剰な父ボウマン博士に恥をかかせることも出来るのに、
別に公表するわけでもなく、ただ自分の存在を博士に認識させたかっただけのようです。
それなら博士が会場入りする全国大会に出るだけで十分だと思うし、
決勝まで勝ち残るのはいいけど、他の出場者を蹴落とすことはなかったはず…。
別に優勝する気がないなら、ガイから母の不倫や初潮だと嘘を教えられたことで動揺し、
脱落してしまった隣の席の少年少女が気の毒だった気がします。
それにもっと切実で重要な目的だと思っていたので、あまりに単純だったというか、
博士から脅された時点で容易に想像できた真相だったので物足りないです。

とはいえ、初監督作品でこれほどのものが撮れるのは立派なもので、
来年には早くも第二回監督作品『The Family Fang』が全米公開されるそうです。
そちらも期待ですが、やっぱり日本での劇場公開は厳しそうかな…。

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