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ライド・アロング 相棒見習い

黒人を死なせてしまった白人警官が不起訴になるケースが立て続けに起こり、
事件が起こったアメリカを中心に、日本を含め世界各地で抗議デモが行われてます。
8月に起こった白人警官が黒人少年を射殺する事件は、
当時の状況がよくわからないので何とも言えませんが、
7月に起こった白人警官が黒人容疑者を絞め殺した事件は、
動画が残っているためどんな状況だったかは明白です。
日本の報道番組でも「この白人警官はやりすぎだ」という論調でしたが、
この事件は白人警官の是非が問題ではなく、大陪審制度が是非が問題ですよね。
白人警官が不起訴になったとしても、ちゃんとした裁判を経ていれば納得できるので、
白人警官が悪いというのはちょっと短絡的な結論だと思います。
黒人容疑者にも白人容疑者にも平等に接することが理想ですが、
白人が黒人を怖いと感じる気持ちはわからなくもないので、
黒人容疑者に対して過剰に接してしまうのは差別とは関係ないかもしれません。
イメージだと黒人警官も白人容疑者に優しく接しているとは思えませんが…。
…あ、別に白人警官の肩を持つ気はありません。

ということで、今日は黒人警官の物語の感想です。

ライド・アロング 相棒見習い
Ride Along

2014年12月3日リリース。
アイス・キューブ、ケヴィン・ハート共演のアクションコメディ。

警備員のベン(ケヴィン・ハート)は、警官のジェームズ(アイス・キューブ)に、自分がただのゲームオタクではなく、ジェームズの妹アンジェラ(チカ・サンプター)と結婚するにふさわしい相手だと認めえもらうよう努力してきた。ついにベンが警察学校に入学すると、ジェームズは根性試しと妹との結婚を諦めさせるために、24時間の体験パトロール“ライド・アロング"に誘う。やがて夜がふけ、アトランタの街が犯罪溢れる危険地帯に変貌したとき、俄か相棒となった、何かとああいえばこういう口の減らないベンが、実は危険を招き寄せる最もアブナイ存在であることをジェームズは知る…はたして彼らは無事に朝を迎えられるのか?! そしてベンはアンジェラとの結婚を認めてもらえるのか??(公式サイトより)



本作は全米公開時に1月のオープニング成績、歴代1位になった大ヒット作です。
しかし日本では劇場公開されることはなく、ビデオスルーになってしまいました。
そんな作品を劇場公開しないなんて正気の沙汰とは思えません。
ハリウッド映画ファンとしては、全米ボックスオフィス1位になった映画くらい
問答無用で日本公開してほしいですが、現実はなかなか厳しくて、
今年全米1位になった映画でもキャメロン・ディアス主演『The Other Woman』や、
セス・ローゲン主演『Neighbors』、ジョナ・ヒル主演の『22 Jump Street』など、
何本かの作品が日本公開未定のままですが、そのほとんどはコメディ映画です。
やっぱりハリウッド・コメディは日本でウケないと思われているんでしょうね…。
本作ももちろんコメディ映画なのですが、本作が日本で劇場公開されなかったのには、
もうひとつ大きな障害がありました。
主人公が劇中でプリウスをディスってるからトヨタに配慮して…、
…ではなく、主要キャストのほとんどが黒人俳優な黒人映画だからです。

日本では黒人映画はなかなか劇場公開されません。
(社会派な公民権運動映画はちゃんと上映されるのですが…。)
別に差別意識があるわけじゃないですが、日本が単一民族国家だからかな?
日本に限らず、黒人映画は英米でしかヒットしないイメージがありますが、
実際本作も世界興収1億5400万ドルも稼いでますが、その9割は英米での儲けです。
1月の歴代興収を更新した本作が公開された週は、
ちょうどキング牧師誕生日(祝日)の3連休があった週なので、
その影響も少なからずあると思われます。(もちろんその日に合わせて公開したはず。)
おそらく黒人客を大量に動員できたのでしょうね。
そんなアメリカの社会事情が記録的ヒットに影響しているので、
日本で劇場公開してもヒットするはずはなく、ビデオリリースされただけでも奇跡かも。

でも面白いのは、本作はアイス・キューブとケヴィン・ハートの
黒人俳優W主演のバディ・ムービーなのですが、当初のは主人公コンビを、
ドウェイン・ジョンソンとライアン・レイノルズに演じてもらうつもりだったそうです。
その人気白人俳優のW主演作なら、少なくとも海外ではもっと稼げただろうし、
日本での劇場公開もほぼ確実だったような気がしますが、どこで間違えたのか…。
アイス・キューブが製作に参加したことで、黒人映画に書き換えられたのでしょうね。
黒人が映画製作に携わると、あの『ANNIE』ですら黒人映画化しちゃいますが、
黒人の黒人映画に対するコダワリには恐れ入ります。
以下、ネタバレ注意です。

高校で警備員をしているベンは、恋人のアンジェラと結婚したいと考え、
まともな職に就こうと、警察官になるためポリスアカデミーに入学を決めるのですが、
アンジェラの兄でアトランタ市警の刑事ジェームズから蛇蝎の如く嫌われていて…。
どうも「こんなヘタレのチビに妹はやれない」と思われているみたいで、
ベンはそんな将来の義兄を警官になることで認めさせたいと考えています。
まぁジェームズもそこまで毛嫌いすることはないだろうと思ってしまうものの、
たしかにベンは義弟にしたいタイプではないかも…。
チビなのは仕方ないけど、ドジでヘタレなことは間違いない上に、FPS症候群です。
(FPS…ファーストパーソン・シューティングゲームのネットゲーム。)
ネトゲ廃人と言うほどでもないものの、FPSプレイ中でだけやたら強気なネトゲ弁慶で、
HN「ブラックハンマー」としてプラチナレベルプレイヤーなのが唯一の自慢。
これではジェームズに嫌われても仕方がないですが、
むしろなぜあんなセクシーなアンジェラが彼に惚れているのか…。

とはいえ、ベンは決して悪い人ではないです。
むしろ高校の警備員として優秀で、悪い仲間から黒人生徒を更生させたりもしてます。
警官なんて目指さなくても警備員だって十分まともな職業だと思うけど、
警備員は警察より格下だと考える人も少なくなく、彼もきっとそうなのでしょう。
仕事に貴賤はないはずなのに、ちょっと職業差別的な展開は引っかかります。
いずれにせよヘタレなベンは警官より警備員の方が向いているのは間違いないので、
誤った道に進みそうな気がして、あまり応援できないかも。

ジェームズにポリスアカデミーに合格したと知らせたベン。
それでアンジェラとの結婚も認めてもらえるかと思いきや、
「妹に相応しいことを証明しろ、警官の素質を示せ」と言われ、
翌日、ジェームズの相棒として同行し、警察の一日職場体験することになります。
もちろんジャームズはベンを認める気なんてさらさらなく、
警察隠語で「126」と呼ばれる面倒臭い通報をわざと回してもらい、
ベンをしごいて、警官になる夢と妹との結婚を諦めさせるつもりです。
そんな素人を一日限定とはいえ警官にしちゃうなんて法的に大丈夫かと思いますが、
始める前に「怪我は自己責任」などの権利放棄の誓約書を書かしていたし、
アメリカには実際にそういう制度があるみたいですね。
そのように民間人を緊急車両の助手席に乗せることを「Ride-along」というそうです。
あるバーから身障者スペースにバイカーが違法駐車していると通報を受け、
ジェームズはベンにバイカーを追い払ってみろと命じますが、
案の定、ヘタレっぷりを炸裂させて大失敗し、ジェームズに泣きつくことに…。
バイカーたちの態度は酷過ぎるが、やはりベンは警官に向いてないですね。

本当はジェームズも、ベンの職場体験に付き合っている暇はなく、
オマーという誰も姿を見たことがない大物犯罪者を追っている最中です。
ただ誰も姿を見たことがないので、上司の警部補も架空の人物だと考えており、
架空の人物を追うのはやめろと命令されているのですが、
ジェームズは部下のサンディエゴとミッグスを使って、こっそり捜査を続けています。
職場体験中も、部下からオマーに関係がありそうな若者ランフラットの情報を得て、
ジェームズはベンを連れてランフラットの居場所に急行します。
ベンは邪魔なので、ランスラットの幼い弟から事情聴取するように命じますが、
こんな幼い子からもバカにされたベンは「拳銃さえあればもっと上手くできた」と言い、
ジェームズは仕方なく射撃場兼ガンショップに連れて行ってやることに。

ゲーム内では様々な銃火器を使いこなすベンですが、実際に銃を持つのは初めて。
S&W500は重くて持ち上げることもできないし、グロックですらまともに的を撃てず、
ショットガンを使えば反動で後ろにぶっ飛ぶくらいで、銃を使うセンスがゼロです。
ボクは撃ったことないですが、やっぱり銃を使うのって素人には難しいんですね。
FPSが得意なら射撃も上手そうな気がしたけど、やはりゲームとリアルは別物なのかな。
でもベンはゲームのおかげで銃の知識だけは豊富に持っていて、
先日までガンショップで扱っていた機関銃ザスタバM92がセルビア製だと見抜き、
セルビアンマフィアと繋がりのあるオマーを追っているジェームズは、
オマーがマフィアと銃の取引をしようとしていることに気が付くのです。
FPSをするなら銃の種類は意識するでしょうが、銃の生産国までは意識しているなんて、
かなりのマニアですが、どんな無駄そうな知識でもたまには役に立つものですね。

そろそろベンの相手は終わらせて、オマーの捜査に戻りたいジェームズは、
次の126の通報でベンを諦めさせようと考えます。
スーパーマーケットでクレイジー・コディという男が酔って暴れているという通報を受け、
ベンにその酔っぱらいを逮捕させようとしますが、やっぱりヘタレを炸裂させて…。
結局ジェームズが逮捕し、署に連行することになります。
さすがに失敗続きで、ベンも「自分は警官に向いてないかも」と言い始めますが、
アンジェラからの電話で、クレイジー・コディがジェームズのポーカー仲間だったと知り、
この通報は自分を騙すためのヤラセだったと気付くのです。
そこまでしなくても、ベンはそのうち諦めそうなものでしたが、
ジェームズも無駄に手の込んだことをするものですね。
コディは釈放するとして、器物破損したスーパーへの弁償は誰がするんだろ?

ジェームズはベンは諦めたと思い、彼を帰宅させようとしますが、
事実を知ってしまった彼は、最後にもうひとつだけ126を受けたいと言います。
今度はあるストリップクラブに不審な2人組がいるとの通報を受け急行。
その2人組は強盗で、踊り子を人質にして銃を取り出して脅しますが、
ベンはこれもジェームズの仕込みだと勘違いし、やけに強気な態度で2人に挑みます。
その結果、銃撃戦になってしまい、ジェームズは上司から大目玉を食らいます。
ここで勘違いとはいえ強気に出たことが事件解決に繋がるかと思ったら、
やっぱり事態を悪化させちゃうなんて、ホントにベンは警官に向いてないです。

そんな折、部下のサンディエゴからオマーの手下に関する情報が伝えられ、
手下の隠れ家に急行し、取引場所を吐かせようとします。
なかなか吐かない手下ですが、ベンが脅しのために突き付けていた銃が暴発。
弾は手下の肩を抉り、ベンに殺されると思った手下はついに吐きます。
図らずも役立ったベンですが、ドジった結果がたまたま好転しただけで、
彼らしくて面白いなと思いましたが、本当に撃つなんて違法じゃないのかな?
手下が通報しないから、お咎めなしなのかな?

取引場所の廃工場に着いた彼らですが、ジェームズはベンを車で待機させ、
部下のサンディエゴとミッグスと合流して突入します。
しかし部下2人はオマーの息のかかった汚職警官で、ジェームズは拘束され…。
彼の目の前でセルビアンマフィアとオマーの手下たちの銃取引が始まるが、
異変に気付いたベンがひとりで現場に乗り込んできます。
なんと彼は、誰もオマーの姿を見たことがないことを逆手に取り、
「私がオマーだ」といいながら入ってくるんですよね。
なかなか賢いなと思いましたが、どう見ても大物犯罪者には見えず、
マフィアや手下たちから痛いほどに疑いの眼差しを向けられます。
…が、彼らも絶対にオマーじゃないとは断言できず、結局何もできず、
ベンはその隙にジェームズの拘束を解くことに成功します。
ところがそこに、本物のオマーまでやってきてしまうのです。
ローレンス・フィッシュバーン演じる本物は、ゴツくて如何にも本物って感じです。

どちらが本物かバレてしまって、激しい銃撃戦が始まるのですが、
ここでベンのFPSの経験が遺憾なく発揮されるのです。
なんと彼は銃声だけで銃の種類がわかり、どう対処するべきか判断できるのです。
本物の銃を撃つことはゲーム通りにはいきませんが、
本物の銃で撃たれるのを避けることはゲームでの経験が役に立つんですね。
それにしてもFPSって銃声まで本物をリアルに再現しているものなんですかね?
また敵が手榴弾を投げてきた時は、反射的に拾って5秒内に投げ返す癖が
ゲームで養われており、敵の本物の手榴弾攻撃にも大いに役立ちました。
投げ返した手榴弾が取引のブツである火薬に引火し、工場は大爆発。
ジェームズとベンはギリギリ逃げ出しますが、この爆発では全滅だろうから、
オマーも死んで本作も終了かな、…と思いきや、まだ続くみたいです。

ジェームズは署に連絡し、警部補に「サンディエゴらが裏切り者だった」と伝えると、
警部補は「君が裏切り者だとサンディエゴから報告を受けたばかりだ」と…。
どうやら元部下サンディエゴとミッグスは爆発を逃れていたみたいで、
この様子だとオマーもまだ生きていそうな感じですね。
案の定、オマーと元部下2人はベンの家を襲撃し、アンジェラを人質にして…。
襲撃を受けた時、ベンのネトゲ仲間とアンジェラはFPSをしていたため、
異変に気付いたネトゲ仲間がベンに電話して、2人は彼女が人質になったと知ります。
ネトゲに使うヘッドセットのマイクの感度って、かなりいいんですね。

部屋に忍び込んだ2人は、まずミッグスをノックアウトしますが、
ベンのドジさはここでも炸裂し、オマーに見つかってしまうのです。
オマーとベンのタイマン対決は、まるで大人と子供のケンカのようで、
チビなベンは軽々と投げ飛ばされます。
その間にもサンディエゴを倒したジェームズは、オマーに挑みかかりますが、
オマーは人質のアンジェラに銃を突き付けていて、迂闊に手が出せません。
しかしベンが後ろからこっそり近づき、FPSの自キャラの技である
キックムーブをオマーにお見舞いし、オマーが怯んだところをジェームズが射撃。
見事に逮捕することに成功するのです。(あれだけ撃たれて死なないなんて…。)
その活躍でベンはジェームズからアンジェラとの交際を認めてもらい、
ポリスアカデミーに入学して、めでたしめでたしです。

FPSオタクが刑事になるという展開はなかなか興味深くて、
予想以上に面白かった本作ですが、全米で記録的大ヒットしたため、
当然のように続編も製作されるみたいです。
続編ではベンもポリスアカデミーを卒業しているはずで、警官になっているはずですが、
それだと「Ride-along」にならない気がするんだけど、いいのかな?
まぁそんな心配よりも、続編も日本でちゃんとリリースされるのかを気にするべきか。
今回は記録的なヒット作だったから、黒人コメディ映画でもリリースされたけど、
続編が平凡な成績に終わってしまい、単なる黒人コメディ映画と判断されたら、
リリースはされないでしょうね…。

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