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神さまの言うとおり

今日は久しぶりに日本映画の感想を書きますが、日本映画を観たのは
モントリオール審査員特別賞の『不思議な岬の物語』以来、約一か月ぶりです。
その間にもハリウッド映画8本、イギリス映画4本、フランス映画4本、
オランダ、オーストラリア、スウェーデン、香港、タイ映画を各1本と、
けっこういろんな国の映画を観た一か月でしたが、
観たい自国の映画が公開されなかったという状況は寂しいです。
まぁ秋は日本映画が弱いと言うのは毎年のことですけどね。

これだけ日本映画から離れたのは初めてのことでしたが、
暫く離れて、いろんな国の作品を観て、再び戻ってみると、
あー、日本映画もいいもんだな、と思えます。
面白さ云々は別として、とにかく楽です。
それは字幕を読まなくていいからではなく、内容を理解するのが楽です。
自分と同じ文化を基に作られているからでしょうね。
外国映画だと法律や風習など文化的にわかりにくいところがありますが、
日本映画だと文化の理解で足踏みしないので楽です。

ということで、今日は日本の民芸品など日本文化が満載の日本映画の感想です。
三池崇史監督作なので海外でも上映されるでしょうが、外国人にも伝わるかな?

神さまの言うとおり
神さまの言うとおり

2014年11月15日公開。
三池崇史監督によるサバイバルホラーコメディ。

何事もない日々に飽き飽きしていた高校生・高畑瞬(福士蒼汰)の通う学校に突如ダルマが出現し、命を懸けたゲームの始まりを告げる。少しでも動いたら首が吹き飛ぶ第1のゲーム「ダルマさんが転んだ」をクリアした彼は、幼なじみの同級生・秋元いちか(山崎紘菜)と一緒に第2のゲームへと向かう。一方世間では、ゲームから生還した生徒たちを、神の子とあがめており……。(シネマトゥデイより)



本作は『週刊少年マガジン』系で連載されていた漫画を、
あの『十三人の刺客』の三池崇史監督が実写映画化するというものです。
原作漫画は読んでないのでどんな内容なのかはわかりませんし、
三池監督も好きな映画監督のひとりなのだけど、
彼ははっきりって漫画やアニメの実写化は下手だと思います。
最近でも『土竜の唄』『愛と誠』『逆転裁判』『忍たま乱太郎』など、
「なぜこの仕事を受けたんだ?」と思わずにはいられない出来で…。
だから本作を観るかどうかも、少し悩んだのですが、
ヒロイン役が山崎紘菜ということで観に行きました。

山崎紘菜は第7回東宝シンデレラ審査員特別賞受賞者で、
その絡みか、TOHOシネマズの幕間の「Holywood Movie Topics」で、
ナビゲーター(?)をしている女の子ですよね。
ボクは週に1~2回はTOHOシネマズを利用するので、彼女を見る機会も多く、
はじめは単に「東宝が推してる若手女優だな」くらいにしか思ってなかったけど、
何度も何度も見ているうちに、徐々に親しみを感じるようになりました。
可愛らしい子なのはもちろんのこと、季節ごとの衣装チェンジも似合うし、
ナレーターのサッシャのセクハラ発言に困惑する彼女はとても面白いです。
そんな映画館でよく見る彼女ですが、映画自体で見ることはあまりなく、
これまでも東宝映画にチョイ役で出演していた程度でしたが、
本作ではついにヒロインに抜擢され、これは是非観に行こうと思いました。

…で、観に行ったのですが、原作漫画が三池監督向きなのか、
これまでの漫画原作作品に比べるとかなりマシな出来だったのではないかと。
特にバイオレンス描写は三池監督の真骨頂という感じで、
「なんて斬新な死に方なんだ」と思うところもあり、面白かったかな。
ただ内容的には、よくあるデスゲームものって印象で新鮮味が薄かったかも…。
なんというか、ちょっとゲームがシンプルすぎますよね。
馴染みのある遊びをデスゲーム化しているので、わかりやすいのはいいのですが、
ルールも単純なら攻略法も単純で、デスゲームに期待する頭脳戦がほぼありません。
なので攻略した時の達成感が非常に希薄に感じられます。
以下、ネタバレ注意です。

高校生の高畑瞬は、退屈な日常にうんざりしていたが、ある日の授業中、
教壇の先生の頭を破壊しダルマが出現し、ダルマに動いたところを見られたら死ぬ、
「死のダルマさんが転んだ」が始まるのです。
ダルマに動いたのを見られると、頭が弾け飛ぶんですが、この描写が秀逸。
血が吹き出すのではなく無数の赤いビー玉やスーパーボールが弾け飛ぶんですよね。
予告編で観た時はレイティング対策で血は使わないようにしてるのかと思いきや、
普通にR指定を受けているので、より刺激的な映像を追及した結果ですね。
ただし、ゲーム自体は微妙すぎます。
ダルマの背中に「押したなら終わり」と書いてありますが、
ダルマの背中のボタンをタッチすればクリアという簡単なルールです。
教室の広さなんてたかが知れてるので2ターンもあれば簡単に押せそうなのですが、
誰もが1ターンで突っ込んでいって、ダルマに見られて爆死します。
しかし最後のターンは、なぜかダルマが律儀に制限時間ぎりぎりまで振り向かず、
その隙に高畑がボタンを押すのですが、これでは「ダルマさんが転んだ」ではなく、
制限時間内にボタンを押すゲームに変わってますよね。
こんなんじゃ「ダルマさんが転んだ」をクリアした気にならないです。
高畑がボタンを押した瞬間、もうひとり最後まで生き残っていた同級生の佐竹が爆死。
どうやらボタンを押した者ののみが生き残れるということだったみたいです。
教壇に近い席の人が有利すぎるルールだな、というのはどうでもいいとして、
まさか主要キャラだと思っていた佐竹がこんな序盤で死ぬなんてビックリ。
なにせ佐竹を演じるのはヴェネチア新人賞の染谷将太ですからね。
ただこれで、本作はキャストの格では生死は決まらないのだとわかりました。

教室でただひとり生き残った高畑ですが、
どうやら他の教室でも同じゲームが行われていたみたいで、
その各教室の生き残りは体育館に集められて、次のゲームが始まります。
巨大な人食い招き猫から逃げるゲームですが、
床に「猫に鈴をつけたなら終わり」と書いてあり、
首輪に付いているバスケットゴールに鈴型のボールをシュートすればクリアです。
ただし普通にシュートしても招き猫にキャッチされ、鈴を投げ返されて死にます。
招き猫の背中を撫でて寝かしつけてからシュートしなくてはなりません。
しかしなんとか寝かしつけたはいいが、ダルマの時と同様に、
シュートを決めた者だけが生き残れるのではないかと考えた生存者たちは、
鈴の奪い合いになり、その騒ぎで招き猫は再び目を覚ましてしまい…。
もう寝かしつける時間も残ってないため、高畑は一計を案じ、
鈴をボールの皮で包み、ボールに見立ててシュートします。
が、ボールはフープに嫌われシュート失敗…。
しかしそのこぼれ球を不良生徒の天谷がダンクで押し込むのです。
ダンクで直接叩き込めばキャッチされないのであれば、寝かせる必要もないわけで、
「それでいいのか?」と思ってしまう攻略でしたね。
このゲームの生き残りは天谷、高畑、そして高畑の幼馴染の女子・秋元だけです。

その後、高畑は2人と違う部屋に監禁されます。
どうやら他の高校でも同じゲームが行われていたみたいで、
その部屋には彼の他に平良、田岡、高瀬という別の高校の生き残りがいました。
どうやら「た」から始まる生き残りを集めた部屋のようです。
高瀬は高畑と同じ中学校だった女子のようで知り合いです。
「カギで扉を開けたなら終わり」とかかれたその部屋に、突如4本のコケシが乱入。
後ろの正面誰か当てなければ殺される「死のかごめかごめ」が始まります。
平良は間違えて殺され、田岡は制限時間内に答えることができず殺されます。
次は高畑の番になりますが、彼はある作戦で見事に後ろの正面を当てるのです。
その作戦ですが、いくらなんでもあり得ない方法で、それを説明する気も失せます。
そんな滅茶苦茶な作戦をしなくても、4本のコケシの並びを憶えて、
1本のコケシの声を聞き分けることができれば簡単にクリアできるし…。
コケシの声を担当しているのはダチョウ倶楽部なので、
あんな特徴的な声なら簡単に聞き分けられそうなものです。

かごめかごめをクリアしてカギを手に入れ、部屋の外に出ると、
「えんがちょ」と書かれたコケシが追いかけて来るのですが、
このコケシは手を繋いでいる人は襲えないみたいで、2人いれば襲るに足りません。
その先に「七つの鍵を七人同時で回してね」という扉があり、
高畑と高瀬は、別の部屋をクリアした天谷と秋元と合流し、
あと3人の生存者と協力して、7人で扉を開けて次に進みます。

次に現れたのはシロクマです。
ダルマ、招き猫、コケシと置物が続いたのに、なぜシロクマ?って思いましたが、
そのシロクマは鮭を持っていて、どうやら置物の木彫りの熊みたいですね。
それがシロクマになったのは、「ダルマ→招き猫→コケシ→シロクマ」と、
シリトリを続けるためみたいですが、どうやらこのゲームは原作にはないらしく、
原作だと「コケシ→小便小僧」となるみたいです。
シロクマは「本当のこと言ったなら終わり」と言い、
生存者に質問し、それに正直に答えればクリアです。
ひとりでも嘘をつけば、誰かひとり生贄を出さなければなりません。
どんなシビアな質問をするのかと思いきや、「好きな食べ物は何ですか?」と…。
7人は順番に好きな食べ物を答えますが、シロクマは「嘘つきがいる」と激怒。
彼らは「パセリ」と答えた生存者が嘘つきだと考え、彼を生贄にすることにします。
うーん、パセリはボクも好きですけど、好きな食べ物を聞かれて答えないかな。
2問目は「私は(高畑)瞬くんのことが好き。YES or NO」という質問。
知人3人は「YES」、初対面の2人は「NO」、高畑自身も「NO」と答えます。
それでもやはりシロクマは「嘘つきがいる」と激怒。
高畑は「俺たちに嘘をつくメリットがない」と反論しますが、
シロクマは「実はこの中に僕らの仲間が紛れ込んでいる」と…。
彼らは高畑と同じ中学校だった高瀬が怪しいと考え、生贄にするのです。
高瀬は殺されますが、高瀬はシロクマの仲間ではなかったみたいで…。
それがキッカケで高畑は、シロクマこそが嘘つきだと見破ります。
それでクリアになるのですが、それってルールが歪曲されてないですか?
それだと「本当のこと言ったなら終わり」ではなくて、
「嘘つきを見つけたなら終わり」になるんじゃないの?

「ダルマ→招き猫→コケシ→シロクマ」ときて、次はマトリューシカが現れます。
たしかに民芸品は民芸品ですが、まさかのロシアの民芸品です。
ステージも外国風の街になります。
最後のゲームは「カンケリしたなら終わり」。缶蹴りです。
(もっとマトリューシカらしいゲームはなかったものか…。)
生存者5人、高畑、天谷、秋元、奥、前田の中から籤で鬼が決まります。
ここにきて生存者同士の戦いになるんですね。
籤の結果、天谷が鬼になるのですが、彼はサイコ野郎で…。
このゲームで使われる缶は蹴ると爆発する仕組みになっているそうで、
缶蹴りは缶の攻防が面白いゲームなのに、こんな缶では誰も蹴りたがるはずなく、
その醍醐味が全くなるので意味不明なルールです。
缶を蹴りに出てくる必要もないから、ずっと隠れていればいいわけで、
鬼にとっても不利極まりないルールだと思います。
あ、でも鬼も缶を守る必要がないから自由に探し回れることになるのか。
いずれにせよ缶を蹴れない缶蹴りなんて何が面白いのやら…、ですね。
鬼の天谷はアッという間に奥と前田、そして秋元も捕まえます。
まだひとり捕まっていない高畑は幼馴染の秋元を助けるために缶を蹴りたいが、
もし缶を蹴ったら自分が爆死してしまうことに…。
それ以前に缶を蹴りに出て行けば、天谷に捕まる恐れがあるので悩みます。
そこで高畑はステージに置いてあった甲冑を着て、出て行くのです。
鬼は相手の顔を見て名前を呼ばないと捕まえられないルールなので、
兜で顔が隠れている高畑を捕まえることができませんが、
天谷は「脱がせて顔を見ればいいだけ」と高畑に襲い掛かります。
その瞬間、高畑は天谷を鎖で甲冑に繋ぎ、身動きが取れないようにして、
自分は甲冑を脱いで缶に猛ダッシュ、自爆覚悟で蹴るのです。

ところが缶は爆発せず…。
マトリョーシカ曰く「爆発は缶蹴りを面白くするための嘘」と…。
いやいや、デスゲームものでルールが嘘とかあり得ませんから。
それに前述のように、その嘘のせいで、本来面白いはずの缶蹴りが、
缶を蹴れない缶蹴りになって、明らかに面白くなくなってますよ。
この缶蹴りは勝敗も関係なかったみたいで、
缶を蹴られた天谷もゲームでは負けたものの殺されることはなく…。
マトリョーシカは「5人を解放する」と言い、棒付きアイスをくれます。
いやいや、そんなアイス、怪しすぎるだろ、と誰もが思ったでしょうが、
案の定それはアタリ付きアイスで、ハズレた人は殺されるのです。
「知力、体力、想像力でここまで生き残ったけど、最後に大事なものは運だ。」
とマトリューシカは言うのですが、今までもかなり運任せだったと思うけど…。
体力はまだしも、知力と想像力なんてほとんど使ってないし…。

結局、アタリ(あなたは生きる)を引いたのは高畑と天谷で、
秋元、奥、前田はハズレを引き、雲散霧消してしまうのです。
完全クリアした高畑と天谷は「神の子」と称され、
「ダルマ→招き猫→コケシ→シロクマ→マトリョーシカ」ときて、
最後、神と対面することになり、本作は終了します。
もう最後に神なんて出してくるなんて、デウス・エクス・マキナも同然で、
全てを無意味にする物語の禁じ手です。
しかしそれ以上に理解に苦しむのが、大森南朋演じる拓海という男。
元暴走族でアニメオタクの引き籠り中年ですが、一体何者?
なんとなく神に仇なす者って感じですが、
ホームレスみたいな神とNEETの戦いなんてシュールすぎます。
いや、シュールでもいいから戦ってほしかったけど、
両者は出会うこともなく、本作は中途半端に幕を降ろしてしまいますからね。
正直、拓海なんてキャラは必要だったのか?って感じです。
結局、原作漫画が連載中だから、映画で勝手に完結できなかったのかな?
まさか続編を作る気じゃ…。

うーん、冒頭の「ダルマさんが転んだ」の残酷シーンが一番面白くて、
序盤が最高潮の尻つぼみな作品でした。
三池監督の作品は人が死ぬほど面白くなるので、ゲームが勝ち上がり式で、
徐々に死ぬ人数が減っていく展開では尻つぼみになるのも仕方がないか…。

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