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デビルズ・ノット

最近はホントにテレビを見なくなってしまいました。
ドラマやバラエティなんかは何の役にも立たないので見なくてもいいけど、
ニュース番組さえも見なくなったのはちょっと問題かも。
前までは朝の支度中になんとなくニュース番組を付けていたのですが、
それすらも面倒になり、全く世間の話題に疎くなってしまいました。
ネットでニュース記事を読んだりはしますが、
それだと自分の気になる記事しか読みませんから、
政治経済や事件事故のニュースなんて全く読みません。
もう世間話にさえついていけないような状態で…。
新聞でも読むようにしようかな?

ということで、今日は実際の事件を描いた映画の感想です。

デビルズ・ノット
Devils Knot

2014年11月14日日本公開。
アメリカで実際に起こった事件を基にしたクライムスリラー。

1993年、アメリカのアーカンソー州ウエスト・メンフィスで児童たちが無残にも殺害される事件が発生。彼らと顔見知りだったアイスクリーム売りの青年(デイン・デハーン)や現場近くにいた血まみれの黒人男性など、不審な人物がいたにもかかわらず、警察は16歳から18歳の若者3人を容疑者として逮捕する。私立探偵ロン(コリン・ファース)は、事件捜査の経過に疑問を覚えて独自に調査を開始。一方、被害者の母親パム(リース・ウィザースプーン)は、裁判で次々と浮き上がる捜査の矛盾などに戸惑いを覚える。(シネマトゥデイより)



うーん、退屈な映画でした。
1993年にアメリカで実際に起こった未解決事件「ウェスト・メンフィス3事件」を基にした
群像サスペンスなのですが、こんなものは映画にするべきものではありません。
『奇跡体験!アンビリバボー』や『ザ・世界仰天ニュース』などの
ドキュメンタリー系バラエティで使われる再現ドラマと大差なく、
テレビで見るなら楽しめるが、劇場で観るほどの内容ではないです。
実際に元ネタの事件は『奇跡体験!アンビリバボー』でも取り上げられ済みですが、
それくらい有名な事件なので、すでにドキュメンタリー映画や
ノンフィクション小説で何度も取り上げられており、
本作もそんな小説のひとつ『悪魔の結び目』が原作ですが、
当然ドキュメンタリー映画の方が再現ドラマよりも事実に基づいているし、
実際の事件を知るうえでは興味深いことは間違いありません。

本作のような普通の映画が、ドキュメンタリー映画よりも利点があるとすれば、
それはいくらでも脚色可能なことだと思います。
本作の冒頭で「Based on a true story(事実に基づいた物語)」と表示されますが、
それは事実がベースではあるが事実ではないという意味なはずです。
つまり実際の事件を元ネタにした全くのフィクションでもかまわないわけです。
というか、事実に基づき度ではドキュメンタリー映画には絶対敵わないんだから、
如何に元ネタを脚色して、面白いフィクション映画にするかが腕の見せ所でしょう。
しかし本作は前述のように、ほぼ再現ドラマになってしまっているので、
全く新鮮味のない、今更な物語になってしまっています。

いや、元ネタ「ウェスト・メンフィス3事件」を知らない客だっているので、
そんな人は劇中の事件に対して新鮮味を感じられるかもしれません。
しかし本作は未解決事件なので、それを忠実に再現した本作の物語も、
当然未解決のまま終わってしまうので、すっきりしないと思います。
フィクションでもいいから独自の真相くらい用意されているものと思ってましたが、
まさか本当に真相は藪の中で幕引きになるとは拍子抜けで、
本当に再現ドラマ以外の何物でもなく、映画にする価値がないと思えました。

「ウェスト・メンフィス3事件」は未解決事件ですが、史上最大の冤罪事件とも言われ、
有罪判決を受けた3人の少年は、実は無罪なのではないかと考える人も多いです。
本作も少年たちは無罪だと考え、少年たちの弁護士に調査員として協力した
私立探偵ロン・ラックス(彼は架空の人物かな?)が主人公ですが、
事実通りの展開となるので、ロンの努力もむなしく裁判では負け、
未解決事件なのでロンは真相にも辿り着くことが出来ず、曖昧模糊で終わります。
裁判で負ける過程も、弁護士側が攻勢に回る瞬間なんて皆無で、
主人公たちは終始やられっぱなしで、全く盛り上がりません。

別に裁判に負けるのはかまわないが、『それでもボクはやってない』のように、
せめて観客には少年たちが無罪である確信を得られるようにしてほしかったです。
警察の杜撰な捜査や、検事や弁護士の偏見などによる、
「ウェスト・メンフィス3事件」での不当な裁判を批判的に描きたかったのでしょうが、
少年たちが本当に犯人である可能性があるなら、
多少の強引な捜査は大目に見ていいんじゃないかとも思えます。
しかもこの少年たちは、お世辞にも好感が持てるとは言えず、
正直なところ彼らが有罪になろうがどうでもいいやと感じてしまうし、
主人公のロンがなぜ彼らにそれほど肩入れするかも理解できず、
主人公に感情移入も出来ない状態になりました。

いや、実際は全く真相に迫っていないわけでもなく、
十中八九とまでは言わないまでも十中六七はコイツが真犯人かなと思う展開です。
…が、事実通りの物語になるので、当然真犯人らしき人物は逮捕されず、
全くのお咎めなしで、のうのうと娑婆で暮らしているわけで、
やっぱり不愉快さの残る、鑑賞後感の悪い結末だと思います。
これなら少年たちが犯人だと思っていた方がまだマシです。
未解決事件が元ネタだということが最大のネタバレだと思いますが、
以下、ネタバレ注意です。

1993年初夏、米アーカンソー州ウェスト・メンフィスで、自転車で遊びに出掛けた
8歳の児童スティーヴィ、クリストファー、マイケルが夜になっても帰宅せず、
翌日、ロビンフッドの森の「悪魔の巣窟」と呼ばれる小川で、
手足を靴紐で縛られた全裸の遺体となって発見されます。
警察は当初、児童らと面識のあったアイスクリーム売りのクリスを容疑者と考えます。
ボクも初めはちゃんと真相まで描かれると思っていて、ミステリー感覚で観てたけど、
この第一容疑者のクリスが犯人で間違いなさそうだと思いました。
クリスを演じていたのが、サイコ俳優でお馴染みのデイン・デハーンだったので…。
まぁ本作は未解決のまま終わるので、本当に彼が犯人かもしれませんが、
判事は端から「コイツは関係ない」と決めつけていたため、
すぐに容疑者から外されてしまいます。

殺害現場を目撃したと語る児童アーロンが、
スティーヴィたちは悪魔崇拝者の儀式の犠牲になり、
そこに知人の少年ジェシーがいたと警察に証言。
すぐに警察がジェシーを尋問すると、彼はあっさりと自白し、
ダミアンとジェイソンと一緒にやったと証言します。
はっきり言って8歳児アーロンの証言なんて当てにならないし、
知能がそれ以下の知障ジェシーの証言なんてもっと当てになりませんが、
信心深い地域なのか、悪魔崇拝者と聞いた警察や判事は
「こいつらで間違いない」と思い込んでしまうのです。
特にヘビメタ好きで黒い服を好むダミアンのことは、以前から危険視していたようで、
ついに尻尾を掴んだとばかりに意地でも立件しようとします。

事件当日、近くのレストラン「ボージャングル」の女子トイレで、
「血塗れの黒人がいる」と警察に通報がありましたが、
普通に考えれば事件と何か関連がありそうなのに警察は重要視せず、
その杜撰な捜査のせいで、その黒人の正体も未だに謎のままです。
実際の事件で謎のままなのはいいけど、本作でも謎のままなのは如何なものか…。
真実は神のみぞ知るですが、もう少し真相に迫る努力したらいいのに、
ただ警察の捜査が杜撰だったという例に使われただけですね。
こんな大きな謎を残したまま終わるなんて、普通のスリラー映画ではあり得ません。
だから本作は映画にするべきではないと言うのです。

被害児童クリストファーの父はとても目立ちたがり屋で、
取材に来たマスコミのインタビューにも率先して応じ、
この事件のドキュメンタリー制作にも協力的です。
息子が死んだというのに嬉々としすぎておかしいだろと思いましたが、
彼は息子に対するDVも認めたりしており、やはり普通じゃない気がします。
彼はドキュメンタリー制作スタッフに、なぜかナイフを贈っているのですが、
そのナイフを検査すると血液反応が出て…。
これはかなり怪しいのではないかと思いましたが、
怪しい止まりで、なぜかあまり追及されないんですよね…。
というのも、この事件は次々と怪しい謎が出てくるからですが、
新しい謎が出たら前の謎は放置されてしまい、何ひとつ謎が解決しません。
ひとつひとつ謎を解けば、突破口も見つかるかもしれないのに、
弁護士の無能さにイライラしますが、謎が全て曖昧なままなのもイライラします。
ちなみに、後日談で2年後に彼の妻が原因不明で死ぬと表示されますが、
彼への疑いだけを強めて真相は語らないまま終わるなんて…。

目撃者だという8歳児アーロンの証言ですが、これも矛盾だらけで謎です。
手足を縛っていた靴紐を縄といったり、証拠と食い違いが多く、
どうも本当は目撃していないのに、誰かから言わされている感じで…。
どうやら母親に言わされてそうだとわかるのですが、
母親はカード詐欺で警察の厄介になったばかりらしく、
母親も警察から息子に嘘の証言をさせろと脅されているような感じです。
これも後日談でアーロンが「本当は何も見てない」と語り、
母親も警察に脅されたと告白するので、やっぱりかって感じだけど、
もちろんそれが事実かもわかりませんね。

十中六七で犯人と思われるのは、被害児童スティーヴィの父です。
スティーヴィの母は、事実を明らかにすることよりも事件解決を急ぐ夫に違和感を持ち、
こっそり天井裏の夫の荷物を調べると、中からナイフを発見し…。
このナイフは祖父がスティーヴィに贈ったもので、事件当日も息子が持っていたはず。
これはもうほぼ決定的な物的証拠になりえると思いましたが、
彼女が屋根裏でナイフを発見したのは裁判中だったけど、
そのことを主人公に打ち明けたのは有罪判決が出た後で、もう後の祭りです。
夫の弁解を聞くこともなく、真相は藪の中です。

ダミアンは死刑、他2人の少年には終身刑が言い渡されますが、
彼らは特殊な司法取引により既決重罪犯として約18年で釈放されました。
いわゆるアルフォード・プリー(有罪を認めない有罪答弁)ってやつですね。
ヘビメタファン=悪魔崇拝者=殺人犯、という偏見で有罪判決を受けた彼らですが、
ミュージシャンや音楽ファンを中心に世間から「これは冤罪だ」と批判されたみたいで、
当局としても苦肉の策の司法取引だったのかもしれません。
今は娑婆にいると思われる彼らですが、今後真相が明らかになる日は来るのか…。
つくづく裁判というのは真実を明らかにする場、…ではないと思えますね。

とにかく本作が映画として中途半端な作品であるのは間違いないです。
謎の多い未解決事件を描いた本作でしたが、本作の最大の謎は、
なぜこの使い古された未解決事件の再現ドラマを今更製作したのかってことですね。
しかも何の工夫もなく、名優コリン・ファースまで使って…。
…謎です。

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