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ザ・ゲスト

先週末の映画興行ランキング1位は邦画『トワイライト ささらさや』でしたが、
なんだかちょっと意外な結果だったような気がします。
そんなに宣伝していたようにも思えないし、人気アイドルが出ているわけでもない、
比較的地味な邦画で、ボクも全く注目していなかったのですが…。
タイトルが尻つぼみだったバンパイア映画を思い出すので、
期待感が湧かず、観る予定はなかったし、今後も観ないと思います。
先週末封切作品の中で、トップ10入りしたのもその作品だけですが、
ボクが観に行った封切作の中では『サボタージュ』とか『100歳の華麗なる冒険』は、
けっこう満席に近い盛況っぷりだったので、ランクイン間違いないと思ったけど、
蓋を開けてみれば2作ともランキング圏外で、
まさかの公開14週目の『STAND BY ME ドラえもん』が圏内に浮上していて…。
(まだ上映終了していなかったとは…。)
面白くないと評判の実写版『美女と野獣』も先週3位から2位に浮上してるし、
『エクスペンダブルズ3』が余裕でV2だろうと思ったのに4位に転落してるし、
本当にこの興行ランキングって正確なのだろうかと疑ってしまいます。

ということで、今日は先週末封切作の中の一本の感想です。
本作は全国20館のみの上映なので、ランクインするはずありません。

ザ・ゲスト
The Guest

2014年11月8日日本公開。
アダム・ウィンガード監督によるサイコアクションスリラー。

ハロウィーンが近づく中、息子を戦地でなくした一家のもとに彼の戦友だという男デイヴィッド(ダン・スティーヴンス)が訪ねてくる。謙虚で礼儀を重んじる上に、美しい容姿を誇る彼は、瞬く間に一家と心を通わせていく。それぞれが抱えていた悩みや問題を解決してしまう彼をすっかり信頼する一家だが、次第にその姿や言動とはかけ離れた素顔と目的を持っていることが明らかになる。やがて、デイヴィッドの存在は一家のみならず、閑静だった町をも揺るがし始め、ついには彼と特殊部隊の銃撃戦という事態にまで発展する。(シネマトゥデイより)



本作はホラー界期待の新鋭アダム・ウィンガード監督の最新作です。
ボクもウィンガード監督には非常に期待しています。
彼の手法が興味深いのは、ありがちなホラー映画の展開を一捻りし、
斬新な展開のホラー映画にしてしまうことです。
例えば代表作『サプライズ』では、謎の覆面男がある一家の家を襲うという、
よくある殺人鬼ホラーと思いきや、一捻りして住民が苛烈な反撃に転じて、
逆に殺人鬼が住民に戦慄するという斬新な展開が話題となりました。
また『V/H/S/2』では、お馴染みのPOVホラーに挑戦していますが、
一捻りして主観撮影なのだから眼球を義眼カメラにしちゃえばいいという、
コロンブスの卵的なPOVホラーを撮っていました。

本作もある客を好意で一晩泊めると、客から恩を仇で返されるのいう
よくある「軒を貸して母屋を取られる」系スリラーなのですが、そこに一捻り加え、
ちょっと面白い展開になる斬新なスリラーになっています。
…と言いたいところですが、本作は捻りを加えすぎて、
一周して元のよくあるスリラーに戻ってしまっている気がします。
一捻り目までは面白いのですが、更に捻られて終盤はイマイチな展開になった気が…。
でも捻りすぎて普通になるというのも、ある意味斬新だし、それが狙いなのかも。
以下、ネタバレ注意です。

父、母、長男、長女、次男の5人家族だったピーターソン一家ですが、
陸軍だった長男クレイブがアフガニスタンで戦死してしまいます。
その失意からも漸く立ち直り始めた頃、クレイブと同じ部隊で友人だと名乗る男
デイヴィッドが家を訪ねて来るのです。
「クレイブから家族に愛していると伝えてほしいと頼まれた。」と言う彼を、
母ローラは暖かく歓迎し、家に招き入れ、一晩泊まってもらうことに。
遠慮がちな彼でしたが、好意に甘えることになります。
父スペンサーは「息子の友人である証拠がない」「PTSDの危険人物かも」と
デイヴィッドを疑うのですが、彼に「後輩の大卒が営業部長になった」という、
仕事の愚痴を聞いてもらい機嫌がよくなり、「何泊でもしなさい」と歓迎します。
デイヴィッドはイケメンで礼儀正しい好青年ですが、部屋で一人になった時の表情は、
何かよからぬことを企んでいる感じで、ボクもヤバそうな男だと感じました。

翌日デイヴィッドは母ローラの代わりに、高校まで次男ルークを迎えに行きます。
ルークがイジメられていると勘付いた彼は、イジメていた上級生たちの後を尾け、
たまり場のバーで、やりすぎなほどボッコボコに叩きのめすのです。
ルークはそんなデイヴィッドを尊敬するようになります。
なるほど、こうして家族を順番に懐柔(洗脳)していくわけですね。
しかしその目的は依然不明のままですが、バーでは酒を大盤振る舞いしていたし、
どうも金品が目的というわけではなさそうです。
デイヴィッドのことは、何か裏がある怪しい輩とは思いながらも、
イジメっ子を半殺しにする彼は痛快でしたね。

その夜、長女アナが友達クリステンの家のパーティに行くと言うので、
デイヴィッドも一緒に連れて行ってもらうことになります。
未成年が酒飲んだり、マリワナ吸ったりする、あまりよろしくないパーティです。
でもデイヴィッドは注意したりすることもなく、理解ある大人をアピール。
アナも彼の大人の魅力にちょっとトキメキます。
アナを懐柔するために、手っ取り早く手籠めにするつもりなのかな?
でもアナはヤンチャな恋人ジークがいるので、そう簡単には落ちません。
代わりにコロっと落ちてしまったのは友達クリステンの方で、
デイヴィッドは彼女から部屋に誘われて…。
彼はケンカも強いがセックスも強いみたいで、
その上にイケメンで金持ちだなんて、もう完璧超人ですね。
そのパーティの最中、アナは恋人ジークと口論になり、怒って帰ることに。
その帰り道、「君のような恋人がいたら、中東に撃たれに行ったりしない」という
デイヴィッドの殺し文句に、アナの心はズキューンと撃たれてしまいます。
家に帰ったアナはデイヴィッドに贈るためにMIX CDを作るのです。
(パンクな外見の割には、やってることがプラトニックで可愛いですね。)
デイヴィッドにしてみれば、早くも子供2人を攻略したようなものです。

ところが翌朝、アナはMIX CDを渡そうとデイヴィッドを探していると、
たまたまデイヴィッドが誰かと電話している声が聞こえてきて…。
「素性知られたくない。新しい顔が必要だ。」と、なにやら怪しすぎる内容です。
不審に思ったアナは、彼が所属していたというケニルワース基地に電話し、
デイヴィッドのことを問い合わせるのです。
ところが彼の情報は機密事項で、すぐには答えられないので折り返すとのこと。
デイヴィッドの問い合わせ電話があったことは、軍警察のカーヴァー少佐に報告され、
報告を受けた少佐は何やら焦り、「彼のもとに傭兵部隊を送れ」と部下に命令します。
デイヴィッドのことはなんだかヤバそうな男だと思っていたけど、
なにやら国家的な陰謀が見え隠れする、かなりヤバそうな事態になってきましたね。
ひとつの家族の話だったのが、まさかこんな壮大な話に発展するとは…。
でもまだ彼が何者なのかは見えてきません。

デイヴィッドはパーティで出会ったヤバいブツの調達屋クレイグの仲介で、
銃の売人から大量の銃や手榴弾を採石場で取引します。
いや、取引ではなく殺して奪い取った感じですね。
けっこう金持ってそうだけど、銃器を沢山買うほどはなかったのかな?
いや、イジメも許さない正義感の強い男だから、売人は殺してもいいと考えたのかも。
その売人殺害現場を見たクレイグも拳銃で撃ち殺しますが、
かなり離れた位置から正確に頭を撃ち抜いたので、銃の腕も超人級です。

ある日、父スペンサーがただならぬ様子で帰宅しますが、
なんでも例の部長が急死したらしく、その後任の部長に彼が選ばれたそうです。
その夜、デイヴィッドは次男ルークと仲良くカボチャを使ってランタン作りをします。
そう、本作はハロウィンの時期が舞台なんですよね。
それなら日本公開を2週間前倒しにすれば、ハロウィンに間に合ったのにね。
まぁ全米公開もハロウィンの1カ月半も前だったみたいですが…。
デイヴィッドはランタン作りで使った自分のバタフライナイフを、
「今度イジメられたらこれで相手を刺せ。」とルークに渡します。
彼がそんなことをしている間に、アナは彼のケータイを勝手に拝借し、
着歴からあの朝どこに電話していたのか調べるのです。
その番号から、どうやら整形外科医と連絡を取っていたとわかり、
ネットに詳しいルークに、その医者についてググるように頼みます。

ルークが学校でググっていると、懲りずに例のイジメっ子が絡んできて…。
「オカマ野郎(Faggot)」と言われたルークは激怒し、
イジメっ子の顔面を大型定規でぶん殴ります。
てっきりナイフで刺しちゃうかと思いましたが、ルークはそこまでアホではないようです。
…が、そのせいで校長に呼び出され、暴力行為による退学処分を告げられます。
しかしデイヴィッドが校長に猛抗議。
「ゲイのルークにオカマ野郎なんて言うのはヘイトクライム(憎悪犯罪)だ」
「この高校はそんな差別を許すのか」と詰め寄り、校長は処分撤回し、
ルークは一か月の労働奉仕に減刑されるのです。
もちろんルークはゲイじゃないので、この抗議は全くのデタラメですが、
よくこんな出まかせを思いつくものだと感心しましたね。
それにしてももう終盤も近いですが、デイヴィッドは今のところ家族を助けてばかりで、
彼が一家に潜り込んだ目的が本当にわからなくなりました。

ルークはどうやらデイヴィッドが本物ではないということに気付いているみたいです。
アナの悪い友達である調達屋クレイグを殺したのも彼だと気付いているし、
父の気に入らない上司を殺したのも彼に違いないと確信しています。
でもそれは家族のためになっているので、ルークは彼を悪人とは思っておらず、
アナから整形外科医を調べるように頼まれたのも彼に話してしまいます。
いやー、ボンヤリしてそうな子ですが、ルークはなかなか鋭いです。
ボクもルークの言うように、彼は悪人ではないのかもと思い始めました。

そしてそれが確信に変わります。
ついに軍警察のカーヴァー少佐率いる傭兵部隊が家にやってくるのですが、
どうやらデイヴィッドはKPG社の極秘医療実験の被験者で、
少佐は研究所から逃げ出した彼を始末するつもりのようなのです。
長男クレイブの被験者でしたが、たぶん実験で死んだみたいで、
アフガニスタンで同じ部隊だったわけではなさそうですが、
デイヴィッドがクレイブの頼みで家族に会いに来たのは本当だったと思われます。
やっぱり悪人ではなかったのか、…と思ったのも束の間、
デイヴィッドは自分の居所を少佐に教えようとした母ローラを包丁で刺し殺すのです。
クレイブの遺志を継ぎ、家族を守るためにやてきたはずなのに何故?
と思いましたが、カーヴァー少佐曰く、どうやら医療実験でデイヴィッドには、
自分を守るようにプログラム(洗脳)されているみたいで…。
そのためには意思とは関係なく、自分を脅かすものは殺しちゃうんでしょうね。

これが前述の捻りすぎた設定で、客は殺人鬼だと思ったら家族の味方だった、
というのが一捻り目ですが、更に一捻りされて、やっぱり殺人鬼になってしまい、
捻りが一周して普通の殺人鬼スリラーになってしまっているわけです。
少佐の傭兵から襲撃されたデイヴィッドはなんとか家から脱出し、車で逃走しますが、
その途中で帰宅途中だった父スペンサーの車にわざと接触し、彼を殺します。
次は長女アナを殺そうと、彼女がバイトするダイナーへ向かいますが、
先に少佐がアナを連れ出しており、入れ違いに…。
デイヴィッドはダイナーを手榴弾で爆破し、次は次男ルークのいる高校へ向かいます。
アナも少佐と共に、弟を助けるために高校へ向かい、
高校で開催される準備中のハロウィンパーティの会場で対決することになるのです。
このハロウィンパーティの会場が、遊園地のアトラクションかと思うほど迷宮化していて、
クライマックスの舞台としては盛り上がるかもしれませんが、
いくらなんでもこれはあり得ないだろって感じでしたね。

アナはルークと合流できましたが、鏡の迷宮で少佐は殺され、
姉弟2人でデイヴィッドの魔の手から逃げなくてはならなくなります。
アナは見事な陽動作戦でデイヴィッドの背後に回り込み、少佐の銃で彼を撃ちます。
…が、当たり所が悪かったのか、致命傷を負わすことができず、
逆に彼に捕まり、首を絞め殺されそうになるのです。
そこを背後からルークがデイヴィッドに貰ったナイフで彼を刺します。
更に胸にもナイフを突き立て、なんとか彼を殺し、姉弟は脱出することに成功するのです。
激しいバトルで会場は火災が起きており、消防隊が駆け付けますが、
消防隊に保護されたアナは、会場から消防服を着て出てくるデイヴィッドを見かけて…。
そこで本作は幕を閉じますが、結局デイヴィッドは殺せなかったわけですね。
胸にナイフを突き立てられて生きていられる人間なんているはずないですが、
どうやら例のKPG社の医療実験で改造人間になっていたから死ななかったのかな?
改造人間と言うよりは、キャプテンアメリカやウルヴァリンのような、
スーパーソルジャー計画の強化兵士って感じですかね。

結局、実験の内容や目的も明らかにならなかったし、
上記のデイヴィッドがピーターソン家を訪れた理由も憶測でしかないため、
ちょっとスッキリしない終わり方だったようにも思います。
結局、アナとルーク姉弟との決着も付いていないわけだしね。
それに極秘実験だから被験者のデータは死亡扱いに改竄されるみたいなので、
長男クレイブが本当に死んだなんて証拠もありませんよね。
もしかしたらデイヴィッドは整形したクレイブだったりして?
うーん、なんだか謎が多い幕引きですが、なかなか読めない展開だったし、
鑑賞中はとても楽しく観れたので満足です。
やはりウィンガード監督の才能は相当なものだと思うし、早くも次回作が楽しみです。

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