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呪(のろい)

今日はDVDの感想です。

呪(のろい)
Grave Halloween

2014年11月5日リリース。
富士の樹海を舞台にしたカナディアン・ホラー映画。

ハロウィンの日、山梨国際大学に通う日系アメリカ人マイコは、樹海で自殺した母の霊を成仏せるため、ドキュメンタリー・サークルの仲間4人と青木ヶ原へと向かう。頼りは、箱に残された1枚の樹木の写真。それをもとに母が亡くなった場所を探し始めるが、途中、謎の日本人ジンと出会ってから、仲間が次々と霊の餌食になり、惨殺されていく。彼はいったい何者なのか、そして、時折姿を現す母らしき白装束の女と謎めく少女の霊は、マイコに何を訴えているのか…。(公式サイトより)



本作はカナダで製作されたホラー映画ですが、
なぜか舞台は富士の樹海としてお馴染みの青木ヶ原樹海に設定されています。
「Jホラーを基盤にした、和魂洋才ホラー」みたいな触れ込みですが、
別にJホラー好きのカナダ人が、Jホラーを真似て作ったような映画ではないです。
むしろJホラーや日本のことをあまり知らない人が作った感じで、
日本に対する誤解が満載の、ありがちな外国映画になってますね。
たぶん本作を撮った動機は、富士山が世界遺産に登録されるにあたり、
少し世界から注目され、「富士の樹海は自殺の名所」という噂を知ったカナダ人が、
「世界遺産を舞台にしたホラー映画なんて面白いかも」と思ったんじゃないかな?
劇中で「昨年は100人の自殺者が出た」みたいな適当な情報が語らたりと、
あまり青木ヶ原樹海をネガティブに描かれると、本作を観た外国人が
「日本の世界遺産は心霊スポットだ」みたいな誤解するかもしれないので、
ちょっと勘弁してほしいですが、日本人としてはどんな作品かは気になるところです。

青木ヶ原樹海を舞台にしているのに、低予算ホラーで日本ロケも不可能だったのか、
全編地元カナダのトロントで撮影されているみたいです。
そのためか日本人俳優の起用も難しく、作中の日本語台詞はほぼカタコトで…。
冒頭、主人公のマイコが母親のことを「オカチャン」と言った時には、
「これはいくらなんでも…」と思いましたが、
現地にまともな日本語話せる俳優がいないんだから仕方ないよね。
でも主人公マイコは日本人を生みの母に持つ日系アメリカ人ですが、
マイコを演じるケイトリン・リーブは北米で活躍するモデルで、
日本人の血なんて一滴も入ってないだろって風貌です。(すごい美人。)
なので代理母出産かと思ったのですが、普通に日本生まれで、
4歳の時にアメリカ人夫婦の養女になった設定なので、少なくともハーフです。
でも彼女は『クライモリ デッド・ビギニング』に出演した当時は、
ケイトリン・ウォンという中国系のような芸名だったので、
現地ではアジア系女優として認知されているのかもしれませんね。
以下、ネタバレ注意です。

山梨国際大学の学生であるマイコは、
親友アンバーの企画で、ドキュメンタリー映画を撮ることになります。
その内容は、2か月前に樹海で首を吊ったマイコの生みの母の自殺現場を探し、
成仏させるために施餓鬼を行うというものです。
施餓鬼なんて難しい仏教用語を、よく知ってたなと感心しますが、
やっぱり意味はちゃんと理解してなかったみたいで…。
施餓鬼はお盆に行われる儀礼ですが、本作の原題は『Grave Halloween』で、
10月31日のハロウィンの日を舞台にしているんですよね。
施餓鬼云々は別にしても、ハロウィンが盛んじゃない日本を舞台にしながら、
ハロウィンホラーを撮るなんて時点で、日本への理解の低さは窺えます。
どうでもいいことですが、どうせハロウィンホラーだったのなら、
あと一週早くリリースしていれば、ハロウィンに間に合ったのに…。

マイコとアンバーは、男友達テリーとカイルを連れて、車で樹海を目指します。
(カナダロケなのにちゃんと左側通行だったのはよかったです。)
富士パノラマラインを走行中、マイコは車窓から森の中に立つ女を目撃します。
長い黒髪に白い着物の、如何にもJホラー的な幽霊ですが、
マイコは気のせいかなと思い、そのまま通り過ぎるのです。
「東海自然歩道」と書かれた看板のある樹海の入り口に着くと、
自殺者の物と思われる古い車が停まっていて、
中には「自殺マニュアル」と書かれた本が置いてありました。
マイコが「日本には自殺予防ホットラインがある」と言ったりもしますが、
海外(北米)ではよほど日本が自殺大国だと思われているんでしょうね。
実際はそこまで際立って自殺率が高いわけじゃないけど、
切腹のイメージが根強いのかな?(韓国やインドの方が高いらしい。)

樹海に入った4人は、「撮影禁止」の立て看板を見つけます。
それでも撮影を強行するのですが、実際の青木ヶ原は観光地なので、
撮影が禁止されているなんてことはないと思います。
無断撮影を強行している彼らは、警官を見つけて、咄嗟に隠れるのです。
警官が樹海で何してるのかと思えば、どうやら自殺者の遺体を
袋に詰めて運んでいるようで…。
警官がそんなことするはずないだろと突っ込みたくなりますが、
日本人警官のはずなのに日本語がカタコトなのが笑っちゃいますね。
2人組ですが、片方はどうみてもアングロサクソン系だし…。
もう片方は『GODZILLA』にも出演している日系アメリカ人俳優ですが、
日系人がカタコトなのは、外国人が日本人役しているより残念な気持ちになります。

警官をやり過ごした4人ですが、ジンというオジサンに見つかり注意されます。
ジンは『GODZILLA』にも出演する日系カナダ人俳優ヒロ・カナガワが演じています。
マイコが「母の施餓鬼に来た」と言い、自殺現場の写真を見せると、
ジンは「心当たりがある」とそこまで案内してくれることに。
暫く進むと、アンバーが木にぶら下がっていた首吊り死体にぶつかります。
すると死体が突如動き出し、彼らを追いかけてくるのです。
…と思ったら、それは同級生のクレイグで、彼はマイコたちを驚かすために、
友達のスカイラーとブロディと一緒に死体のふりをして待ち伏せしていたのでした。
ジンは「霊を侮辱する行為だ」と激怒し、どこかに去ってしまいます。
マイコたちも呆れて、クレイグらを無視して先に進みます。

無視されたクレイグたち3人が暫く樹海を散策していると、
自殺者の痕跡と思われるテントを発見します。
中に遺体が残ってるかもしれないとスカイラーがテントを開けると、
遺体はなかったが、自殺者の遺品と思われるロレックスを発見し、
3人は「売って山分けしよう」と持ち去ってしまうのです。
その後、スカイラーは「全員死ぬ」と書かれた張り紙を発見。
気付くとクレイグとブロディとはぐれていて、どうやら彼だけ別次元に入ったみたいで…。
そこで女の霊に襲われた彼は、足を滑らして転倒し、
地面から突き出す木の枝が首に刺さり死んでしまいます。
その女の霊はマイコの母親だと思いますが、スカイラーが襲われるなら、
彼女ではなくロレックスを盗まれたテントの霊の方がよかったのでは?

その後、クレイグとブロディはマイコらと合流し、
みんなでスカイラーを探しますが、バラバラに逸れてしまうのです。
ブロディは小川でマイコの母の霊に四肢を黒髪に絡め取られ、
引き裂かれて死んでしまいます。
テリーとクレイグは女の子の霊と遭遇しその子から「逃げて!」と言われ、
2人はわけもわからず、とりあえず猛ダッシュで逃げます。
アンバーは窪みに足を取られて骨折し、その場から動けなくなりますが、
そこにも女の子の霊が血の付いた備中鍬を持って現れます。
これは殺されるかな、と思いましたが、そのまま女の子は消えてしまい…。
どうやら樹海にはマイコの母の霊と女の子の霊がいるみたいですが、
女の子の霊の方は実害がなさそうです。
そもそも子供は樹海で自殺なんてしないから、
女の子の霊がこんなところにいるのはおかしいだろ、と思いましたね。

マイコとカイルは警官に見つかり、スタンガンで気絶させられ捕まります。
目を覚ますと、暗い部屋に手を縛られて閉じ込められており…。
なんとそこは樹海内にある交番の、遺体安置部屋だったのです。
樹海の中にポツンと交番が建っているというのも変ですが、
警官が拘置所じゃなく遺体置き場に監禁するのも変すぎるでしょ。
いったい、日本の警察を何だと思ってるんですかね?
なんと遺体置き場に安置された遺体の中に、ジンの遺体もあり…。
どうやら死後何日も経っているみたいで、この日彼女があったジンは、
すでに幽霊で、しかもあのテントの自殺者だったみたいで…。
その後、ジンの霊はクレイグの前に現れ、彼に首を吊らせるのですが、
その姿は霊と言うよりもゾンビそのものでしたね。

警官がマイコの母の霊から殺され、マイコとカイルは交番から脱走します。
クレイグと逸れたテリーは骨折して動けないアンバーを発見し救出。
その後、4人は合流することが出来ますが、
その周りをジン率いるゾンビ軍団に囲まれてしまい…。
Jホラーに近いホラー映画だと思ったら、とんだゾンビ映画でビックリです。
なんとか逃げ切り、マイコの母の自殺現場に辿り着くのですが、
なんと発見されているはずの母の遺体がまだそのまま放置されていて…。
母の遺体が付けていたロケットペンダントの写真を見て、マイコは驚きます。
自分と母の他に、もうひとり女の子が写っていて、自分に姉がいたことを知るのです。
母は精神病でしたが、長女を備中鍬で殴り殺していたようで…。
樹海でたびたび現れた女の子の霊は姉の霊だったみたいですね。
ただ姉は完全に日本人顔で、マイコと姉妹とはとても思えません。
うーん、ここは種違いの姉妹だったということにしておきますか。

マイコの母の霊もゾンビ化し、マイコたちに襲い掛かり、
アンバー、テリー、カイルが次々と殺されます。
幽霊やゾンビ映画と言うより、悪魔系ホラー映画の殺され方ですね。
劇中でも「厄払い」のことを「悪魔祓いのようなものだ」と説明されますが、
ホラー映画では毎度のことですが、外国人は悪魔と怨霊の区別が曖昧ですよね。
マイコも殺されそうになりますが、姉の霊が現れ、逃げ道を示してくれたおかげで、
彼女は樹海から脱出でき、警察に保護されるのです。
(明らかに日本の物ではない)パトカーに乗せられて、帰路に着きますが、
運転していた警官が、なんとジンで、マイコは再び樹海に連れ戻されることに…。
パトカーに乗る前から、その警官の顔は明らかにジンと同じだったので、
普通はパトカーに乗る前に気づくだろ、って思っちゃいましたが、
外国人はアジア人の顔なんて見分けがつかないのでしょうね。
(はじめは低予算だからヒロ・カナガワが二役させられてるのかと思いました。)

カナダ発のJホラー的な、和魂洋才ホラーを期待していたものの、
トンデモ日本が満載で、ツッコミどころだらけの笑えるコメディ映画でした。

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