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ニンフォマニアック Vol.2

オーストラリアのメルボルンで行われた競馬のG1レース、
メルボルンカップに参戦した日本馬アドマイヤラクティが、
レース直後、馬房に帰って急死してしまったそうですが、心不全だったみたいで、
競走馬保護連合は「レースでの鞭打ちによる無理強いが原因だ」として、
鞭の使用禁止を求めているそうです。
ボクは動物保護団体が嫌いなので、その連合の言い分は眉唾だと思いますが、
たしかに競馬の鞭って何だか痛そうだなとは思います。
人間だったら走ってる最中にあんな鞭で尻を叩かれたら、走ってられないと思うので、
馬にとってはそれほどダメージはないんだと思っていましたが、
実は馬にとってもけっこう痛いのでしょうか?
鞭を入れるタイピングも騎手の腕の見せ所だったりするので、
競馬から鞭をなくすと少し面白味が減る気がします。
でも鞭じゃないにしても、アドマイヤラクティがなぜ死んだのかは気になりますね。

ということで、今日は馬上鞭で尻を叩かれる女性の物語です。

ニンフォマニアック Vol.2
Nymphomaniac Volume II

2014年11月1日日本公開。
ラース・フォン・トリアー監督によるエロティック・ドラマ2部作の後編。

最愛の男ジェローム(シャイア・ラブーフ)に去られた寂しさを埋めるように、さまざまな男とのセックスにふけるジョー(シャルロット・ゲンズブール)。さらに父をなくしたのも相まって、スケジュールを組んでまで情事に励むようになる。そんな中、妻と別れたジェロームと再会して久々に求め合うが、彼女は性感を得られない体となっていた。ジェロームは常軌を逸した性欲をぶつけるジョーを持て余し、彼女が浮気をすることを認める。刺激を求めてさまようジョーは、K(ジェイミー・ベル)というサディストと出会う。(シネマトゥデイより)



本作はラース・フォン・トリアー監督の「鬱三部作」最終作『ニンフォマニアック』の後編。
前編は10月11日に公開され、本作はその3週間後に公開されました。
ボクは前編も観に行ったので、後編である本作も観に行きましたが、
前編は「鬱三部作」なんていうわりには娯楽的な内容だったけれど、
「後編に壮絶な鬱展開が待っているのでは?」と懸念し、少し躊躇していました。
でもやはり前編観たのに後編観ないと、前編観たことが無駄になると思い、
思い切って観に行くことにしました。

でも、案ずるより産むがやすしですね。
たいした鬱展開はなく、娯楽的でとても見易い内容でした。
むしろもっと際どい展開があってもよかったのにと、逆に物足りなく思うほどです。
ただ、今回鑑賞した日本公開版は123分でしたが、ノーカット版は180分もあるので、
1時間ちかく短くなり、際どいシーンはかなりカットされたのかもしれません。
やはりカットされたシーンは気になってしまうものの、
それで見易くなっているなら有難い処置だったと思います。
単純に3時間が2時間になっただけでも、気楽に観れてよかったです。

ある夕方の路地裏で、年配の独身男性セリグマンが、
倒れていた色情狂の女性ジョーを助け、何があったのか聞きくと、
彼女は自身の性遍歴を語り始め…、という物語です。
彼女の回想による全8章で構成された物語ですが、
前編は5章まで描かれたので、本作は6章から8章までが描かれます。
以下、ネタバレ注意です。

6章に入る前に、ジョーは自分の過激な性遍歴を聞いても、
全く性的に興奮した様子のないセリグマンを不思議に思います。
興味津々で彼女の話を聞いているセリグマンですが、
いつもそれに対して、妙にずれたコメントをしていたので、
ボクも変わった人だとは思っていましたが、その理由が明らかに。
なんと彼はその歳にして女性経験が一度もない、童貞だったのです。
どうやら性欲というものがないみたいで、彼女の性的な話を聞いても、
性的に興奮を覚えることがなかったみたいなのです。
なるほど、ズレまくってた薀蓄コメントはそのせいだったのかと納得しました。

第6章「東方教会と西方教会(サイレント・ダック)」
初体験の相手で憧れの男だったジェロームと再会し、燃え上がる2人ですが、
彼女はこれまでの無茶な性体験が災いし、不感症になってしまいます。
12歳のころからローマ皇妃メッサリナと大淫婦バビロンが降臨していたほど、
色情狂である彼女にとって、オーガズムを失うのは地獄です。
そんな折、ジェロームとの子を妊娠し、出産して息子マルセルが生まれます。
子供が生まれて色情狂も落ち着くかと思いきや、逆にますます酷くなり、
彼女の性欲を持て余したジェロームは「他の男とも寝ていい」と浮気を許可。
彼女は毎日男を求めて、街に繰り出します。
うーん、気持ちよくもなくなったのに、なぜそこまでセックスがしたいのか疑問です。
男の場合はEDになったらセックスレスになりがちと聞いたことがありますが、
女性の場合は勃つ必要もないので関係ないのかな?

それから3年が経ちますが、ここで回想の中のジョーも、
若手女優ステイシー・マーティンからシャルロット・ゲンズブールにバトンタッチです。
役の年齢的には30歳前半でしょうが、このたった3年で20歳そこそこの若手女優から
40歳半ばのベテラン女優ゲンズブールに代わるのは、ちょっと無理があるような…。
せめて10年くらいは時間を飛ばす必要がある気がしますが…。
でもここで交代するのは仕方ないのかも。
ここからジョーの政変歴は急激にアブノーマルになりますが、
それを若手女優にやらせるのは憚られたのかもしれません。
ジョーは更なる刺激を求めて「ニグロとヤリたい」と思い、黒人青年に声を掛けます。
あれ?前編でいろんな人種ともヤッたと言ってた気がするけど?
でも今回は単に黒人とヤルだけではなく、アブノーマルな展開になります。
なんとその黒人青年が兄弟まで連れてきてしまい3P、しかもサンドイッチに…。
ところが黒人兄弟はどちらの穴を取るかで大ゲンカし、ジョーは呆れて帰ります。
穴の取り合いでケンカするくらいなら、兄弟なんて呼ばなければいいのに…。
というか、兄弟を3Pに誘うという神経が全く理解できませんが、
「ブラザー(仲間)」を字幕で直訳しちゃっただけかな?

ジョーは更に更なる刺激を求めて、SMクラブに通い始めます。
SMクラブといっても、サド男Kに一方的に甚振られるプレイで、
ソワーに縛りつけられ、馬上鞭やナインテイルで尻をしばかれるという、
もはやSMというよりも拷問だろと思うようなプレイで…。
プレイ後には体はボロボロになるし、今までよく死人がでなかったなと思うほどですが、
KのSMクラブは有閑マダムが列を作るほどの人気です。
ジョーは性的オーガズムが得られないので、痛みに快感を求めたのでしょう。
でもこのSMクラブの営業時間(?)は深夜2時から5時で、
彼女は3歳のマルセルを放置してまで通ってしまいますが、
ある雪の夜、マルセルがベットから抜け出し、ベランダに出てしまい…。
このシーンは鬱三部作の一作目『アンチクライストス』のセルフオマージュですね。
マルセルがベランダから転落して死ぬという鬱展開になるんじゃないかと思いましたが、
意外にも夫ジェロームが発見して、事無きを得ます。
まぁ落ちたらまんま『アンチクライストス』になっちゃいますが、ホッとしました。
ところがそんなことがあっても、ジョーはSMクラブ通いをやめず、
クリスマスの夜にまで通い、サイレント・ダック(フィストファック)されて喜んでいますが、
家に帰ると夫と子供の姿はなく…。
そんなダメな母親は見捨てられて当然ですが、結局夫ジェロームも育児なんてできず、
マルセルは施設に預けられちゃうんだから可哀想でした。
でもベランダから転落死する展開よりはマシかな。

第7章「鏡」
ジョーはKによる無茶なSMプレイが性器から出血するほどに重傷を負います。
職場でも彼女の性的行動が問題となり、
上司からセックス依存症の会に参加しろと命令されます。
会に参加して3週間と5日もセックスを断つことができましたが、
ある日、会に参加すると、そこにあった姿見(鏡)に自分の少女時代の姿が映り…。
ジョーは「私はセックス依存症じゃない。色情狂だ。」と叫んで退会するのです。
第7章はこれだけの話ですが、なんだか超自然的だし、よくわからない展開でした。

第8章「銃」
脱会したジョーは会社も辞め、なんと借金取立業に転職するのです。
仲介人Lから仕事を回してもらうのですが、SMクラブで覚えたSM(拷問)技術や、
これまでの豊富すぎる性体験を利用した脅迫により大成功します。
債務者の性的嗜好の暴いて辱め、借金を払わさせるのです。
ある少年性愛者の債務者の男の性的嗜好を暴いた時、
勃起した彼をジョーがフェラするのですが、その話を聞いたセリグマンは、
「なぜそんな小児性愛者にフェラするんだ?」と嫌悪感を露わにします。
しかしジョーは「小児性愛者はむしろ表彰するべきだ」と言うのです。
小児性愛者で小児性犯罪を起こす者は5%しかいないため、
残り95%は自分の性的嗜好を必死で抑えている哀れな人たちであると…。
うーん、言われてみればたしかにそうなのかもしれないと思っちゃいますね。
ボクも小児性愛者イコール小児性犯罪予備軍という印象があったけど、
実際に行動を起こさないなら、非実在児童ポルノくらい大目に見てやろうと思いました。

そんなジョーの取立技術をLは高く評価するのですが、
彼女がもう歳なので、そろそろ後継者を育てるべきだと考え、
ある15歳の少女Pに接触するように言います。
Pは両親が服役中なので、ジョーが親代わりとなって後継者に育てる計画です。
言われるままにPと接触し、まんまと親代わりになったジョーですが、
一緒に過ごすうちにPに愛着が湧き…。
Pが成人して引受人になった頃には、肉体関係まで持つようになります。
こんな晩年にレズに目覚めるとはちょっと意外ですね。
ジョーの仕事に興味を持ったPは率先して仕事について来るのですが、
彼女はジョーの取立方法とは違い、拳銃をチラつかせる暴力的な脅しで…。
まぁジョーの取立方法なんて、彼女のこれまでの経験があって初めて出来ることで、
他人が真似できるものではなく、そもそも後継者なんて無理ですよね。

ある日、いつものようにジョーはPを連れて債務者の家に行きますが、
その債務者はなんと元夫ジェロームで…。
ジェロームをまだ愛していたジョーは、取立てをP任せて帰ります。
Pは初のひとりでの仕事でしたが、暴力なしでも上手くやったみたいでしたが、
なんとPはジェロームに取立てに行くたびに、彼と寝ていたことが判明し…。
ショックを受けたジョーは、Pとジェロームから離れようと、
なぜか山を目指すのですが、山頂で気が変わったみたいで、山を降り、
Pの持っていた拳銃を持ち出して、ジェロームを殺しに行きます。
路地でPとデート中のジェロームに、ジョーは銃を突き付け引き金を引きますが、
安全装置を外し忘れて、弾は発射されず、逆にジェロームからボコボコにリンチされ、
しかも目の前でPとセックスされ、更にPから放尿されて…。
うーん、殺されかけたジェロームにリンチされるのは仕方ないとしても、
なぜPが親代わりのジョーにあんなことをするのか理解に苦しみます。
その後、路地で倒れている彼女をセリグマンが助けるのです。

セリグマンに助けられ、何があったのか話してほしいと言われた時に、
ジョーは「自業自得よ。私は悪い女なの。」と言って、
自分の生い立ちやこれまでの性遍歴を話し始めたわけですが、
こんな8章もある幼少期からの長い半生を語らなくても、
「養女と寝た元旦那を射殺しようとして失敗し、逆に半殺しにされた。」
と言えば済む程度のことでしたね。
ジェロームとの関係は、ある程度意味のある話でしたが、
別に黒人と3Pした話や、SMクラブの話、セックス依存症の会の話とかは、
彼女が路地で倒れていたことに関係ない気が…。
まぁ実際は倒れていた理由よりも、彼女の無茶苦茶な人生を楽しむ物語ですけど。
自分の数奇な人生を語り、「私は罪深い」と自虐するジョーですが、
セリグマンは「君が男なら凡庸な物語だ」と言うのです。
たしかにジョーが男なら、好色男の笑い話で済む内容だったかもしれませんが、
女性だから過激な内容になったというのは正しいかも。
矢口某みたいに、男の浮気は許されても、女の浮気は許さないみたいな風潮もあるし、
やはり女性の性を描くというのは、未だに少しタブー視されたりしますもんね。

セリグマンから「君の人生は性差別への抵抗だ、何も悪くない」みたいなことを言われ、
「ありがとう、セリグマン」と言った彼女ですが、なんとその後、
童貞で性に無関心だったはずのセリグマンが彼女に夜這いを掛けようとするのです。
ジョーは拒否しますが、「多くの男とヤッたくせに。」の罵られ、
彼女は拳銃の安全装置を外し、セリグマンを銃殺してしまうのです。
結局、ジェロームは殺さずに済んだのに、セリグマンを殺してしまい、
人殺しという罪を背負うことになってしまうというバッドエンドですが、
トリアー監督がハッピーエンドで終わるはずないとは思ってたけど、
鬱展開というほどでもないかな。
それにしてもセリグマンも、実は性欲があったことは別にしても、
こんな話を聞いた後に、よくも彼女を犯そうなんて思うものですね。
不感症な上に性器が傷物だとわかっているはずなのに…。

ちょっとあまりにも唐突すぎる展開の多かった本作ですが、
前後編合わせて84分もカットされたら、唐突な展開になるのは仕方ないのかな?
まぁカットされた大半はエログロシーンだと思うので、
物語上あまり関係ない気もしますが…。
とりあえず、思った以上に娯楽的で楽しめたし、
見易い作品に仕上がっていたのは助かりました。

前編の感想
ニンフォマニアック Vol.1

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