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ドラキュラZERO

今日はハロウィンです。
日本ではホラー映画は夏の風物詩ですが、
アメリカではハロウィンシーズンの風物詩みたいです。
洋画好きなボクも、この時期はホラー映画が観たくなります。
でも日本だと都合よくハロウィンにホラー映画なんて上映されませんが、
今日は『ドラキュラZERO』を観に行きました。
一応吸血鬼映画なので、広義のホラー映画になるかな?

ということで、今日は微かにハロウィン気分に浸れた映画の感想です。

ドラキュラZERO
Dracula Untold

2014年10月31日日本公開。
ルーク・エヴァンス主演のダークファンタジー。

トランシルバニア君主ヴラド・ドラキュラ(ルーク・エヴァンス)が統治する国は栄え、人々は平和に暮らしていた。だがある日、ヨーロッパ攻略を狙うオスマン帝国が、彼の息子を含む1,000人の少年の徴兵を要求してくる。愛する妻(サラ・ガドン)や息子と国を守るため、ヴラドは大国相手に反旗を翻し、古代より伝わる絶対的な闇の力と契約を交わす。(シネマトゥデイより)



本作の感想の前に、まず今後の展開について書きたいと思います。
これを知っているのと知らないとでは、本作を観る上でのモチベーションが
大きく変わると思われるからです。
知ったことで、より楽しめる人もいれば、興味が失せる人もいるかと思います。

本作は「ユニバーサル・モンスターズ」のリブートシリーズの一作目になります。
「ユニバーサル・モンスターズ」はユニバーサル製作の怪奇映画シリーズです。
『ノートルダムのせむし男』から始まり、『魔人ドラキュラ』『フランケンシュタイン』
『ミイラ再生』『透明人間』『狼男』『大アマゾンの半魚人』などが
1920年代から1950年代にかけて公開されました。
今年、ユニバーサルはそれらの作品を一挙にリブートすると発表したのです。
ただ個々の作品をリブートするだけではなく、『アベンジャーズ』シリーズに倣い、
同じ世界観を共有するシェアワールドとして製作し、
ゆくゆくはモンスター揃い踏みのクロスオーバー作品を製作するつもりのようです。
リブート第一弾は『ミイラ再生』のリメイクになるはずでしたが、
(というか『ミイラ再生』のリブート『ハムナプトラ』の再リブートかな。)
本作の完成後、「これもシリーズに入れちゃおう」的なノリで、
『魔人ドラキュラ』のリブートという後付設定が盛り込まれ、
本作が「ユニバーサル・モンスターズ」新シリーズ第一弾になったのです。
すでに本作の続編も示唆されていますが、本作の主人公であるドラキュラことヴラドが、
他のリブート作品に顔を出したりするかもしれないということです。
ボクはこの手の企画は大好きなので、モチベーションが上がりますが、
そんな壮大な企画に付き合い切れないと思う人もいるかもしれませんね。

まぁ本作の製作スタート時点では「ユニバーサル・モンスターズ」の
リブートは決まってなかったので、単発映画としてちゃんと観れるものにはなっています。
ただラストシーンはシリーズ化を意識したものだったので、
今後のクロスオーバーを示唆しているような気もしますね。
とはいえ、公開直前に新シリーズ第一弾となることが発表されたわけだけど、
公開された本作はお世辞にも評判がよかったとは言えないため、
「やっぱやーめた」となる可能性もあると思います。
ボクとしては悪くない出来だと思ったのですが…。
むしろ昨今乱発される吸血鬼映画の中では、かなり面白い方です。

いろんな作品に登場するゴシックホラーの大スターで、
吸血鬼の代名詞的存在であるドラキュラ伯爵ですが、
彼にはモデルとなった実在の人物がいます。
それが15世紀のワラキア公国の君主ヴラド三世、通称ドラキュラ公です。
吸血鬼ドラキュラのモデルになるくらいの人物なので、悪名高い暴君であり、
串刺し公なんて異名もあるほど、残忍な人物として伝わっています。
が、昨今は彼の功績が見直されてきており、
国を守るために戦った立派な君主として再評価されているみたいです。
そして本作は、そのヴラドの英雄説を基にしており、史実(伝承)を交えながら、
ついでに吸血鬼ドラキュラも英雄にしてしまおうという物語です。
簡単にいえば、ドラキュラ誕生の物語ですね。
以下、ネタバレ注意です。

15世紀、オスマン帝国はトランシルバニアから少年1000人を徴兵します。
その中で「竜(ドラクル)の息子」とまで称された最強の戦士に育ったのがヴラドでした。
彼は死んだ敵兵を杭で串刺しにして晒すため、串刺し公と呼ばれ恐れられますが、
それは敵の戦意を喪失させ無駄な戦いをしないための作戦で、本当は優しい男でした。
ヴラドは帰国し、トランシルバニアの君主になり、平和な国を作りますが、
ある日、領内の川でオスマン帝国の斥候の兜を発見し、
川の上流にある牙の山の洞窟に斥候が隠れていると考え、自ら調査に向かうのです。
しかしそこには斥候の骨が残されており、洞窟には恐ろしい魔物がいました。
ヴラドは逃げ帰り、魔物のことを修道士ルシアンに報告すると、
ルシアンは「それはヴァンパイアに違いない」と…。
ヴァンパイアは元人間ですが、悪魔と取引して凄まじい力を授かった代わりに、
牙の山の洞窟に何百年も閉じ込められているのですが、
自分の代わりに誰かをヴァンパイアにすれば自由になることができるらしいです。
この辺りの設定は矛盾だらけですが、たぶん彼がヴァンパイアの始祖なのでしょうね。

ドラキュラ城でイースターの晩餐会が行われますが、
そこにオスマン帝国のハムザ・ベイ将軍がやってきます。
斥候が帰ってこない件の調査にきたみたいです。
実際のヴラド三世もオスマン帝国の使者を惨殺したという逸話がありますが、
本作は実はヴァンパイアが惨殺したのを帝国側が勘違いしたという展開ですね。
将軍は少年1000人の徴兵と息子インゲラスを人質に差し出すことを要求します。
要求を飲まなければ、トランシルバニアは強大なオスマン帝国に攻め滅ぼされます。
しかし息子を手放したくないヴラドは、後日引き取りにやってきた
オスマン帝国のイズマイル将軍を斬り殺してしまい、戦争勃発するのです。
うーん、君主の息子だったら人質になるのは当たり前だと思うけど、
ヴラドは家族優先であまり民のことを考えてない気がしますね。
インゲラスも人質になる覚悟を決めていたのに、ちょっと浅墓に思います。

その後のヴラドの行動も浅墓で、オスマン帝国には勝てないとわかっている彼は、
なんと牙の山のヴァンパイアに協力を求めに行くのです。
知性があるかどうかもわからないのに、普通なら会った途端に殺されて終わりですよ。
しかし、このヴァンパイアは意外と理性的な魔物で、
ヴラドをヴァンパイアにすれば自分は洞窟から解放されるはずと考え、
ヴラドに自分の血を飲ませ、自分の能力を分け与えるのです。
能力の代償に、激しい血への渇望を感じるようになってしまいますが、
三日間それに耐え、人間の血を飲まなければ人間に戻れます。
しかしもし耐え切れずに人間の血を飲めば、一生ヴァンパイアのままです。
ヴラドは耐え抜く決心をして能力のある三日以内に帝国軍を倒そうと考えます。
耐えきれるかどうか、ドラキュラ誕生の物語なのでオチは目に見えていますが…。

ヴァンパイアから授かった能力ですが、もう最強です。
百人力のパワーとスピードに加え、驚異的な治癒力と、鋭い五感を得ます。
更にヴァンパイアらしくコウモリを操ったり、自らコウモリになることも可能です。
その能力はロギア系「バトバトの実」の能力者って感じで、ほぼ無敵です。
しかし一般的なヴァンパイア同様、銀製品や日光に弱いみたいですが、
まだ完全なヴァンパイアではないので十字架には耐性があるみたいです。
ドラキュラ城に戻ったヴラドは、攻め寄せるオスマン帝国の大軍1000人を相手に、
ひとりで迎え撃ち、瞬く間に全滅させてしまいます。まさに一騎当千です。
しかし普通の戦ならそんな猛将は避けて進むのが鉄則なのに、
オスマン兵も馬鹿正直にヴラドのところに攻め寄せないで、
迂回して手薄なドラキュラ城を落とせばいいのにね。
でもこれはたぶんオスマン帝国の軍部がアホなだけだと思います。
ヴラドは殺した敵兵を昔のように串刺しにして晒し、敵の士気を下げようとしますが、
オスマン帝国は「見るから怖い」と考え、兵士に目隠しして出撃するのです。
いくらなんでも目隠しして戦えるはずないでしょ。
なぜだかわかりませんが、ヴラドが活動できない日中には攻めて来ないしね。

ヴラドはドラキュラ城を捨て、比較的守りやすいコジア修道院に移動するように指示。
能力の猶予が三日しかないのに、なぜ籠城しようとするのか謎ですが…。
その移動中の民の行列がハムザ・ベイ将軍率いるオスマン軍に襲われ、
ヴラドの妻子を守って、腹心のディミトルが将軍に殺されてしまいます。
彼はヴァンパイアっぽい名前だったので、ヴァンパイアになると予想していたのですが、
こんなところで人間のまま死んじゃうなんて予想外でした。
夜を待って追いついたヴラドがオスマン軍を撃退し、なんとか修道院に辿り着きます。

翌日、修道士ルシアンがヴラドが日光を避けているのを見て、
ヴァンパイア化したと気付き、銀の剣を突き付けて彼を問い詰めます。
やっぱり神の家に悪魔の眷属ヴァンパイアがいるのはまずいんでしょうね。
ルシアンはヴラドに日光を浴びせかけ、焼けただれる彼を見た民衆も、
「悪魔の化身め」と彼を焼き打ちしようとするのです。
それに対してヴラドは「誰のお蔭で生きてられると思ってるんだ」と激怒します。
全く御尤もな怒りで、民衆の頭のお花畑加減には閉口しますね。
ボクが無宗教だからそう感じるだけなのかな?

三日目の夜、オスマン帝国の大軍勢がコジア修道院に迫って来ます。
ヴラドはコウモリの群れを呼び寄せ、上空からオスマン軍を強襲し、
皇帝メフメトの首を取った、…と思いきや、それは影武者で…。
ヴラドが必死にメフメトを探しているうちに、オスマン軍の別働隊が修道院に潜入し、
兵や民をほぼ全滅させ、ヴラドの妻ミレナを崖から突き落とし、
息子インゲラスを拉致して引き上げてしまうのです。
(あんな高所から落ちたら即死のはずだが)瀕死のミレナに駆け寄ったヴラドに、
彼女は「私の血を飲んで息子を取り戻して」と懇願します。
必死に血の渇望に耐えたヴラドですが、彼女の血を飲み、完全にヴァンパイア化して、
能力を継続させ、息子を救出することにします。
辛うじて生き残った兵や民にも自分の血を飲ませ、皆をヴァンパイア化させ、
ヴァンパイア部隊を率いてオスマン軍のキャンプを襲撃します。
もうその頃には日が昇っていましたが、ヴラドは天候も操れるようになったのか、
雷雲を発生させて日光を遮るんですよね。
天候を操るヴァンパイアなんてマジで最強で、DIOもビックリですね。

ヴラドは皆に三日間ルールを教えてあげなかったのか、
部下のヴァンパイアたちは普通に敵兵を襲って吸血します。
ちゃんと教えてあげたら、戦争終了後、元に戻れる人もいるかもしれないのに、
自分が完全にヴァンパイア化したから、もう他人なんてどうでもいいのか…。
ヴラド三世を民想いの立派な名君として再評価するコンセプトのわりには、
けっこう身勝手なキャラになっちゃってますよね。
あと、最終決戦を前に修道院の武器庫から封印されていた鎧を持ち出しますが、
特に何か神秘的な力を秘めた鎧でもないみたいで、イマイチ意味不明な展開です。
(串刺し公時代に彼が着ていた鎧かな?)
そもそもほとんどの攻撃が無効なヴァンパイアに鎧なんて必要ないです。

ヴラドは皇帝メフメトのテントに単身突入しますが、
ヴラドがヴァンパイアだと気付いている皇帝は、床に銀貨を敷き詰め、
銀の鎧や剣で武装して迎え撃ちます。
ヴラドも銀に触れたからといって、即ダメージを受けるわけではないが、
どうも銀貨の上に立っていると、力が人間時代にまで落ちるみたいです。
それでも竜の息子と称されるだけあって、なかなか強いですが、
銀貨のシャワーを浴びてダウンし、皇帝から杭を心臓に打ち込まれそうに…。
…と思ったら、ヴラドはコウモリに化けて態勢を入れ替え、
逆に皇帝に杭を打ち込んで殺すのです。
銀貨でヴァンパイアの能力を失っていたと思ったのに、コウモリにはなれたのかと…。
それならコウモリ変化を多用すれば、もっと楽に勝てた気が…。

皇帝を殺して息子インゲラスを救出しますが、
オスマン軍を全滅させた部下のヴァンパイアたちが、
「余計なものを始末しましょう」と、人間のインゲラスを殺そうとするのです。
そこに修道士ルシアンが十字架を持って颯爽と登場します。
完全にヴァンパイア化した彼らは、十字架に近づけないみたいで、
その隙にヴラドはインゲラスをルシアンに託し、空を覆う雷雲を消すと、
日光が降り注ぎ、ヴラド諸共ヴァンパイアたちは朽ち果てます。
その後、インゲラスはトランシルバニアの君主となって、めでたしめでたしです。

…で、終わるわけがないですね。
ここでヴラドが死んだら「ユニバーサル・モンスターズ」がリブートできませんから。
日光で朽ちかけていたヴラドですが、
彼をストーキングしていた謎のジプシーに血を飲まされて復活するのです。
それから時は流れて現代(21世紀)、不老不死のヴラドが街を歩いていると、
あるマーケットの花屋で、妻ミレナにそっくりの女性に出会います。
おそらくミレナの生まれ変わりで、ヴラドは彼女と親しくなりハッピーエンドです。
ちなみにミレナの生まれ変わりの名前は「ミナ」。
ブラム・ストーカー原作や旧作『魔人ドラキュラ』でもお馴染みのミナ・ハーカーですね。
なお、牙の山のヴァンパイアも、ヴラドがヴァンパイア化したことで洞窟から解放され、
老紳士の姿で現在まで生き続けており、何かを企んでいるみたいです。
彼は今後、『アベンジャーズ』のロキ的な役回りになりそうな予感がします。

ヴァンパイアの設定には矛盾だらけだったものの、
ゴシックホラー感溢れる映像は素晴らしかったし、
なかなか見応えのあるアクションファンタジーだったと思います。
順風満帆の出足とは言えませんが、今後どう展開するのか楽しみです。

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