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グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札

最近、朝日新聞のカジノに対するネガキャンが酷いです。
ボクはカジノ導入にもともと賛成なのですが、
売国マスコミの朝日が反対すればますます賛成したくなりますね。
ボクがカジノ賛成なのは、ハリウッド映画などを見ていて、
ラスベガスが楽しそうなところだと思うから行ってみたいのですが、
どうももしカジノ導入できたとしても、外国人しか入場できなくなりそうな感じです。
表向きはギャンブル依存症の日本人が増えることを懸念してのことみたいですが、
カジノ導入の主な目的は外国人観光客の誘致や外貨獲得なので、
日本人にカジノで遊ばれても意味ないということでしょうけど、
(むしろ外資系カジノに日本人がカモられるのを懸念しているのかも?)
国民が遊べない場所を国内に作るというのは、少し引っかかるものがあります。

でも国民が遊べないカジノというのも珍しくないみたいです。
韓国やモナコがそうみたいで、カジノは外国人専用らしいです。
韓国人はギャンブル依存症率が高いらしいので当然な気もしますが、
モナコの場合はそもそも住民の大半が外国人なのだそうです。

ということで、今日はカジノ収益で運営されるモナコ王室の物語の感想です。

グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札
Grace of Monaco

2014年10月18日日本公開。
グレース・ケリーの伝記ドラマ。

女優を引退しモナコ大公レーニエ3世(ティム・ロス)と結婚した公妃グレース(ニコール・キッドマン)は、アルフレッド・ヒッチコック監督からの新作オファーに心が揺れていた。そんな折、夫の推し進めていた政策が当時のフランス大統領シャルル・ド・ゴールを激怒させ、武力衝突に発展する可能性もある危機に直面。彼女はスクリーン復帰か、家族そして国家のために全てをささげるかの選択に直面し……。(シネマトゥデイより)



本作は1950年代のハリウッドを代表する人気女優から、
モナコ公国の公妃となったグレース・ケリーの伝記ドラマですが、
史実を基にしながらも、フィクションであると公言されています。
つまりグレース・ケリーをネタにした作り話です。
といってもボクは彼女のことをあまり知らないので…。
いや、名前を聞いたことがあるくらいで全く知らないので、
どこまでが事実でどこからがフィクションかはイマイチわかりませんでした。
1954年の『喝采』でアカデミー主演女優賞受賞を受賞したオスカー女優で、
当時マリリン・モンローと並ぶほどの人気女優だったみたいですが、
あまり古い映画は観ないので、彼女の出演作は一本も観たことがありません。
どうやら人気絶頂の中、カンヌ映画祭でモナコ大公レーニエ3世と知り合って
あっと言う間に結婚したみたいですが、その経緯が描かれていないので、
ちょっと不思議な感じがします。
小国モナコの君主の妃なんかより、大人気ハリウッド女優の方が絶対いいのに、
人気絶頂で引退して嫁ぐなんて、なんだか奇特な人って印象を受けました。
もう少し彼女が女優業よりも大公妃を選んだ理由が描かれていれば、
もう少し物語に説得力があったと思うのですが…。
プリンセスストーリーとも言えなくはないが、やはり女の子はお姫様に憧れるのかな?

知らない人物の伝記映画なんて大概退屈なものですが、
本作はグレースのことを知らなくても、不思議とそれなりに楽しめました。
実際、今の観客はグレース・ケリーなんて知らない人も多いだろうし、
フィクションなので、彼女を知らなくても楽しめる脚本にしてあるのでしょうね。
普通にポリティカル・サスペンスとして、なかなか興味深い作品に仕上がっています。
モナコ公国がフランスに編入されるか否かの瀬戸際を描いた物語で、
クリミアのロシア編入問題や、スコットランドの独立運動など、
昨今の情勢にも通じるところがあったりなかったりで興味深いです。
モナコとフランスの関係もあまり知りませんでしたが、
(どこまで事実かわからないものの)本作で垣間見れて面白かったです。
それとグレース・ケリーのことは全く知らないけど、
あのヒッチコックが劇中に登場しているのも興味をそそります。
海運王オナシスやその愛人のオペラ歌手マリア・カラスも何となく聞いた名です。
物語は概ねフィクションですが、実在の人物を沢山登場させているみたいですね。
以下、ネタバレ注意です。

1956年、ハリウッドでの人気絶頂から一転、モナコ大公レーニエ3世に嫁ぎ、
モナコ大公妃となったグレースですが、王室での生活はあまり楽しくないみたいで…。
劇中のレーニエ3世を見る限りでも、あまり立派な男って感じはしないし、
恋愛感情があっての結婚ではない感じがしますよね。
なぜグレースが彼と結婚したのか不思議ですが、やはり権力に惹かれたのかな?
ヨーロッパ最古の王室であるモナコ王室は何かと厳しく、
自立心の強いアメリカ人女性の彼女には息苦しいみたいです。
社交界で自分の意見を言うだけで煙たがられる上に、
よそ者扱いを受けて、赤十字の夫人連中からも軽んじられます。
そんな生活でストレスが溜まった彼女は、モナコGPばりに、
スポーツカーで海岸沿いを暴走しますが、急カーブで危うく大事故を起こしかけて…。
これは急カーブで転落死した彼女の未来を暗示する演出ですかね?
まぁ本作は、約1年程度の期間のことしか描かれていないので、
彼女の壮絶な最期には全く触れられていませんが…。

1961年12月、宮殿にヒッチコックが訪れます。
彼はなんと自身の監督作『マーニー』への出演依頼を持って来たのです。
いやー、さすがに大公妃に出演オファーは無謀すぎて、正気の沙汰とは思えませんが、
王室での正確にウンザリしていた彼女の女優魂が擽られ、出演を熱望するのです。
そんなに女優業が好きなら、なんで引退なんてしたのか不思議です。
重ね重ね、もっと結婚に至る経緯を描いてほしかったと思いました。
グレースが出演を熱望しても、さすがに王室関係者は許さないだろう、
…と思いきや、意外にも夫レーニエ3世は「やりたければ反対しない」と…。
そしてグレースのハリウッド復帰が決まるのです。
プロジェクトは極秘で進み、彼女が出演するという発表も暫く待ってほしいと伝えますが、
まだ撮影も始まっていない3月、映画会社ユニバーサルが突如発表してしまいます。
ビックリしたグレースはヒッチコックに問い合わせますが、
先に王室が発表したからユニバーサルは追随して発表しただけだというのです。
どうやら王室内に勝手に情報を漏らしたスパイがいるみたいです。

折しもモナコ公国はフランスとの関係が緊迫しており、
下手すればフランスに侵攻され、フランス領に編入される存亡の危機を迎えていて、
そんな中、グレースのハリウッド復帰が発表されたものだから、
国民の間では「大公妃がハリウッドに逃亡する」と批判されます。
うーん、元大人気ハリウッド女優が復帰するのは嬉しいし、
それが自国の女王だったら誇らしいくらいの気持ちになりそうなものですが、
モナコ国民はあまりグレース妃を歓迎してなかったのかな?
レーニエ3世も民意を受けてか急に映画復帰に反対し、
彼女も離婚を考えるほど険悪な状況になりますが、
離婚してしまえば彼女は子供たちに会うこともできなくなるため我慢します。
やはり王室なんかに嫁いじゃうと、離婚は難しいみたいですね。
ダイアナ妃なんかも相当いざこざがあったみたいだし、安易に嫁ぐものじゃないね。

フランスとの緊張の原因は、モナコがタックスフリーなため、
100社近いフランス企業が税金逃れのためにモナコに進出してしまったことです。
ド・ゴール大統領はモナコに「企業から税金を徴収しろ」と要求しています。
まるでド・ゴール大統領が無理難題をふっかける独裁者のように描かれますが、
ボクも納税は企業の社会的責任のひとつだと思うので、
税金逃れにモナコに来る企業はクソだと思うし、フランスの言い分は真っ当です。
実質ほとんどの企業はモナコに籍を置きフランスで営業しているものと思われるし、
「徴収した税金をフランスによこせ」というのも理解できますが、
「モナコの企業から徴収した分もよこせ」というのは強欲すぎるかな?
しかし実際に徴税すれば、ある程度モナコ王室も儲かると思うのに、
なぜそんなに徴税を拒むのか不思議な気がします。
劇中の感じだと、どうもモナコ王室の収入はカジノの儲けだけで、
意外と台所事情は火の車のような印象を受けたのですが…。

まぁフランスの言い分も理解できるものの、ちょっとやり方には問題があるかな。
そもそも徴税の目的がアルジェリア紛争の軍事費調達というのも感心できないし、
モナコとの国境を封鎖し、従わなければ侵攻すると脅すのも酷いです。
フランスに囲まれているモナコはインフラも全てフランス経由だし、
軍事もフランス任せなので、軍隊も持っていないみたいで、
フランスから軍事力で脅されたらどうしようもないです。
モナコは国連にも未加盟のため助けてくれる国もなく、
ケネディ大統領のアメリカすらも、なぜかフランスには不介入の意向のようです。
王室はなんとか軍事支援を得るために欧州各国の大使を招き、晩餐会を行いますが、
折しもアルジェリアによるド・ゴール大統領暗殺未遂があったことで、
フランスを敵に回す国は完全になくなってしまいます。

誰も反対しないならフランスもさっさとモナコを編入しちゃうとか、
やりたい放題できそうなものですが、そこまで手が出せないのは、
やはり世界的人気者グレース・ケリーの存在があったのかもしれませんね。
ド・ゴール大統領も「グレースをイジメたら世界を敵に回す」と考えたのかも。
だからこそモナコ王室にスパイを送り込み、グレースの映画出演を流出させ、
レーニエ3世と彼女を仲違いさせてしまおうと考えたのでしょう。
でも映画出演情報流出くらいで王室にダメージがあるとは思えませんよね。
むしろグレースの復帰を喜ぶ声も国外では多いみたいだし、
そのまま彼女が映画出演しちゃえば、ますます彼女の人気が上がって、
モナコに対する好感度も上がるかもしれません。
盗癖のある不感症女という役柄は、大公妃が演じるにはちょっと問題があるけど…。
…てか、ヒッチコックもあえてそんな役でオファーすることもないのにね。
結局、グレースは『マーニー』への出演を諦めざるを得なくなり、
その役は『鳥』のヒロインが引き継ぐことになったみたいです。
まぁヒッチコックも本気でグレースが出てくれるとは思ってなかったんじゃないかな?

グレースは秘書フィリスに映画出演を漏洩させたスパイ探しをさせます。
というか、「コイツが怪しい」と始めから思っていた人物がいて、
その人物の電話を盗聴し、フランスの探偵を繋がっていたことがわかり確信します。
その人物は王室の女官マッジでした。
彼女は初めからグレースに対して冷たい態度だったように思うので、
たしかに敵意を感じますが、むしろスパイが敵意剥き出しなわけないので、
ボクはこれは誤解なんじゃないかなと思いました。
すると案の定、やっぱり誤解だったみたいで、なんと本当のスパイは、
レーニエ3世の姉、アントワネット公妃だったのです。
マッジはスパイどころか、フランスの探偵を雇ってスパイを探していたみたいで、
とんだ誤解だったわけですが、マッジは誤解だろうと確信していたボクも、
王家のひとりアントワネット公妃がスパイだったとは意外な真相でした。
彼女は弟を失脚させ、自分の息子を次期大公にするつもりだったみたいで、
ある意味では単純な跡目争いが動機だったわけだけど、
フランスに完全に取り込まれた王室の大公になったところで、何が嬉しいのか…。

スパイ探しは面白いサスペンス要素でしたが、それで何か解決するわけでもないです。
アントワネット公妃の追放が決まっても、フランスとの状況が好転するわけでもなく…。
グレースは外交儀礼の専門家から、フランス語や作法を習い始めます。
まずは立派な妃になって、世界にアピールしようと考えたのでしょうが、
嫁いで6年にもなるのに公用語のフランス語もロクに話せないとは意外でした。
それでは赤十字の夫人連中から、よそ者扱いを受けても仕方ないかもね。
フランス語を体得した途端、グレースに対する夫人連中の態度も急変します。
赤十字のくせに慈善活動に全く興味のない夫人連中ですが、舞踏会は大好きで、
グレースが「国際赤十字舞踏会を催したい」と申し出ると、皆喜んで協力してくれます。
しかし彼女の国際赤十字舞踏会開催の真の目的は、各国の要人たちを招待して、
フランスのモナコに対する酷い所業を訴えることだったのです。

そして舞踏会当日、各国の要人を前にしての主催者の挨拶で、
グレースは「世界を変えるのは武力ではなく愛だ」的な暗にフランスを批判する
大演説をぶちかまし、出席者から拍手喝さいを受けるのです。
出席者のひとり、アメリカ国防長官はド・ゴール大統領に対し、
「まさか彼女の家を爆撃したりしないでしょうな?」と釘を刺し、
翌5月、フランスは徴税要求のための国境封鎖を解除することになります。
演説で世論がグレースに傾き、アメリカにまで釘を刺されては、
さすがの独裁者ド・ゴール大統領もモナコに手出しできなくなったのですね。
でもこの舞踏会の件はたぶん完全にフィクションでしょうね。
国連とかならまだしも、赤十字の舞踏会程度の発言では、
世界を動かせるほどの影響力はないと思います。
そもそもグレース主催の舞踏会にド・ゴール大統領がノコノコ来るはずないです。
会場入りの時点で大ブーイングでしたからね。
そんな完全アウェーの場に出るメリットが何もありません。
そうなると、封鎖解除の本当の要因は何だったのか、ちょっと気になりますね。

史実を知らないために、若干わかりにくところもありましたが、
なかなか面白いポリティカル・サスペンスでよかったです。

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