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サミーとシェリー 七つの海の大冒険

今年6月に全米公開され、全世界で6億ドルを稼ぎ、
今年最大のヒットアニメとなったドリームワークスの『ヒックとドラゴン2』ですが、
日本でも年内公開だったはずなのに、もう10月だというのにまだ公開日が決まらず…。
というか、この時期にまだ公開日未定なら、もう年内公開の目はないでしょうね。
というか、もう日本公開もないんじゃないかと諦めモードです。
配給の20世紀フォックスは、本当に日本でのアニメ映画公開に消極的で、
ドリームワークスが20世紀フォックスと配給契約を結んで以降、
同社のアニメ映画を劇場で観れなくなってしまいました。
『クルードさんちのはじめての冒険』『ターボ』はビデオスルーで、
前作『Mr. Peabody & Sherman』も公開未定のまま。
最後に劇場で観たのはパラマウント配給時代の『マダガスカル3』で…。
さっさと20世紀フォックスとの5年間の配給契約が切れてほしいです。
今月初めにソフトバンクがドリームワークス買収に動いていると報じられましたが、
ソフトバンクは嫌いだけど、この配給体制が少しでもマシになるんだったら、
いっそのこと買収されてしまえばいいのにと思います。

さらに悲しいことに、ブルースカイも20世紀フォックスの子会社なので、
『アイス・エイジ』シリーズや『ブルー 初めての空へ』の続編『Rio 2』など、
ブルースカイのアニメも日本では公開されません。
と思ったら、今月ブルースカイの『メアリーと秘密の王国』が日本公開となります。
…が、やはり20世紀フォックスではなく、新興配給会社SCREENというところの配給で、
イオンシネマの一部でのみの上映となるみたいです。
我が兵庫県では上映されず、大阪府でもイオンシネマりんくう泉南のみですが、
泉南なんてほとんど和歌山なので兵庫からはさすがに観に行けず…。
イオンシネマはその同日に『ミニスキュル』の劇場版も公開されるようで、
CGIアニメの上映に積極的なシネコンで、近所にないことが悔やまれます。

ということで、今日は兵庫県でも上映されたCGIアニメ映画の感想です。

サミーとシェリー 七つの海の大冒険
A Turtles Tale Sammys Adventures

2014年10月4日日本公開。
ベルギー製CGIアニメ。

誕生して間もないウミガメのサミー。砂浜から海へ向かおうとすると、カモメがサミーたちを襲撃。どうにか助かるも、一緒に逃げていたメスガメのシェリーと離れ離れになってしまう。大海原へ飛び出たサミーは、親友となるレイ、先輩ガメのベラ、皮肉っぽい猫のフラッフィーなどと出会い、彼らと助け合いながら、シェリーと再会するべく冒険の旅を繰り広げる。(シネマトゥデイより)



まだ10月ですが、今年の年間興行成績ランキング1位、2位は決まっています。
1位は『アナと雪の女王』、2位は『STAND BY ME ドラえもん』です。
2作ともCGIアニメ映画であり、日本人がCGIアニメ映画を好きなのは実証済みですが、
前述のドリームワークス、ブルースカイなど20世紀フォックス系列以外でも、
日本で劇場公開される海外CGIアニメ映画は少ないです。
たしかに日本ではディズニー以外のCGIアニメ映画は苦戦する印象がありますが、
適切に宣伝さえすればちゃんと客は入ると思うんですけどね。

そんな中、ひっそりと公開された海外CGIアニメ映画の本作ですが、
ボクが日本公開を切望するハリウッドのCGIアニメ映画とは違って、
ベルギー製のCGIアニメ映画です。
ベルギーのアニメなんて全くピンとこないけど、本作でメガホンを取ったのは
あの『ナットのスペースアドベンチャー3D』のベルギー人監督ベン・スタッセンで、
新参者が一朝一夕に製作したCGIアニメ映画ではないようです。
さすがに技術的にはハリウッドに比べれば劣るものの、
『フィッシュレース』シリーズなど諸外国に比べたらクオリティは高いです。

しかしなぜこれを日本で公開しようと思ったのか疑問ですよね。
本作の日本での配給はAMGエンタテインメントですが、
グループ会社のアミューズメントメディア総合学院を卒業した声優を起用する目的で、
配給権が手頃な値段の海外アニメを買ってきたのかな?
そんなコネ起用の主演声優では客を呼べるはずもなく、
話題性も全くない作品だったためか、ボクの観た回はほぼ貸切状態で…。
(正確にはボク含めて客は2人だけでした。)
ボクは109シネマズで観たので特別料金1200円均一で鑑賞できましたが、
ユナイテッド・シネマが配給協力しているため、同劇場だともっと安いみたいです。
鑑賞料金が安いにも関わらず、この客入りは悲惨すぎます。
入場者特典の「亀の子束子」も余りまくってるんじゃないかな?
ボクもシアター内に入って「地雷踏んだかもしれない」と後悔しました。

…が、そんなに悪い作品でもなく、意外と楽しめてしまいました。
ザックリ内容を説明すれば『ファインディング・ニモ』のカメ版みたいなもので、
生き別れになった息子、ではなくて生き別れになった女の子を探して、
世界中の海を旅するストーリーとなっています。
だけど、旅の途中でディズニーではまずあり得ないであろう、
結構意外な展開になったりするので興味深いです。
ちょっと日本人としてイラッとくるところもあるんですけどね。
以下、ネタバレ注意です。

ある浜辺で孵化したばかりのウミガメのサミーですが、兄弟たちが海へと向かう中、
どんくさい彼は巣から這い上がることもできず、カモメに捕まってしまいます。
しかしサミーは上空で必死に抵抗し、砂を吐き掛けられたカモメがバランスを崩し、
ウミガメの女の子シェリーを咥えた他のカモメと衝突し、サミーとシェリーは砂浜に落下。
助かったシェリーはサミーにお礼を言って海に入って行きますが、
小さなイカダの上に落ちたサミーは気絶してしまい、そのまま沖に流されます。
次の日、イカダに乗ったサミーが漂流していると、ウミガメの男の子レイと出会います。
レイはサミーと同じ日に生まれ、同じ方角の浜から来たそうで、
兄弟かもしれないと思った2匹は、一緒にイカダで旅をすることになるのです。
でもレイは色も濃いし、甲羅の形も違うので、同じ種類のカメとは思えず、
たまたま同じ誕生日なだけで兄弟じゃないのは一目瞭然ですよね。
言及はされてませんが、サミーはアオウミガメで間違いないでしょうが、
レイはクラゲが主食みたいなのでオサガメの一種ではないかと思われます。

太平洋を10年も一緒に漂流したサミーとレイですが、
タスマン海に着いた時にタンカーが座礁し、重油漏れ事故に見舞われます。
「美しい海を汚すなんて人間は不可解だ」とサミーは思いますが、
本作はそんな環境問題も大きなテーマのひとつらしいです。
まぁタンカー座礁は人間としても好き好んで起こしているわけではないけど、
海洋生物にとっては迷惑なことに違いはないですね。
ただ本作は一方的に人間を自然環境の敵としては描いていません。
重油漏れの被害から脱し、ウェーク島付近まで来ると、イカダが崩壊してしまいます。
成長した2匹の重みに耐えきれなくなったのですが、
むしろこんな木切れのようなイカダが10年間もよく壊れなかったものですね。
以降、泳いで旅をすることになった2匹ですが、サミーが漁船の底引き網に捕まり…。
サミーは漁師から死んでいると思われ、海に捨てられて難を逃れますが、
レイも別の漁船の底引き網に捕まっていて、2匹は離れ離れに…。

サミーは海底で衰弱しているところをイルカに助けられて、
カリフォルニアの海岸に打ち上げられ、人間の女性スノーに捕まります。
彼女は所謂ヒッピーで、この浜辺で仲間たちとピースなコミューンを形成し、
博愛精神から衰弱しているサミーを保護したみたいです。
でもスノーの飼い猫フランフィーは「食べられちゃうぞ」とサミーを脅し、
逃げるように促すのですが、サミーは居心地がいいみたいで暫く居つきます。
そんな折、スノーからジュール・ヴェルヌ著『八十日間世界一周』を読んでもらい、
サミーは「世界中の海を旅してみたい」と思うようになるのです。
本作の製作段階での仮題は『五十年間世界一周』だったそうで、
長寿のウミガメが50年間かけて世界中の海を旅して、
その間の温暖化や海洋汚染について描くつもりだったみたいです。

ある日、スノーはメスのウミガメも捕まえて来ます。
どうやらサミーと交尾させようと思ったみたいですが、
そのベラというメスはオバサンで、その気はないようです。
体格も倍以上違いますから、かなりの年の差でしょうね。
スノーも2匹が交尾しないと気付いたみたいで、ベラを逃がします。
そんな折、警官がやってきて、ヒッピーたちを浜辺から強制退去させ、
サミーは置いて行かれてしまうのですが、すっかり飼い慣らされた彼は、
野生に戻ることが出来ず、自力で餌を取ることも出来ません。
サミーは漂流していたゴミのビニール袋で窒息しそうになりますが、
そこをこの海にまだ留まっていたベラが助けてくれます。
実際に漂流ゴミの被害に遭うウミガメは多いらしいです。
ベラから海藻のある餌場に連れて行ってもらいますが、そこにサメが現れて…。
サメはウミガメの女の子を追いかけており、サミーは女の子を岩場に隠します。
しかしサメに見つかってしまい、絶体絶命かと思いきや、
なんとベラがサメをぶん殴って追い払ってしまうのです。
いやー、ウミガメがサメに勝つなんて聞いたこともありませんね。
でもサメもベラくらいに大きなウミガメだと、食べにくいし襲わないかもしれませんね。

そのウミガメの女の子は、生まれた日にカモメから救った例のシェリーでした。
こんな広い海で再開するなんて、世間は狭いですね。
実はサミーは生まれて初日に会っただけのシェリー(たぶん姉弟ですよね)のことを
ずっと好きだったみたいで、再会を喜び、一緒に世界の海を旅しないかと誘います。
シェリーもその話に乗り、一緒に氷の海を目指すのです。
サミーは飼われていた時に甲羅にヒッピーの象徴であるピースマークを描かれ、
人間のエゴで酷いことをするものだと思いましたが、
それはシュリーとサミーを見分けやすくする意図があったのかもしれません。
別の海に行くには「秘密の入り口」を通る必要があると聞いたので、
2匹はその入り口を探してアチコチ旅をして、川にまで入り込んでしまいます。
ピラニアとかワニがいたので、アマゾン川かなと思ったのですが、
2匹はまだ太平洋にいると思ったんだけど、地理的におかしいですね。
その後、ついに秘密の入り口を発見するのですが、
それはどうやらパナマ運河のことだったみたいです。
別の海とはカリブ海のことだったみたいですね。

しかしパナマ運河の閘門に阻まれて、2匹は通り抜けることができず、
そればかりか、シェリーが貨物船のスクリューに吹き飛ばされて逸れてしまいます。
サミーはシェリーを探して南大西洋まで行くのですが、
ということは2匹ともパナマ運河を通り抜けていたってことになるのかな?
完全に閘門に阻まれていたように見えたのですが…。
南大西洋で冷蔵庫を海に投棄する、けしからん貨物船に遭遇しますが、
その漂流ゴミはサミーにとって好都合で、イカダの代わりに使います。
別に泳げばいいだろと思いましたが、サミーはどんどん南下し、
南極に行くので、さすがに泳いで向かわせるのはあり得ないと考えたのかな?

サミーが一番行きたがった氷の海に着いたわけですが、南極は想像を絶する寒さで…。
弱りながらもナガスクジラにシェリーを見てないか訪ねるのですが、
そこに捕鯨船が現れて、クジラ目掛けて銛を打ち込んでくるのです。
しかしクジラはそれを避け、銛が冷蔵庫に命中し、サミーは極寒の海に落ちます。
そんなサミーを助けたのは捕鯨を妨害していた反捕鯨団体の船で…。
この展開から、本作には反捕鯨メッセージが込められているのがわかります。
環境テロリストである反捕鯨団体を善人として描いているんだから間違いないです。
今年4月に国際司法裁判所において南極での日本の調査捕鯨を禁止されましたが、
本作を観て、その時の怒りがまた込み上げてきました。
ボクは鯨肉は嫌いなんで、捕鯨しなくても別に構わないけど、
それは日本人が決めることで、日本の食文化に他国が干渉するなんて許せません。
本作の製作国であるベルギーは反捕鯨国なのは間違いないが、
本作が日本で公開される裏には、何か反捕鯨団体の工作があるのではと勘繰ります。

その環境テロリストの船は少し前にシェリーも保護しており、
サミーとシェリーはモントレー動物保護センターに運ばれますが、
そこでなんとヒッピー女性スノーと飼い猫フランフィーと再会するのです。
いやー、世界は狭いですね。
でもスノーも環境テロリストの仲間だったとは幻滅です。
先に回復したシェリーは先に海に戻され、サミーはまたしても彼女を見失います。
後に海に戻されたサミーは、また彼女を探すのですが、
そこでなんとウェーク島で生き別れた親友レイと再会するのです。
いやー、重ね重ね世界は狭いですね。

レイはウミガメが集まる沈没したガレオン船に行けばシェリーがいるかもしれないと、
連れて行ってくれるのですが、サミーはそこで本当にシェリーを発見します。
しかしシェリーはオスのウミガメのロビーと一緒にいて…。
落ち込むサミーですが、レイの妻リタの話によれば、ロビーは単なる女ったらしで、
シェリーのパートナーではないはずだと。
しかし一度怖気づいてしまったサミーは告白する勇気がなく…。
そこでレイが一計を案じて、サミーがシェリーと寄りを戻せるように仕向けるのです。
しかしこの計画があまりにめちゃくちゃすぎるもので…。
なんとシェリーにサメをけしかけて、サミーに彼女を助けさせるというものですが、
実はそのサメ、アルバートはレイの友達なんですよね…。
ウミガメとサメが友達なんて設定はいくらなんでの都合が良すぎます。
しかもサミーは作戦が上手くいった直後に、「こんなやり方は卑怯だと思ったけど」と
無害なサメだったことをシェリーに告白してしまうのです。
そんなに早くゲロるなら、端からそんな作戦するなと思いました。
結局サミーはシェリーと寄りを戻すことができましたが、なんか納得できません。

時代は何十年も進み、老いたサミーが故郷の砂浜で、孫の孵化を見守るシーンに。
人間たちも見守る中でウミガメの孵化が始まり、
サミーの「種の保存には人間の協力も必要だ」というナレーションで幕を閉じます。
人間を自然環境を壊す悪者として描くのではなく、
むしろ積極的に自然保護に関与しろというメッセージですね。
暗に捕鯨を揶揄されている気がしてちょっとイラッとしますが、
そんな偏ったメッセージ性も含め、全体的にはなかなか面白かったと思います。
本作が好評だったのか、本国ベルギーではすでに続編も公開されたみたいですね。
年老いたサミーの物語なんて面白くなさそうなので、次はサミーたちの孫の物語かな?
どちらにしても本作の客入りの悲惨さでは、続編の日本公開は絶望的でしょうね。
あまりCGIアニメにコケられると、ますますCGIアニメが劇場公開されなくなるので、
絶対にコケるCGIアニメはむしろ公開しない方がいいかもね。

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