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ミリオンダラー・アーム

日本でも12月に公開となる『ゴーン・ガール』の撮影で、
主演のベン・アフレックがデビッド・フィンチャー監督にブチ切れたそうな。
なんでもアフレック演じる役がニューヨークの空港でキャップ帽を被るシーンがあり、
そこに用意されていた帽子がヤンキースだったのが、
ヤンキースのライバルであるレッドソックスのファンだった彼には許せなかったそうで…。
だからといってニューヨークでレッドソックスの帽子をあえて被るのも変なので、
メッツの帽子を被ることで落ち着いたそうです。
野球ファンの熱狂ぶりがわかる面白いエピソードですよね。
ボクは超ライトな阪神ファンですが、やっぱり読売の帽子は被りたくないですもんね。
まぁお金を貰える仕事なら躊躇なく被りますけど。

ということで、今日は野球映画の感想です。

ミリオンダラー・アーム
Million Dollar Arm

2014年10月4日日本公開。
スポーツエージェント、JB・バーンスタインの実話を映画化したドラマ。

スポーツエージェントのJB・バーンスタイン(ジョン・ハム)はメジャーリーグの時代の流れについていけず、選手との契約も終了。そこでバーンスタインはインドのクリケット選手から逸材を発掘しようと、いちかばちかの賭けに出る。そして、地元のテレビ局と「ミリオンダラー・アーム」という番組を企画し、コンペティションに集まった数千人の中から2人の青年をアメリカに招くが……。(シネマトゥデイより)



インド初のメジャーリーガーを発掘したスポーツエージェント、
JB・バーンスタインの実話を映画化した伝記ドラマ。
というか、初のインド人メジャーリーガー誕生の経緯を描いた作品ですが、
野球映画にハズレなしだけど、本作もホントに面白い映画でした。
でも全米公開時は初登場4位とイマイチだったし、
日本でもあまり注目されていない気がするのが残念です。
とても笑えて感動できる痛快野球映画ですが、
野球好きに限らずきっと楽しめる物語になっているので是非観てほしいです。
信頼と実績のディズニー映画なので、後悔はさせません。

本作はハリウッド映画ですが、インド音楽が多用されていて、
その楽しいインド音楽で、まるでボリウッド映画のように気持ちが踊ります。
作曲したのは『スラムドッグ・ミリオネア』なども手掛けるインド人作曲家ですが、
彼の作る曲はホントに上がりますね。
曲だけでこれほどワクワク感を演出できる人はそういません。
素晴らしい音楽と面白いストーリーの相乗効果で、時間を忘れて楽しめました。
以下、ネタバレ注意です。

LAの弱小スポーツエージェント(交渉代理人)JB・バーンスタインは、
苦心の末、大物NFL選手ポポ・バヌアツと契約を結べそうになりますが、
契約金100万ドル出すという大手プロコープ社に横取りされてしまいます。
このままでは事務所の家賃も払えないほど逼迫した彼に、
中国人投資家チャンがアジア人メジャーリーガーを探しているという情報が。
しかし中国はもちろん、アジアでの選手開拓もすでにかなり進んでおり、
もはや北朝鮮くらいしか未開拓の地はないと思われ…。
そんな折、ビジネスパートナーのインド人アッシュとテレビを見ていると、
アッシュの好きなクリケットの中継が始まります。
JBは「クリケットはルールもよくわからないし退屈だ」と言いますが、
アッシュは「10億人もプレーしている楽しいスポーツだぞ」と憤慨します。
ボクもただ野球っぽい競技と言うだけで、クリケットのルールは全く知らないです。
JBはルールを知らないと言ってますが「どこに打ってもフェアになる」とか、
意外と知っているんじゃないかと思います。
それにしてもアメリカではクリケットの中継なんてしているんですね。
いや、衛星放送でインドの番組を見ているだけかな?

ある日、ポポとの契約も取れず、落ち込んでいるJBが自宅で
オーディション番組『ブリテンズ・ゴット・タレント』を見ていると、
その回がちょうどスーザン・ボイルの初登場した時で、
彼女の「夢やぶれて」を聞きながらクリケットの中継とザッピングしているうちに、
クリケット選手をメジャーリーガーにできないかと思い立ちます。
スーザン・ボイルのような一見残念なオバサンでも歌手になれるのだから、
未知のクリケット選手でもメジャーで活躍できる者がいるかも、と思ったのかな?
これが実話だとしたら、インド初のメジャーリーガーの誕生に、
スーザン・ボイルが影響していたことになり、ちょっと面白いですね。
クリケットのボウラーを野球のピッチャーにする計画を立てますが、
クリケットにも打者はいるのに、バッターは発掘しようと思わないのかな?
それにしても、そんなに似たスポーツが大人気なのに、
つい最近までインドが野球未開の地だったというのは意外ですね。

JBはインドで剛速球コンテスト「ミリオンダラー・アーム」を開催し、
有望な投手を見つけようと計画し、投資家チャンに出資をお願いします。
未開拓市場で大儲けのチャンスと口説かれたチャンは、
1年以内にインド人選手にプロ入団テストを受けさすことを条件に出資。
JBはインドに渡り、現地ガイドのヴィヴィクと合流するのですが、
インド流ビジネスには何をするにも賄賂が必要で…。
アメリカから送ったバットやボールを税関で受け取るのにも賄賂がいるみたいで、
とんでもないところだなと早くも不安になります。
たしかにビジネスには不向きですが、人々が大らかでいい国ですよね。
ボクもボリウッド映画の影響でインドは大好きです。(行ったことはないです。)
JBのもとにアミトという小男が「手伝いたい」とやってきます。
彼はインド人なのに野球の大ファンだそうで、コーチになるのが夢だそうで、
タダ働きでもいいというので、金欠なJBは彼を雇います。
そんな怪しい男をよく雇えるなと思いますが、アミトはすごくいいインド人で、
ホントに野球に係わるのが嬉しいみたいで、雑用から通訳からとても献身的に働きます。
彼の言葉を真に受けて、本当に無償で働かせていたとしたら鬼ですね。

「ミリオンダラー・アーム」は各都市で予選を行ってムンバイで決勝戦を行い、
優勝者には賞金10万ドルが与えられるという企画です。
10万ドルなら「ハンドレッドサウザンドダラー・アーム」じゃないかと思うのですが、
メジャー挑戦権も与えられ、プロ契約すれば100万ドルくらい稼げるよという趣旨かな。
ただでさえ人口の多いインドですが、各地の予選には参加者が殺到します。
子供たちを使ってチラシを配っているだけなのにめちゃめちゃ集まりますが、
別に10万ドルが目当てなわけでもなく、お祭り感覚で楽しんでいる感じですね。
なのでほとんどは冷やかしの参加者で、一か所目のナシクの参加者の球速は
たったの72キロが最高で、せめて130キロはないと話になりません。
JBは無謀な企画だったと早くも後悔し始めます。
インド人も野球はやったことなくてもボールくらいは投げることがありそうなものですが、
クリケットの投手って球速は重要じゃないのかな?

予選行脚は続き、タージマハルを臨むアラグまで来ましたが、
それまでの最高球速も105キロで、未だ決勝進出者はいません。
しかし予選も終盤のラクナウまで来ると、JBはいい予感を覚えるのです。
その予感は見事的中し、初っ端から120キロを超える投手が2人見つかり、
さらに134キロの剛速球投手ディネシュと、132キロの左腕リンクが現れます。
その4人が決勝進出合格し、続くゴアでも12人、最終地ムンバイでも4人合格し、
計20人でトレーニングをした後、決勝を行うことになります。
決勝はリアリティー番組として中継されたみたいですが、
ひとり10球投げて球速を競い、ストライクだったら加点されるというルールで、
何かの番組のパクリらしいのですが、そんな番組があるんでしょうね。
なんだか面白そうな番組だし、日本でも似たようなものをやらないかな?
(あ、ストラックアウトがそれに近いかな?)
ディネシュが134キロのストライクを取り、暫定一位となりますが、
リンクが137キロのストライクで逆転し、優勝するのです。
左腕の剛速球投手は貴重なのでJBも内心リンクに優勝してほしかったみたいで、
ちょっとディネシュが気の毒な気がしましたが、準優勝でも賞金1万ドル、
さらにメジャー挑戦権も与えられ、リンクとディネシュがLAに行くことになります。
家族が渡米に反対するとか、そんなひと悶着があるかと思いましたが、
意外と暖かく送り出されていましたね。

インドの田舎育ちのリンクとディネシュは大都会LAに大興奮。
エスカレーターとかエレベーターも初めてだったみたいで、
とにかくボタンがあったら押してみたくなるのか、ホテルの非常ボタンを押してしまい、
ホテルから追い出されてしまい、アミトと共にJBの自宅に厄介になることに。
JBも金欠のくせになかなかの豪邸に住んでいて、
離れを医者志望の女性ブレンドに貸しているくらいです。
リンクとディネシュは入団テストに向けて、南カリフォルニア大学で練習します。
心理学博士という変わり者のコーチからトレーニングを受けますが、
2人はグラブにも触ったことがなく、キャッチボールすらまともに出来ず…。
クリケットは素手でボールを扱うスポーツですからそれも仕方がないか。
…というか、そもそも2人はクリケット選手ですらないみたいで、
なんとディネッシュはフィールド・ホッケー経験者で、リンクはヤリ投げの選手でした。
クリケットのボウラーを野球のキャチャーにするための「ミリオンダラー・アーム」で、
合格者がボウラーじゃないというのも皮肉なものですが、
だからこそボウラーと似て非なるピッチャーの素質があったのかもしれません。
「フラミンゴ投法」と呼ばれたリンクのピッチングもヤリ投げ選手なら納得です。
でも投球フォーム途中で1分間も動かないなんて、野球だったらボークですけどね。
捕球能力が酷いのもさることながら、肝心の投球も球速は速いが制球が酷すぎます。
でもミリオンダラー・アーム決勝では的にストライクをバンバン当てていたのに、
なぜキャッチャー座らせて投げると、なぜこうもミットに入らないのか不思議です。
入団テストは半年後ですが、さすがの変わり者コーチも「半年では無理だろう」と…。

このビジネスが最後のチャンスだと考えているJBは焦りますが、
そんな折、例のNFL選手ポポから「プロコープ社に不満がある」と電話があり、
再び彼と契約できるチャンスが訪れ、JBはリンクとディネシュをそっちのけで、
ポポとの契約のために奔走するようになるのです。
練習も見に来てくれなくなったJBに、2人は「自分が不甲斐ないから嫌われた」と感じ、
練習に身が入らず、なかなか上達しなくなってしまいます。
下手くそだから大学の練習でも孤立しているみたいで、
コーチはJBに「メンタルケアが必要だ」と助言し、JBは2人を遊びに連れ出すのです。
しかし遊びと言うのは口実で、実は契約のためにポポのパーティに参加するだけ。
JBがポポと親交を深めていると、パーティに馴染めない2人が体調不良を訴え、
JBはパーティを抜けて自宅に送り届けることになるが、その後パーティに戻ると、
ポポはプロコープ社と契約してしまっていて…。
まぁわけのわからないインド人を優先されたと思ったら、
NFLの大物選手としてはプライドが傷ついて、いい気はしませんよね。
いや、ポポは端からプロコープ社の契約条件を釣り上げるために、
JBを当て馬に利用しただけかもしれませんね。

リンクらのせいでポポとの契約を失ったと考えたJBは激怒し、2人に辛く当たります。
しかしそれをブレンドに見咎められ、「もっと2人に気を留めてあげて」と助言されます。
まぁ助言されるまでもなく、本当に2人の成功がJBの最後のチャンスになるので、
気に留めるしかありませんが、その日から積極的に2人と交流するようになり、
野球観戦に連れて行ったり、練習にも同行するようになって、
それが功を奏したか、2人もみるみる上達していきます。
とはいえ、入団テストを3週間後に控えた時点では、
まだ3週間後に入団テストを受けられるほどの状態にはほど遠く、
投資家チャンに延期を申し入れますが、チャンは首を縦に振りません。
チャンにとっても2人は投資対象なので万全の状態の方がいいと思うのですが、
どうもチャンはインド初のメジャーリーガー誕生よりも、
ミリオンダラー・アームという企画自体が金になると感じて出資したみたいで、
メディアも注目しているので、スケジュールを曲げることは許されないのでしょう。

スカウトの多いテンピで入団テストをすることが決まっていましたが、
会場となるアリゾナ州立大学がなぜか急きょ使えなくなります。
これは延期するには絶好の言い訳になると思ったのですが、
延期はせず、なぜかテンピのどこかの駐車場で入団テストをすることに。
更に3日前になって、リンクが料理中に利き腕を切る怪我をしてしまい…。
それでも24球団からスカウトも呼んでいるし、マスコミも来るので、
JBも延期はできず、入団テストを強行することになります。
ところが、というか当然というか、2人の入団テストは大失敗で…。
やっぱり駐車場に作った即席のマウンドでは足場が悪くて思うように投球できず、
更に緊張しているのもあって制球が酷すぎ、スカウトも呆れて帰ってしまいます。
マスコミからも「目の付け所はいいがインド初のメジャーリーガーは2人じゃない」と酷評。
でもチャンは「約束通り1年以内に入団テストまで漕ぎ着けた」と満足げで、
今後も金になるミリオンダラー・アームを続行するようにJBに依頼するのですが、
これも失敗した2人はお払い箱ということに変わりはなく…。
うーん、別にいきなりメジャーのプロ契約を取らなくても、納得いくまで時間をかけて、
コンバイン(トライアウト)を受けてマイナーから這い上がればいい気がしますが、
ミリオンダラー・アームの趣旨に反するからダメなのかな?

チャンとの契約を更新し、仕事を失わずに済んだJBですが、
もはやリンクやディネシュとは家族同然で、そんなに簡単に割り切ることはできず、
「入団テストに再挑戦させてほしい」とチャンに直訴します。
しかしチャンからは再挑戦するなら契約を切ると冷たい言葉が…。
それでもJBは契約を切られる覚悟で、再挑戦を企画するのです。
とはいえ一度失敗した選手をまたスカウトしようという球団はなかなかなく…。
そこでJBはテンピに行き、スカウトたちに入団テストを見に来てほしいと営業します。
それでも色よい返事は得られないが、そんな折インドにも同行したスカウトのレイから、
ピッツバーグ・パイレーツのスカウト部長ウォルター・シャピロを紹介してもらいます。
ウォルターは前回の入団テストを見ておらず、JBに説得されて次は参加することに。
大物スカウトの参加が決まり、他の球団もチラホラ集まるようになります。
レイはインド同行時は居眠りばかりしている困ったスカウトだと思いましたが、
こんなところでまさかの助け舟を出してくれるなんて、ちょっと胸が熱くなりました。
彼はどこの球団のスカウトなのでしょうね。
彼が2人を推薦してくれたら話は早い気がするのですが…。

再挑戦となる入団テストではちゃんとアリゾナ州立大学のマウンドを借りることが出来、
納得いくまで練習もできたので、2人は万全の状態で挑むことができます。
本番直前、緊張する選手に声を掛けてやれと言われたJBですが、
その役目をアミトに任せます。
そこはJBが行くべきと思いましたが、JBもアミトの献身を労いたいと思ったのでしょうね。
コーチ志望のアミトにとっても、こんなに光栄なことはなかったはずで感動しました。
しかしアミトが2人にかけた言葉がまた感動的で、
「君たちはインドの子供たちに夢を与えた」と言うのです。
別によくある激励の言葉ですが、これまでインドでは野球選手になる手段はなく、
インドの子供たちがメジャーリーガーになることは不可能だったわけで、
本当に新しい夢を叶える道を2人が作ったことになります。
「子供たち」と言っていますが、これはアミト自身のことでもあり、
子供の頃から野球が大好きだったが選手になるのを諦めざるを得なかった彼は、
インド初のメジャーリーガー誕生に立ち会えるのは、この上ない喜びだったはずで、
非常に感動的なシーンだったと思います。

今まで献身的に世話を焼いてくれたアミトの激励に2人も奮起。
ディネシュは148キロ、リンクは150キロの剛速球を披露し、
見事にパイレーツへの入団が決まるのです。
正直、ミリオンダラー・アームの時などに剛速球と騒がれた130キロ代の球速では
メジャーでは通用しないだろうと思っていましたが、
148キロ~150キロならダルビッシュ並みの一流投手ですよね。
これならきっとメジャーでも大活躍できるでしょうね。
まぁ彼らは実在の選手なので、調べれば本当に活躍しているかどうかはわかりますが、
もしガッカリする成績だと興醒めなので、あえて調べないでおきます。
でも本作の全米成績を鑑みれば、それほど注目されている選手じゃないのは想像でき、
ちょっと微妙な気持ちになりますが、彼らはボールを初めて触ってから10か月なので、
そんな選手が活躍できるようならメジャーリーグのレベルが心配になるし、
活躍できなくて当然かもしれませんね。(…いや、活躍しているかもしれませんが。)

彼らがインド初のメジャーリーガーになったことで、インドの野球熱も高まるはずだし、
数年後にはインドからマー君並みの凄いピッチャーが現れるかもしれません。
ただ日本はメジャー志向が強まったことでプロ野球が不人気になってしまったので、
インドはクリケットの伝統も大切にした方がいいです。
アメリカの人気スポーツは金満すぎて、選手を目指す子供たちに悪影響も強そうだし。

サブプロットのJBとブレンダのロマコメもけっこう面白く、ほとんど非の付け所がない、
今劇場で公開されている映画の中では最もオススメの作品です。
こんな面白い映画がヒットしないのは悲しいので、
ディズニーはもっと宣伝に力を入れるべきです。

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