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記憶探偵と鍵のかかった少女

10月から餃子の王将が値上がりしてしまいます。
毎週水曜日のお昼は王将に行っていたので大打撃です。
餃子が20円値上げされるのも残念ですが、
午後の仕事に響くので昼から餃子は食べません。
つらいのはよく食べるチャーハンが50円も値上げされることです。
関西なので350円(税抜)から400円(税抜)になりますが、
350円ならお得感があったのに、この味で400円は高い気がします。
でも馴染みの店では店舗オリジナル定食は据え置くみたいなので、
それは本当にありがたいですが、それもいつ改定されるか…。

10月からは他の外食チェーンも値上げに踏み切るところがあるそうで、
「みんなで上げれば怖くない」って風潮ですが、ボクの給料だけは上がらず…。
来年にはカップヌードルまで値上がりするそうで…。
消費税率アップしてからは節約のため朝食を抜くようになりましたが、
来年は消費税率も更に上がるし、物価も更に上がるはずだから、
休日の昼食も抜くしかなくなるかな…。

ということで、今日は金持ちなのに全食抜いている少女の物語の感想です。

記憶探偵と鍵のかかった少女
Mindscape.jpg

2014年9月29日日本公開。
マーク・ストロング主演のミステリー。

人の記憶に入れる特別な能力を駆使して、いくつもの難事件を解決に導いてきた記憶探偵ジョン(マーク・ストロング)。問題を抱えた16歳の少女アナ(タイッサ・ファーミガ)の記憶を探る依頼が舞い込み、彼女の記憶に潜入したジョンはショッキングな出来事の数々を目撃する。その記憶に隠された謎に迫るため事件の関係者たちを訪ねるが、どの証言もアナの記憶とは異なるものばかりで……。(シネマトゥデイより)



本作は第46回シッチェス映画祭でも注目を集めたサイコスリラーです。
スペイン人監督のホルヘ・ドラドは本作が長編映画デビューだったみたいですが、
ペドロ・アルモドバルやギレルモ・デル・トロの下で映画を学んだそうで、
なるほど、そんな感じの作風だなと思いました。
ゴシックな雰囲気がとてもいい感じではありますが、物語はイマイチかも。
…いや、序盤はとても興味を惹かれる展開なのですが、
どうも尻つぼみで、オチでは唖然とさせられてしまいます。
以下、ネタバレ注意です。

他人の記憶に潜入する特殊能力で難事件を解決する記憶探偵がいる世界が舞台。
その業界最大手のマインドスコープ社に勤める記憶探偵ジョンですが、
他人の記憶に入るセッション中に自分の記憶が混入するようになってしまい、
しばらく休暇を取らされていたのですが、上司に頼み込んで職場復帰します。
しかし殺人事件や汚職事件など大きな事件はまだ任せられないので、
ある金持ちの少女のハンガーストライキの原因を探る仕事を与えられます。
そんなつまらないことに記憶探偵を使うなんてと思いましたが、
記憶探偵は民間企業なので金持ちがお得意様で、
金持ちのセラピーみたいな仕事も多いみたいですね。
刑事事件に協力したりもしますが、その証拠能力はポリグラフ以上、
目撃証言やDNA鑑定以下で、裁判ではあまり役に立たなさそう。
でもその微妙な記憶探偵の位置付けがなかなかリアルでよかったです。

ハンスト中の少女アナにセッションを行い、原因となるトラウマ探す依頼ですが、
彼女の屋敷に行けば、なぜハンストなんてするのか容易に想像できます。
家族はアル中の母親と、無関心な継父で、そりゃハンストでもしたくなるだろと。
ハンストは拒食症とは違って反抗するために意識的にやっていることなので、
別にセッションなんてしなくても、本人に動機を聞けばいいだけですよね。
それこそ彼女に必要なのは記憶探偵ではなくセラピストだろうと…。
記憶探偵のジョンもいきなりセッションしたりはせず、
まずはソシオパス(社会病質者)テストを行うのですが、
アナは非常に頭が良くて、その手のテストの結果は全く信頼できません。
まぁテストするまでもなく、見るからに双極性障害のソシオパスですけどね。

別の日に、いよいよセッションすることになります。
記憶探偵は対象者の思い出の中に入り込み、覗き見ることができますが、
記憶の中では対象者が記憶探偵を視認することはできません。
まずアナの最古の記憶である幼少期の思い出を覗き見るのですが、
そこには継父から虐待を受けている幼い彼女の様子が…。
どうやら継父は財産目当てで、アナを精神異常者に仕立て、施設に入れたいようです。
アナは食事に幻覚剤が入っていると警戒してハンストしているようです。
そこでジョンは食事を毒見してあげ、アナも一緒に食べることができました。
あらあら、一回目のセッションでハンストの依頼はあっさり解決してしまいましたね。

しかし後日、アナが屋敷の看護師を2階から突き落とすという事件が発生します。
アナは「私は無実。継父が私を施設に入れるための口実にやった。」と主張するのです。
ジョンはその事件の真相を探ろうと、またアナにセッションします。
普通なら事件当日の記憶にアクセスするのが早いと思うのですが、
なぜか彼女の学生時代(現在放校中)の記憶を調べるんですよね…。
被害者である看護師は犯人はアナだと言っていて、
「疑うなら記憶を調べてもいい」とまで言ってくれているのに、
なぜかジョンは看護師の記憶も調べようとしないんですよね…。
どうもジョンは事件の真相よりも、アナの境界性人格障害の原因に興味があるようです。

アナの学生時代の記憶に入り込んだジョンは、
彼女が美術教師に猥褻行為を受けていたことを知ります。
しかしその記憶は、時計の針の進み方など風景のディテールが少しおかしく、
意図的に改変され、繕った感があるため、ジョンは記憶の信憑性を疑います。
記憶は当時のありのままを記録しているわけではなく、
本人の都合のいいように改変されたりもするみたいですね。
そりゃ裁判で証拠能力が乏しくても当たり前な気がします。
ジョンはアナへの猥褻行為で服役中の美術教師に面会に行きますが、
彼はたしかに猥褻行為はあったものの、彼女の方から誘ってきたと証言。
しかもアナが当時、同級生3人を殺人未遂したとも…。
アナの記憶では、その犯人は同級生のマウシーという子でしたが、
被害者の同級生に話を聞くと、マウシーなんて同級生はいなかったと…。
アナが意図的に記憶改竄している疑いがますます強まりますが、
彼女はマウシーとのツーショット写真を持っていたため、ジョンは彼女を信じることに。
結論から言ってしまえば、アナはやはり記憶改竄を行っていて、
マウシーと思われた写真の子は全く別人でした。
その偽マウシーの写真と一緒に卒業アルバムを渡されていたので、
ジョンがすぐにアルバムを確認すれば、そんな嘘すぐに見破れたのに…。
はっきり言ってジョンは騙されやすくて探偵向きじゃないです。

そんな折、ジョンは誰かに尾行されていることに気づきます。
きっとアナの継父が雇った人物だろうと考えるのですが…。
ジョンはまたアナにセッションを行い、再び幼少期の記憶に入るのですが、
初めてのセッションではアナは継父から虐待を受けていたはずでしたが、
今度は継父の姿がジョンの上司に変わっていて…。
ジョンは上司に詰め寄るが、上司が自分の悪事を暴かれる依頼を受ける意味はなく、
それもアナが改竄した記憶だと考えるのが妥当でしょうね。
でもアナがなぜ上司に疑いを向けるような改竄を行うのか意図が不明で、
彼女にとっては継父に虐待の疑いを向けている方が都合がいい気が…。

そんなある日、只事ではない様子のアナから電話を受けたジョンは、
急いで彼女の屋敷に行きますが、何者からか部屋に閉じ込められます。
部屋から脱出した彼は、例の尾行者の仕業を疑い、侵入者がいると警察に通報。
床の血痕を追って外に出ると、誰かから逃げているアナを発見。
アナに追いつき彼女の手を取りますが、そこに警察が駆け付けて…。
「これで安心」と思いきや、ジョンが侵入者として逮捕されてしまうのです。
いつのまにかアナの姿を消し、彼の手にはアナの血がベットリと…。

気が付くとジョンは、拘置所で記憶探偵ランドグレンからセッションを受けていて…。
アナ殺害容疑で逮捕されたジョンは、自分の無実を晴らすために、
同業者ランドグレンにセッションを依頼していたみたいです。
つまりこれまでのシーンは全てジョンの記憶の中だったということで、
これが本作のどんでん返しだったわけですが、正直「だから何?」ですよね。
現実ではなくて記憶だったんだけど、ジョンは記憶を改竄していないので、
その記憶は彼の経験そのものであり、つまるところ回想も同然なのです。
それが現実ではなく記憶だったことで、どんな謎が明らかになるかと言えば、
ジョンを尾行していた人物が、記憶に侵入していたランドグレンだったということだけで、
アナの謎を探る本筋とは何ら関係がなく、サプライズにもなりません。
アナの謎はジョンが逮捕された時点で解けてしまってますから、
このどんでん返しは単なる後日談でしかなく、蛇足な展開だったとも言えます。
サイコスリラーは十中八九どんでん返しがあるものですが、
きっと「サイコスリラーは自分オチにすべき」という思い込みがあるのでしょうね。

結局、施設に入りたくないアナは、自由になるために自分を死んだことにしようとして、
自分を殺した犯人に仕立てるため、記憶探偵のジョンを利用したのです。
ソシオパステストの結果も操れてしまう頭のいいアナですが、
彼女はセッションすらも操れてしまうんですね。
ハンストもカモとなる記憶探偵を呼ぶためにやっていたことでしょう。
でも依頼した記憶探偵がジョンではなくて凄腕のランドグレンだったら、
こんな簡単に騙されたりはしなかったでしょうから、危険な賭けな気がします。
そもそも自由が欲しいだけであれば、勝手に家出でもすればいいのでは?
死を装ったといっても、血痕だけで死体は絶対に見つからないわけだし、
それで彼女が死んだと判断されることはないと思います。

アナの謀略によりジョンを犯人に仕立てる物的証拠は揃えられており、
有罪を疑う余地もないほどの絡め取り方は見事だと思いますが、
記憶探偵のいるこの世界では物的証拠もあまり意味がないです。
現にランドグレンの証言でジョンは保釈されてますしね。
そんなジョンにアナが自分の現在の写真を送るのも意味がわかりません。
面倒な方法でわざわざ自由を手に入れたのに、
その写真を裁判所にでも提出されたら、死んでないことがバレちゃうのに…。

なんだか終盤で畳み掛けるように辻褄の合わないことが噴出して、
もしかしたらボクの解釈が間違っているような気になります。
ちょっと中盤でウトウトしちゃったので、実際に何か見落としてるのかも。
スクリーンセイバー云々のところなんか、全く意味がわからなかったので…。

コメント

素晴らしいまとめ!

  • 2015/01/25(日) 22:46:26 |
  • URL |
  • ウィズダム #-
  • [ 編集 ]

ウィズダムさんへ。

ありがとうございます。
途中、見落としたところもあると思っていたので、
そう言ってもらえて安心しました。

  • 2015/01/26(月) 22:57:37 |
  • URL |
  • BLRPN #-
  • [ 編集 ]

はじめまして、映画の感想を検索していてたどり着きました。
素晴らしい感想ですが、ひとつだけ。

最後になぜアナが写真を送ったか、についてです。記憶探偵の証言だけでは証拠にはならないという説明が劇中、何度かあったと思いますので、ラングレンの力だけではどうしようもなかった。しかし、アナが自分が生存しているという証拠を送ったことでジョンは冤罪を晴らすことができたのです。それこそ彼女の写真にあった「Thank you」という感謝のメッセージの意味するものだったのだと思います。
家出程度だと資産家の両親が全力で探せばすぐ見つかってしまうため、死を偽装して完全に行方をくらませた上で写真を送ったのではないかと。

この写真のくだりだけでも映画の余韻が全然違うと思い、気になったのでコメントさせていただきました。失礼しました。

  • 2016/04/28(木) 21:03:44 |
  • URL |
  • 通りすがり #-
  • [ 編集 ]

通りすがりさんへ。

はじめまして。

なるほど。
私にはアナにそんな人間味のあるとは思ってなかったので、
そのような発想は全く思いもよりませんでした。
言われてみれば、そう考えるのが自然ですね。

  • 2016/04/28(木) 22:19:56 |
  • URL |
  • BLRPN #-
  • [ 編集 ]

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