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ジャージー・ボーイズ

TOHOシネマズで今月13日から「auマンデイ」なるものが始まるそうな。
auスマートパス会員なら毎週月曜日は1100円で映画が観れるサービスです。
火曜日のシネマイレージデイでも1400円、レイトショーでも1300円なので、
男でも毎週1100円で観れる日ができるのは非常にありがたい。
…と思ったのですが、ボクはauユーザーだけどスマートパス会員ではなく…。
というか、未だにフィーチャーフォンを愛用しているので、
このサービスは指を咥えて見ているしかない状況で…。
そうなると、こんなサービスは不公平で不愉快なだけですね。
きっと他のキャリアの人も快く思ってはいないんじゃないでしょうか。
今後も1100円で観るならファーストデイかTOHOシネマズデイを利用するしかないです。

ということで、今日はファーストデイ(昨日)に観た映画の感想です。

ジャージー・ボーイズ
Jersey Boys

2014年9月27日日本公開。
クリント・イーストウッド監督によるフォー・シーズンズの伝記ドラマ。

ニュージャージー州の貧しい町で生まれ育った4人の青年たちは、その掃きだめのような場所から逃れるために歌手を目指す。コネも金もない彼らだが、天性の歌声と曲作りの才能、そして素晴らしいチームワークが生んだ最高のハーモニーがあった。やがて彼らは「ザ・フォー・シーズンズ」というバンドを結成し、瞬く間にトップスターの座に就くが……。(シネマトゥデイより)



本作はアメリカのバンド、ザ・フォー・シーズンズの伝記ミュージカルを、
クリント・イーストウッド監督が映画化した作品です。
ザ・フォー・シーズンズはビートルズ以前に最も人気のあったバンドらしいのですが、
洋楽にてんで疎いボクは、そのバンドのことは名前くらいしか知らず…。
タイトルも「Jazzy Boys」と勘違いし、ジャズバンドなのかなと思っていたくらいです。
(イーストウッドがジャズを好きだということもあり…。実際は「Jersey Boys」。)
全く知らないバンドの伝記映画に興味を持つことは難しいですが、
ハリウッド映画のレジェンドであるイーストウッドの最新作であれば、
どんな興味のない作品だろうと映画ファンとして観るしかありません。
正直、イーストウッドにはオリジナル作品で勝負してほしかったし、
よりによって流行りのジュークボックスミュージカルに手を出すような、
安易な作品選びをしてほしくなかったです。
御年80を軽く超え、あと元気なうちに何本撮れるかって感じなのに…。

ところがどっこい、これが意外にもなかなか面白かったです。
イーストウッドの腕なのか、原作ミュージカルの出来がいいのかわかりませんが、
気が付けば夢中になって見入っていました。
全く知らないバンドのジュークボックスミュージカルだから
全く知らない曲ばかりかと思いきや、さすがは世界を席巻したバンドだけあって、
CMとか他の映画とかでもよく使用されている、どこかで聞いた曲ばかりで、
知ってる曲だとやっぱり楽しめるし、聞いたことある曲の出自がわかるのも楽しいです。
もちろんバンドのファンだったら音楽は更に楽しめるとは思いますが、
物語を楽しむ上では、このバンドのことを知らなくてよかったとすら思いました。
どんな経緯でバンドができるのか、どんなメンバーが加入するのか、
どんな曲が作られるのか、そして誰が脱退してしまうのかなど、
全く知識を持っていなかったので、ハラハラドキドキしながら観ることができました。
波乱万丈で、けっこう予想を裏切る展開だったのも楽しかったです。
メンバーが第四の壁を破り、観客に語り掛けてくるメタ演出もよかった。
その演出のお蔭で、全くバンドを知らないボクにとってもわかりやすかったです。
以下、ネタバレ注意。

1951年ニュージャージー州ベルヴィル。
悪友ニック・マッシらとバンド「バラエティ・トリオ」を組んでいるトミー・デビートは、
床屋で見習いとして働いている少年フランキー・ヴァリをバンドに誘います。
フランキーはギャングの大物ジップ・デカルロからも可愛がられるほどの歌唱力ですが、
ボクの第一印象としては、ただ「変な声だなぁ」と…。
とても高いテノールで、中性的で綺麗な声だと思いましたが、
どうにも父ちゃん坊やな彼の外見とは似つかわしくない印象でした。
でもそれに慣れてくると、彼のファルセットにヤミツキになりますね。
とても個性的な歌声ですが、劇中でトミーが真似するシーンがあるんだけど、
けっこうそれも様になってたし、意外と誰でも出せる声なのかも?
まぁフランキーのようにあの声で安定して歌い切るのはやっぱり無理なのかな?
加入時には10代半ばだと思われますが、声変わりしなくてよかったですね。

どうもギャングに可愛がられているというのが引っかかりますが、
やっぱり芸能は裏社会と切っても切れない関係なのでしょう。
フランキーを誘ったトミーも超悪ガキで、もちろんギャングと繋がってるし、
衣服は全て盗品で、宝石店に金庫を盗みに入って逮捕される始末です。
ニックも同様で、教会に不法侵入して逮捕されますが、
どちらの現場にもフランキーはいたのに彼は未成年だからか逮捕されません。
とにかくとんでもないグループですが、そこに真面目な新メンバーが加入します。
トリオは時代遅れと言う理由で、トミーはもうひとりメンバーを探すのですが、
後にオスカー俳優となる友人ジョー・ペシの紹介で、
シンガーソングライターのボブ・ゴーディオが加入します。

ボブもまだ未成年ですが、『タモリ倶楽部』でお馴染みの「Short Shorts」を
すでに作曲した才能豊かな若者です。
そんなボブに対し、トミーは「週給25ドルで雇う」と言うのですが、
ボブは「稼ぎ4等分じゃないと嫌だ」と言い、トミーは渋りますが、
フランキーが「ボブを加入させないなら俺も抜ける」と言い出したため、
仕方なくその条件で加入させますが、ボブとトミーはギスギスします。
どう考えてもすでに「Short Shorts」を発表しヒットさせているボブと、
デビュー前の田舎バンドではボブの方が立場が上だと思うのですが、
むしろ作曲までしてもらって稼ぎ4等分ならバンドにとって美味しい条件ですよね。
なのにボブに辛く当たるトミーの態度は理解できませんでしたが、
ボブのロストバージンの世話をしてくれたのもトミーで、辛いばかりではないのかな。
ちなみにフランキーの結婚相手もトミーの紹介で、どうもトミーのお下がりみたいですが、
妻の助言で彼は、芸名をヴァリー(Varry)からヴァリ(Varri)に変えたみたいです。
バンド名は「フォー・ラバーズ」「ローマンズ」など定まっていなかったみたいですが、
営業先のボーリング場の看板から拝借し「ザ・フォー・シーズンズ」に落ち着きます。

フランキーとボブはデモテープNYのをレコード会社に送りますが、相手にされず…。
でも知人のオネエ系プロデューサーのボブ・クルーから声が掛かります。
さっそく契約を交わすが、騙されてギャラの安いコーラス隊としての契約をしてしまい…。
やっぱりショービズ界は海千山千で全く信用できませんね。
でもレコーディングにフランキーみたいな個性が強すぎるコーラス隊が来ては、
メインのシンガーもちょっと迷惑そうでしたね。
クルーは「プロデュースしてほしければレコーディング費用など負担しろ」と、
バンドに3500ドルも要求してきます。(ボブが週給25ドルだったので相当な額ですね。)
そんな強欲プロデューサーの下なんて去ればいいと思うのですが、
トミーはノーマン・ワックスマンという男から借金して3500ドルを捻出し、
ついにバンドのデビューが決まるのです。

デビュー曲は、本当は別の曲をやるはずだったのですが、
ボブがレコーディング直前にバス移動中に思いついた曲に急きょ差し替えられます。
それが代表作である「Sherry」ですが、名曲誕生の瞬間なんてそんなものですかね。
でもフランキーの声質を活かした歌で、とてもキャッチーですが、
「Short Shorts」に比べると曲調は普通だった気がします。
それでもラジオで超ヘビーローテーションされて大ヒットし、チャート1位になります。
続く2作目「Big Girls Don't Cry(恋のヤセがまん)」、
3曲目「Walk Like a Man(恋のハリキリ・ボーイ)」もチャート1位となり、
3作連続1位の快挙を成し遂げ、彼らは押しも押されぬ人気バンドになるのです。
田舎バンドから大人気バンドへ、絵に描いたようなサクセスストーリーですが、
サクセスストーリーには転落が付き物で、本作も例外ではありません。

あるトークショーに参加した際、現場に借金取りノーマンがやって来て、
メンバーはトミーに1万5000ドルもの借金があることを知り、彼に不信感が芽生えます。
そのうち3500ドルは例のプロデュース費用なので、全て私的な借金ではないので、
そこはトミーも弁解するべきだと思いましたが、彼は素行が悪いから仕方ないか。
3500ドル借りる時も5000ドル借りていたので、残りは何に使ったんだって感じですし。
しかしそんな大人気バンドになっても、その程度の借金も簡単に返済できないんですね。
明らかにバンド内がギスギスし始め、ボブはフランキーにソロデビューを持ち掛けます。
フランキーの歌、ボブの曲で、稼ぎは折半しようと。
トミーはその動きを知りながらも、なぜか邪魔立てしたりはしませんが、
ニックに当たったり、記者に愚痴ったりして、バンドの雰囲気は最悪です。
更に長期ツアーがあるため、フランキーは自宅に戻れず、夫婦関係にも亀裂が…。
そして彼は美人記者と浮気、というか不倫関係となるのです。
フランキーは誠実だと思っていたけど、やはり所詮はトミーの仲間ですね。

しかしバンドにとって最大の懸念はトミーの借金で、フランキーはジップに相談します。
ギャングの大物である彼なら、懇意のバンドのためにポンと金出すかと思いましたが、
そう甘くなく、バンド4人とノーマンを交えて、話し合いの場を提供してくれただけで…。
結局どうするかは自分で決めろってことで、全然助けになってませんね。
それどころかその話し合いのせいで大変なことになってしまいます。
トミーといつも対立していたボブとのケンカになるかと予想したのですが、
なんとトミーにブチキレたのはいつも一緒にいるニックで、
「コイツには10年間も我慢してきた」と積年の恨みをぶちまけ、脱退してしまうのです。
いやー、ここで脱退するのはトミーかボブだと思ったので、
まさかザ・フォー・シーズンズのリンゴスターことニックが脱退するのは意外な展開です。
でもたしかにこんなクソ野郎といつも一緒にいたら、いくら温厚な彼でも限界でしょうね。
このあとの話し合いもイマイチよくわからないのですが、
借金はフランキーとボブが肩代わりすることになり、
当事者のトミーは借金返済までラスベガス送りになることが決まります。
ボブは迎合しただけでしょうが、なぜフランキーがトミーに温情を掛けるのか、
音楽面ではトミーなんてニック以上に要らない存在だと思うのに不思議です。
フランキーは「フランキー・ヴァリ&ザ・フォー・シーズンズ」として活動を始め、
年間200ステージも熟して借金返済に勤めます。

忙しすぎて、娘は家出し、愛人にもフラれてしまいますが、
なんとかノーマンから借りた借金は完済するのです。
(トミーは他からも50万ドル借りているそうですが、それはどうなったのかな?)
借金完済し、やっと一段落かと思いきや、なんとフランキーの娘が他界します。
彼女は歌手を目指していたそうなのですが、ドラッグで死んだみたいで…。
急すぎる展開に驚きましたが、ショービズ界にはドラッグが蔓延してるんですね。
娘を失って意気消沈しているフランキーに、ボブはあろうことか、
次のレコードの曲としてラブソングを作曲して持ってくるのです。
ちょっとは空気読めよと思いましたが、その曲こそ誰もが聴いたことがある名曲
「Can't Take My Eyes Off You(君の瞳に恋してる)」でした。
「I love you baby♪」と好きな女性に対して歌っているラブソングですが、
そこに亡き娘に対する気持ちも込められていると思うと感慨深く、
フランキーがこの曲を熱唱するシーンはちょっと泣けました。
明らかに後世に残る名曲なのに、レコード会社社長はレコードの発売を渋るんですよね。
社長のくせに音楽を聴く耳がないんじゃないでしょうか。

そして月日は流れ、1991年。
ロックの殿堂のステージで、フランキー、ボブ、ニック、トミーが20年ぶりに集まり、
オリジナルメンバーで「Rag Doll(悲しきラグ・ドール)」を歌います。
あの日以来、バラバラになったメンバーがどんな人生を送ったかを描く、
後日談的なシーンではありますが、正直ちょっと蛇足に思えました。
何も責任を取っていないトミーと和解する展開なんて見たくないし、
現在に至るまでそんなに不幸な人生ではなかったみたいで反省してない気がするし、
皆の老けメイクも違和感がありました。
フランキーの「Can't Take My Eyes Off You」の熱唱で幕を閉じた方が、
物語としてもスッキリしているように思います。
まぁ原作ミュージカルがロックの殿堂で終わるから、それを踏襲しただけかな。
しかしその後のキャスト総出演のカーテンコール的ダンスシーンは素晴らしかったです。
曲は「Sherry」でしたが、思わず体が動いちゃうほど盛り上がりました。

さて、イーストウッド監督の次回作も、またしても伝記映画だそうです。
『J・エドガー』から3作続けて伝記映画を撮ることになるわけですが、
次の題材となる人物はアメリカ海兵隊の狙撃手クリス・カイルだそうで、
3作続けてボクの知らない人物の伝記映画になります。
その名もズバリ『アメリカン・スナイパー(原題)』というアクション映画らしいのですが、
スピルバーグが投げ出したものを、彼が引き継いだみたいで、
面白い映画になのか少し心配ですが、全く興味のなかった本作を、
これほど楽しめる作品にしてくれたのだから、きっと面白くなるはずと期待しています。
監督業だけでなく、役者としてもまだまだ活躍してほしいです。

コメント

「Can't Take My Eyes Off You」、良かったです。
あのシーンで終えるのも相当よいですね。
で、その後のカーテンコールで、「Sherry」。
そのエピローグも観てみたい気がします。


  • 2014/10/09(木) 21:57:24 |
  • URL |
  • とおりすがり #-
  • [ 編集 ]

「ロックの殿堂はいらないんじゃないか。」と観た人に話したら、
「カーテンコールの前振りとして必要だ。」と言われました。
たしかに「街灯の下で4人で歌っていた頃が一番幸せだった」という
ロックの殿堂でのフランキーの発言があったから、
最後の「Sherry」が更に盛り上がったのかもしれません。

  • 2014/10/10(金) 20:04:15 |
  • URL |
  • BLRPN #-
  • [ 編集 ]

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