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ヴァンパイア・アカデミー

今週末は『トリハダ -劇場版2-』が公開になります。
テレビシリーズと劇場版1作目は見て、テレビ2作目以外は)面白かったので、
劇場版2作目となるその映画も見に行きたかったのですが、
関西ではシネマート心斎橋のみでの上映ということで…。
心斎橋は電車で1時間足らずで行けるけど、往復で800円ちかくかかるので、
映画料金プラス電車賃で見ると考えると、そこまで払う価値があるかが微妙。
近所の自転車で行けるシネコンで上映してたら絶対行くのですが…。
せめて往復4000円以内の梅田や三宮で上映してくれたら…。

でもこの映画は、全国でたったの5館のみの上映になるので、
地方によっては、何時間も何千円もかかる映画ファンもいるかもしれないし、
数百円の電車賃で観に行けないなんて贅沢かもしれません。
ボクも来月公開の『放送禁止 洗脳~邪悪なる鉄のイメージ~』なら、
数千円払っても見たいと思えますが、全国で池袋シネマ・ロサのみの上映だそうで、
もし電車で行けば往復で3万円、片道4時間以上にもなりさすがに無理で残念です。
でも東京のみの単館映画なんてザラにあるので、関西の映画ファンは辛いです。
前作『ニッポンの大家族』と前々作『密着68日復讐執行人』は、
十三の第七藝術劇場でも上映されたので観に行けたのですが…。

ということで、今日は東京で単館上映された映画の感想です。

ヴァンパイア・アカデミー
Vampire Academy

2014年7月26日日本公開。
ベストセラー小説を実写映画化した学園ホラー。

ヴァンパイアと人間の血を引く"ダンファー"のローズ(ゾーイ・ドゥイッチ)は、寿命があり穏健派のヴァンパイア・モロイ族を守る聖ウラジミール学園で生活していた。彼女は王族の親友リサ(ルーシー・フライ)を、不死身のヴァンパイア"ストリゴイ"から護衛するガーディアンを志す。ある日、ローズはベテランガーディアンのディミトリと出会い……。(シネマトゥデイより)



全米で今年2月に公開された本作は、日本公開は7月でしたが、
毎度お馴染みのヒューマントラストシネマ渋谷での単館上映だったため、
関西人のボクは観に行くことが難しく、劇場での鑑賞を断念。
でもその単館上映も、DVDリリース前のお試し上映のようなもので、
ほんの一月半後には全国のTSUTAYAでレンタル開始されることが決まっていたので、
それまで待てばいいとも思っていたので、あまり残念でもないです。
むしろ関西で上映されていたとしても観に行かなかったと思います。

ベストセラーのヤングアダルト(YA)小説の実写映画化なので、
本来ならもっと注目され、日本でも大規模公開されてもおかしくなさそうだけど、
そうならなかったのはそれだけの理由があります。
全米公開時に目を覆いたくなるような悲惨なコケ方をしてしまったためです。
どのくらい悲惨かといえば、初登場7位でスタートし、全米興行収入は800万ドル弱。
これは本作の製作費の1/4程度の金額で、全世界興収でも1500万ドルに留まり、
製作費の半分しか回収できない大赤字を記録してしまったのです。
当然そんな大コケ間違いない作品が日本でまともに公開されるはずはなく、
DVDスルー同然の単館上映となったものと思われます。

某批評サイトでも支持率9%という悲惨な数字を叩き出していますが、
初登場7位という結果は、一般客からも全く期待されていなかったことが窺えます。
それもそのはず、どう考えても『トワイライト』の二番煎じですもんね。
YA小説を実写映画化し大ヒットした『トワイライト』シリーズが終了し、
本作はその後釜を狙って映画化されたのは間違いないです。
ただポスト『トワイライト』を狙う作品は乱発されていて、客もすでに食傷気味です。
『ハンガー・ゲーム』や『ダイバージェント』のような成功例もあるのですが、
その陰には『ビューティフル・クリーチャーズ』『ザ・ホスト 美しき侵略者』
『シャドウハンター』など沢山の失敗例があります。
その失敗例の中でも本作はダントツの悲惨な成績ですが、
やはり『トワイライト』を意識しすぎて、ヴァンパイアものにしたのが間違いでしょう。
これではポスト『トワイライト』ではなく、劣化『トワイライト』になってしまいます。
実際に本作は『トワイライト』と『ミーン・ガール』を足して割った作品とか、
『トワイライト』と『ハリー・ポッター』を悪い意味で合体させた作品と批判されていますが、
ボクも全くその通りだと思いました。

これらYA小説の実写化作品の最大の問題点は、
シリーズ化を念頭に置いて製作しているということです。
ヒットするかどうかなんてわからないのに、続編も作るつもりで製作してしまうから、
どうしても尻切れトンボな終わり方になり、そのために面白い作品にはならず、
面白くないから客も入らず、興収が稼げないので続編が製作できなくなるという、
なんともバカバカしい負の連鎖です。
それとシリーズ化を念頭に置くために、一作目は世界観の説明に徹してしまい、
物語が希薄になってしまい、これまた退屈な作品になってしまうんですよね。
本作も原作小説は全6巻で、その一巻目が映画化されたわけだけど、
冒頭の1時間くらいは世界観の説明で埋め尽くされており、
いざ本題に入ったと思ったら、めちゃめちゃ薄い内容で唖然としました。

結論から言ってしまえば、本作はシリーズ化しません。
原作二巻目以降が映画化されることは絶対にありません。
もちろん本作も当初はシリーズ化が念頭に置かれ、
公開日初日までは続編の企画も動き出そうとしていたみたいですが、
この悲惨な結果を受けて、ひとまず延期になりました。
その後、低予算映画として続けようと考えたみたいですが、出資者が現れず、
ついにはファンの寄付に頼ったものの、集まったのは諸々込みで27万ドル…。
目標の150万ドルには逆立ちしても届かない金額で、当然続編は凍結です。
原作ファンからも望まれていないことがわかる実写化ですね。

日本でのリリースは本作の大コケし、シリーズ化頓挫が確定した後になるので、
当然我々は、本作の続編はないものだとわかった上で鑑賞するわけですが、
そんな状況だと、一生懸命世界観の説明を受けたとしても、
その知識は本作でしか役に立たず、正直覚える気になりません。
YA小説のファンタジーは世界観や人間関係が複雑なのも特徴で、
そこがファンには堪らなかったりするのでしょうが、
一作限りの付き合いとなるボクとしては煩わしいだけです。
逆に『ダイバージェント』のように、全米で大ヒットして、続編が決定している場合は、
今後のために頑張って設定を理解しておこうと思えるのですが…。

本作はそんなYA小説の中でも、特に造語が多い作品だと思います。
劇中の造語(作品用語)を使って内容を簡単に説明すると、
ダンピールであるローズはモロイの王族ドラゴミール家の生き残りワシリサの
ガーディアン・ノーヴィス兼フィーダーとして、ストリゴイから守りながら旅をしますが、
ガーディアンに捕まり聖ウラジミール学園に連れ帰される、という物語です。
本作を観てない人には、造語や固有名詞だらけで全く理解できない説明だと思います。
もう少し噛み砕いて説明すると、ダンピールとはモロイと人間のハーフで、
モロイのガーディアンになるように聖ウラジミール学園で訓練を受けます。
訓練期間中はノーヴィスと呼ばれるみたいです。
ダンピールと外見的特徴としては首筋にモルニャマークが刻まれています。
モロイはヴァンパイアの一種で、聖ウラジミール学園でエレメント魔法を習います。
成長すると水、地、火、風のエレメントからひとつ選んで宣言するみたいです。
モロイは生きるために血を飲む必要がありますが、
それはフィーダーと呼ばれる人間から提供されるみたいで、
ダンピールがフィーダーにはなるのはタブーなので、ローズは「売血女」と蔑まれます。
ローズとワシリサの間には不思議な絆があり、「影の接吻」が関係しているそうです。
モロイは殺人を犯すと凶悪なストリゴイになり、銀の杭でしか倒せません。
ストリゴイからモロイを命懸けで守るのがガーディアンの仕事です。
というような説明が本作の大半を使って繰り広げられます。
…が、本作を観るだけなら、この説明の大半は必要のないものです。
以下、ネタバレ注意です。

聖ウラジミール学園に連れ戻されたローズとワシリサ(以下リサ)ですが、
リサは次期女王候補にも関わらず、同級生からイジメを受けます。
部屋に血文字で脅迫的な落書きをされたり、
ドアに血まみれのネコの死体を吊り下げられたりしますが、
本作の物語は、詰まるところその猫殺しの犯人捜しとなります。
ヴァンパイアの壮大な世界観を延々と説明された挙句に、
単なる落書きやペット殺しの犯人捜しなんて、話のスケールが小さすぎます。
ヴァンパイアであるモロイの犯行なのだから、せめてヴァンパイアの所業らしく、
殺人事件の犯人捜しくらいのスケールはほしいところですよね。
学園の外にはストリゴイのような凶悪な奴らが跋扈しているというのに、
何をノーテンキに学園ドラマやってんだって感じですよ。

はじめはリサの恋敵である女生徒や、両親がストリゴイの男子生徒を疑いますが、
結局落書きは女生徒の気を引こうとした同級生らの犯行で、
まるで某年金未納女優のマネージャーのようなくだらないオチです。
猫殺しの犯人は彼らではなく、学務部長のヴィクトルでした。
彼は王族ダシュコフ家ですが、サンドフスキー症候群なる持病があり王位に着けず、
その病気をリサに治療してもらおうと考えたのです。
どうやらリサはヒーリング魔法が使える珍しい存在のようで、
過去には死んだローズを蘇らしたこともあるそうで、それが「死の接吻」です。
ヴィクトルはネコを吊るしておいて、リサが本当に治療できるのかどうか試したのです。
このリサの魔法は4つのエレメントには属さない、新しい魔法で、
彼女だけが持つ魂のエレメントによるものらしいのですが、
そんな後付けの設定で推理できるはずはなく、ミステリーとしてもかなり杜撰。
さらに彼女は「強制」という強力な魔法を使え、他人の考えを操ることができます。
人を生き返せる上に人を操ることが出来るなんて、最強じゃないですか?
こんなキャラが主人公なら、どんな事件だってすぐ解決しそうです。
でも彼女は情緒不安定で役立たずなので、ほとんどローズが解決します。
ローズは不思議な絆により、リサが見ているビジョンを受信することができ、
それを利用して推理するのですが、ちょっと都合がよすぎる設定です。

捕まって投獄されたヴィクトルですが、彼女の娘ナタリーがストリゴイ化し、
父を助けに来たところを、ローズらとバトルになります。
ただでさえ手が付けられないほど強いストリゴイですが、
ナタリーはローズの親友だったので躊躇してしまい…。
(でもナタリーが退学処分になった時のローズの反応は異常にドライでした。)
結局ガーディアンのディミトリがナタリーに銀の杭を刺し込んで殺し、一件落着です。
しかし学園の外では、カルプ先生率いるストリゴイの大軍が学園の様子を窺っており…。
という感じで続編への引きを作っていますが、本作に続編はありません。
続きを知りたければ原作小説でも読むしかありませんね。
まぁ退屈な本作を見て、続きが気になる人なんていないでしょうけど。

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