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LUCY/ルーシー

今日も映画の感想です。

LUCY/ルーシー
Lucy.jpg

2014年8月29日日本公開。
リュック・ベッソン監督、スカーレット・ヨハンソン主演のSFアクション。

マフィアの闇取引に巻き込まれたルーシー(スカーレット・ヨハンソン)は、特殊な薬が入った袋を体に埋め込まれ運び屋にされてしまう。しかし、体内で薬が漏れたことで彼女の脳機能は驚異的に覚醒。脳科学者ノーマン博士(モーガン・フリーマン)が見守る中さまざまな能力が超人的に目覚める一方、少しずつ人間性が喪失し、自らを制御できなくなっていく。(シネマトゥデイより)



本作は全米初登場1位を記録する大ヒット作ですが、
その記録は巨匠リュック・ベッソン監督が33年の映画生活で、
自己最高のオープニング成績だったそうです。
初週末だけで4400万ドル以上も稼ぎ、現時点では1億ドルを突破しています。
まぁ先週末1位だった『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』は
公開4週目で2億ドルを突破しちゃってるし、
ハリウッド映画では1億ドル突破する作品なんてそれほど珍しくないですが、
本作は曲がりなりにもフランス映画ですからね。
フランス映画でそこまで全米でヒットできる作品は珍しい気がしますが、
実際にフランスのアクション映画としては史上二位の成績だったそうです。

といっても、本作自体がフランス映画で今年二番目の製作費が投じられた作品で、
ベッソン監督率いる映画製作会社ヨーロッパ・コープとしては
史上最高額の製作費が投じられたのだとか。
なので記録的なヒットにならないと困る作品だったわけですね。
だから万が一にもコケないための予防線というか、絶対にヒットさせるために、
いろいろな手を講じていると思われます。

そのひとつが大人気女優スカーレット・ヨハンソンの起用です。
ボクもスカヨは好きですけど、ちょっとベッソン監督らしくないなとも思いました。
ベッソン監督は魅力的なヒロインが活躍するアクション映画が得意で、
アクションヒロイン映画な本作も、ベッソン監督らしい内容ではあるのですが、
端から大人気女優を使うのは彼らしくないと思います。
彼は『レオン』のナタリー・ポートマン、『ニキータ』のアンヌ・パリロー、
『フィフス・エレメント』のミラ・ジョヴォヴィッチなど、
当時はまだマイナーな女優を起用し、
その作品を経て人気女優にするという、青田買いの名手だったのに、
製作費を回収するためか端から彼女の人気頼みでスカヨを起用したような印象で…。
特に彼女は『アベンジャーズ』シリーズのヒーローチームの紅一点、
ブラックウィドウ役でアクション女優としても定評がありますが、
そんな彼女を今、アクションヒロインとして起用してしまうと、
否応なくブラックウィドウの印象がチラついてしまうんですよね…。
むしろブラックウィドウ人気に便乗するために、あえてそうしているのかもしれませんが、
ボクとしては全く別のアクション映画として新鮮な気持ちで観たいので、少し嫌です。
でもまぁ、まだスカヨでよかったかもしれません。
なにしろ当初はアンジェリーナ・ジョリーの起用を予定していたそうですからね。
(どう考えてもアンジーが受けるはずないと思うけど…。)
いずれにせよ、主演女優の人気頼みでヒットさせようという意図が見え見えで、
そんなテコ入れが必要な程度の脚本なのかと勘繰ってしまいます。

もうひとつの万が一にもコケないための予防線が、
昨今ハリウッド映画でもよくある、中国市場へのすり寄りです。
『トランスフォーマー4』がラストを展開上意味なく香港にしたことで、
中国で北米以上の興収を稼いだことは記憶に新しいですが、
本作も中国市場での大ヒットを目論んでか、舞台の半分以上を台北にしています。
北米でもしコケても中国で回収してやろうという意図が感じられますね。
そのお蔭で台北では史上4位となる興収127万ドルの成績を収めたそうです。
ただ、台湾は中国ではありませんからね。
台北では歓迎されても、中国で台北舞台の映画が歓迎されるとは限りません。
どうやら香港では公開されたみたいですが、中国本土では公開されてないかも。
劇中に中華民国国旗が映ったりするし、中国共産党が国内上映を認めないかも。
ボクは中国が嫌いなので、昨今の中国にすり寄る外国映画には吐き気がするが、
台湾は嫌いではないのでよかったですけどね。
『The Lady アウンサンスーチー ひき裂かれた愛』を撮ったベッソン監督なら、
アジア情勢くらいちゃんと理解しているはずなので、中国マネー狙いではなく、
あえて中国パッシングしたのかもしれませんが…。

台北に留学中の米国人女性ルーシーは、運び屋をしている恋人に頼まれて、
中身不明のブリーフケースをチャンという男に届けることになりますが、
チャンの会社に行った彼女は、そのままチャンの手下に拉致されてしまいます。
チャンの前に引きずり出され、必死で命乞いをするルーシーですが、
どうも英語を話せないチャンと手下との会話に違和感を覚えました。
チャンは当然台湾人だと思ってたけど、なんだか「ニダニダ」言ってるし、
もしかしたらコリアンマフィアなのかも?…と。
米国人のルーシーには中国語も韓国語も違いがわからなさそうですが、
なぜ台北を舞台にしているのにコリアンマフィアなのかと不思議に思いました。
でもよく考えたら台北(或いは中国)でのヒットを目論んでいる本作が、
台湾人(或いは中国人)を悪者キャラにするはずありませんよね。
舞台だけ台北(中国)にしておいて台湾人(中国人)のご機嫌を取って、
悪者は敵に回しても怖くない韓国人にしちゃおうと考えたのかもしれません。

ブリーフケースの中身は青紫の粉が詰まった袋4つで、「CPH4」という薬ですが、
毒見役の男が鼻からストローで吸引してラリってたし、新種の麻薬かなと思いました。
ルーシーは殺されませんでしたが、代わりにチャンから運び屋を強要され、
入管で見つからないように切った腹部にCPH4の袋ひとつを埋め込まれ、
アメリカに密輸させられることになります。
どうやらCPH4は欧米で人気があるドラックらしくて、
他の3つの袋も、それぞれドイツ人、フランス人、イアリア人の体内に埋め込まれ、
彼らは自国へ密輸することを強要されます。

ところが、航空券も渡され、すぐ空港に連れて行かれるかと思いきや、
なぜかどこかの部屋に監禁され、ルーシーは男にレイプされそうになるのです。
拒否した彼女に腹を立てた男は、彼女の腹を思いっきり蹴飛ばします。
その衝撃で腹部に埋め込まれていたCPH4の袋が破れ漏れ出したようで、
大量のCPH4が彼女の体内に浸透するのです。
たぶんこの男はチャンの手下だと思いますが、ブツを隠した腹を蹴るなんてアホですね。
末端構成員すぎてCHP4が埋め込まれていることを知らなかったのかな?
図らずもCHP4を大量に摂取してしまったルーシーは悶え苦しみますが、
その時なぜか彼女にかかる重力がデタラメな状態になります。
その後、落ち着いた彼女は、超常的な力が使えるようになっていました。
彼女はその力で、レイプしようとした男をはじめ、見張りの男を皆殺しにし脱走します。
本作はスーパーパワーを手に入れたルーシーが、
復讐のために悪い韓国人をぶっ殺す、痛快アクション映画です。

…といいたいところですが、ボスのチョンも含めて、韓国人どもは雑魚で、
覚醒したルーシーの相手にはなりません。
なのでコリアンマフィアに復讐するような展開がメインではなく、
超常的な力がどんどん強大になっていくルーシーの顛末がメインです。
人間は脳の機能の10%しか使っていないという都市伝説がありますが、
CHP4は脳の使用割合をどんどん上げる効果があるみたいです。
どうやら脳を10%以上使うと、超常的な力が使えるようになるみたいで、
摂取直後20%にまで上がりますが、肉体を完全にコントロールできるようになり、
脳の深淵にアクセスし、今までの記憶を全て思い出すことができます。
自分の脳だけでなく、触れた相手の記憶まで覗き見ることができたり、
感覚が鋭敏になり、壁の向こうの人間の動きまで察知できます。
身体能力も異常に高くなり、コリアンマフィア風情では戦いにもなりません。
更になぜか他人の病気も見抜けたりします。
うーん、なんだかまだたかが20%って気がするのに、初っ端から凄すぎる気が…。
もっと徐々に凄い能力が目覚めていけばいいのに、20%ですでに最強無敵なんて…。
イルカは通常で20%使っているそうですが、別に最強じゃないのにね。

頭も異常に良くなり、パソコンを使っていろいろな知識を瞬時に取り込みます。
ルーシーがパソコンを使っている時は、画面が異常なスピードで変わりますが、
ルーシーの処理速度はともかく、市販のノートパソコンがあの処理速度は無理でしょ。
まぁルーシーの超常的な力がパソコンのスペックや通信速度にも影響してるのかも。
というのも、28%になった彼女は電波すら自在に操ることができるようになり、
ネットで見つけた脳科学の権威ノーマン博士に連絡を取るのですが、
放送電波を乗っ取って、彼の自宅のテレビに自分のライブ映像を送るんですよね。
ライブ映像だけじゃなく、自分のイメージした映像も送ることができるみたいだし、
携帯電話の傍受なんかも何の機材も使わずに出来てしまいます。
まだ20%代なのにすでに何でもアリな状態です。
30%になると、自分の外見も自由にコントロールできちゃうみたいです。

ちなみにCPH4とは、6週目の妊婦の体内で生成される物質らしく、
胎児の骨を形成するためのものだそうです。
それがなぜ脳の使用率を高める効果があるのか全くわかりませんでしたが、
別に違法薬物でもなさそうなので、わざわざ密輸する必要があるのかも疑問です。
入手困難な薬物なのはわかるけど、絶対に入手できないわけでもなさそうで、
そんなものでこんなヤバい能力が覚醒したら大変ですよ。
まぁ強力な能力には代償が伴うもので、40%になったルーシーは急に歯が抜けはじめ、
更に肉体が崩れ、どんどん風化しはじめるのです。
100%になるまで24時間かかり、24時間で死ぬみたいなことを言っていたのに、
たかが40%で肉体が風化しはじめるなんて早すぎませんか?
更にCPH4を摂取すれば、再び体が形成されて風化が治まるようですが…。
ルーシーは警察に協力してもらい、残り3人の運び屋を捕まえますが、
別にそれはコリアンマフィアの計画を阻止するためではなく、
自分が使用するためにCPH4を回収のが目的です。

50%になると、触れずに相手を気絶させることが出来、
60%になると、物体浮遊もできるようになるのですが、
10%から20%の劇的な変化に比べると、急に能力の進化が鈍くなりましたね。
その調子で60%にもなれば瞬間移動とかでもできそうなものですが…。
ルーシーは瞬間移動することなく、普通に移動してノーマン教授の研究所まで来ます。
ノーマン教授にテレビ電話した時に、「知識を伝えるのが生物の使命だ」と言われ、
ルーシーは死ぬ前に彼に知識を全て伝えようとやってきたのです。
彼女が残り3つのCPH4を全て摂取すると、90%となり口から謎の光線を発射した後、
体からタールのような液体が溢れ出て、研究室のスーパーコンピューターに接続します。
接続したというよりはスーパーコンピューターを吸収して、
未知の次世代スーパーコンピューターを作り出します。
ルーシーの本体はどんどん黒くなりますが、意識だけニューヨークに飛び、
そこからどんどん過去へと時空の旅をすることになるのです。
時間が撒き戻りニューヨークの高層ビルが全て消え、19世紀くらいになり、
更に大幅に巻き戻って、恐竜の時代まで飛ぶのですが、なぜか次に飛んだのは
「人類最初の女性」と称されるアウストラロピテクスのルーシーの前で…。
ルーシーとルーシーが出会うという趣向なのはわかりますが、
アウストラロピテクスなんて恐竜時代よりずっと後の存在のはずなのに、
なぜ時間がどんどん巻き戻り、恐竜時代に飛んだ後にそのシーンが入るのか…。

99%、そしてついに100%になった時、ルーシーの肉体は消滅します。
ルーシーが作った次世代スーパーコンピューターも、USBメモリ1本残して消滅。
まさかそのUSBメモリの中にルーシーの知識が全て入っているとでもいうのか…?
どんな大容量だよって感じですが、次世代のUSBメモリなんでしょうね。
これを残されても果たして現行のUSB 3.0で開くことができるのでしょうか。
ルーシーの体は消滅しましたが、意識は至る所に存在しているらしく、
手塚治虫の『火の鳥 未来編』というか、『まどマギ』の円環の理というか、
ルーシーは概念的な存在、神的な存在に昇華してチャンチャン、って感じですが、
正直、なんだこの無茶苦茶なオチは?…と思ってしまいました。
まさに禁じ手「デウス・エクス・マキナ」じゃないですか。
ルーシーがコンピューターを取り込み、機械仕掛け化していくのは、
まさかこのオチのための伏線だったとは…。
まぁ時空の旅なんて超展開になれば、「デウス・エクス・マキナ」でも使わないと
この物語を綺麗に終わらせることなんて出来なさそうですけどね。

カーチェイスもあったし、ルーシーの超常的な力の映像とかは面白かったけど、
オチにこんな力技の禁じ手を使われると、なんだか狐につままれたような感じで、
鑑賞後の印象としては正直あまりよくないです。
こんな収拾の付かない超展開SF映画にしなくても、
どんどんパワーアップしていく超能力者のヒロインが悪い韓国人をぶち殺しまくる
痛快SFバイオレンス映画でよかったのに…。

コメント

火の鳥、未来編という見解を持つ人をワードで検索したら出てきたレビュー。しかしながらただのネット右翼のチンパンジーだった。世も末か。

  • 2015/05/01(金) 23:39:04 |
  • URL |
  • 無記名 #-
  • [ 編集 ]

火の鳥、未来編という見解を持つ人をワードで検索したくせに、
他人の見解も認められない朝鮮人ネチズンにコメントされた。世も末か。

  • 2015/05/02(土) 12:10:05 |
  • URL |
  • BLRPN #-
  • [ 編集 ]

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