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ターザン(2014)

三日連続で海外のCGIアニメ映画の感想になります。
3本とも日本ではビデオリリースのみの作品となりますが、
やはり日本は海外のCGIアニメに対して厳しいです。
年内公開されるはずの『ヒックとドラゴン2』の公開日もまだ未定のままで、
ヤキモキしているのですが、このまま劇場未公開になりそうかも…。
同じくドリームワークスの『Mr. Peabody & Sherman』も日本公開は厳しそうだし…。
ドリームワークスと同じく、20世紀フォックス作品であるブルースカイの新作
『メアリーと秘密の王国』の日本公開が決まったのはホッとしましたが、
イオンシネマのみでの小規模限定公開らしく、ボクは観に行けそうにありません。
日本でも海外のCGIアニメの上映機会が増えてほしいです。

その反面、社会現象にもなったディズニーのCGIアニメ『アナと雪の女王』は、
250億円を超える歴代3位の興収だったし、ビデオもダブルミリオンです。
(ビデオリリースを遅らせれば、確実に歴代2位の興収に届いていました。)
このことからも日本人に海外のCGIアニメに対する抵抗がないのは証明済みで、
うまく宣伝して劇場公開すれば、ヒットできる可能性は大いにあります。
質の高い海外CGIアニメが上映されることで、国産アニメと競合が起こり、
延いては国産アニメの質向上にも繋がるはずです。

日本は伝統的な(デジタル)セルアニメの人気が根強いので、
CGIアニメがヒットし難いと思われていますが、その迷信も明日で覆るはず。
なぜなら明日は国産CGIアニメ『STAND BY ME ドラえもん』の公開日だからです。
ボクはこの作品が大ヒットするに違いないと予想しています。
春休みに大ヒットした『ドラえもん 新・のび太の大魔境』を超えるはずです。
もし無理だったら、日本はCGIアニメ不毛の地なのだと諦めます。

ということで、今日は海外のCGIアニメ映画の感想です。

ターザン
Tarzan.jpg

2014年8月6日リリース。
エドガー・ライス・バローズの冒険小説をCGIアニメーション化。

遥か昔、地球に衝突した巨大な“神秘の鉱石"から不思議なエネルギーが放出し、洞窟が誕生した。以来そこは、人間の侵入を阻むかのように森のゴリラたちに守られてきた。そんな未知の新エネルギーを探す調査隊のヘリコプターが、アフリカのジャングル上空で墜落。唯一生き残った少年ターザンは、幼子を亡くした母ゴリラの群れでたくましい青年へと成長していく。ジャングルを訪れたジェーンと惹かれあい、人間らしい感情に目覚めるターザン。だが、“神秘の鉱石"をめぐる大事件がターザンと森の家族たちを待ち受けていた。(公式サイトより)



エドガー・ライス・バローズ原作の『類猿人ターザン』のアニメ化といえば、
ディズニー・クラシックス第37作『ターザン(1999年)』を思い出しますが、
本作はディズニーとは全く関係ないみたいです。
『ファンタシティック・フォー』シリーズや『バイオハザード』シリーズ、
最近では『ポンペイ』を制作したドイツの映画製作会社
コンスタンティン・フィルムによる、米独仏合作のCGIアニメーション映画です。
(同社がアニメも手掛けているなんて初めて知りました。)
世界26カ国で劇場公開されたそうですが、アメリカでは一般公開されてなさそうかな。
たぶんアメリカでも劇場公開するつもりだったと思いますが、
評判があまりよくなかったので、興行を見送ったのかも。
もちろん海外アニメに厳しい日本でも劇場公開はされず、ビデオスルーでした。

ボクとしては、本作はそんなに悪い出来ではないと思うけど、
アメリカ人にウケなさそうなのは何となく理解できます。
ピクサーやドリームワークスによる世界最高のCGIアニメで目が肥えてるのもあるけど、
ハリウッドCGIアニメが避けている、あることを本作はやってしまっているからです。
それは、キャラをあまりデフォルメせずに、写実的に描いてしまっていること。
それによって、キャラが不気味の谷に落ちてしまっています。
(不気味の谷…人間に酷似するものに対する違和感、不快感のこと。)
ボクも中途半端に写実的に描くなら、いっそ実写で撮ればいいじゃなかと思いますが、
これは『キャプテン・ハーロック』など日本のCGIアニメも陥りがちなことです。
反面、我々日本人は慣れているので、その点は問題なく楽しめるかも。
ボクも初めて本作の主人公の少年JJの顔を見た時は、
不気味の谷による違和感を覚えましたが、すぐに慣れました。

内容は概ね一般的な「ターザン」と同じようなものですが、
未知の隕石による超自然現象などSF要素が加味されており、
何度も映像化された原作ですが、一定のオリジナリティは感じられます。
(ちなみに2016年にはワーナーが実写映画化するそうです。)
ボクはディズニーの『ターザン(1999年)』の印象が強いので意外でしたが、
原作自体もSF要素の強い作風だったみたいですね。
よく考えてみれば原作者バローズはSF作家なので当然かな。
ただディズニーの影響も強く受けていると見受けられ、
ターザンの外見の特徴が酷似していると感じましたし、
クレイトンという名前の男が敵キャラなのもディズニーの影響です。
原作ではクレイトンとはターザンの本名(父親の名前)ですからね。

そんなSF要素を加味しているにも関わらず、
物語にそれが活かしきれていないのは微妙なところです。
やはり悪い人間クレイトンとの対決や、ジェーンとのロマンスが物語の中心なので、
SF要素による世界観の謎は最後まで回収されず、
それならそんな壮大な設定を盛る必要はない気も…。
SF要素も含め、設定を詰め込み過ぎで、その説明に追われるあまり、
物語自体が蔑ろになっているとも思えますが、なにより悪いのは、
その説明をナレーションの多様で済ましてしまっていることです。
ディズニーとは違い、本作の動物キャラは一切喋らないので、
状況の説明にナレーションを使ってしまうのもわからなくはないけど、
写実的な映像も相俟って、ゴリラのネイチャードキュメンタリーのようでした。
以下、ネタバレ注意です。

7000万年前に巨大な隕石がアフリカ大陸に落下し、恐竜が絶滅します。
急に宇宙の映像から始まったので、違う作品と間違えたのかと思いました。
20世紀末、冒険家で科学者の米国人ポーターはその隕石を探すため、
出資者の米国人実業家グレイストークと共にアフリカを調査します。
隕石はサルたちによって守られており、まだ人間には発見されていないらしく、
隕石には不思議な力があり、それが文明の発祥にも関係していると考えたのです。
人類はアフリカで生まれたわけだけど、隕石の力により、
サルが人間に進化したということでしょうね。

グレイストークは妻と幼い息子JJと一緒に現地入りしますが、
隕石探しが思うように進まず、断念して家族と帰国することになります。
しかし帰国する一家の乗るヘリが、岩場上空で謎の磁気障害に遭い、
緊急着陸しますが、そこで山のように巨大な隕石を発見します。
グレイストークはひとりで隕石の洞窟に調査に入り、
隕石の一部を叩き割って持ち帰ろうとしますが、その途端、火山が噴火。
一家は慌ててヘリで逃げるも、あえなく墜落…。
ヘリは大破しグレイストーク夫妻は死にますが、なぜか息子JJだけは無傷でした。
そんな孤児JJを、メスゴリラのカーラが拾います。
カーラはこの辺りに棲むゴリラの群れの一頭ですが、息子を亡くしたばかりで、
息子の代わりにJJを育てようと考えたのです。
JJもカーラを母と慕って、すっかりゴリラの仲間になります。
1歳くらいの赤ちゃんならまだわかるけど、JJはもう4~5歳くらいに見えるので、
実の母の記憶もあるし、今からゴリラと生活するなんて無理だろうと思うのですが…。

十代になったJJがひとりでジャングルを冒険していると、初めて人間を見付けます。
その人間はポーターだったのですが、JJは彼のことを忘れているようです。
というか、もうすっかりゴリラになり、自分が人間だったことも忘れているみたいです。
ポーターはキャンプ場を作って、ジャングルの観光ガイドをしていますが、
隕石探しを諦められずにジャングルに残ったはずなのに、なぜ観光ガイドなんか…。
出資者がいなくなったから背に腹は代えられないのかな?
その時はポーターの娘ジェーンもNYから遊びに来ていましたが、
遠くから彼女を見たJJは一目惚れし、彼女をストーキングし始めます。

ある時、ジェーンが凶暴なヒクイドリの群れの群れに襲われ、
ストーキングしていたJJが彼女を救出し、キャンプ場に送り届けます。
ヒクイドリというかまるで恐竜でしたが、隕石の影響で進化した鳥かな?
ジェーンはヘビにも噛まれていたため、意識が朦朧としており、
助けてくれたJJのことははっきりと覚えていないみたいです。
彼女は助けてくれたものを「少年なのかサルなのか…」と言ってましたが、
いくらなんでも少年とサルくらいは見分けられそうなものですが…。
その後、ジェーンは帰国しますが、人間と出会ったことで、JJの心境が変化し、
自分はゴリラではなく人間なのではないかと思うように…。
そんな折、ヘリの墜落現場を発見し、その遺留品を自分の棲家に持ち帰ります。
その中には家族の写真やナイフの他に、例の隕石のカケラもありました。

でも別に人間に目覚めたわけではないようで、その後もゴリラとして生活し、
また月日は流れ、ヘリ墜落から15年が経ち、彼は屈強な青年に成長します。
ある日、群れのボスゴリラのチューブラが、JJの棲家を荒らし、
その衝撃でJJが持ち込んだヘリの通信機が一瞬作動するのです。
その電波をNYのグレイストーク社がキャッチします。
グレイストーク社はJJの父グレイストークが興したエネルギー会社で、
グレイストーク亡き後、クレイトンという強欲な男がCEOになっています。
クレイトンは隕石が未知のエネルギー資源に違いないと、
隕石探しを始めることにして、ジャングルに向かいます。
今まで全く隕石に興味を示してないのに、なぜ急に隕石探しに乗り出すのか謎ですが、
単純にヘリの電波をキャッチするまでは隕石の存在を忘れてたのかな?
それにしても先代グレイストーンもだけど、彼自らジャングルまで出向くなんて、
なんともフットワークが軽いというか、この会社のCEOはよほど暇なんでしょうね。
ライバルを出し抜くための偽装工作として、隕石探しではなく、
環境保護調査の名目で、アフリカ環境協会に勤めるジェーンを同伴して現地入り、
彼女の父ポーターの協力も無理やり取り付けるのです。

再びジェーンを見付けたJJはストーキングを再開。
彼女のテントに侵入し、持ち物を物色したりブラで遊んだりする姿は変態そのもので、
ちょっと「おいおい…」って感じですよね。
まぁ中身はゴリラなので、そういう趣味ではないでしょうが…。
ある時、ジェーンが川に落ち、クロコダイルに襲われそうになっているところを、
ストーキングしていたJJがまたしても救出します。
ワイルド、というか野生的すぎるゴリラ男が現れたら警戒しそうなものですが、
ジェーンは全くJJを怖がるでもなく、そのままデートします。
名前を聞かれたJJは「ターザン」と名乗るのですが、本名は覚えてないみたいです。
というか、英語自体忘れていたはずですが、ジェーンと話しているうちに、
(カタコトながら)英語も話せるようになるんだけど、頭良すぎですね。

JJはジェーンを自分の棲家に招き、例の隕石のカケラをプレゼントします。
その直後、ジェーンの捜索ヘリがやってきて、乗っていたクレイトンがJJに発砲します。
クレイトンはJJが先代グレイストークにそっくりだったので焦ったみたいですが、
隕石を探したいなら殺さずに生け捕りにした方がいいのにね。
襲撃されたJJはジェーンを連れて一目散に逃げ、変な場所に迷い込みます。
隕石の影響により独自の進化を遂げた植物たちが群生するジャングルで、
凶暴な肉食植物クリーチャーに襲われたりします。
神秘的な場所というか、急にSF全開の展開でちょっとビックリです。
そのジャングルを進むと、隕石の洞窟があり、中に入ったジェーンが
「グレイストークさんが探していたのはここね」と言うと、その言葉にJJが反応。
彼女はJJがグレイストークの息子だと気が付くのです。

洞窟を後にしたJJはジェーンをカーラら家族に紹介しますが、
そこに群れの凶暴なボスゴリラ、チューブラがやってきてJJとケンカに…。
チューブラはJJの捨てたナイフを拾い、斬りかかってくるのですが、
JJはそれを避けて、チューブラを蹴り倒して勝負ありです。
JJが勝ったわけだけど、何気にチューブラって凄いゴリラですね。
ゴリラのくせにナイフを使えるなんて、卑怯を通り越して賢いです。
そういえばチューブラが先代のボスを倒した時も、岩を使って殴り殺しましたが、
これほど道具を使えるなんて、ボノボより賢いかもしれません。

その夜、クレイトンのヘリが群れの上空を通過するのを見たジェーンは、
自分がここにいたらJJや群れが見つかってしまうとキャンプ場に戻ることにします。
キャンプ場には隕石探しのためにクレイトンに雇われた傭兵たちもいました。
戻って来たジェーンが隕石のカケラを持っていることに気付いたクレイトン。
彼はジェーンからカケラを奪いますが、それを見ていたJJは堪らず飛び出します。
JJは銃を突きつけられ、隕石の場所まで案内しろと脅されますが拒否するも、
傭兵に殴られて気絶し監禁され、ジェーンも拘束されます。
ボスゴリラに殴られても平気なのに、人間の傭兵に殴られて気絶するなんて…。
JJは友達のゴリラの協力で脱走に成功しますが、
ジェーンはJJの無事と引き換えに隕石まで案内することを同意。
翌朝クレイトンは傭兵部隊を引き連れて、隕石の洞窟に向かうのです。

隕石採取のため、洞窟を爆破しようとするクレイトンは、爆弾を仕掛けます。
ついでに用済みのジェーンも拘束したまま洞窟に残し、一緒に爆殺するつもりです。
JJは洞窟に忍び込みジェーンを救出、一緒に拘束されていたポーターも開放し、
ポーターが爆弾の導線を切り、洞窟の爆破を阻止します。
JJがジェーンと洞窟を脱出すると、クレイトン率いる傭兵が待ち構えていました。
そこでJJは雄叫びを上げると、鳥やヘビやサルなどジャングルの動物が押し寄せ、
傭兵たちを次々とやっつけます。
まさにジャングルの王者って感じですが、JJにまさかそんな力があったとは…。
クレイトンはヘリで飛んで逃げますが、JJが岩をぶつけて墜落させ、
クレイトンをぶっ殺して、ハッピーエンドです。

たしかにジェーンやJJを殺そうとしたクレイトンは、
自分が儲けるためなら人の命を何とも思わない男ですが、
隕石を探そうとすること自体は悪いことではないと思うんですよね。
たしかに隕石は未知のエネルギー資源であり、それを活用することは、
エネルギー問題に悩む人類にとっても意味のあることだと思います。
もしかしたら化石燃料を使うよりも環境に優しいエネルギーになるかもしれないし、
ある意味では環境活動家のジェーンにとってもいい話だったかもしれません。
なので、まるで隕石が採取されないでよかったかのような幕引きは疑問です。

とはいえ、一風変わったターザン映画で、なかなか面白かったです。
不気味の谷に耐性がある人なら、それなりに楽しめるかと思います。

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