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空飛ぶニコ!!

スタジオジブリが映画制作部門を解体し、アニメ映画から撤退するそうな。
宮崎駿、高畑勲の両巨匠引退後の最初の作品だった『思い出のマーニー』が、
初登場3位なんて不甲斐ない結果に終わってしまったので、
もうジブリの看板だけではヒットしないことが明確になったので、
撤退を余儀なくされたのかな?

…と思ったのですが、違う考えの人もいるようで、
これは鈴木敏夫による、『思い出のマーニー』の宣伝戦略ではないかと…。
撤退を表明することで「ジブリ最後の作品」を謳えば、人々の関心を引くことができ、
「宮崎駿最後の長編」を謳って駄作なのにヒットした『風立ちぬ』のように、
客を呼べるのではないか、といういわゆる「閉店商法」みたいなものではないかと。
たしかに『思い出のマーニー』は当初、ジブリの若返りを図った作品という売りで、
宣伝されていたので、若返りを図ってこれから頑張るはずだったのに、
急に前言撤回するかのように制作部門解体するなんて、あまりに不自然すぎます。
若返りを謳う宣伝も鈴木敏夫の戦略でしたが、彼なら閉店商法もやりかねません。
単なる話題作りで、撤退する気はさらさらないと思われます。

そもそも宮崎駿だって長編から引退しただけで、中編や短編は作る気かもしれないが、
ジブリの制作部門がなくなったら、その受け皿だってなくなっちゃいますからね。
鈴木敏夫は「いったん小休止して、これからのことを考えてみる」と言っていますが、
「小休止」が何年なのかも明確ではなく、すぐに再開する可能性もあります。
再開するなら、何も制作部門を解体する必要もないはずで、どうも嘘くさいです。
ジブリは暫くNHKのテレビアニメに協力することが決まっているので、
来年はジブリ作品が公開されることはあり得ないと思うけど、
テレビアニメが終われば、普通に次の企画が動き出すんじゃないかな?
今でも撤退を残念がる声が多いけど、「皆さんの要望にお応えして」みたいな感じで、
2~3年中にシレッと映画制作を再開しそうな気がします。
いちいちジブリの話題作りに世間が翻弄されるのは鬱陶しいので、
本当に永久撤退しちゃえばいいのに…。
なお『思い出のマーニー』はそんなに悪い作品ではないので、
話題作りに頼らず、内容で勝負すればいいのにと思います。

ということで、今日はロクに話題にもならないマイナーなアニメ映画の感想です。

空飛ぶニコ!!
The Flight Before Christmas

2014年8月2日リリース。
北欧のCGIアニメーション映画。

パパと一緒に住める日を夢見る小さなトナカイのニコ。パパはサンタクロースのソリ引きの名手で伝説のトナカイと呼ばれていた。ニコはまだ幼くママと暮らしていたが、ある日オオカミたちに襲われ必死にムササビたちと逃げるうちに、気が付いた時には街を飛びだしてしまっていた。ニコはソリ引きのトナカイ仲間が集まる街に辿りつく。パパのようなソリ引きになりたいといいうが、ニコはまだ空が飛べない。ムササビたちに教えてもらい必死に練習するが…はたしてニコは空を飛べるようになるのか?(公式サイトより)



本作は日本での劇場公開はされず、DVDでのみのリリースです。
ハリウッドのCGIアニメ映画でも劇場公開されにくい昨今、
北欧のCGIアニメ映画である本作が劇場公開されないのも仕方ありませんが、
できればもう少しDVDリリース時期を考えてほしかったなと思います。
本作は『The Flight Before Christmas』という英題で、クリスマス映画なんですよね。
クリスマス色を排除した邦題になっていて、ボクも見るまで気が付きませんでしたが、
本作は本場フィンランドで作られた、ガッチガチのクリスマス映画です。
クリスマス映画はクリスマスシーズンに鑑賞すると、クリスマス補正が働いて、
通常よりも面白く見ることができる不思議な力があるのですが、
こんな真夏に見てしまっては、なんの力も働きません。
出来は悪くないけど、クリスマス気分に流されず冷静に見てしまうので、
ちょっと微妙なところも散見してしまいました。

映像に関しては、やはりハリウッドに比べると落ちるのは否めないものの、
本作が本国フィンランドで公開されたのは2008年だったらしく、
6年も前にこれだけのものが作れていたと考えれば十分すぎる映像です。
『よなよなペンギン』や『ホッタラケの島』が2009年公開だったから、
日本のCGIアニメ技術よりも遥かに進んでいたと思います。
ただキャラデザがハリウッド的で、やっぱりどこかで見たことある感じになるので、
もう少しお国柄を反映してほしい気がします。
ほんとに諸外国のCGIアニメ映画って、どれも似たようなキャラデザになりますね。
(日本のCGIアニメ映画は、キャラデザが日本的で一目で和製とわかるのに…。)
でも慣れ親しまれているデザインでもあるので、世界に打って出るために、
あえてハリウッド的なキャラデザを取り入れてるのかもしれません。
本作は(米国でもDVDスルーでしたが)欧州諸国ではそれなりにヒットしたため、
2012年には続編も公開されたみたいです。
以下、ネタバレ注意です。

ママと暮らすトナカイの子どもニコは、パパがサンタのソリを牽く飛行隊だと信じており、
自分も飛行隊になることを憧れているのですが、飛ぶことができません。
それでも諦めず、毎日飛ぶ訓練を続けています。
ある日、友達のサガと一緒に、角の谷で飛ぶ練習をしていると、
腹を空かしたオオカミたちに見つかってしまい、逃げるのですが尾行されて、
トナカイの群れが棲む里の谷までオオカミを連れて来てしまうのです。
オオカミに棲家を知られたトナカイたちは移住を余儀なくされ、群れは旅立ちますが、
ニコは仲間のトナカイから「あいつは災いを招く」と後ろ指を指されるように…。
居づらくなったニコは、飛行隊がいるサンタ山でパパと暮らそうと群れを離れます。
「里の谷を出るな」と言われていたのに言うことを聞かなかったニコは自業自得ですが、
一緒に角の谷に行ったサガは何のお咎めも無しなのは納得できませんね。
それどころか、サガは親から「もうニコとは遊ぶな」なんて言われますが、
全てニコのせいにして、自分の子には甘いこの親トナカイは最低です。

息子ニコがいないことに気付いたママですが、自分は群れから離れられないため、
ムササビのジュリアスにニコを探して、連れ帰ってほしいとお願いします。
ジュリアスはニコの友達兼世話役のムササビです。
見た目はムササビというよりもモモンガに見えましたが…。
(というか、そもそもムササビは日本の固有種ですから訳が間違ってますね。)
ママの頼みを承知したジュリアスは、空からニコを探し、すぐに発見しますが、
ニコは頑として群れに戻ろうとはせず、仕方なく同行することに…。
サンタ山を目指しながらもサンタ山がどこにあるか知らない彼らですが、
道中、サンタ山で働いていたイタチ、ミス・ウェルマに出会い、道案内してもらいます。
このウェルマですが、とても可愛くて魅力的なイタチでした。

一方、トナカイを狩り損ねたオオカミたちですが、まだ諦めていません。
そんなオオカミの群れに、一匹のメスのプードル、エッシーが訪れます。
エッシーは人間のペットでしたが、どうやら旅行中に飼い主と逸れたようで、
オオカミを犬だと勘違いして、助けてもらおうと近寄って来たのでした。
エッシーはピンク色でコンチネンタルクリップのスタンダードプードルですが、
大自然の雪山の中にあって、その場違いさが面白いです。
オオカミたちは早速エッシーを食べようとするのですが、
彼女が「私を食べるよりサンタを手伝ったらエサが貰えるわよ」と言い、
それを聞いたオオカミたちに、ある妙案が浮かびます。
サンタ山に行って、サンタの飛行隊のトナカイを食べよう、…と。
飛行隊のトナカイを狩るより、その辺のトナカイを狩る方が楽だと思うのですが、
飛行隊を食べれば、自分たちも飛べるようになると考え、ついでにサンタも食べて、
サンタに化けて、世界中の子どもたちも食べてしまおうという無茶苦茶な計画です。
オオカミたちもサンタ山を目指すことになり、エッシーも発案者として同行させられます。

途中、オオカミに追いかけられたりしながらも、サンタ山にまで辿り着いたニコ一行。
サンタ山の入り口には迷宮のような洞窟があり、普通は入れないのですが、
ウィルマは抜け道を知っているので、難なく迷宮を突破し、飛行隊の宿舎に行きます。
しかし憧れだった飛行隊ですが、なんだかイマイチ印象と違っていて…。
彼らを知るウィルマも、ニコのパパが飛行隊と聞いた時に、
「え、あんな奴らがパパなの?」みたいなことを言っていましたが、
たしかに鼻持ちならない自意識過剰な筋肉バカ集団って感じで、
あまりパパにしたいようなタイプではないです。
そもそもママも、パパと会ったのは一度きりで、その時できた子がニコですが、
そんなヤリ逃げ野郎なんて、普通に考えたらロクな奴じゃないですよね。
(もちろん子ども映画なので交尾云々の話は出てきませんが。)

飛行隊は8頭いて、彼らに誰がパパなのか訪ねるのですが、
皆遊び人なため、心当たりが多すぎて、誰も名乗り出てくれません。
しかし飛行隊から「本当に飛行隊の子なら飛ぶ力が遺伝しているはずだ」と言われ、
飛べるかどうか飛行テストするのですが、ニコはいつも通り飛ぶことができず、
「きっとパパは飛行隊じゃなかったんだ」と落胆するのです。
「群れに帰ろう」というジュリアスに、ニコは八つ当たりし、口喧嘩になるのですが、
ニコに「パパでもないくせに」と言われ、ジュリアスは傷付きます。
ジュリアスは自分をニコの父親代わりだと自負していたみたいです。
彼はオオカミに妻子を食べられ、それ以来ニコを息子のように思っていたのですが、
ニコはそんなこと全く知らず、友達くらいに思っている感じですね。
ボクもニコとジュリアスは友達関係だと思っていたので、意外でした。
ジュリアスはウェルマとも恋仲になりそうなので、彼が寡夫だったのも意外です。
まだ死んだ妻に未練があるだろうし、ウェルマの恋は叶わなそうかな?

一方、オオカミたちもサンタ山に到着しますが、
抜け道を知らないため、迷宮の罠に引っ掛かってしまいます。
オオカミたちが罠に嵌り、死にかけるのはいい気味ですが、
無理やり同行させられているプードルのエッシーが可哀想で、
オオカミたちにもなんとか迷宮を突破してほしいと思ってしまいました。
実際にオオカミたちは迷宮を突破し、飛行隊に襲い掛かるのです。
飛べる飛行隊にしてみれば、オオカミから逃げることなんて造作もないだろう、
と思いきや、どうやら恐怖を感じると、信じる力を失い、
飛べなくなるという都合のいい設定で、走って逃げるしかありません。
ニコもオオカミに追いかけられ、高い木の頂上まで追い詰められます。
ジュリアスは逃げ惑う飛行隊に「おまえらそれでもニコの憧れる飛行隊か」と説教し、
それに鼓舞された飛行隊は、ソリを牽いて離陸し、木から落下したニコを救出します。

空高くに逃げるのですが、オオカミのボスがソリにしがみ付いており、
ニコが襲われそうになるも、ジュリアスが捨て身でオオカミを落とします。
オオカミと一緒に落下するジュリアスを助けるため、ニコはソリから飛び降りますが、
なんとニコは飛べるようになっており、ジュリアスを受け止めます。
崖でのテスト飛行の時は、落ちることの恐怖から飛べなかったのでしょうが、
ジュリアスを助けたいと思う勇気で、飛べるようになったのでしょう。
つまり飛ぶ力は確かに遺伝していて、ニコのパパはやはり飛行隊だったわけです。
飛行隊なんて自意識過剰な筋肉バカで、更にオオカミにもビビる臆病者なので、
そんな奴らのひとりがパパだったことが幸か不幸かは微妙ですが…。

その後、飛行隊の一頭プランサーが自分がパパだと名乗り出ます。
なぜ前に聞かれた時に名乗り出なかったのか、いい加減な野郎ですが、
ニコはパパが見つかって嬉しかったみたいです。
でも父親代わりを自負するジュリアスは、実の父親の出現には複雑で…。
ニコはサンタクロースにスカウトされ、飛行隊のメンバーになりますが、
それを見届けたジュリアスは群れに帰ってしまうのです。
群れに帰ったジュリアスはママやトナカイたちに一部始終を報告。
ニコが帰って来ないことにママは落胆し、トナカイたちも話を全く信じませんが、
なんとそこにニコが飛んで帰ってくるのです。
ニコは飛行隊を辞退し、今まで通り群れで暮らすことに決めたみたいです。
まぁあんなクソみたいな実の父よりも、ムササビでもジュリアスの方がいい父親だし、
群れにはママや友達もいるから、筋肉バカに囲まれて暮らすよりいいよね。
ニコは飛行隊にではなく、飛ぶことに憧れているだけだったので、
飛べるようになれば、別に飛行隊なんかにいる必要もなかったのかもね。
後にジュリアスは飛行隊の名誉隊員に任命されるのですが、
彼もニコも辞めた飛行隊なんかに興味ないだろ、と思ってしまいます。

最後に、実の父プランサーたち飛行隊も群れに会いにくるのですが、
その時、ニコが「たまに会いに行ってもいい」と聞くと、
プランサーは「君のママが許せば会いに来ていいよ」と言います。
「君のママ」って、お前が無責任に孕ませたメスだろ…。
イブの夜以外は一年中暇なくせに、お前が会いに来いよ、って思いました。
ママもプランサーを一瞥しただけで、何も言葉を交わしませんでしたが、
彼女も彼に対して何の未練もないみたいです。
というのも続編ではママが別のオスと再婚し、ニコに弟ができるという話なので、
おそらくママとプランサーが会うのも、これが最後だろうと考えられます。

飛行隊はクソ野郎ですが、それはそれでツッコミどころとして楽しめました。
続編『Little Brother, Big Trouble: A Christmas Adventure(英題)』も
できれば日本でもリリースしてほしいと思います。

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