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ハゲタカ

映画『ROOKIES -卒業-』が公開2日で100万人ちかい動員があったらしく、
最終的には100億円稼ぎそうだとか…。
もちろん内容としても面白かったので、妥当な評価だとも思いますが、
去年は『花より男子F』『容疑者Xの献身』『相棒』が大ヒットしたこともあるし、
やっぱりテレビドラマの劇場版のひとり勝ち感は否めません。
今や本業がイマイチなテレビ局は威信をかけて地上波で宣伝してくれるし、
穿って見れば、他の映画に比べてフェアじゃない気もします。
でも同じ劇場版でも『特命係長 只野仁』や『エリートヤンキー三郎』は
おもいっきりコケたし、一概には言えませんが…。
そして今日、またテレビドラマの劇場版が公開になりました。
でもこの映画が上記の作品と一線を画すのは、NHKのドラマってこと。
民放局じゃないから自局で『ROOKIES -卒業-』みたいな節操のない宣伝はできません。
ろくな宣伝なしでどのくらいの興行成績が残せるか、ちょっと楽しみです。

ハゲタカ

2009年6月6日公開。
NHKテレビドラマ『ハゲタカ』の劇場版。

投資家から募ったファンドで徹底した合理主義を貫き、企業を買いたたいく“ハゲタカ”の異名を取っていた鷲津政彦(大森南朋)は、閉鎖的な日本のマーケットに絶望して海外生活を送っていた。そんな鷲津のもとへ盟友・芝野健夫(柴田恭兵)が現われ、日本有数の大手自動車会社を巨大ファンドによる買収の危機から救ってほしいと頼む。

2007年に放映されたNHKのテレビドラマ『ハゲタカ』は
社会派作家・真山仁の経済小説『ハゲタカ』『バイアウト』をドラマ化したものです。
小説の映像化作品には珍しく、"原作よりも面白くなっている"と専らの評判で、
国内外の賞を数々受賞するほどの傑作ドラマでした。
バブル経済崩壊後の日本をハゲタカ(外資系投資ファンド)の視点から描いた作品で、
日本の有名企業をモデルにした架空の企業が外資の敵対的買収にさらされるという
ただの作り話とは思えないリアリティと、05年~07年ころに一躍時の人となっていた
村上ファンドやホリエモンといった虚業家、拝金主義者たちを揶揄する内容が面白く、
それ以上に日本人としての誇りを喚起させるような人間ドラマが魅力的なドラマです。
好評のうちに幕を閉じた傑作ドラマが2年のときを経て劇場版としてまさかの復活。
それが本作です。

時事をふんだんに盛り込んだ物語で好評だったドラマですが、本作もそれを踏襲。
続編の原作小説『レッドゾーン』をベースにはしているものの、激動の金融業界です。
公開時の情勢に沿った物語にするために何度も脚本を書き換えたんだそうで、
その甲斐あってか、今の世界情勢にほぼ近い、臨場感のある内容に仕上がっています。
とはいえ物語の舞台は2008年です。
サブプライムローンに端を発するリーマン・ショック前後の物語で、
中国の経済成長、100年に一度の世界金融危機、世界同時株安、オイルマネーなど、
激動の昨今ではちょっと懐かしいトピックスな感じさへ受けますが、
そこに夏の総選挙でも争点になるであろう労働者派遣法、雇用不安、格差社会など、
タイムリーな話題も盛り込まれて、資本主義社会の負け組みであるボクとしても
身につまされる内容で、面白いというより、重厚な印象を受ける映画でした。
本作は日本の大手自動車会社を中国の政府系ファンドが買収する話ですが、
先日報道されたGMの"ハマー"ブランドを中国企業に売却するというニュースは
映画公開時期を計ったかのようにタイムリーな話題ですね。
日本の自動車会社だって他人事じゃないですよ。

本作に登場するアカマ自動車はトヨタがモデルでしょうね。
日本の基幹産業であり日本経済の象徴である自動車会社が中国に買い叩かれる、
圧倒的資金力の中国政府系ファンドから日本の誇りをどう守るかが見所ですが、
貧困層のボクにとっては日本の自動車産業なんてどうでもいいです。
どんだけ働いたってプリウス買えるわけじゃなし…。
むしろ昨今の大規模な派遣契約の打ち切りや、解雇・雇い止めなど、
幻滅することの方がよっぽど多いです。
"アカマの中でね、派遣を扱う部署って人事部じゃないんだ、調達部だよ"
劇中の派遣工のセリフですが、労働者が部品のように扱われる現状、
ボクは派遣労働者じゃないけど、弱者としてズシンとくる言葉です。
製品を欠陥をチェックするように派遣工の欠点を記した名簿が出てくるシーンでは、
その不愉快さで吐きかけました。あんな名簿は実際にあると思います。
まぁその状況を作り出した労働者派遣法の製造業解禁をした小泉政権に
なんともいえない憤りを感じますけどね。
若者だけじゃなく、年金制度にしたって高齢者を安い労働力にするための制度でしょ?
諸悪の根源の分際で、党の世襲制限の方針を無視してまで息子を選挙に出す気だし、
誰かあいつの横暴を止めてください。
ついでに言うと、まるで応援するかのように、その息子の兄の初主演連ドラを
選挙期間にぶつけるように放送しようとしているテレ朝もクソです。

あぁ、話が完全に脱線しました。ちゃんと感想を…。
とりあえず、日本人ならきっと何かを感じるであろう重厚で濃い内容の映画です。
中国政府系ファンドとの攻防だけでなく、リーマンをモデルにした企業が登場したり、
今の不況の現況であるアメリカに一泡吹かせるというような爽快な展開もあったり、
娯楽映画としてもなかなか面白く仕上がっていると思います。
みんなにオススメしたい作品だけど、ドラマの劇場版ってのがネックですね。
ドラマ見てないと面白さが2/3くらいになるかもしれません。
なにせドラマは、評価は高いけど、視聴率は高くなかったですから…。
とはいえ公開日ということもあってか、中規模な劇場はほぼ満席でした。
ドラマ見た人はみんな期待してたんですね。

役者も主演の大森南朋をはじめ、派手さはないが実力派の渋いメンツ。
下手にトレンディ俳優に頼らないのがNHKの良さですね。
(最近の大河ドラマはそうでもないけど…。)
一番よかったのは柴田恭兵、もともと暑苦しくて苦手だった俳優ですが、
この芝野役は物腰の柔らかい中にも熱いものを感じさせる彼のハマリ役です。
ドラマ版では彼が真の主役みたいなものでしたが、本作は出番少な目かな?
それに、誰が主役って感じでもなかったですね。
劇場版からの登場となる"赤いハゲタカ"劉役の玉山鉄二の起用に関しては、
ちょっと興行的なチョイスのような感じもしてましたが、
クールでありながら、なかなか壮絶な演技で単純にかっこいいです。

原作小説はシリーズの続編があるみたいだけど、映画はどうかな?
ジャパン・パッシングされる中で、日本の市場になんて魅力なくなってるし、
もう日本ではハゲタカなんて風潮もなくなっているような気もするけど…。

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