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GODZILLA ゴジラ

ついにハリウッド再リメイク版『GODZILLA』の日本公開日です!
ボクはゴジラ映画が大好きなのですが、東宝が採算が取れなくなったとして、
2004年の『ゴジラ FINAL WARS』を最後にシリーズから撤退してしまい、
もうゴジラ映画の新作は一生観れないかもしれないと諦めていました。
(この時の東宝に対する憤りは凄まじいです。しかも最後があんな駄作とは…。)
ところが2009年、レジェンダリー・ピクチャーズが『ゴジラ』の再リメイクを発表し、
ボクは小躍りするほど喜びました。
おそらくその前年に公開された怪獣映画『クローバーフィールド』の大ヒットが
『ゴジラ』を再リメイクさせる引き金となったのでしょう。
日本の怪獣映画(とロボットアニメ)のオマージュ作である『パシフィック・リム』も
たぶん同じような動機で企画されたものと思われますが、
ハリウッドは空前の怪獣映画ブームになっているのかもしれません。

再リメイクされた『GODZILLA』は、見事に全米で初週末1位を奪取し、
約2億ドルの大ヒットとなり、日本に先駆けて世界61か国で公開され、
60か国で初登場1位を記録し、世界興収も約5億ドルの世界的大ヒット。
ゴジラ映画ファンとしてはとても嬉しいことです。
そして世界を魅了したゴジラが満を持して日本に凱旋したのですが、
ちゃんと日本でも初登場1位を取れるのかが心配で…。
当然レジェンダリーも日本での興収に大きな期待を寄せているはずですが、
ファンとしてはゴジラを甦らせてくれた彼らに報いたいです。
中国での総興収を超える80億円規模のヒットが望ましいですが、
それはかなり難しいので、せめて50億円には届いてほしいところ。

…なんて思っても、ボクひとりでは千数百円しか報いることはできません。
それでも少しでも貢献しようと思って、周りの人に声かけしています。
普段ならひとりで観に行くところですが、今回は知人を誘って観に行きました。
まぁそれでも微々たる金額にしかなりませんが、チリも積もればなので、
是非ゴジラ映画ファンを自負する方々は、ひとりでも多くの人を誘って観に行きましょう。
ゴジラ映画ファンじゃない人も、騙されたと思って観に行ってください。
本作こそが夏休み映画で最高の作品だと確信しています。

ということで、今日は最高の夏休み映画の感想です。
思い入れが強すぎて、きっと1000行あっても書き足りませんが、
できるだけ短めに書きたいと思います。

GODZILLA ゴジラ
Godzilla.jpg

2014年7月25日日本公開。
日本の怪獣映画『ゴジラ』をハリウッドが再リメイクした超大作。

1999年、日本。原子力発電所で働くジョー(ブライアン・クランストン)は、突如として発生した異様な振動に危険を感じて運転停止を決意。だが、振動は激しさを増して発電所は崩壊し、一緒に働いていた妻サンドラ(ジュリエット・ビノシュ)を亡くしてしまう。それから15年後、アメリカ軍爆発物処理班の隊員である、ジョーの息子フォード(アーロン・テイラー=ジョンソン)は、日本で暮らす父を訪ねる。原発崩壊事故の原因を調べようと侵入禁止区域に足を踏み入れた二人は、そこで思いも寄らぬ光景を目にする。(シネマトゥデイより)



本作はゴジラ映画のハリウッドでの2度目となるリメイク作品ですが、
1度目は1998年にローランド・エメリッヒ監督により撮られ、
世界興収約3.7億ドルの大ヒットを記録するも、かなり酷評されました。
特にファンの憤りは激しく、ボロカスに扱き下ろされていましたが、
一応ファンを自負するボクですが、エメリッヒ版に対しても好意的に思ってました。
当時日本は1995年末に平成ゴジラシリーズが終了し、
1999年末にミレニアムゴジラシリーズが始まるまでのゴジラ映画の空白期間で、
どんな内容であれゴジラが復活したことは単純に嬉しかったし、
パニック映画の巨匠エメリッヒが撮れば、あんな作品になることは予想できたことで、
それほど目くじらを立てるほどのことでもないだろうと思ってました。
外国人にゴジラの本質的なものなんてわかるはずがないと思ってたし、
ハリウッドリメイクがオリジナルと別物になるのは世の常ですから、
端から別物として観れば、普通の怪獣映画としてはそれなりに楽しめました。

しかし再リメイクされた本作を観て、なるほどエメリッヒ版は駄作だったと再認識。
外国人でもちゃんとゴジラを理解している人もいるんだとわかったのです。
ファンのエメリッヒ版へ不満点は主に2つあります。
1つはゴジラのデザインの改変、もう1つはメッセージ性の欠如です。
それが本作では見事に克服されており、エメリッヒ版に愕然としたファンも
納得の出来になっていると思われます。
ボクもこれでこそゴジラ映画、これでこそリメイクだなと感心し、
如何にエメリッヒ版が残念な出来だったのかを思い知りました。

まずゴジラのデザインですが、エメリッヒ版は当時の恐竜ブームを受けてか、
ティラノサウルスみたいなデザインだったのに対し、
本作は誰が見てもゴジラとわかる原作に近いお馴染みのデザインが踏襲され、
その上でちょっとマッスルにアメリカンナイズされて、より強そうになってます。
更に本作のゴジラは過去最高の巨大さを誇ります。
身長約108メートルですが、平成ゴジラも身長100メートルなので、
微々たる差だと思えますが、本作は尻尾が長いため、全長だとかなりの差です。
体格もズングリしているので、一回り以上大きく見え、迫力満点です。

原作の着ぐるみとは違い、フルCGで描かれているため、
着ぐるみでは不可能な動きも可能となり、より滑らかで多彩な動きができます。
特に首周りの可動が改善されたのは、とても素晴らしく感動しました。
着ぐるみも味があるとは思いますが、これほどまでにCGが発達しては、
CGの方がやっぱりリアルに表現できますね。
着ぐるみは使ってないものの、本作のゴジラもモーションキャプチャによって、
人間によって演じられている部分もあり、それがゴジラに単なる動物ではない、
どこかエモーショナルなゴジラらしさを与えていると思われます。
モーションキャプチャの第一人者アンディ・サーキスの仕事に間違いはないです。

メッセージ性についてですが、原作のゴジラは水爆実験により誕生しており、
本来のゴジラには反核のメッセージが込められているのですが、
エミリッヒ版はそれをほとんど無視し、娯楽パニック映画にしちゃってました。
しかし本作は、ちゃんと作品に核のテーマを盛り込んでいます。
反核とまではいえないけど、これは評価すべきことだと思います。
とはいえ本作のゴジラ自身を「核の申し子」として描いているわけではないのです。
後ほど詳しく書きますが、これは日本人との考え方の違いによるところでしょう。
おそらくアメリカ人は、ゴジラを核の脅威のメタファーだとは思っていません。
そもそも被爆国である日本と、核保有国であるアメリカでは、
核に対する捉え方が全く違うのだろうと思います。
しかし、監督ら制作サイドはそこもちゃんと理解していると思います。
ハリウッド映画なのでアメリカ人向けに作られているので、
アメリカ人の感性に合わせた内容にしてはいるものの、
ちゃんと渡辺謙演じる日本人キャラに、日本人的な考え方も代弁させています。
監督のギャレス・エドワーズは低予算怪獣映画『モンスターズ』が評価されて、
自身初のメジャー超大作となる本作の監督に大抜擢されたのですが、
なんでも彼はBBCのドキュメンタリー「HIROSHIMA」にも関わっていたそうで、
その経験から日本人の核に対する意識も理解しているのではないでしょうか。
でもゴジラ映画に反核のテーマが不可欠と考えるファンにしてみれば、
エメリッヒ版よりはマシでも、まだまだメッセージ性が弱いと思うかもしれません。
ボクはあまり説教臭くなるのは嫌なので、この程度でも十分でしたが。

お馴染みのデザインで復活したゴジラですが、少し残念に思ったのは、
本作に「ゴジラのテーマ」が使われていないことです。
やっぱりあの曲が流れないゴジラ映画は、ちょっと物足りないです。
本作も音楽には力を入れているとは思いますが、
鑑賞後に思い返してみても、どんな音楽だったか全く印象に残ってません。
たしかにあのおどろおどろしい曲は、ゴジラの恐怖の象徴なので、
娯楽性の強い本作のゴジラには似つかわしくない気もしますが…。
以下、ネタバレ注意です。

1999年、フィリピンのユニバーサル・ウェスタン鉱山で崩落が起きます。
未知の生物を調査する国際組織「モナーク」の科学者である芹沢は、
放射能が充満する穴の中を調査し、超巨大生物の化石と、巨大な卵を発見。
卵のひとつはすでに孵化し、何かが這い出た跡が海まで続いており…。
渡辺謙演じる芹沢ですが、『ゴジラ』の重要人物・芹沢博士のオマージュですね。
ただ同じなのは名字だけで、キャラ設定はかなり違います。
ちなみにフルネームは芹沢猪四郎で、名前は昭和ゴジラの監督であり、
ゴジラの生みの親のひとりである本多猪四郎監督から拝借しているようです。
このあたりも原作に対する粋なオマージュでよかったのですが、
『ゴジラ』の主人公を演じた宝田明も本作にカメオ出演してもらったにも関わらず、
なんとそのシーンはバッサリ切っちゃったとか…。

同年、日本のジャンジラ原子力発電所に勤める米国人技術者ジョーは、
異常な振動を観測し、原子炉の停止を訴えますが、同僚たちから無視されます。
東日本大震災以後だったら、全く無視されるなんてことは考えにくいですが、
震災前の1999年なので、チャランポランな電力会社ならあり得るかも。
ジョーの妻で原発技術者のサンドラは、夫の言葉を信じ、原子炉を点検しますが、
そんな時、大きな振動が発生し、原子炉が破損して放射能が漏れ出します。
ジョーは妻を原子炉に残したまま、防護壁を閉めることを余儀なくされ…。
この防護壁越しの夫婦の最後のやり取りは、ちょっと泣ける展開でした。
その後、原子炉が次々と崩壊し、近所の小学校ではジョーの幼い息子フォードが、
その様子を唖然としながら見ていました。
それにしてもジャンジラ原発って、変なネーミングですよね。
たぶんジャパンとゴジラを合わせたのだと思われますが、ネタがセンシティブなだけに、
実際にありそうな地名や実際の原発の名前は使えなかったんでしょうね。

それから15年後の2014年、成長したフォードは米海軍で爆発物処理をしています。
彼は久しぶりに休暇をもらい、妻子が待つサンフランシスコの自宅に戻りますが、
領事館から父ジョーが日本で逮捕されたとの一報を受け、妻子を残し日本に飛びます。
ジョーは妻が死んだ原発事故の真相を究明するため、ずっと日本にいましたが、
最近また異常な振動を観測し、調査のため退避区域に無断で侵入し、逮捕されました。
彼は原発側が事故について何かを隠蔽していると考えているようです。
なんだか日本のイメージが悪くなるような展開なので、ちょっと勘弁してほしいですが、
実際に福島の原発事故でも東電の隠蔽体質は問題になってるし、
原発側が何か隠蔽しているに違いないと思う心境はよくわかります。

フォードは警察から父ジョーの身柄を引き取りますが、ジョーは調査を諦めておらず、
仕方なくフォードも一緒に退避区域を調査してあげることに…。
退避区域内にある昔の自宅から、15年前の調査データを持ち出した2人ですが、
武装した警官に捕まり、原発跡地に建造された謎の研究施設に連行されます。
そこは芹沢たちモナークの管理する秘密施設であり、
実は退避区域はこの施設を隠すために設けられたものだったのです。
区域内では野犬が元気に走り回っていますが、実際に空気も正常でした。
放射能漏れ事故から15年も経てば汚染も収まるのかと思いましたが、
放射能汚染がそんな簡単に解消するはずなく、この場所にはある秘密があります。
なんと施設内に放射能を吸収する巨大な物体が管理されていたのです。
この物体が原発の地中に潜んでいたため、原発事故が起きたのですが、
ボクはこの物体がゴジラなのかなと思いました。
ところがこの物体が急に強い電磁波を発して、動き始めるのです。
どうやら何かの繭のようですが、突き破って出てきたのが節足動物的な足で…。
この物体は「ムートー(MUTO)」という本作オリジナルの新怪獣だそうです。
(MUTO:Massive Unidentified Terrestrial Organism:巨大未確認陸生生物)

ボクは本作を楽しみたくて、一切のネタバレに触れないように注意していたので、
新怪獣が出るなんて情報も知りませんでした。
予告編でも新怪獣の存在は隠してくれていたので、新怪獣の登場は意外でしたが、
嬉しいかと言えば、そうでもなく、むしろ少し残念だったかも…。
『ゴジラ』のリメイクだと思っていたので、ゴジラだけに焦点が当たると思っていたし、
リブートの第一弾なのだから、他の怪獣との対決は続編のお楽しみにして、
とにかくゴジラを中心に、ゴジラの脅威を描いてほしいと思ったからです。
しかもこのムートーですが、正直デザインがイマイチ…。
おそらく元ネタは『ゴジラ』でゴジラに付着していたトリオバイト(三葉虫)で、
それを怪獣化したものだと思うのですが、どうもショボいんですよね…。
『エヴァンゲリオン』の使途にいそうで、『ゴジラ2000』のオルガに似ていて、
『クローバーフィールド』の怪獣っぽくて、なんだか在り来たりなデザインだけど、
虫型怪獣のくせに腹部以外はあまり虫っぽくないのも気に入りません。
ムートーのように変態する虫型怪獣と言えば、モスラやバトラ、メガギラスなど、
本家ゴジラ映画シリーズにもいるので、どうせならそこから流用してくれた方が、
ファンとしては有難かったかもしれません。

しかもこのムートーですが、本作ではゴジラよりも活躍している気が…。
繭から羽化したムートーは施設を破壊し、どこかに飛び立ちますが、
その後、ハワイの近くで原子力潜水艦を襲撃するのです。
ムートーは放射能をエサにしている怪獣なので、原発や原潜を襲うのですが、
そんな行為は「核の申し子」ゴジラの専売特許じゃないですか…。
更にムートーはハワイで電車を襲ったりもするのですが、それもゴジラの持ちネタで、
むしろムートーの方が原作のゴジラに近い設定のように思えます。
それに本作は、完全にムートーの方が人間の脅威として描かれているため、
それに相対することになるゴジラは必然的に人間の味方のような印象になり…。

ムートーの施設破壊に巻き込まれた父ジョーは重傷を負い、息を引き取ります。
ムートーが飛び去った後、施設は米海軍の管理下に置かれ、
フォードはモナークの芹沢と一緒に米海軍空母サラトガに乗船することになり、
飛び去ったムートーの捜索をすることになるのです。
艦内で芹沢は、フォードにムートーとゴジラについて語るのです。
太古の昔、地球上の放射能濃度は今の10倍以上あり、
その放射能をエサにゴジラやムートーのような怪獣が地上を跋扈していたが、
次第に地上の放射能濃度が低下して、怪獣たちは絶滅していきます。
残った僅かな怪獣は、ゴジラのように海底深くに潜ったり、
ムートーのように地中に潜ったりして、地核の放射能で何とか生き延びます。
しかし太平洋戦争での原爆使用や原発事故により、地上の放射能濃度が上昇し、
1954年にゴジラが海上に姿を現し、潜水艦ノーチラス号が発見します。
人類はモナークを組織し、核実験を装って、ゴジラを核攻撃するのですが、
放射能をエサとする古代生物のゴジラには通用しなかったようです。

そんなゴジラの天敵がムートーですが、
殺したゴジラの化石と一緒にフィリピンの地中に埋まっていた
ムートーの繭と卵が1999年の鉱山崩落で露わとなり、
卵から孵化した幼虫が放射能を求めて日本のジャンジラ原発の地下に棲みつき、
電磁振動で原発事故を起こし、放射能を吸収して繭になり、
それをモナークが管理、調査するため原発跡地に研究施設を作ったみたいです。
放射能を吸収してくれるなんて、ちょっと有難い怪獣な気もしますが、
自分で原発事故を起こすのはやっぱり困ったものですね。
フォードはなぜ繭のうちにムートーを殺さなかったのか芹沢に迫りますが、
芹沢は放射能を吸収する怪獣を貴重な研究対象だと思っていたみたいで、
彼は『ゴジラ』でゴジラを殺した芹沢博士よりも、ゴジラを研究対象として考え
ゴジラ殺傷に反対していた山根博士に近い設定かもしれませんね。
芹沢が「ガッズィラ」ではなく、ちゃんと「ゴジラ」と発音してくれるのも嬉しいです。

ハワイ付近で空母から降り、妻子の待つサンフランシスコに帰宅するため、
ホノルル空港に向かうフォードでしたが、そこでまたしてもムートーに遭遇。
しかしその時、ゴジラがワイキキに上陸し、ムートーに襲い掛かるのです。
上映開始から約1時間、やっとゴジラがその全容を見せました。
いやー、やっぱりムートーなんかとは違って、めちゃめちゃかっこいいです。
ゴジラが上陸するだけで大規模な津波が起こるのですが、
ゴジラの強大さがよくわかるド迫力の登場です。
そしてあの体の芯が痺れるような咆哮、…堪りませんね。
ただ、このホノルルでのバトルはあまり描かれません。
すぐにゴジラとムートーが去った後の荒廃したホノルルの光景に変わります。
状況から考えると、羽化したばかりのムートーにはゴジラと戦う力はなく、
アメリカ本土の方へと早々に飛び去り、ゴジラが泳いで追いかけたようです。

ちょっとビックリしたのですが、空母サラトガが泳いでるゴジラと並走して、
一緒にムートーを追いかけるんですよね。
目に付くものはぶっ壊す、暴れん坊な日本のゴジラと違って、
本作のゴジラは無意味に何かを破壊したり、人間を攻撃したりしないみたいで、
どうやら標的もムートーだけのようなのです。
こんな優しいゴジラなんて、なんだかちょっと残念です。
ボクもそうですが、日本人はゴジラには悪役を望んでいるはずです。
もちろん『ゴジラ』でも人類を脅かす恐怖の対象だったし、
他のゴジラ映画でも、基本的には人間の敵だったはずです。
人類を襲う悪い怪獣を倒して、結果的に人類を救うことも多かったですが、
それは人類のためではなく、怪獣同士の縄張り争いみたいなものだったし…。
特にボクはモスラが好きなので、ゴジラには最凶の悪役でいてほしいです。
本作のゴジラなんて、まるでモスラですよ。(悪い意味で。)

東へ飛び続けるムートーですが、どこへ向かっているのかが予測できません。
しかし芹沢は死んだジョーが生物音響学で退避区域を調査していたのを思い出し、
ムートーが電磁波で何かと交信していたのではないかと考え、
慌ててネバタ州のユッカ・マウンテン核廃棄物処理場に電話します。
その処理場には、1999年にフィリピンで見つけたムートーの繭が隠してあって、
そのムートーと交信しているのだと気付いたのです。
…が、時すでに遅く、処理場のムートーは羽化し、
ラスベガスを破壊しながら、サンフランシスコへと向かっていました。
羽化といっても、こちらのムートーには羽はありません。
しかし身長は90メートルほどあり、飛行中のムートーの2倍ほどの大きさです。
腹には卵の持っていて、こちらのムートーはどうやら雌だったようで、
繁殖のために、雄のムートー(飛行中)の成長を冬眠して待っていたようです。
芹沢は2体がサンフランシスコで合流し、繁殖するつもりだと気付きます。

空母サラトガのステンツ提督は、核ミサイルを餌にサンフランシスコ湾沖に
ムートー2体とそれを追うゴジラを誘い出して、3体まとめて核で殺そうと考えます。
芹沢はゴジラには核兵器が効かないのは実証済みだと反対しますが、
提督は昔とは違ってメガトン級の核兵器だから大丈夫だと自信満々です。
しかし芹沢は、やはり核兵器は使用するべきではないと食い下がるのです。
実は彼の父親は、太平洋戦争での広島への原爆投下で亡くなっており、
核兵器を怪獣以上に恐ろしいものだと考えているのです。
これは被爆国である日本人にはとてもよくわかる心情ですよね。
ちょっと困ったからってすぐに核を持ち出すのは、核保有国の傲慢だと思います。
では芹沢はどのように怪獣を対処すればいいと考えているのかと言えば、
放っておけばゴジラがムートー2体を倒してくれるという他力本願で…。
「人間が傲慢なのは自然が人間の支配下にあり、その逆ではないと考えている点だ」
と芹沢は言うのですが、つまり自然から生まれたゴジラに任せれば、
勝手にムートーを倒して、自然のバランスを取ってくれるという発想なのです。
たしかに本作のゴジラの設定は、超古代生物の生き残りなので、
今までのように恐竜や爬虫類が核実験により怪獣化したわけではなく、
自然な存在だと言えるかもしれませんが、ゴジラには「核の申し子」であってほしいし、
まるで地球のバランサーで人類の味方みたいな設定は、なんか嫌です。
もしゴジラが地球のバランサーであるなら、やはりゴジラが攻撃するべきは
自然を自分たちの支配下だと思い私物化する傲慢な人間でないとおかしいです。
むしろムートーは天敵ではあるが、超古代では一緒に生息していた仲間ですよね。

ホノルルから米海軍の輸送機に同乗し、カリフォルニアまで戻って来たフォードは、
エサとなる核ミサイルを積んだサンフランシスコ行きの列車を見付け、
「俺は爆弾処理の専門家だから連れて行けば役に立つ」と名乗り出ます。
フォードは別にムートーと戦うつもりはありませんが、
その列車に乗れば自宅のあるサンフランシスコに戻れると考えたのです。
まんまと乗せてもらうことに成功しますが、途中で列車がムートー雌に襲撃されます。
そんな美味しそうな餌(核ミサイル)を乗せていれば襲撃されて当然ですが、
しかしフォードは行く先々でムートーに遭遇する不運な男ですね。
列車ごと陸橋から川に転落するも、流れ着いた川下で米軍に助けられ、
オークランド作戦司令部に連れて行かれ、怪獣消滅作戦に参加することになります。

その頃、ゴジラはサンフランシスコ湾に到着。
米軍はゴジラの上陸を防ごうと、ゴールデンゲートブリッジで迎え撃ちますが、
全く攻撃が通用せず、ゴジラの上陸を許してしまいます。
そこにムートー雄も飛来し、船に積み込んでいた核ミサイルを奪い去り、
続いて現れたムートー雌に渡すのです。
核ミサイルを受け取ったムートー雌はその場に穴を掘り、産卵します。
特にムートー雄との生殖行為はなかったように思うのですが、
核の放射能エネルギーさえあれば、繁殖は出来るということなのかな?
それとも核ミサイルを受け渡した時の口移し(キス)が生殖行為だったとか?

ムートーは電磁パルスで電子機器を無効化してしまうので、
核ミサイルの起爆もアナログタイマーを使いますが、すでにタイマーは起動済みで、
このままではサンフランシスコで核爆発が起こってしまいます。
米軍はムートー雌が作った巣から核ミサイルを奪還する必要がありますが、
電子機器は使えないので軍用車で地上から接近するのは不可能なため、
電磁パルスの届かない高度から巣に降下する「HALO作戦」を実行し、
フォードもその作戦に参加します。
巣も守ろうとムートー雌がゴジラと戦っている隙に、核ミサイルを運び出し、
フォードは巣を卵ごと爆弾で焼却することに成功します。
巣が爆発して慌てて巣に駆け寄るムートー雌の姿が少し可哀想でした。
怪獣とはいえ情のある動物なんだなと感じましたが、興味深い描き方です。
考えてみれば勝手に悪者扱いされてますが、彼らは人類を滅ぼす気はなく、
動物として当たり前に子孫繁栄させようとしているだけなんですよね。
それにしても核は平気なのに普通の爆弾で焼却される卵って…。

ムートーとゴジラのバトルですが、見るからにゴジラの方が強そうで、
実際にゴジラの方が強いのですが、2対1なのでなかなかいい勝負になります。
徐々にゴジラが押され始めますが、ここでついにゴジラの必殺技、
放射熱線がムートー雌に炸裂します。
エメリッヒ版のゴジラは放射熱線も使えませんでしたが、
やっぱり放射熱線を吐けてこそのゴジラだなと思いましたね。
日本のゴジラは着ぐるみなので動きに多様性がなく、
放射熱線を乱発することが多かったですが、本作のゴジラは肉弾戦もいけるので、
放射熱線は本当に取って置きの必殺技という感じでよかったです。
ムートー雄には放射熱線は使わず、尻尾アタックでノックアウトするのですが、
こんなの食らったらひとたまりもないと思うほどの大迫力の一撃でした。
しかし強力すぎて、近くの超高層ビルも巻き込んでしまい、
ゴジラは倒れてかかる高層ビルの下敷きになってしまいます。
いやー、108メートルのゴジラを見下ろすような高層ビルが沢山あるんだから、
さすがは大都会サンフランシスコって感じですよね。

フォードは核ミサイルを船に積み込み、沖を目指して出航しようとしますが、
彼の行く先にムートーありで、またしてもムートー雌が現れ船を攻撃しようとします。
しかしそこに高層ビルの崩落から脱出したゴジラが止めに入り、
ムートー雌の口を抉じ開け、口移しで放射熱線と注入。
あまりの破壊力にムートー雌は首がもげて死んでしまうのです。
いやー、なんだかめちゃめちゃ斬新な倒し方で、とても面白かったですが、
これも着ぐるみの可動域では不可能な攻撃で、本作ならではですね。
ムートーを2体とも屠ったゴジラですが、疲労からか倒れ込んでしまうのです。
結果、怪獣3体が潰し合って3体ともダウンしたことになりますが、
これで全ての脅威が去ったわけではなく、核ミサイルのタイマーは進み続けます。
フォードは自爆覚悟で沖に船を走らせるのですが、米軍のヘリにピックアップされ、
核爆発の直前に間一髪で米軍ヘリから救出してもらいます。
それほどサンフランシスコから離れた海上でもないように思うんだけど、
あんなところで核爆発が起きても街は大丈夫なのかな?
フォードは妻子と再会し、ハッピーエンドです。

その後、ダウンしていたゴジラも目を覚まし、そのまま海に帰って行きます。
やっぱりゴジラはムートーを倒すことだけが目的だったみたいです。
そして人々から救世主として崇められるのですが、
再三いうようにゴジラが救世主なんてやっぱり納得できません。
ゴジラには人間から畏怖される破壊神であってほしいです。
すでに続編の制作は決まっているのですが、ゴジラの悪役復帰を期待したいです。
でもアメリカ人はゴジラが悪役になることを望んでいないのかもしれません。
なにしろ戦後、反戦、反核映画として誕生した『ゴジラ』では、
ゴジラは空襲や原爆のメタファーであり、それはつまり米軍のメタファーだから、
ゴジラを悪役にするのは反米映画も同然ですからね。
こんな凄いゴジラ映画撮られてしまったら、もう日本でのゴジラ復活は望めないし、
近い将来、世界的にゴジラはハリウッドのものと思われるようになりそうです。

コメント

もうご存知かと思いますが...

日本では賛否両論ありますが初週1位を飾れたようです。
新怪獣は今ひとつでしたが私的には大満足でした。
続編にはキングギドラ・ラドン・モスラが出るようです。
キングギドラが好きなので待ち遠しいです。

  • 2014/07/29(火) 17:59:01 |
  • URL |
  • ドラット #-
  • [ 編集 ]

Re: もうご存知かと思いますが...

なんだか余裕で1位だったので、完全に杞憂だったみたいです。
でも目標は総興収50億円なので、まだまだ予断は許しません。

ボクも評判が気になって、各所のレビューを読んだのですが、
コアなゴジラ映画ファンの人ほど厳しい評価だったように思います。
やはり核や戦争というメッセージ性の希釈に異論が多いようです。
それと原発事故の描き方に対する批判も多いですね。
まぁ被爆国であり、福島の原発事故も経験した日本人としては
そう考えてしまうのも無理からぬことだと思いますが、
本作は別に日本人向けに撮られているわけではない、
ということは理解しておくべきだと思います。
日本人向けのゴジラ映画の制作はハリウッドではなく東宝の仕事です。

キングギドラ、ラドン、モスラの次回作登場はもちろん楽しみです。
でも、『三大怪獣 地球最大の決戦』と同じ面子になるわけですが、
ゴジラ&ラドン&モスラVSキングギドラにはしないでほしいです。
むしろ金子ゴジラのように、悪いゴジラVS三怪獣な構図だと嬉しいです。
というか正直、観てのお楽しみがよかったので、
登場怪獣の予告なんてしないでほしかったかな。

  • 2014/07/29(火) 20:50:22 |
  • URL |
  • BLRPN #-
  • [ 編集 ]

ゴジラ愛が伝わってきますね。

  • 2014/08/18(月) 11:37:20 |
  • URL |
  • CHARADE #HfMzn2gY
  • [ 編集 ]

Re: CHARADEさん

いやいや、ボクのゴジラ愛なんてまだまだです。
先日も、あべのハルカスで開催されていた「ゴジラ博」に行ったのですが、
こんなものに入場料1000円も取られるのか、落ち込んだくらいなので、
そこまで熱心なゴジラファンではないと自覚しました。
まぁ「ゴジラ博」の内容の薄さは尋常ではなかったので、
むしろゴジラファンだからこそ満足できなかったのかもしれません。

  • 2014/08/19(火) 20:24:49 |
  • URL |
  • BLRPN #-
  • [ 編集 ]

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