消費増税とかサッカーW杯とか、あと個人的なこととか、残念なことが多い半年でした。
でも上半期の映画生活はなかなか充実していて、
特に大好きなアメコミ映画が5本以上も公開されたのは至福でした。
そして一番のトピックスは何を置いても『アナと雪の女王』のギガヒットでしょうね。
なにしろ上半期の週末ランキングの半分以上で1位を取っていますから、
これを観ずして上半期の映画なんて語れません。(まさか先週末まで1位とは…。)
『アナと雪の女王』が牽引して、昨年の実績を大幅に上回った上半期映画興行ですが、
その反面、実写日本映画がかなり低迷していたそうです。
特に近年ひとり勝ち状態だった東宝作品の低迷が激しいようで、
6本もの実写作品が及第点(10億円)に届かず、コケたみたいです。
あの東宝でもダメなら他の配給会社なんて言わずもがなでしょう。
ボクもコケた東宝作品6本のうち5本のスルーに成功しましたが、
不覚にも観てしまった1本はたしかに駄作で、他の5本の出来も推して知れます。
昨年だったらあと2本くらいは地雷を踏んでいたところですが、
日本映画に対しての駄作回避能力が少し身に着いた気がして、少し嬉しいです。
映画ファンとしては日本映画の低迷は憂慮すべきで喜んでる場合じゃないんだけどね。
でも勘が外れて駄作を観てしまうより、勘が外れて佳作を観逃すことの方が怖いです。
上半期で言えば、『小さいおうち』を危うくスルーしかけました。
同作がベルリン映画祭で銀熊賞を受賞したことで、観逃がさずに済みましたが、
外国から観ておくべき日本映画を教えられるなんて、日本人として情けないです。
ということで、今日も外国から教えてもらった映画ファン必見の映画の感想です。
私の男

2014年6月14日公開。
桜庭一樹の小説を、熊切和嘉監督が映画化。
奥尻島に猛威を振るった津波によって孤児となった10歳の花(山田望叶)は遠い親戚だという腐野淳悟(浅野忠信)に引き取られ、互いに寄り添うように暮らす。花(二階堂ふみ)が高校生になったころ、二人を見守ってきた地元の名士で遠縁でもある大塩(藤竜也)は、二人のゆがんだ関係を察知し、淳悟から離れるよう花を説得。やがて厳寒の海で大塩の遺体が発見され、淳悟と花は逃げるように紋別の町を去り……。(シネマトゥデイより)
本当は観る気が全くなく、スルーする気満々だった本作ですが、
28日に第36回モスクワ国際映画祭のコンペ部門で最優秀作品賞を受賞したので、
映画ファンとしてはスルーできない作品になってしまい、慌てて観に行きました。
昨年(第35回)でも、スルーのつもりだった『さよなら渓谷』が審査員特別賞を受賞し、
慌てて観に行ったのを覚えていますが、まさか2年連続で慌てることになるとは…。
本作がモスクワ映画祭に出品されているのは報じられていましたが、
2年連続で日本映画が賞を獲るなんてことはあり得ないと思っていたので、
本作が最優秀作品賞を受賞したと聞いてビックリしました。
モスクワ映画祭は日本映画とは少し縁遠い映画祭だと感じていたので尚更です。
モスクワ映画祭といえば、末席とはいえ世界四大映画祭のひとつです。
サッカーW杯では世界との差をまざまざと見せつけられましたが、
そんな国際的な舞台で日本の作品が高く評価されたことはとても喜ばしいことですね。
本作を観た日は、オスカー受賞作『her/世界でひとつの彼女』を観る予定でしたが、
受賞の報を聞いて、慌てて予定を変更しました。
慌てたのは、まだ公開3週目の本作ですが、いまいち人気がなかったようで、
近所のシネコンでの本作の上映回数が日に一回だけになってしまい、
今週中に観ないと上映終了して見逃すことになるかもしれないと思ったので、
何を置いても最優先で観に行く必要があると思ったからです。
でも冷静に考えたら、最優秀作品賞を受賞して注目が集まった美味しい作品を、
映画館が上映終了させるはずなく、逆に今週末からは拡大公開されるかも。
現にボクが観たのは日曜日のレイトショーだったにもかかわらず、
受賞の報を受けてか、かなり大勢のお客さんが入っていました。
モスクワ映画祭で受賞したことよりも、その受賞がテレビなどで報じられ、
はじめて本作の存在を知って観に来た人が多かったのではないかと思います。
ひとつ言えることは、本作を一日一回上映に上映縮小した映画館は、
本作の受賞を全く期待して(予想できて)なかったってことでしょうね。
日本映画が権威ある国際映画祭で最優秀作品賞を受賞したことは喜ばしいけど、
本作をスルーする気満々だったボクは、もちろん本作に興味がなかったわけで、
映画ファンとして観に行かなきゃいけなくなったのは、正直面倒でした。
以前から予告編は何度か観る機会がありましたが、あまり面白そうには感じず、
というか苦手そうな内容で、こんなの絶対観たくないと思っていたので…。
退廃的な文学作品という印象を受けたので、娯楽映画好きのボクには辛そうで…。
なにより近親相姦という禁断の愛が題材だとわかり、嫌悪感を覚えました。
ボクは近親相姦ネタが大嫌いなんですよね。
だけど最近やたらと目にする機会が多く、公開中の『サード・パーソン』や『渇き。』でも
近親相姦ネタが使われていたので楽しめませんでした。
(ある意味では『ノア 約束の舟』も近親相姦を彷彿とさせるものでした。)
もちろん『サード・パーソン』や『渇き。』が駄作なのはそのせいだけではありませんが、
出来が悪いからこそ衝撃的な近親相姦ネタに安易に手を出してしまうわけで、
近親相姦ネタを使っている時点で、駄作フラグが立っているようなものです。
その点で言えば、本作の原作は仮にも直木賞受賞作。
直木賞は近親相姦ネタのセンセーショナルさだけで取れる賞ではないと思うので、
他の駄作のように安易なものではなく、ある程度の出来は担保されているはず。
それでも近親相姦ネタである以上は、なるべくなら避けたいところです。
しかしいざ観てみると、懸念していたほど嫌悪感はありませんでした。
北海道南西沖地震に遭い、10歳で孤児となった少女・花は、
親戚の男・淳悟に引き取られ、この2人が関係を持つようになる物語ですが、
2人は近親相姦と言えるほど近い親戚でもないなと…。
はじめは花の父親の兄弟(つまり叔父)が淳悟かと思ったのですが、
もう少し遠そうだと感じ、花の父親の従兄弟(つまり叔従父)かなと思ったのですが、
花の父親の従兄弟は別にいるらしく、淳悟はもっと遠いみたいです。
少なくとも親族(6親等以内)ではなさそうで、ほぼ他人と言えるでしょう。
淳悟は小町という女性と交際していますが、彼女も淳悟の親戚のようですが、
たぶん花と淳悟の血縁関係よりも小町と淳悟の方がまだ近い気がします。
なので近親相姦ネタによる嫌悪感はほとんど受けませんでした。
でもできれば淳悟が花のどの程度の親戚なのかはちゃんと描いてほしかったです。
そんな遠い親戚に花が引き取られるなんて、どう考えても不自然なので、
納得できる血縁関係は明示されるべきでした。
近親相姦ではなかったものの、倫理的問題作であることに違いはないです。
なにしろ養女と関係を持つ物語ですからね。
ただボクが近親相姦ネタを嫌うのは優生学上の問題があるからなので、
養女であれ生物学的に他人であれば、それほど嫌悪感は受けません。
もしそこに嫌悪感を感じるならウディ・アレンの作品なんて観れなくなります。
しかし道義的どころか法的にも問題があるのは、花と淳悟の関係は淫行であり、
これも苦手ですが、まだ許容範囲の展開でした。
さすがに10歳の花と淳悟の濡れ場なんて描かれたら眉をひそめますが、
濡れ場があるのは花が高校生になって以降なので、そこまで衝撃はないです。
10歳の花は子役が演じていますが、中学生以降は二階堂ふみが演じているので、
中学時代に揺れ場があってもおかしくなかったと思いますが、
映画としてさすがにそこまで踏み込んだ演出はできなかったのでしょうね。
原作では小学生時代から関係があったみたいですが、本作ではそれも明言されず、
キスはしていたようですが、いつから肉体関係が始まったのかは伏せられています。
とはいえ、かなり濃厚で長尺な揺れ場で、
演技派とはいえ若手女優の二階堂ふみにはちょっと早すぎるかも…。
過激な役柄の多い彼女ですが、ここまで体を張ったのは初めてかな。
かなりエロい揺れ場ですが、どうにも意味がわからないのは、
途中から(室内なのに)血のような水滴が降って来て、
びしょ濡れで赤く染まりながらセックスを続けるという演出です。
どうもこれは本当に降っているわけではなく、血で背徳感を演出しているのでしょうが、
急にそんなぶっ飛んだ演出をされると、「なんだこれ?」ってなります。
おそらくさすがの二階堂ふみも、まだフルヌードはNGのようなので、
行為による過激さな表現には限界があり、それを演出で補おうとしてのでしょうね。
つまりこの役をするには彼女はまだ少し早かったということでしょう。
ただ一度こんな役をしてしまえば、フルヌード解禁も時間の問題です。
若くして体を張った過激な濡れ場に挑んだ二階堂ふみですが、
むしろモスクワで評価されたのは淳悟演じる浅野忠信の方でした。
なんと彼は本作で最優秀男優賞を受賞しています。
どう考えても二階堂ふみの演技による貢献度の方が大きいので不思議ですが、
きっと最優秀女優賞には強力なライバルでもいたのでしょう。
浅野忠信はハリウッド映画『バトルシップ』でも主演した国際的な俳優だし、
ロシア人監督セルゲイ・ボドロフの『モンゴル』でも主演しているので、
モスクワでの認知度も高く、有利だったのかもしれません。
モスクワの審査員が知っているとは思わないが、彼は女性関係にだらしないので、
本作の淳悟役は嵌り役だったような気がしますね。
淳悟と花は17歳差ですが、彼の元カノの仲里依紗との年齢差もほぼ同じだし、
コイツならやりかねないというオーラが滲み出ています。
あ、ボクは浅野忠信は嫌いじゃないですよ。
ただ彼の私生活を理由に、本作にネガティブな評価を下す人も多いので、
むしろその私生活のお陰で作品に説得力が出ているのに…、と思えたのです。
以下、ネタバレ注意です。
震災で孤児となった遠い親戚の女の子・花を引き取った淳悟。
もともとイタズラ目的のロリコンなのかなとも思ったのですが、
彼はただただ家族がほしかったみたいです。
彼の本当の家族は、彼にとってあまりいい両親ではなかったようで、
そのせいで家族愛に飢えていたのかもしれませんし、
家族とはどう接するものなのかも、いまいちわかってなくて、
養女の花と肉体的に関係を持つことで、それが家族と錯覚したのかも。
きっと育った家庭環境のせいで情欲と家族愛の区別が付かないんでしょうね。
淳悟には小町という恋人もいるので、結婚すれば家族ができるのにと思いますが、
どうやら家族に血の繋がりを求めているらしく、他人との結婚ではダメなようです。
でも前述のように小町も親戚なので、他人じゃないじゃないかと思うのですが、
小町は姻戚関係の親戚だったのかもしれませんね。
はじめに相手を誘ったのは意外にも花の方で、
引き取れれてまだ間もない頃に、彼にキスをせがんでいます。
その時点での花の心理はよくわかりませんでしたが、
物語が進むにつれて少しだけ理解できるようになります。
花は震災の時も、避難所で配給された水のボトルを決して手放さず、
自分で飲むでもないのに誰にも分け与えようともしませんでした。
家族も何もかもを津波で失ってしまった彼女は、
もう何も失いたくないと、異常なほどの独占欲が芽生えたのでしょう。
そして新しく手に入れた家族である淳悟にも執着し、
彼を手放さないために肉体関係を望んだものと思われます。
普通なら10歳の女の子がそんな思考をするとは考えにくいですが、
震災が彼女の精神に深刻なダメージを受けたので、普通じゃなくても仕方ないかも。
でもいくら花に望まれても、普通の大人であれば拒むところですよね。
やはり淳悟にはロリコンの気もあると思われますが、そんな大人が多いのも事実。
淳悟は家族として血の繋がりを重視していますが、
もし花がもっと近い親戚だったとしたら、ロリコンでも自制心が働くかも。
中途半端に遠い親戚だから、願ったり叶ったりとばかりに誘いに応じたのかもね。
作品のテーマ的には、花はもっと近い親戚(例えば姪)の方が明確になるし、
衝撃度も増幅されるかもしれないのに、わざわざ微妙な親戚に設定したことで、
淳悟の心境にリアリティを感じれるのかもしれません。
ただやっぱりなぜそんな遠い親戚の養女にするのかは不思議ですね。
しかも淳悟は独身だし、浅野忠信が演じているのでそうは見えないものの、
花を引き取った時の彼の年齢は25歳くらいだったはずで、
20代の独身男性が女の子を養子にするなんて普通は認められません。
淳悟に花を預けることを了承したのは、彼の親戚(花の親戚でもある)の大塩ですが、
大塩は彼に「女と暮らすのとはワケが違うんだぞ」と忠告しており、
彼の女性関係に懸念を抱いている節が見受けられます。
さらに淳悟の家族に問題があったことも知っているようなので、
普通は彼が養女を取るなんて断固反対すると思うのですが…。
大塩は面倒見がよく、淳悟が花を引き取った後もずっと気に掛けています。
花が高校生になったある朝、大塩が淳悟の家を訪ねると、
淳悟と花が登校前に一発やってるところに遭遇してしまい、
2人のただならぬ関係に気付いた大塩は、2人を別れさせようとします。
いやー、6年ちかくもその関係に気付かないなんてあり得ないでしょう。
なにしろ2人は路チューしたりしてますから、噂くらいにはなりそうなものです。
それまでに不審に思っていたのは大塩の娘で淳悟の恋人の小町だけですが、
彼女はお互いの指をしゃぶり合ったりする2人の姿を見て、確信しているはずなのに、
誰にも何も言わずに淳悟と別れて東京に引っ越すなんて考えにくいです。
淳悟を庇ったのかもしれませんが、その後なんの発展もなかったしね。
関係に気付いた大塩は花を別の親戚(叔従父)に預けようと考え、
花に話すのですが、彼女は断固拒否し、その場から逃げてしまいます。
追いかける大塩がたどり着いたのは、流氷の接岸した海岸で…。
花は危険な流氷の上をどんどん海に向かって進み、大塩も仕方なく追います。
その結果、花が意図したかはわかりませんが、大塩は流氷により漂流し、
後に発見された時はコチコチに凍死し、警察は他殺を疑います。
花は「自分がやった」と淳悟に告白し、葬式の後2人で東京に引っ越すのです。
本作をロマンス映画として観るなら、大塩はとんだ邪魔者ですが、
あんないい人はなかなかいませんよね。
流氷に流されながらも、最後まで必死に花を説得しようとするなんて、
本当に彼女のことを気に掛けているんだなと思いました。
それにしても流氷のシーンはすごいですよね。
もちろん低予算なので、特撮やCGではなく本物の流氷の上で撮影してますが、
見事な映像で、ロケーションが素晴らしいです。
(なんと二階堂ふみは本当に氷山の海に飛び込んだとか…。)
流氷だけでなく、雪に覆われた北海道の田舎町の光景はとても神秘的です。
きっと雪国のロシア人にとっては馴染みのある光景で、
そのあたりもモスクワでは評価されたのかもしれませんね。
なので舞台が東京に移ってからは、そのロケーションの恩恵は受けられず、
画的にかなりのパワーダウンは否めません。
ついでに花も社会人になるので、禁断の関係は淫行でもなくなり、
展開が温くなってくるような印象を受けます。
クライマックスに近づくほど盛り下がる、まさに竜頭蛇尾な状態ですが、
どうやら原作だと社会人時代からはじまり、10歳の頃がラストになる構成で、
本作はそれを時系列になおしてしまったようです。
もちろん時系列の方が理解しやすいけど、逆の構成では竜頭蛇尾も当然かも。
更に東京での展開はかなり無茶苦茶です。
2人は東京暮らしを始めるも、その部屋に北海道の刑事が訪ねてきます。
どうやら大塩の凍死現場の近くで、花の眼鏡を発見したようで、
彼女を連行するために来たようですが、あいにく彼女は留守で…。
眼鏡を見せつけられた淳悟は、衝動的に刑事を刺し殺します。
…が、こんなことになるのは刑事も予想できそうなものです。
のこのこ証拠品まで持ってひとりで訪ねてくるなんて考えにくいでしょ。
淳悟はどうにかして刑事の遺体を始末したと思われますが、
淳悟のところに行った刑事が消えたら、淳悟は指名手配くらいされそうですが、
その後、淳悟たちが警察に追われるような展開も全くなく…。
ある夜、花が同僚の男と飲んで、夜遅くに帰ってきます。
彼女を送り届けに来た男を、無理やり家に上げた淳悟ですが、
彼女が就寝した後、淳悟はおもむろに「裸ニナラナイカ?」と言い、
嫌がる男を無理やりひん剥くのです。
まさか淳悟にそんな趣味が…、と思ったのですが、
普通に考えれば花との関係を疑い、キスマークでも確認する気かと思いました。
しかし淳悟は服を脱いだ男の体を撫で回し、匂いを嗅いで、指を舐るのです。
やっぱり完全にアレだよと思い、急な展開に混乱しちゃいましたが、
その後、男に「おまえには(花の相手は)無理だよ」と言い、追い返すのです。
明確にはわからないけど、男が花の相手に相応しいか見極める儀式だったのかな?
男が帰った後、淳悟は「俺は親父になりたいんだ」と呟きますが、
どうやら彼は花との異常な親子関係を悩み、普通の親になりたかったみたいです。
花に男ができるのも複雑な気持ちでしょうが、反対する気はないのかも。
その後、花は家を出たようで、2人は会わないまま3年が経過します。
花はまた他の男と婚約し、その報告のために淳悟を呼び出します。
花と婚約者の男が待つレストランにやってきた淳悟ですが、
表向きは反対するつもりはなさそうですが、ぼそりと「おまえには無理だよ」と…。
うん、たしかにこの男には無理でしょうね。
というか、花の相手が務まる男なんて誰もいないと思います。
なにしろテーブルの下では、花が淳悟を足を絡めて誘惑しており、
双方とも相手への未練がかなり強いのが窺えるので、
そんな彼女と愛のない結婚をしても不幸になるだけでしょう。
そもそも花が家を出たキッカケがよくわかりません。
ここで本作は終わるので、この後2人がどうなるのかはわかりませんが、
印象としては依存しあう2人がヨリを戻しそうな感じです。
原作では花を失った淳悟は死を選ぶそうですが…。
まぁこんな内容では、どうなるのがハッピーエンドなのかわかりませんね。
本作をちゃんと楽しめたかどうかは微妙なところですが、
観る前に懸念していたほど不愉快な作品でもなくよかったです。
なによりやはりモスクワ映画祭での二冠は日本映画として喜ばしいことで、
これでようやく本年度の日本アカデミー賞などの賞レースでも、
ベルリン映画祭銀熊賞受賞作『小さいおうち』のライバル候補が現れ、
日本映画も多少は盛り上がるかもしれません。