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300 <スリーハンドレッド> ~帝国の進撃~

サッカーW杯ですが、ギリシャ戦が行われましたね。
ボクは観れませんでしたが、なんでも引き分けたようで、
決勝トーナメント進出にギリギリ望みを繋げたみたいです。
といっても、コロンビアに勝利すれば決勝トーナメント進出になるわけではなく、
コートジボワールが引き分け以下じゃないとダメで、自力進出はできません。
というか、コートジボワール引き分けでも、2位争いはかなり不利な条件なので、
ギリシャにはコートジボワールに勝ってもらわないと困ります。
今日の敵は明日の友、ギリシャを応援したいですね。
といっても、ギリシャ対コートジボワールの裏で、日本対コロンビアをするので、
日本かギリシャかどちらか一方しか応援できないか…。

ということで、今日はギリシャの勝利を応援する映画の感想です。

300 帝国の進撃
300 Rise of an Empire

2014年6月20日日本公開。
フランク・ミラーのグラフィックノベルを映画化した歴史アクション。

100万もの兵を率いてギリシャ侵攻を図るペルシャ帝国を相手に、300人の精鋭と共に戦いを繰り広げた果てに命を落としたスパルタのレオニダス王。彼の遺志を継ぐようにしてアテナイのテミストクレス将軍(サリヴァン・ステイプルトン)は、パン屋、陶工、詩人といった一般市民から成るギリシャ連合軍を率いてペルシャ帝国に立ち向かっていく。ペルシャ帝国の海軍指揮官アルテミシア(エヴァ・グリーン)らと拮抗する中、ついに大海原を舞台にした最終決戦を迎えることに。(シネマトゥデイより)



本作は2007年日本公開の『300 〈スリーハンドレッド〉』の続編です。
前作から7年とは、かなりブランクが開いてしまいましたね。
どうもフランク・ミラーの原作グラフィックノベルの完成待ちだったようですが、
あまり待たされるの前作の内容を忘れちゃうので困ります。
まぁこのシリーズは物語よりも映像が売りなアクション映画なので、
あまり内容は濃くないため、意外と覚えていましたが。

前作の物語は、ペルシア戦争のテルモピュライの戦いを描いたもので、
ペルシア帝国の神王クセルクセスから降伏を迫られたスパルタ王レオニダスは
その要求を拒むが、託宣者から戦争を禁止されたため、スパルタ軍は動かさずに、
300人の猛者だけを引き連れて、ペルシア軍の進軍する灼熱の門で待ち伏せし、
100万人のペルシア軍をたったの300人で迎え撃ち、かなり善戦するも、
仲間外れにされたセムシ男が裏切り、レオニダス率いる300人のスパルタ兵は全滅、
…というような内容でした。
ボクはペルシア戦争はよく知らないので「結局負けるのかよ」と驚きました。
やはり1,000,000対300では勝ち目はなかったわけですね。
その続編である本作んお公開が決まり、そのプロットを聞いて耳を疑いました。
今度はペルシア軍の3分の1の兵力で戦う物語だと…。
何人対何人だかわかりませんが、たかだか3倍の軍勢と戦う話なんて、
3000倍以上の軍勢を相手にした前作よりも難度がかなり低下しており、
そんな物語では作品のパワーダウンは避けられないのではないかと…。
しかし、いざ観てみると、、その点はそれほど問題なかったと思います。
本作の主人公アミストクレス率いるギリシア連合は市民兵の寄せ集めで、
一騎当千の職業軍人だったスパルタ兵よりも個々が弱いです。
そのため難度にはそれほど大差がなく、ちゃんと盛り上がりました。

映像もかなりパワーアップしていたと思います。
もちろん技術的に進歩した恩恵もあるでしょうが、
前作の監督であるザック・スナイダーがメガホンを譲った影響も大きいです。
彼は『マン・オブ・スティール』の監督を優先し、本作では製作に回りましたが、
正直ボクは彼の映画監督としてのセンスを疑問視しています。
コミックオタクの彼にはシンパシーも感じるし、人間的には好きですが、
オタクが故に原作への思い入れが強すぎて、映像が漫画的になりすぎます。
本シリーズの原作はグラフィックノベルですが、彼が監督した前作の映像も、
グラフィックノベルを意識しすぎて、奥行きのない平面的な画になってました。
そこが独特でいいという意見もあるけど、ボクはちょっと苦手かな。
その点、本作はグラフィックノベル的な演出は残しながらも、
ちゃんと奥行きの感じられる映像になっていたのでよかったです。
これは本作を3D映画として作ったことも影響してるかもしれませんね。
例によってボクは2D版で鑑賞しましたけど。

本作は続編と聞いていたので、てっきり前作の後日談かと思ってました。
スパルタ王レオニダスの死で奮起したギリシア軍が、
彼の意思を継ぎ、ペルシア帝国の大軍勢に立ち向かう話かと…。
ところがどうも後日談ではなく、前作の物語の裏で起こっていた物語のようです。
正確には前作の物語の前後を含む物語で、
前作の戦いと同時に行われていたアルテミシオンの海戦を中心に、
前日譚となるマラトンの戦い、後日談となるサラミスの海戦が描かれます。
なので、前作を一度観た人なら復習までする必要ないと思うけど、
前作を観たことがない人は本作を観てもあまり楽しめないかもしれません。
前作の戦況が本作の物語に影響する展開になっているので。
以下、ネタバレ注意です。

ギリシアの都市アテナイにペルシア帝国の艦隊の魔の手が迫ります。
ペルシア海軍の兵力はアテナイの兵力の3倍でしたが、
アテナイの戦士テミストクレスが一計を案じ、
下船間際のペルシア海軍に奇襲をかけて撃退します。
更に彼は撤退するペルシア戦艦に乗っていたペルシア王ダリウスを射殺し、
その功績から彼はアテナイの将軍になるのです。これがマラトンの戦いです。
父ダリウスを殺されたペルシア王子クセルクセスは、
ギリシアに個人的な恨みを持つ女海軍司令官アルテミシアの進言で、
魔術的な風呂に浸かって神王となり、ギリシアとの戦争を宣言します。
前作でもクセルクセスは神王を名乗ってたけど、
自分を神だと勘違いしている痛い男かと思ったら、
本当に超常的な人間に転生していたんですね。
ただ毛が生えなくなったのはわかったけど、他にどんな能力があるのか不明です。
それに実質アルテミシアの傀儡だし、やはり神には程遠いかな。
本作の原作は『クセルクセス』というタイトルらしいのですが、
本作の主要ヴィランはアルテミシアであり、クセルクセスの出番は少ないです。

ボクとしては敵のボスが女性というのも、ちょっと懸念を感じていましたが、
この懸念は現実となり、やはり男同士の戦いよりも盛り上がりに欠けます。
それに彼女には同情を禁じ得ない可哀想な過去があるんですよね。
彼女はペルシア帝国の司令官にも関わらず、ギリシア人なのですが、
子供の頃にギリシア兵に家族を殺され、自分も拉致されて強姦された挙句、
ポイ捨てされたところをペルシアの使者に拾われたのですが、
本作の敵は単なる侵略者の方が盛り上がると思いました。
それに前作でも(アルテミシアを助けた)ペルシアの使者が、
スパルタ王妃ゴルゴを侮辱するシーンがありましたが、
女性蔑視するペルシア帝国が女性を重用するとは考えにくいです。
なので、てっきり本作の完全オリジナルキャラかと思ったのですが、
ペルシア戦争の歴史書には、アルテミシオンの海戦とサラミスの海戦において、
アルテミシアという名前の指揮官のことが明記されているようです。
もちろんペルシア帝国の海軍司令官ほどの地位ではないようですが。

マラトンの戦いから約10年後、クセルクセスの100万の軍勢が進軍を開始し、
スパルタ王レオニダス率いる300人のスパルタ兵と灼熱の門で戦います。
そのころエーゲ海上では、ペルシア海軍司令官アルテミシア率いるペルシア艦隊が、
アテナイ将軍テミストクレス率いるギリシア連合艦隊と睨み合っています。
ギリシア連合艦隊には主力のアテナイ海軍の他、アルゴス、メガラ、コリントスなど、
ギリシア各都市の海軍が轡を並べるていますが、当然スパルタ海軍は参加しません。
連合艦隊の数は50隻で、1000隻ちかいペルシア艦隊との数の差は圧倒的です。
まぁ灼熱の門で戦うスパルタ兵の逆境に比べたらかわいいものですが。
ペルシアの副官の指揮で突撃してきたペルシア艦隊に対し、
連合艦隊はテミストクレスの指揮でペルシアの戦艦の舷めがけて突っ込み、
次々と沈没させていき、ペルシア艦隊はひとまず撤退することになります。
体当たりなんかしたら自滅しそうに思うのですが、あんなにうまくいくものなのかな?
それとこれは仕方がないことなのですが、
鞭で叩かれながら櫂を漕いでる奴隷が死んじゃうのも可哀想でした。
初戦に負けたアルテミシアは失望し、指揮した副官を処刑します。

翌日、新しい副官の指揮で再び攻めてきたペルシア艦隊ですが、
連合艦隊はテミストクレスの指揮で、濃霧の中、敵艦隊を岩礁に誘い込み、
歩兵が急襲して副官の首を取り、またしても勝利します。
その夜、ギリシア連合軍に伝令を送り、中立海域でテレストクレスと会談します。
アルテミシアはテレストクレスに「私と組もう」と色仕掛けで誘います。
彼女は部下の副官の不甲斐なさに完全に失望し、
優秀な指揮官であるテミストクレスが欲しくなったのですね。
そんな見え透いたハニートラップに誇り高いアテナイの将軍が引っ掛かるはずない、
と思いきや、なんと彼は我慢できずに、アルテミシアを押し倒してしまうのです。
しかしバトルのような激しいセックスの後、「おまえは私のモノだ」といった彼女に、
テミストクレスは「だが断る」と、まさかのやり逃げ。
当然アルテミイアは激怒しますが、なぜかそのまま彼を返してしまいます。
あんなことしたら普通は無事に帰れるはずないと思いますが、
もし相手がペルシアではなくスパルタだったら確実に殺されてましたね。
やっぱり古代ギリシア人は好色だなと思うエピソードで面白かったですが、
アルテミシアは少女時代にギリシア人から性的暴行を受けていた過去があるだけに、
やり逃げされるなんて、ちょっと可哀想な気もしました。

翌日、自ら指揮を執るアルテミシアは鉄の戦艦で攻めてきます。
海にタールを流し込み、海面がタールに覆われ、そこに松明で着火。
あたり一面火の海となり、木製のギリシア連合艦隊はひとたまりもありません。
美しい紺碧のエーゲ海になんてことを!って感じですね。
ギリシア連合艦隊の損失は計り知れず、惨敗します。
テミストクレスも敵兵に目の前で自爆されて海に落ちますが、
海中には兵士の死体を食らうティロサウルスのような海棲爬虫類が…。
急にファンタジックなクリーチャーが登場して驚きましたが、
そういえば前作はもっとファンタジー要素が強かったですよね。
…と思いきや、それはどうやらテミストクレスの幻覚だったみたいで、
目が覚めた彼は海岸に打ち上げられていました。

ギリシア連合軍が大敗した頃、灼熱の門でもスパルタ軍がついに全滅します。
アテナイへの警告のために神王クセルクセスは死んだスパルタ王レオニダスの剣を
セムシ男を遣わせてテミストクレスに届けさせるのです。
彼はその剣をスパルタ王妃に届け、スパルタから援軍を出してほしいと頼みます。
しかし色よい返事はもらえず、生き残った僅かなアテナイ兵と
僅かなアテナイ船をサラミス湾に集め、最後の決戦に備えます。
セムシ男からまだテミストクレスが生きていると聞かされたアルテミシアは、
神王クセルクセスの命令を無視して、海軍を率いて勝手にサラミス湾に出撃します。
そしてサラミスの海戦が勃発するのです。
うーん、クセルクセス威厳なさすぎですね…。

サラミスの海戦ですが、目算でアテナイ船は10隻くらいしかありませんでした。
これでどうやってまだ数百隻はあるであろうペルシア艦隊に挑むのかと思いきや、
真正面から突撃し、敵船に乗り込んで大将アルテミシアの首を取るという作戦で…。
いや、これはもう作戦と呼べるようなものではなく、単なる玉砕覚悟ですね。
最後もテミストクレスの素晴らしい軍略を期待したのですが…。
こんな攻撃ではもしアルテミシアが後方に控えていたら打つ手がないですが、
血気盛ん(というかアホ)な彼女は自ら最前線に斬り込んできます。
二刀流でかなり強く、次々とアテナイ兵を斬り捨てますが、
単騎駆けで突っ込んできたテミストクレスとの一騎打ちでも互角の勝負です。
大将同士の一騎打ちが佳境を迎えた時、風向きが変わり、
ついにスパルタ王妃率いるスパルタ海軍が援軍に現れるのです。
途端に形勢は逆転し、ペルシア艦隊は劣勢になりますが、
たしかにスパルタ兵は強いけど、スパルタ海軍が加わった程度で、
ペルシア海軍の数の優位は変わらないだろうと思ったけど、
スパルタ海軍の他にも、デルポイ、オリンピア、アルカディアなどの
ギリシア各都市の海軍も援軍に来たみたいですね。
それでもペルシア海軍の方が多いと思うけど…。
まぁ数の問題ではなく、どさくさに紛れて大将アルテミシアが死んだので、
ペルシア海軍の士気が下がったのが原因かもしれませんね。

本作はそこで幕を降ろし、結局神王クセルクセスとの決着は付きませんでした。
どうやら更なる続編を考えているようで、そこで決着を描いて、
ペルシア戦争三部作って感じにするのかもしれません。
前作から7年も待った本作ですが、続編はそれほど待つこともなさそうかな。
グロ描写には注意が必要ですが、なかなか面白いアクション映画でした。

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