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ザ・ホスト 美しき侵略者

W杯、日本代表の初戦は残念でしたね。
ボクはその時間も仕事だったのでどうせ見れないと思っていたから、
勝敗なんて気にしないつもりでいたのですが、結果を知ると落ち込むものです。

それはそうと、やっぱりホスト国ブラジルの治安は悪かったみたいで、
すでに日本人観戦客が会場周辺で8件もの盗難被害に遭ったそうな。
置き引きならまだいいけど強盗もあったみたいで怖いです。
日本代表が負けて落ち込んでいる日本人サポーターから盗みを働くなんて、
そんな死体に鞭打つような真似はやめてあげてほしいものです。
ブラジルにしてみれば、地球の裏側から来た日本人は、
最も遠い場所から遥々やって来たお客さんですからね。
もっと親切にしてほしいものです。

ということで、今日は親切で治安のいい世界が舞台の物語です。

ザ・ホスト 美しき侵略者
The Host

2014年6月14日日本公開。
ステファニー・メイヤーによる小説をシアーシャ・ローナン主演で映画化。

近未来、地球に知的生命体ソウルが襲来。彼らは人間に寄生して宿主の意識を奪い、一方逃げ延びた人類は反撃のタイミングを計りつつ潜伏していた。その中の一人であるメラニー(シアーシャ・ローナン)もソウルの餌食になってしまうが、消えるはずの意識が消えず一つの体に人類とソウルの二つの魂が宿ってしまう。(シネマトゥデイより)



本作は大ヒット映画『トワイライト』の原作者ステファニー・メイヤーの
ヤングアダルト小説を基にしたSF恋愛映画ですが、
全米公開時には批評家からかなり酷評されたようです。
某批評サイトでの支持率は驚異の8%で、ボロカスに叩かれました。
ただ批評家連中は『トワイライト』シリーズもボロカスに叩いていたので、
たぶん同じ原作者の作品だということが叩く最大の理由で、
端から叩く気満々だっただろうし、内容なんてロクに観てないと思います。
そもそも中高生向けの作品なので、頭の固い批評家にウケるはずないです。

…と言いたいところですが、本作は『トワイライト』とは違い全くヒットしていません。
終了した『トワイライト』シリーズの後釜を狙い、シリーズ化も目論んでたでしょうが、
全米初登場6位という不甲斐ない結果で、観客の支持も得られてないのかも。
『ビューティフル・クリーチャーズ』『シャドウハンター』『ヴァンパイア・アカデミー』など
『トワイライト』の後釜を狙ったヤングアダルト小説の映画化作品が多産されますが、
成功したのは『ハンガーゲーム』だけで、そうは問屋が卸しませんね。
『ハンガーゲーム』が『トワイライト』のファンを総取りしちゃったので、
その路線はもう無理なんじゃないかと思いましたが、
『ダイバージェント』は頑張っているので、絶対に無理ということでもなさそうです。
そういう意味では本作は頑張りが足りなかったのかもしれませんね。
『トワイライト』と同じ原作者なので、大本命にもなりえたのに勿体ないです。

批評家ウケは最悪で、観客ウケもイマイチと思われる本作ですが、
ボクはそれほど期待していなかったのもあってか、そこそこ楽しめました。
積極的にオススメはしませんが、
『トワイライト』シリーズの終盤よりは確実に面白かったです。
以下、ネタバレ注意です。

近未来、戦争や飢餓もなく自然環境は回復し、かつてないほど平和な地球。
しかしそれは地球人が地球外生命体「ソウル」に寄生されためでした。
ソウルは光る毛虫のような見た目の小さな知的生命体で、
首筋から地球人に寄生して宿主(ホスト)の意識と肉体を支配します。
宇宙を旅して、他の知的生命体のいる星に入植することで繁栄しています。
寄生を逃れた地球人もまだ僅かに残っていて、
シーカー(捜索者)と呼ばれる寄生された人間が残党の捕獲にあたります。
このあたりの設定は、最近だと『ワールズエンド』など地球侵略SFではよくあるもの。
だけどちょっと面白いのは、ソウルに寄生された人間が
とても親切で正直で礼儀正しい素晴らしい性格になることです。
自分としては意識は肉体を乗っ取られるのは嫌だから寄生されたくないが、
周りの他人が全員ソウルに寄生されて欲しいと思っちゃうほどです。

シーカーの襲撃を受けて両親が自殺し、幼い弟ジェレミーと逃げるメラニーは、
ジャレドという男と出会い、恋仲となり、3人で隠れ住むことになります。
しかしその隠れ家の近くにもシーカーの魔の手が迫り、
メラニーの叔父ジェブ率いる抵抗軍の地下洞窟に身を寄せようと考えます。
はじめからそうすれば両親も死なずに済んだ気もしますが…。
ところがそこへ向かう途中、休憩に立ち寄った廃ホテルでシーカーの襲撃を受け、
弟を庇って囮になったメラニーは捕まってしまうのです。
捕まったというか、逃げる途中でなぜか窓から飛び降りて、
大怪我して動けなくなるんですが、あの高さで死ななかったの奇跡なくらいで、
弟を残してなぜあんな自殺まがいのようなことをしたのか疑問です。

ソウルに捕まったメラニーは基地に運ばれ、ヒーラー(治療者)と呼ばれる者から、
なんでも治す薬で治療されますが、ついでにソウルを注入され、寄生されます。
ソウルに寄生された彼女はワンダラー(彷徨う者)と名付けられます。
ところが普通なら意識も肉体も支配できるはずが、
なぜかメラニーの意識を支配しきれず、ひとつの肉体の中で、
メラニーとワンダラーの意識が同居することに…。
まぁ実際に肉体を動かすのはほとんどワンダラーですが、
頭の中でメラニーの意識の声が聴こえ続ける状態です。
メラニーを捕まえた女シーカーは、ソウルは寄生した宿主の記憶も受け継ぐので、
ワンダラーにメラニーの仲間の居所を示すように指示しますが、
メラニーの意識はなんとかそれを阻止しようとワンダラーを説得。
その結果、ワンダラーはメラニーに同情するようになり、
彼女は基地を抜け出して、ジェブ叔父さんの地下洞窟に向かうのです。
説得で仲間を裏切るなんて意外ですが、ソウルの親切心が仇となったわけですね。

洞窟に向かう移動手段も、途中で出会った寄生されたオジサンに
「車を貸して」とお願いするのですが、彼は何も疑わずに貸してくれます。
お人好しすぎますが、ソウル同士は掛け値なしに信頼しあっているみたいです。
更に信頼し合っているのでスーパーなど店も全て無料ですが、
寄生されているかを見分けるのは目の光(寄生されると青く光る)だけなので、
サングラスさえ掛けてしまえば未寄生の人間もソウル同様に信頼され、
抵抗軍の物資調達も普通にスーパーで行われるんですよね。
そんな詐欺師のいいカモになりそうなほどのお人好しな知的生命体が、
よくも地球なんて支配できたものですね。
それどころか、すでに8つの惑星を支配しているらしいです。
なのであり得ない感じもしますが、親切な侵略者という設定は面白いです。

洞窟に向かう途中で車が大破し、仕方なく歩いて行くことになりますが、
洞窟は砂漠の真ん中にあるため、ワンダラーは力尽きてダウンします。
そんな彼女をジェブ叔父さんが発見し、洞窟へ連れ帰ります。
洞窟には寄生されてない人々が十数人ほど暮らしており、
その中にはホエルで逸れた恋人ジェレドや弟ジェレミーの姿も。
しかし寄生された彼女はジェブ叔父さん意外の皆から当然歓迎されません。
むしろジェブ叔父さんがなぜ彼女の肩を持つのかよくわかりませんが…。
とりあえず見張りを付けて軟禁されることになりますが、
抵抗軍のイアンとその兄カイルからは殺されそうにもなります。
恋人ジェレドでさえも、彼女のことを「アレ」と呼び、信用はされていません。
ワンダラーの中にメラニーの意識もあると皆に教えればいいと思うのですが、
なぜか彼女はそうせずに、メラニーの指示でメラニーのことは隠すのです。

皆から敵視されるワンダラーですが、麦畑の収穫を手伝うなどするうちに、
少しずつ皆から信用してもらえるようになります。
そんな折、ワンダラーはイアンと惹かれあうようになるのです。
しかしワンダラーの中のメラニーは恋人ジェレドのことが好きなので、
肉体を支配するワンダラーが勝手にイアンと恋仲になっては困るため、
必死でイアンとの仲を妨害します。
優しいワンダラーはメラニーの気持ちを汲んで恋仲になることを踏みとどまります。
そのくせ、ワンダラーがジェレドからキスされることも嫌がります。
なんだか複雑な状況ですが、こうなると完全にメラニーが悪者ですよね。
ワンダラーは至ることでずっと譲歩しているのに、メラニーは我儘すぎます。
メラニーはもう少し恩を感じるべきだし、少しは自分の状況を受け入れるべきです。
まさかロマンス映画でヒロインが邪魔者役になるなんて前代未聞ですが、
三角関係なのに実質四角関係な状況もなかなか面白いです。
とはいえ地球が危機的な状況なのに、恋愛なんてどうでもいいだろとも思いますが。

ワンダラーに脱走されたソウルですが、地球人の残党と合流される懸念はあるため、
もちろんシーカーによる捜索が行われるけど、それほど熱心に捜索しません。
もうほぼ地球は支配したので、放っておいても残党は絶滅すると考えているのです。
もともとモメ事とか暴力が嫌いな知的生命体ですからね。
ところが例の女シーカーだけは、執拗にワンダラーを捜し続けるのです。
他のシーカーは睡眠ガスなどで安全で平和的に攻撃しますが、
この女シーカーは時に拳銃を発砲することもあり、
かなり暴力的で、他のシーカーとは何かが違うみたいです。
どうも彼女にも宿主の少し意識が残っており、その影響のようですね。
地球人の凶暴性はソウルでも完全には抑えきれないようですね。

女シーカーは物資調達中の抵抗軍を襲撃して、2人を死なせてしまいますが、
そのことでワンダラーに対する不信に火が付いた抵抗軍のカイルは、
ワンダラーを暗殺しようとしますが、逆に急流に落ちかけて、彼女に助けられます。
それでカイルが命の恩人のワンダラーに対する考えを改めるかと思いきや、
意外にもそんな描写は最後までありませんでした。
結局カイルがワンダラーを認めたのかどうかわからず気になります。
そんなカイルに限らず、ジェブ叔父さんらもワンダラー以外のソウルには
別に気を許したわけではなく、反撃のチャンスを常に窺っています。

抵抗軍は物資調達の途中で寄生された人間を捕まえては、
洞窟の医務室に持ち込み、首筋を切ってソウルを抜き出します。
ソウルの生体でも調べる気かと思いましたが、ただ殺しているだけのようです。
偶然その光景を見たワンダラーは強いショックを受けて、
抗議のためにハンガーストライキを開始します。
しかし弟ジェレミーが収穫中に足を鎌で切る大怪我を負ったことで、
拗ねてもいられなくなるのですが、なぜかメラニーの意識が消えてしまうのです。
どうやら医務室の光景を見た時から消えてしまったそうなのですが、
ワンダラーがショックを受けるのはわかるが、なぜメラニーの意識が消えるのか…。
抵抗軍の振る舞いに憤ったワンダラーの意識が、ついにメラニーの意識を凌駕し、
完全に意識を支配しちゃったのかなと思ったのですが、
その後、ジェレドとキスした時にメラニーの意識があっさり復活するんですよね。
ワンダラーが恋人ジェレドとキスしたことによるショック療法で復活したようですが、
それよりも弟が大怪我で死にかけていることの方がショックは大きいだろと…。
それに結局なぜメラニーが3日間も消えていたのかも説明されず…。
ワンダラーはソウルの薬ならジェレミーの大怪我も治せると考え、
ヒーラーのいる病院に潜入し、薬を持ち帰り、見事に弟の怪我を治します。
どうでもいいけど何でも治せる薬があるならヒーラーなんていらない気が…。

そんなある日、女ヒーラーが洞窟付近で見張りをしていた抵抗軍の男を殺害し、
待ち伏せして、そこを通りかかった物資調達中のワンダラーも殺そうとします。
ところがジェブ叔父さんが彼女を撃ち、逆に捕まってしまうのです。
捕まった女ヒーラーは薬で回復させられ捕虜になりますが、
ワンダラーが彼女の首筋を切り、ソウルを摘出するのです。
普通は首筋を切られた宿主も死んでしまうのですが、
薬のお陰ですぐに切り傷が塞がるため、宿主は意識を取り戻すのです。
摘出されたソウルは小さなUFOに入れられ、宇宙に打ち上げられます。
これで宿主もソウルも殺さずに、寄生を解く方法が確立されました。
地道にこれを続ければ、いずれは全ての人間の意識を取り戻せます。
…あまりにも気が遠くなる計画ですが…。

ワンダラーも自分からソウルを摘出し、メラニーに肉体を返したいと願い出ますが、
イアンなど好きな人たちと別れるのが辛いため、宇宙に打ち上げられるのを拒み、
摘出したらすぐに殺してほしいといいます。
やっとワンダラーの恩に気付いたメラニーは彼女に死んで欲しくないと猛反対。
そんなこと言うなら、いつまでもワンダラーの中にいる状態でいいのかと思うが、
それよりも理解できないのは、殺してほしいというワンダラーの心境ですよね。
彼女は1000年ちかく生き、いろんな生命体に寄生していたようですが、
出会って1年にもならないイアンら地球人との別れが死よりも惜しいなんて…。
ジェブ叔父さんになぜ死に急ぐのかを問われた時も、
「あなたも寄生しながら1000年生きればわかるわ」みたいなことを言うのですが、
完全に自分の種の生態を否定するような元も子もない発言ですね。
結局、ワンダラーはソウルを摘出され、メラニーは肉体を取り戻します。

おそらく摘出したワンダラーのソウルを殺したりはしないと思いましたが、
やはり殺さなかったものの、宇宙にも打ち上げられませんでした。
なんと他の人間にワンダラーのソウルを移植したのです。
その宿主は、もともと違うソウルが寄生してたのを摘出したものの、
宿主の意識が戻らなかった人間を使ったみたいなのですが、
うーん、言わば植物人間の人の肉体を勝手に使うようなもので、
今後も絶対に意識が戻らないなんて保証はなく、倫理的には如何なものですかね。
でも意識が戻らないのが脳死状態だと考えれば、全身臓器提供みたいなものだし、
ドナーカードに意思表示でもあれば倫理的にも問題ないかな。
これで新しい肉体を手に入れたワンダラーは、
晴れてイアンとも交際できるようになってハッピーエンドです。
本当にイアンはワンダラーの内面に惚れていたんですね。
まぁもしワンダラーのソウルを移植するのが男とかオバサンだったら、
イアンは必死に抵抗したかもしれませんが…。
ちなみにワンダラーの新しい体を演じる女優をどこかで見たことあるなと思ったら、
現在公開中の『ポンペイ』のヒロイン役エミリー・ブラウニングですね。
『ポンペイ』の感想でも書いたけど、正直あまり美人とは思えないかな…。

たしかにツッコミどころの多い物語で、出来がいいとは言い難いものの、
設定にはなかなか見所があり、それなりに楽しめる作品でした。
ヤングアダルト小説の実写映画化にありがちな
続編を匂わす幕引きじゃないのも好印象です。

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