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MONSTERZ モンスターズ

日本を代表する東宝映画『ゴジラ』のハリウッドリメイク『GODZILLA』が、
全米でも初登場1位の大ヒットを記録し、続編の製作も動き出しました。
ボクは『ゴジラ』が大好きなので、その結果に安堵しました。
ただ気に入らないのは、東宝の姿勢です。
『GODZILLA』が公開されることになり、東宝もやたらプッシュしていますが、
ボクは『GODZILLA』の公開や成功が東宝の手柄ではないと思っています。
むしろ東宝は金かかるのに客が入らないという理由で『ゴジラ』を見限り、
自社で製作しなくなったので、『ゴジラ』ファンのボクとしては、
そんな東宝に対しては遺恨があります。
東宝が捨てた『ゴジラ』を米レジェンダリー・ピクチャーズが拾ってくれて、
ハリウッド・リメイクしてくれたわけで、そこに東宝が便乗するのは気に入りません。
本来なら全米公開時と同様にワーナーが配給するべきですが、
東宝はその配給権も横取りし、日本では東宝映画として公開します。
ちょっと調子がよすぎやしませんか?

ということで、今日はワーナー配給のリメイク映画の感想です。
そういえば『GODZILLA』でメガホンを取ったギャレス・エドワーズは、
前監督作が評価されて、『GODZILLA』の監督に大抜擢されたのですが、
その前監督作も『モンスターズ』というタイトルでしたね。

MONSTERZ モンスターズ
モンスターズ MONSTERZ

2014年5月30日公開。
韓国映画『超能力者』を中田秀夫監督がリメイク。

対象を見ることで他人を自由に操れる超能力を持つ男(藤原竜也)は、その能力ゆえに孤独と絶望の人生を歩んできた。ある日、自分の能力が一切通じない田中終一(山田孝之)に出会ってしまった男は、動揺のあまり誤って終一の大切な人を殺してしまう。復讐(ふくしゅう)を果たそうと決めた終一と、自分の秘密を知る唯一の人間を狙う男が壮絶な戦いを繰り広げていく。(シネマトゥデイより)



今年に入って80本以上映画を観ていますが、その中で日本映画は20本程度です。
もともと洋邦半々くらいで観ていたけど、日本映画の質の低さに辟易とし、
ハリウッド映画を中心に欧米映画ばかりを観るようになってしまいました。
そんな日本映画の不甲斐なさも、ここに極まれりって感じです。
なにしろ本作は韓国映画『Haunters(英題)』の日本版リメイクです。
韓国はドラマや映画など、公式非公式問わず日本の作品のリメイクばかりですが、
逆にそんな国の作品をリメイクするようになっては堕ちるとこまで堕ちましたね。
え、ハリウッドも韓国映画『オールド・ボーイ』をリメイクしたじゃないかって?
『オールド・ボーイ』の原作は日本の漫画です。

なお『Haunters』も当初から日本のアニメ『コードギアス』のパクリ説がありますが、
もし本当なら、韓国が日本からパクられたものを日本でリメイクするのは
韓国のオリジナルだとお墨付きを与えるような行為で、ちょっと問題かな。
ボクはその元ネタとされるアニメを知らないので真偽はわかりませんが、
本作を観て、『X-MEN』と『アンブレイカブル』の劣化版のような印象を受けました。
『Haunters』自体を直接観たわけではないので、断言はできませんが、
アメコミ映画への憧れが異常に強い韓国だけに、マイナーなアニメよりも、
『X-MEN』と『アンブレイカブル』が元ネタなのではないかと思います。
そんな本作を本家『X-MEN』最新作の公開週にぶつけてくるとは…。

でも本作は劇中で、本作の原点が『AKIRA』であるかのような演出をしてますね。
本作は『Haunters』とは結末が違うそうなのですが、
藤原竜也演じる敵の超能力者が、超能力で最後に自滅してしまうのは、
『AKIRA』の超能力者・鉄雄の最期を模したのかもしれません。
ボクは『Haunters』の結末を知らないので、やはり断定はできませんが…。
まぁ何にせよ、これだけネタ元が次々と出てくるような作品なので、
既視感が強く、全くオリジナリティを感じない作品だったのは間違いないです。
こんなありがちな超能力バトル作品なら、わざわざリメイクせず、
一からオリジナル脚本を書いてももっと面白いものが出来そうですが、
その程度の脚本力も失ってしまっているのが、今の日本映画の現状なのでしょう。

ボクは強烈な嫌韓なので、韓国絡みの本作も本来なら観ませんが、
悔しいことにこんな映画に限って、キャストが大好きな俳優ばかりで…。
藤原竜也と山田孝之のW主演で、ヒロインが石原さとみなんて、
過去一年に観た日本映画の中で、最高のキャストじゃないですか。
3人のうち誰かひとりでも欠けていれば、本作が韓国映画のリメイクであることの
ネガティブ要素は覆せず、たぶん観に行くこともなかったでしょうけど…。
いや、実際は3人揃ってもその大きすぎるネガティブ要素は補い切れてないけど、
公開日翌日がファーストデーで鑑賞料金が安かったこともあって、
更にハードルが下がったため、つい魔が差して観てしまいました。
(ハリウッド映画『インサイド・ルーヴィン・デイヴィス』を観に行ったついでですが。)
その結果、やっぱり駄作で、本来なら避けれたものを後悔先に立たずですが、
ひとつ誤解しないでほしいのは、韓国絡みという事実がなかっとしても、
ボクは本作を駄作だと思ったに違いなく、そこに嫌韓は関係ありません。
これから本作を扱き下ろしますが、それは韓国への悪感情によるものではありません。
以下、ネタバレ注意です。

視界に捕えた人間を意のままに操れる超能力者の男がいました。
彼の名前は明らかにされていないので便宜上「男」と書きますね。
「男」は幼少期に父親を殺し、そのため母親に殺されかけたので家を飛び出し、
能力を使って誰にも気づかれないように静かに暮らしていました。
他人を意のままに操る能力なんてあれば、もっと楽しく暮らせそうですが、
「男」は他人からバケモノ扱いされるのを何よりも嫌うために、
能力も隠し、なるべく人と接しないように暮らしているみたいです。
そのわりには金を得るために銀行強盗なんて目立つことをするのはおかしいけど。
監視カメラの映像を見れば、誰が犯人かまではわからないかもしれないけど、
人を操る能力者の存在は公になっちゃうはずなのにね。
それに銀行内の行員や客を全員操って金を持ち出させるのですが、
「男」は能力の代償に、大人数を操ると四肢の末端が壊死する設定なので、
わざわざそんな大がかりな方法で金を得るのは絶対におかしいです。

しかし、銀行を一度襲えば、一度に得られる金額も大きいので、
結果的に代償は少なくなるかもしれません。
しかし「男」は、明らかに無駄に能力を使いまくっています。
ある日、彼は縁日に来ている大勢の人々を操りますが、
特に目的があるわけでもなく、単なる暇潰しで能力を使います。
大きな代償を支払ってまでそんなことをする意味がわからないです。
その時に、「男」は群衆の中に、ひとりだけ自由に動いている人物を見つけます。
それが本作のもうひとりの主人公、山田孝之演じる終一です。
終一にはなぜか「男」の能力が通じないらしく、そんな彼を「男」は危険視し、
何とか排除すべく、たびたび襲ってくるというのが本作の物語です。

終一の超能力が通じない能力、所謂「アンチ・サイ」と呼ばれる能力ですが、
最強の超能力者と、その超能力が唯一通じない人物との戦いは、
『とある魔術の禁書目録』など、超能力バトルものではよくある展開です。
それだけに普通なら鉄板な盛り上がる展開なはずですが、
本作では余計なことに、終一にもうひとつ能力が…。
『X-MEN』のウルヴァリンのような超回復能力まで備わっています。
冒頭で彼は、自動車に轢かれて、全治4か月の重傷を負いますが、
たった3日未満で完治してしまう、すごい能力です。
ちなみに本作の能力者は遺伝子の突然変異によるものなので、
『X-MEN』のミュータントと同じだし、能力者の危険視する人間が現れるのも、
『X-MEN』と同じで、テーマ自体が『X-MEN』の丸パクリです。

アンチ・サイの能力者は、他の超能力は使えない設定にするのが普通ですが、
それは自分の能力も無効化されるためでもあるけど、
物語としてその設定の方が盛り上がることは常識だからです。
そのお約束に倣わない本作は、せっかくの鉄板の展開も台無しになります。
そもそも能力をふたつも備えるなんて、主人公にはあるまじき卑怯さです。
しかも「男」の能力と違って、なんの代償も負っていません。
まぁ好意的に捕えれば、「男」の能力は普通の人間を操るもので、
終一に限らず能力者には無効と考えれば、終一の能力はひとつですけど。
それに終一の死んだ弟は、生まれつき体が弱かったみたいなので、
その分彼が丈夫になったと考えれば、代償もすでに支払っているともいえます。
自分が丈夫な分、別の人が脆弱になるという設定は、
『アンブレイカブル』からパクっているのだろうと思われます。
「男」自身も能力の代償で義足だし脆弱なので、その2人の対決も、
『アンブレイカブル』が元ネタであろうと推測されます。

「男」が能力が通じない終一を危険視する理由もわかりません。
ひとり通じない人がいれば、他に通じない人がいるかもと不安になるならわかるが、
二度と会わないかもしれない個人を、そんなに恐れる必要があるのか…。
それなのに「男」は反撃される危険を冒してまで、終一に付きまとい、
何度も何度も襲ってくるんですよね…。
終一には能力が通じませんが、その程度では「男」の優位は揺るぎません。
なぜなら終一自身は操れなくても、彼の周りの人間は操れるので、
そいつらを使って終一を始末するなんて、造作もないことだから。
…のはずですが、「男」はとにかく詰めが甘く、そんな絶対的優位にも関わらず、
襲撃のたびに終一から反撃を受けるんですよね…。
「男」はスタンガンで気絶していたり、花壇に踏み潰されていたりと、
身動きの取れない状態の終一にトドメをささずに、なぜか放置して去ります。
花壇で踏み潰した時は、すでに死んだと考えたのかもしれませんが、
初対面の時に車に轢かれた終一を見ているはずなので、
彼の回復力や頑丈さが普通じゃないのはわかってるはずなのに…。

でも「男」がトドメをささない理由もなんとなくわかります。
「男」は別に殺人愛好家ではないので、自ら人を殺すことに躊躇があるのかも。
警察署で終一にゼロ距離で拳銃を突きつけた時だって、
彼を確実に殺せる絶好のチャンスにも関わらず、結局撃ちませんでした。
終盤でも拳銃で撃ち殺せるチャンスもあったのに、なぜか足を撃ち抜きます。
その一方で、操った人間に別の人間を高所から突き落させたり、
操った警察官に発砲させて終一を撃たせたりしているので、
自ら手を汚すのは嫌だが、操った人間で間接的に殺すことには抵抗がないのかも。
…と思ったのですが、終盤の劇場での対決の際には、
直接操った人間を二階席から飛び降り自殺させたりもするので、
自ら手を汚すことの抵抗があるわけでもなさそうなんですよね…。
それならやはり終一にトドメを刺さない理由がないことになります。
そもそもどうせ他人を操って終一を襲わせるなら、わざわざ終一の前に現れなくても、
自分は離れたところから隠れていればいいと思うんですけどね。

「男」の他人を操る恐ろしい能力ですが、実はこの能力も欠陥だらけです。
とにかく視界にさえ入らなければ、終一でなくても操られませんから、
背後から近付いて布袋でも被せて目隠ししちゃえば、後はただの身障者です。
それに劇中でも描かれていますが、強い光に目が眩んだり、
何も見えない真っ暗闇になれば、「男」の能力は使えなくなるのです。
本作のような異能力バトルものは、そんな相手の能力の弱点を突いて戦い、
勝利することで痛快な展開となるわけですが、本作は前述のように
「男」の自滅で決着が付くので、ラストバトルも全く痛快感がありません。
せっかくこんなに突くべき欠点が多い能力で、終一も気付いているはずなのに、
彼は全く弱点を突くような戦略も立てず、いつも猪突猛進で反撃に出ます。
トドメをささない「男」もアホなら、対策も講じない終一もアホで、
アホ同士なのでいつまでも決着が付かないだけの低レベルな戦いで、
途中からうんざりしてくるし、いい加減退屈になってきます。

そもそもラストバトルの舞台となる螺旋階段の場所って何処ですか。
劇場からそのまま繋がっているようなので、劇場の地下だと思うけど、
あんな底も見えないほどの深い竪穴のある劇場って…。
その螺旋階段で、いつも通りチンタラしたバトルを繰り広げる2人ですが、
能力を使いすぎた「男」が蹌踉けて、下に転落するのですが、
もたれるだけで壊れるって、あんな手すりの脆い螺旋階段、あり得ないです。
あれなら柵のないどこかの屋上を舞台にした方がよほど現実味があります。
(ホラー映画の監督って何故か螺旋階段が好きですよね。)
自滅して落ちる「男」を、なぜか終一は助けようとして、
2人で抱き合いながら、底の見えない螺旋階段の底に落ちて行きます。
終一は頑丈なので、自分が下になって地面に激突することで、
「男」の命を救ったようなのですが、あんな高い場所から落下したら、
終一がクッションになった程度で、「男」が衝撃に耐えられるはずないです。
実際はどうやって助かったのか描かれてないので、それは断言できないけど、
どちらにしても終一が「男」を助けようとする理由がわかりません。

あと、「男」の名前が最後まで伏せられる理由もわかりません。
「男」は自分には名前があるのに、「バケモノ」と言われるのを嫌ってましたが、
それなら自分の名前をみんなに教えればいいだけでは?
たまたま終一に名前を知られた時も、何だか嬉しかったみたいだし…。
あと、終一が地図マニアという設定も全く活かされなかったのも意味不明。
てっきり地理の知識を活かして、「男」に対抗するのかと思ったのに、
何の伏線にもなってないなら、地図絡みの一連のシーンは全く無駄です。
終一の友達がオネエとオタクという設定も活かされてないし、
本当に無駄だらけの作品ですが、普通だとリメイク作品は、
無駄なところが洗練されるものなんですけどね。

キャストだけは最高ですが、展開にはオリジナリティ皆無だし、
設定は無茶苦茶な上に無駄だらけな駄作。
自前ではロクな脚本も書けないから、わざわざ外国映画をリメイクしたのに、
それでもこの体たらくでは、日本映画の低迷はまだまだ長引きそうです。

コメント

ありがとうございます。

危うく山田孝之にひかれて観るところでした。
スルーします。
大感謝。
万能鑑定士にしておきます。

  • 2014/06/03(火) 21:31:22 |
  • URL |
  • 通りすがり #-
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Re: ありがとうございます。

ややっ、『万能鑑定士Q』もスルーした方がいいかもしれません。
本作よりも若干評判はいいみたいですが、あまりオススメできません。

  • 2014/06/03(火) 22:07:11 |
  • URL |
  • BLRPN #-
  • [ 編集 ]

私も観ません。

賢くない私でも、作品の粗が気になりそうだし、
Yahoo映画でも低評価だったので、私も観ません。

藤原竜也は好きだけど、演技がワンパターンな気がします。
カイジ1は非常に良かったですが。
参考になりました。

私は親韓です。
K-POPブームはもう去りましたが、
K-POP(クレヨンポップ、T-ARA、ダルシャーベット)オススメです。

  • 2014/06/05(木) 22:45:31 |
  • URL |
  • 花井 #sqQhJwBQ
  • [ 編集 ]

Re: 私も観ません。

評判を確認してから観るかどうか決めるのはとても効率的で賢い方法ですよね。
ボクもそうしたいですが、その前に我慢できずに観に行っては地雷を踏みます。
ただYAHOO!映画のレビューはあまり信頼していません。
最低点の☆1か満点の☆5ばかりなので、アンチかステマばかりな気がするので…。

たしかに藤原竜也はワンパターンですね。
でも演技というよりは役柄がワンパターンなんだと思います。
『バトルロワイヤル』や『カイジ』などのデスゲーム系主人公か、
『デスノート』や『藁の楯』などのサイコな犯罪者役ばかりなので…。

親韓の人がウチの記事を読んでくれているとは思ってませんでした。
たぶん気を悪くされることもあったと思いますが、ごめんなさい。
K-POPのその3組は名前も聞いたことがありません。
ボクはJ-POPですらあまり詳しくないので…。

  • 2014/06/06(金) 12:20:48 |
  • URL |
  • BLRPN #-
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[邦画] だからモンスター「ズ」なのか。「MONSTERZ モンスターズ」

題名MONSTERZ モンスターズ 原案韓国映画「超能力者」(2010)のリメイク 監督中田秀夫 出演藤原竜也(男)、木村多江(男の母)、三浦誠己(男の父)、山田孝之(田中終一)、田口トモロヲ(雲井繁、田中の勤務先の社長)、石原さとみ(雲井叶絵、繁の娘)、落合モトキ(ジ

  • 2014/08/04(月) 19:08:31 |
  • 窓の向こうに

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