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X-MEN:フューチャー&パスト

なぜだか知りませんが、『X-MEN:フューチャー&パスト』の宣伝に、
妙に力を入れているTOHOシネマズが、5月1日から、
『X-MEN:フューチャー&パスト』のデザインの会員カードを発行していました。
限定1万枚なので、まだ残ってるかはわかりませんが、
ボクは『X-MEN』シリーズが大好きなので、是非ほしかったのですが、
新規入会者対象だったので、既に会員のボクは手が出せず…。
これを機にもう一度新規入会しようとも思いましたが、
今のカードにも無料鑑賞数回分のポイントが貯まってるし、断念しました。
数百円くらいなら払ってもいいから、切り替えられるようにしてほしかったです。
しかし東宝配給の『GODZILLA』のデザインならまだわかるけど、
なぜ20世紀フォックス配給の作品のデザインを採用したのか…?

ということで、今日は『X-MEN:フューチャー&パスト』の感想です。

X-MEN:フューチャー&パスト
X-Men Days of Future Past

2014年5月30日日本公開。
アメコミ映画『X-MEN』シリーズ最新作。

2023年、バイオメカニカルロボットのセンチネルの攻撃により、X-MENと地球は危機的状況に陥る。プロフェッサーX(パトリック・スチュワート)は宿敵マグニートー(イアン・マッケラン)と共闘し、1973年にウルヴァリン(ヒュー・ジャックマン)の魂を送る。しかし、1973年の地球でセンチネル・プログラムの開発を阻止しようとする間も、2023年では地球滅亡の危機が迫っており……。(シネマトゥデイより)



スピンオフも含め『X-MEN』シリーズ7作目となる本作ですが、
シリーズ3作目『X-MEN: ファイナル ディシジョン(X3)』の続編であると同時に、
シリーズ5作目であり、3部作のプリクエルで、事実上のリブート作品だった
『X-MEN: ファースト・ジェネレーション(XFC)』の続編という、
なんとも奇妙な位置づけになっています。
とにかく観る前は、そんなことが本当に可能なのかが最大の関心事でした。
そもそも『X-MEN(X1)』『X-MEN2(X2)』『X3』は三部作と言われますが、
端から三部作として製作されたわけではありません。
『X1』『X2』を監督し、大ヒットさせ、今日のアメコミ映画ブームの礎を気付いた
ブライアン・シンガー監督でしたが、ライバルであるDCコミックのアメコミ映画
『スーパーマン リターンズ』を監督するためにシリーズから離脱しました。
シリーズの立役者を失ったまま製作された『X3』は、案の定駄作に…。
この失敗により続編の製作が難しくなり、事実上三部作になってしまったのです。
本当なら『X4』『X5』…と続けるつもりだったはずですし、
実際に『X4』を製作する意向はずっと燻っていたみたいです。

三部作になってしまったものの、このドル箱シリーズを手放すのは忍びなく、
シリーズ最大の人気キャラであるウルヴァリンことローガンをスピンオスさせ、
三部作では回収できなかった彼の過去にまつわる伏線を使って、
プリクエルとなる『ウルヴァリン: X-MEN ZERO(XO)』が製作されました。
立ち位置的には三部作のおまけみたいな作品でしたが、
『X1』の噛ませ犬的ヴィランだったセイバー・トゥースが、
ローガンの兄として登場するという、辻褄の合わない設定で、
三部作はもうなかったことにするつもりなのかと思ったのも束の間、
本当になかったことにするべく、ほぼキャストを一新した『XFC』が製作されます。
『XFC』ではシンガーが製作としてシリーズ復帰し、
『キック・アス』から大抜擢されたマシュー・ヴォーンが監督を務めますが、
三部作およびスピンオフ『XO』との辻褄を合わせる気は全くなかったようで、
X-MEN誕生の経緯が描かれた三部作のプリクエルのようでありながら、
実質リブートとして製作されたのは間違いないです。

『XFC』はシリーズの新三部作の1作目として製作されたそうで、
このままその続編が製作されるものだと思いきや、
またしてもローガンのスピンオフ『ウルヴァリン:SUMRAI(W)』が製作されます。
当然『XO』の続編になると思ったのですが、なんと旧三部作の後日談で、
せっかくリブートしたのにまた旧作を持ち出すなんて、と驚きました。
その『W』のおまけシーンで、本作に繋がるプロローグが描かれ、
ついに旧三部作『X3』の続編『X4』が製作されるのか、と思いきや、
どうも『XFC』の続編でもあるみたいで、もう何が何やらです。
どうやら旧三部作後のローガンが、『XFC』後の世界に行く内容らしく、
タイムトラベルものになるということがわかりましたが、そうなると、
旧三部作は『XFC』の時系列の延長線上にあることになります。
時系列は『XFC』→本作→『XO』→『X1』→『X2』→『X3』→『W』→本作かな。

そうだとすれば『XFC』で無視した旧三部作との辻褄は、
一体どうするつもりなのだという疑問が湧きます。
しかし驚いたことに、本作でその問題を解決してしまっているのです。
その思い切った方法に感心しますが、辻褄にばかり砕心するのではなく、
シリーズ最高傑作と言えるほど面白い作品に仕上がっています。
本作は『XFC』から続投するはずだったヴォーン監督が降板したため、
シンガー監督が『X2』以来再びメガホンを取ったのですが、
さすがはシリーズの立役者だけのことはあると感服しました。
まぁ『X3』も彼が監督していれば、辻褄の問題も起きなかったんだけど。
『X3』を放棄してまで挑んだ『スーパーマン リターンズ』も失敗し、
すぐに『マン・オブ・スティール』としてリブートされてたしね。
おっと、シリーズの経緯でかなり行数使っちゃいましたが、
要するに、それだけこの奇妙な立ち位置をどう成立させるのかが気になり、
それを見事に成立させた本作に敬服したということです。

全米では先週末公開で、『X3』に次ぐ歴代2番目のオープニング成績を記録し、
初登場1位の好スタートとなり、とりあえず一安心です。
まぁ今年公開された同じマーベル映画の『キャプテン・アメリカ2』や、
『アメイジング・スパイダーマン2』には僅かに及ばないオープニング成績ですが、
評判は2作よりもいいので、最終成績は逆転するかもしれません。
本作が大ヒットするのは嬉しいけど、日本人としてちょっと複雑なのは、
『GODZILLA』の2連覇が本作に阻止されちゃったことかな…。
以下、ネタバレ注意です。そして、長文注意です。

2023年、対ミュータント用バイオメカニカルロボ「センチネルズ」により、
地球上はミュータントばかりか人間まで滅ぼされそうになっています。
まるで『ターミネーター』のスカイネットに支配された未来のような
ディストピアになってますが、どうやら『W』から10年ほど経っているようです。
ちなみにウルヴァリンが空港でプロフェッサーXとマグニートーに再会し、
X-MENに復帰したのは、『W』から2年後だったみたいですね。
てっきり日本から帰国した時の空港かと思ったのですが…。
たった8年で地球がこれほどまで荒廃するとは…。
冒頭のシーンで荒廃した街中をひとり走っていた女性は、ローグかな?
ローグは本作でももっと出番があるはずで、撮影もしたそうですが、
出演シーンを大幅にカットされてしまったみたいなのです。
三部作の準ヒロインだったのに、あんまりな扱いです。
『X3』でミュータント治療薬キュアを注射し、能力を失った彼女のその後は、
とても気になっていたので、カットされたのは残念でした。
でもVFXも完成していたので、DVDに収録される可能性は高いみたいです。
たぶんセンチネルズに殺されるだけのシーンだったでしょうが…。

そんな荒廃したモスクワで、若いX-MENがセンチネルズの襲撃を受けます。
その時のメンバーは、『X3』から続投のコロッサスとキティとアイスマン、
そして新メンバーのビショップ、ブリンク、ウォーパス、サンスポットです。
はっきり言って、急に4人も新メンバーを投入しないでほしいですが、
その目的は明確で、海外市場に向けたアピールでしょうね。
ビショップを演じるのはフランスの人気喜劇俳優オマール・シー、
ブリンクは中国の女優ファン・ビンビン、サンスポットはメキシコの若手俳優で、
どこもアメコミ映画が非常に人気のある国なので、サービスキャストでしょう。
特に中国ですが、ファン・ビンビンは『アイアンマン3』の中国公開版に出演し、
その影響か中国本土で1.2億ドルもの大ヒットを記録し、
アメコミ映画にとっては最も重要な海外市場になりました。
彼女が演じるブリングは原作だと別にアジア人には見えないので、
彼女が演じるのは不自然ですが、彼女を出演させるために、
何でもいいから適当に女性キャラを選んだのでしょう。
ビンビンはシリーズ5本に出演する契約をして、本作が1本目だと言ってますが、
本作の役柄を鑑みれば、2本目が実現するかどうかはかなり怪しいです。
(シリーズものでの複数契約は常識ですが、出演が保証されるわけじゃない。)
その理由は後で書きますが、展開上この4人の再登場はなさそうなので…。

センチネルズの襲撃を察知したウォーパスは、ビショップに報告。
ビショップはキティを連れて、建物の奥へ隠れます。
他のメンバーはセンチネルズと対峙し、彼らを逃がすため時間稼ぎ。
しかしセンチネルズにはミスティークことレイヴンのDNAが組み込まれており、
どんなミュータント能力に適応できるため、普通に戦っても絶対に敵いません。
『X3』でもX-MENのバーチャル訓練でセンチネルズが登場し、
キティやコロッサスも戦いましたが、その時とは比べ物にならない強さで、
結局逃げた2人以外はぶち殺されるのです。
それならみんなで逃げろよと思いましたが、足止めするには理由があり、
壁をすり抜けられる能力者だったキティは、能力が進化しており、
時間まですり抜けて、仲間の意識を過去に送ることができるのです。
ビショップの意識を数日前に送って、彼がセンチネルズ襲撃を知らせて、
襲撃される前にみんなで別の場所に逃げる寸法です。
つまりタイムスリップで未来を変えちゃうわけですね。
数日後に襲われると知った彼らは、モスクワを離れて中国で隠れます。
ここで中国が舞台になるのも、もちろん中国市場へのアピールです。

中国で隠れている彼らの元に、プロフェッサーXことチャールズが、
ストームとローガンを連れてやってきます。
三部作でずっと敵だったマグニートーことエリックも一緒ですが、
センチネルズという最悪の敵を前には、X-MENもブラザーフッドも、
同じミュータントとして共闘するしかなかったみたいです。
それはそうとチャールズは『X3』でフェニックスことジーンに粉砕されたのに、
なんで生きてるんだって思いますよね。
本作でその辺りのことも説明されるのかと思いましたが、特にありませんでした。
どうやら『XFC』で彼らに協力してくれたCIAモイラの植物人間の旦那に、
粉砕した時に意識だけ移すことができたみたいです。
そんなバカなって思ったけど、意識を過去に飛ばすこともできるなら、
他人に移すくらいたいしたことでもないのかな?
つまり今のチャールズの外身はモイラの旦那なはずですが、
いつも通り、ハゲのパトリック・スチュワートですね。
エリックは『X3』で死ななかったので、まだ生きていても不思議じゃありませんが、
『X3』でビーストことハンクにキュアを刺されて能力は失ったはず…。
でも『X3』のラストで能力が回復したような描写もあったかな。

チャールズとエリックがローガンを連れてきたのは、
彼の意識をキティの力で1973年に送り込むためです。
センチネルズ計画の発案者トラスク博士が、73年のパリ協定に出席した時に、
レイヴンが博士を殺したことで、ミュータントの存在が世間に知れ渡り、
人間から危険視され、センチネルズ計画が実行されることになったので、
ローガンを送り込んでレイヴンの博士襲撃を阻止しようという寸法です。
数日のタイムスリップなら、サンスポットの力を吸収したビショップでも可能だが、
50年もタイムスリップすると、普通なら精神が壊れてしまうらしいのですが、
ローガンのヒーリングファクターは精神にも有効なようで絶対に壊れないし、
彼はヒーリングファクターの影響で老化が極端に遅いので、
意識を移す50年前の自分の体も、現在と大差ないので適任なのです。
精神の回復が早いというのはちょっと意味がわからないけど、
そういえばジーンがダムで死んだ時に、
サイクロプスことスコットからも似たこと言われてたような…。
何にしても、このタイムスリップには打って付けの設定のキャラですが、
原作ではキティ自身がタイムスリップするようなので、
その役割をローガンに置き換えた脚色は素晴らしいと思いました。
それにしても、このキティの歴史を変える能力はちょっと強力すぎますよね。
こんな能力持っちゃったら、もうシリーズには再登場できないかも…。

73年の自分に精神が送られたローガンですが、
体は大差ないはずと思ったら、爪がまだ骨の爪で驚きます。
彼がストライカー大佐からアダマンチウムの移植手術を受けるのは87年なので、
この時はまだ骨の爪の時代だったんですね。
終盤で金属探知機を通るシーンがありますが、普通に通れて、
ちょっと驚いているローガンの顔が面白かったです。
73年はまだ兄のセイバートゥースことヴィクターと仲良し兄弟だったころかな。
本作には残念ながら(?)ヴィクターは登場しませんが…。
ローガンは丸2世紀ほど生きているので、時系列を把握するのが大変です。
骨の爪はなんだか使ってるのが痛そうに見えるし、アダマンチウムより脆いので、
戦闘力はかなりダウンしてそうですが、その点はあまり問題なさそうです。
なんでも興奮すると意識が乱れてタイムスリップが解けてしまうようで、
今回のローガンはいつものように暴れ回ることができないのです。
暴れないローガンなんて彼らしくないけど、今回の彼の役割は指導者ですから、
いつもの調子ではちょっと困るのかもしれませんね。

ローガンの役割は、レイヴンのトラスク襲撃を阻止するため、
意見の違いから袂を分かったチャールズとエリックに再び協力させることですが、
彼らを説得は、やはり一筋縄ではいきませんでした。
ローガンは後の「恵まれし子らの学園」である「エグゼビア・スクール」に
チャールズを訪ねますが、廃校になっている様子で…。
玄関から顔を出したのはハンクでしたが、なぜ人間の姿に戻ってるの?
と思ったら、『XFC』でレイヴンの細胞から作ったミュータント抑制剤を改良し、
それを常用することで、人間の姿にも戻れるようになったみたいです。
戦う時などは必要に応じて青い獣の姿になることもできます。
初登場の『X3』では常時獣の姿でしたが、きっと常用はやめたのでしょうね。
ハンクはチャールズと2人で学園で暮らしているみたいですが、
なんと『XFC』で脊椎を損傷し、下半身不随になっていたチャールズも、
その薬のお陰で、車椅子なしでも歩けるようになってました。
時系列では『XFC』以降の『XO』や『X3』でも、彼が歩いているシーンがあるので、
ここで辻褄を合わせてきたのかと思いましたが、どうもそうではないようで…。
というのも薬の副作用(主作用?)で、彼はテレパス能力を失っているのです。
『XO』や『X3』では、歩きながらもテレパスも使ってましたもんね。
まぁ適度に使えば、ハンクのように能力をコントロールできるので、
この時のチャールズのように過剰摂取しなければ、辻褄は合うのかも。

チャールズが薬に溺れ、せっかく歩けるのに学園に引き籠っているのは、
妹同然のレイヴンや親友エリックと別れることになったショックと、
彼の教え子がベトナム戦争に徴兵されたことが原因でした。
そんな彼は、協力を求めるローガンの話にも全く耳を貸しません。
まぁそんな状態じゃなくても、「未来から来た」という男の話は信じませんよね。
彼は『XFC』でローガンを仲間に誘ったのに断られたのを覚えており、
その時のローガンの台詞「Fuck Off」を言い返します。
うーん、かれこれ10年前の出来事なのに、よく覚えているものですが、
ローガンは87年にアダマンチウムの銃弾を受けて記憶を失うので、
62年にチャールズに会っていたことは全く覚えてないでしょうね。
結局チャールズは、ローガンの話は眉唾だが、レイヴンのために協力します。

次にエリックを訪ねるのですが、なんと彼はジョン・F・ケネディ暗殺の罪で、
ペンタゴンの地下100階にあるコンクリートの独房に監禁されています。
JFK暗殺の罪ってことは、もう10年近くも独房に捕まっているのか…。
そもそも人種差別反対の立場だったJFKを暗殺したら、
ミュータントにとっても不利になりそうなのに、不思議でした。
『XFC』でキューバ危機の時に彼らが海軍から攻撃されたのを、
大統領のせいだと考えたのかとも思いましたが、実はこれは冤罪で、
なんとエリック曰くJFKもミュータントで、同胞を暗殺から救うため、
金属を操る能力で銃弾の軌道を変えたが、失敗してしまい、
逆に銃弾の軌道を変えてJFKを暗殺したと疑われたみたいです。
面白い歴史フィクションですが、JFKのミュータント能力が気になりますね。

エリックの脱獄を手伝ってもらうため、ローガンはある男を訪ねます。
クイックシルバーことピーターです。
ピーターは本作から登場の新キャラですが、X-MENのメンバーになるようで、
ローガンは40~50年後の彼と面識があるという設定のようです。
もちろん73年時には、まだ少年で、ローガンとも面識はありません。
でもペンタゴンに侵入するのが面白そうなので、協力してくれます。
彼の能力は周りが止まって見えるほど超高速で動けることです。
正直あまり脱獄向きの能力じゃない気がするので、
もっと他に適任のキャラがいそうなものだと思いましたが、
ピーターが本作に選ばれたのは、エリックの息子だからです。
本作ではピーターもエリックも親子だと気付いてないみたいですが、
ピーターは「ママの知人に金属を操る男がいる」と発言し、関係性をにおわします。
実は彼らの間には娘もいて、スカーレットウィッチというX-MENのメンバーです。
でも本作には登場しなさそうだ、…と思ったら、
終盤でピーターが幼い妹と一緒にテレビを見るシーンがあり、
もしかしたらその子がスカーレットウィッチなのかもしれません。
でも原作ではこの兄妹は双子なので、妹が幼いはずないのですが…。
ちなみにクイックシルバーとスカーレットウィッチは、
『キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー』のラストシーンに登場しています。
来年公開の『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』では、
主要キャラとして登場予定ですが、本作の彼らとは関係ないみたいです。

本作最大のアクションの見せ場とも言うべきピーターの大活躍で、
エリックは無事脱獄に成功し、ピーターもお役御免になりますが、
そのままレイヴンの暗殺阻止もピーター連れて行けばいいのに…。
演出でそう見えるところもあるでしょうが、ピーターの能力って、
ミュータントの中でも最強クラスだと思うんですよね。
ローガンやエリックも彼に助けられてるくらいだし。
というかそもそもレイヴンを止めるだけなら、ローガンだけでも十分かも…。
特にテレパス使えないチャールズなんて何の役にも立ちませんよね。

そんなレイヴンですが、ローガンがチャールズらを訪ねる間に、
当時はまだ少佐だったストライカーのキャンプに侵入し、
彼に捕えられ、人体実験されそうなミュータントを解放します。
その中には『XFC』での仲間ハボックや、『X1』での仲間トードもいました。
このシーンは『アメスパ2』のおまけシーンで使われていた映像ですね。
『アメスパ2』はコロムビア映画なので、フォックス映画の本作のシーンが
使われるのはおかしいのですが、本作の宣伝のために、
フォックスが『アメスパ2』の監督と交渉して実現したそうです。
一瞬、『アメスパ2』と本作の世界観に繋がりでもあるのかと期待しちゃいましたが、
何も関係ないなら、こんなぬか喜びな宣伝はやめてほしいものです。

ストライカー少佐はトラスク博士の人体実験に協力していたみたいで、
レイヴンはトラスク博士のオフィスに忍び込み資料を物色すると、
その中から『SFC』の最後で仲間になった元ヘル・ファイアクラブの
アザゼルやエンジェルの人体実験の写真を見つけ、ショックを受けます。
エリック曰く、エマ・フロストやバンシーも人体実験で殺されたそうです。
エマまでそんな簡単に殺しちゃうのかと、少し残念に思いました。
ローガンがエマに会って、「元カノの妹じゃね?」って展開を期待したのに…。
逆にその辻褄がおかしくなるから、殺しちゃったのかもしれませんね。
(まぁ『XO』の話なので、どのみちローガンは覚えてないはずですが。)

トラスク博士についてですが、彼の設定には大いに疑問を感じました。
博士がセンチネルズ計画を作った動機は、ミュータントを脅威に感じているからで
『X1』でミュータント登録法案を提出したケリー上院議員や、
『X2』でミュータントを皆殺しにしようとしたストライカーと似たようなもので、
ネアンデルタール人がクロマニョン人に絶滅させられたように、
今度は人間がミュータントに絶滅させられると考えているためです。
しかしトラスク博士を見ていると、それが単なる詭弁にしか見えないんですよね。
なぜなら彼は、小人症だからです。
一概には言えませんが、小人症の原因もミュータントと同じようなもので、
遺伝子の突然変異による病態で、マイノリティであり、差別の対象にもなります。
なので、むしろ同じマイノリティであるミュータントに寛容でもいいくらいですが、
ミュータントをスケープゴートにして、健常者と共通の敵を作ることで、
自分たちが差別から逃れているように思えます。
しかし本作では、なぜか博士の外見的な特徴については、
まるでタブー視されているかのように誰も指摘しませんし、
センチネルズ計画も彼の外見的特徴とは全く関係ないかのように描かれます。
これはさすがに違和感があるし、もし小人症に一切触れないのであれば、
小人症の俳優をトラスク博士役にする必要もなかったと思います。

博士の非道な人体実験に怒ったレイヴンは、ついに暗殺計画を決行し、パリに飛び、
南ベトナム外務大臣をハニートラップにかけて彼に化け、パリ協定の式場に潜入。
そこに予定通り、センチネルズ計画のプレゼンのためトラスク博士がやってきます。
しかし博士は、ミュータント発見器でレイヴンの正体を見破ってしまうのです。
そこに彼女を阻止するため、ローガン、チャールズ、エリック、ハンクが到着。
なんとエリックはレイヴンを拳銃で撃ち殺そうと発砲し、被弾した彼女は逃げ出し、
トドメをさそうと後を追うエリックを、ハンクが変身して止めようとします。
その姿がパリ協定の取材にきたマスコミに撮られてしまい、
ミュータントの存在が世間に知られてしまうことになるのです。
その混乱に乗じてトラスク博士は逃げますが、その時ローガンは、
博士の付き添いで来ていた宿敵ストライカーを見て興奮し、意識が不安定に…。
テレパスを使えないチャールズもやっぱり役立たずでした。
ミュータントの存在を知ったニクソン大統領は、独断でセンチネルズ計画を承認。
8台の試作機がホワイトハウスでお披露目されることになります。
やっぱり史上最悪の米国大統領ニクソンはロクなことしませんね。

パリ協定で役立たずだったチャールズは反省し、薬を絶ちます。
そのせいでまた歩けなくなりますが、テレパス能力は回復し、
セレブロを使ってミュータント探しもできるようになり、レイヴンを探します。
しかし心が病んでるチャールズはセレブロを使いこなすことができず…。
そんな彼をローガンは励まし、ローガンの記憶を読むことで、
チャールズは50年後の自分とちょっとだけ話すことができました。
展開的には意味がわからないけど、新旧チャールズの対面は面白いです。
50年後の自分に励まされて正気に戻ったチャールズは、
セレブロでレイヴンを探し当て、彼女がワシントンD.C.に向かうことを掴みます。
ホワイトハウスで行われるセンチネルズのお披露目式に忍び込み、
式典に参加するはずのトラスク博士を殺すつもりのようです。
チャールズらは今度こそ阻止しようと、式典に忍び込みます。

一方、パリ協定でレイヴンを殺そうとした一件以来、単独行動中のエリックは、
ペンタゴンに侵入し、キューバ危機の時の遺留物として保管されていた
セバスチャン・ショウのテレパス対策ヘルメットを盗み出します。
その後ホワイトハウスを訪れ、式典でお披露目された8台のセンチネルズを
金属を操る能力で操り、式典の招待客らを襲わせます。
センチネルズはポリマー製なので金属ではないから操れないはずですが、
彼は以前にセンチネルズを輸送する貨物列車に侵入し、
センチネルズに線路を素に作った金属を移植していたみたいです。
ローガンとハンクは、センチネルズと戦いますが、
センチネルズはまだレイヴンのDNAが組み込まれる前なので、
50年後のセンチネルズほど凶悪な強さではないですね。

その頃(?)50年後の中国でも、チャールズたちはセンチネルズの襲撃を受けます。
いつも通り逃げて、キティの能力で歴史を変えたいところですが、
今回は意識を50年前に送ったローガンの意識を維持しなくてはならず、
キティもその場を離れることができません。
でも今回は海外市場狙いの新メンバーだけではなく、ストームとエリックがいます。
やっぱりこの2人はミュータント最強クラスの能力者ですね。
あの凶悪なセンチネルズを何体も撃墜してしまいました。
しかし彼らの大奮闘も虚しく、センチネルズの数の力でどんどん攻め込まれ、
次々と仲間が殺され、残るはチャールズとキティと意識不明のローガンだけに…。

その頃(?)73年のホワイトハウスでは、ローガンがエリックと対峙しています。
アダマンチウム移植後は圧倒的にエリックに分がありましたが、
今回は移植前なので、いい勝負が出来そうな予感です。
と思ったのも束の間、ローガンは鉄筋をぶっ刺され、
そのままポトマック川に沈められて戦線離脱を余儀なくされます。
うーん、今回のローガンは戦闘面では本当に活躍できませんね。
スピンオフ『W』で単身大活躍したばかりだから別にいいけど…。

エリックはシェルターに逃げ込んだニクソンを引きずり出します。
ニクソンは「他の者には手を出すな」とか言ってたけど、
あいつがそんな殊勝な男のはずがないと思ったら、
案の定、そのニクソンはレイヴンの変装で、
エリックは不意を突かれて、非金属の銃弾で撃たれて倒れます。
レイヴンはニクソンと一緒に避難していたトラスク博士に銃を向けるが、
チャールズがテレパス能力でレイヴンに語りかけ、
博士を撃たないように説得し、彼女は銃を捨てます。
その瞬間、未来も変わり、50年後の世界からセンチネルズが消失します。
レイヴンがエリックから大統領を救ったことで英雄として報じられ、
逆にトラスク博士は軍事機密を売却したとして逮捕され、
センチネルズ計画が白紙に戻ったのでしょうね。
ローガンは気絶したまま川から引き上げられ、
そのままストライカー少佐に身柄を引き取られるのですが、
これでこの後、彼からアダマンチウムの手術を受けるのかと思いきや、
なんとその少佐はレイヴンの変装だったみたいで…。
レイヴンがローガンなんて引き取ってどうするつもりか不思議ですが、
そこで本作は幕を閉じます。

ちょっと戻って、川に沈められて意識を失ったローガンの意識は、
50年後に戻りますが、気が付けばそこは「恵まれし子らの学園」で、
学園内にはハンクらセンチネルズに殺されたはずの仲間もいました。
やはりローガンが73年に干渉したことで、未来が変わったようですが、
なんとそこには『X3』で死んだ(殺した)はずのジーンとスコットの姿も…。
センチネルズどころか、三部作の出来事はなかったことになったようです。
そう、これが本作の辻褄の合わない問題を解決する方法で、
全てガラガラポンしちゃおうという荒業ですね。
ある意味、禁じ手なきもするけど、上手い手だと思いました。
ただ時系列で『XO』以降の全てが無に帰するので、
せっかくの日本舞台の作品だった『W』もなかったことになるのは、
日本人としてはちょっと寂しい気もするかも…。
まぁシンゲンとかがシリーズに再登場するとは端から思ってませんが。

そしてこれが、ファン・ビンビン演じるブリンクら新メンバーが、
今後シリーズに登場しないと思える理由でもあります。
三部作以降の話は消えたので、三部作以降の時代のキャラである彼女らが、
再び登場するとは考え難いからです。
続編は本作の続きで、73年より少し後の時代が舞台になりますが、
たぶん本作の新メンバーはまだ生まれてもいないはずです。
次回作は2016年公開予定『X-MEN:アポカリプス』ですが、
本作のエンドロール後のおまけシーンで、古代エジプトで崇拝され、
ピラミッドを建造していたエン・サバ・ヌルが敵アポカリプスです。
彼が率いるフォー・ホースメンの姿も見えますね。
本作で、ホワイトハウスに向かう飛行機の中で、ローガンがチャールズに
「ストーム、スコット、ジーンを見つけてX-MENを作れ」と言いますが、
次回作では若き日の3人が登場するみたいです。
更に『XO』で活躍したガンビットも登場しますが、好きなキャラなので楽しみです。
(役者がテイラー・キッチュからチャニング・テイタムに変わるのは残念かも。)
もちろんカメオ程度かもしれないけど、ローガンも出るはず。

ローガンはスピンオフの3作目『ウルヴァリン3』も決まっており、
時系列がどこになるかも気になるところですが、
それを最後に今まで7度ローガンを演じたヒュー・ジャックマンは、
本シリーズを卒業するという噂もあり、気になります。
映画で同じアメコミキャラを7度も演じた俳優はいなかったそうで、
その記録がどこまで伸びるか期待していたのですが…。
更に、『XO』でも登場したデッドプールのスピンオフも決まっているようです。
更に更に、X-MENの武闘派集団『X-Force』も製作されそうです。
少し未来の話になると思うので、ここならブリンクらも出られるかも?
フォックスは『ファンタスティック・フォー』もリブートしますが、
本シリーズとのクロスオーバーもあり得るとか…。
楽しみは尽きませんが、果たしてどこまで実現するやら…。

-関連作の感想-
ウルヴァリン:SAMURAI
X-MEN:ファースト・ジェネレーション
ウルヴァリン:X-MEN ZERO

コメント

はじめまして

僭越ながらブログを読ませていただきました。ストーリーを細かく載せていただき助かります。

私も今作を見て、X-MEN映画史上最高傑作だなと確信しております。

ブライアンシンガーの描いてきた「人種差別・性差別等のマイノリティー」的なテーマに対して、一つの最終回答が提示されたような感さえしています。

ただ、アクションそのものならば目新しいというか革新的なところは少なく、未来での世界規模の戦争にしては局所的な描き方をしているので、日本の「アベンジャーズを超えたオールスター」的な歪曲された宣伝に惹かれて見に行くと肩透かしを食らう類かもしれませんね。
時空を超えて主要キャストが勢揃いして最終決戦をする、といった向きに想像力を働かせてしまう宣伝はどうなのか、と思わずにはいられませんでした…これは作品そのものより配給会社の責任ですがm(__)m

若きチャールズ・エリック・ミスティークの人間関係、愛憎模様、「希望」と「選択」等に焦点を絞り、ウルヴァリンを橋渡し的存在にする方法は白眉で、ブライアンシンガーのテーマは素晴らしく、やはり彼のシリーズなんだなと再確認できました。

すみません一つ指摘なのですが、オープニングクレジット前に出て来た少年?は、ローグではない別のミュータントかと思われます。
終盤、現在(2023年)に戻ってきたウルヴァリンが部屋のドアを開けた時、ボビーと共ににこやかに話すローグが一瞬出てきたかと思います。そのちょっと前に右から左に走っていった少年が、冒頭の少年?と同じく前髪が白髪で似たような顔でした。よって、ローグとは異なるミュータントかなと予想しました。
ただ、ローグ同様前髪以外は黒髪なので、もしかしたら弟や従兄弟など血縁関係のある間柄かもしれませんね。ボビーとの子どもの可能性も無くは無いですが、だとすれば、2人と少年が話したりするシーンだったりが入るはずだろうなと思います。

すみません、大変長くなってしまいました…

Re: はじめまして

はじめまして。
こんな長い駄文を読んでいただいて、ありがとうございます。

マイノリティ的なテーマについては、三部作と『XFC』と比べると、
本作は少し弱いように感じられます。
キング牧師とマルコムXにも例えられるチャールズとエリックですが、
シリーズはその関係を軸に公民権運動のメタファーとして描いていたと思うけど、
本作はその2人が共闘することになっちゃってますからね。
最終的には若きエリックは単独行動に出て、若きチャールズと対立しますが、
老エリックと老チャールズの蜜月ぶりは、三部作の続編としては納得できないかも。
立場が正反対の2人が共通の敵を相手に共闘する展開はたしかに熱いですが、
センチネルズはミュータントばかりではなく、人間まで絶滅に追い込むため、
それなら最終決戦では人間とも共闘してほしかったと思います。

アクションが革新的ではなかったのは全くその通りで、
クライマックスよりも中盤のクイックシルバーの活躍が最大の魅せ場だと思うほどです。
やっぱりこれは、アクションシーンでローガンを活躍させなかったのが原因でしょう。
2023年のセンチネルズとアダマンチウム移植後のローガンのバトルも見たかったです。
ポンと出の新メンバーとセンチネルズの戦いなんて、盛り上がるはずないです。
それに歴史改変がなければ、圧倒的に負けていた戦いなので、痛快感もありません。
オールスターキャスト勢揃い的な宣伝も、たしかに問題あるかもしれません。
新旧キャストが邂逅するシーンは、新旧どちらにもいるローガンを除けば、
若きチャールズと老チャールズだけですからね。
サイクロプスとハボックが共闘するような展開でもあれば別ですが。

冒頭のローグについてですが、ボクも正直あれがローグかどうかは、
髪の色だけで判断したので、全く確信はありません。
DVDがリリースされたら、もう一度ちゃんと確認したいと思います。
DVDにはカットされたローグのシーンも追加されるはずなので、一目瞭然です。

  • 2014/06/01(日) 19:05:03 |
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