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学校の怪談 呪いの言霊

ボクは洋画の方が好きなので、ウチも洋画の感想が多いですが、
今日から暫くは邦画の感想が続くと思います。
期限切れ間近な劇場鑑賞券が数枚あるのですが、
それを消化するためには作品を選んでられず、邦画も何本か観ます。
とはいえ、作品を選んでられないなんてのは嘘で、ちゃんと選びます。
『キカイダーREBOOT』など全く観たくないものはさすがに観ません。
ちょうど今週末は、観てもいいかなと思える邦画が数本ありました。

その一本目が今日感想を書いた『学校の怪談 呪いの言霊』ですが、
入場者特典として、クリアファイルを貰いました。
クリアファイルは特典の定番で、よく貰いますが、まず使いません。
写真がプリントされているので全くクリアじゃなく、使い勝手が悪いからです。
今回も正直「邪魔なものを貰っちゃった」と思いましたが、
このクリアファイルは透明のスリットが入っていて、
挟んだものが一部透けて見えるように加工されています。
だからってこの程度では使い勝手が改善されませんが、
なんとこのファイルにパンフレットを挟むと、
スリットから"何か"見えるように細工されてあるみたいで、
そんなことを言われると、気になってパンフを買いたくなっちゃいます。
ボクはパンフは買わない派なので、今回も買うには至りませんでしたが、
無料の特典で高いパンフを購入するように誘導するなんて、
上手いことを考えるものだと感心してしまいました。

ということで、今日は連続邦画感想一本目です。

学校の怪談 呪いの言霊
学校の怪談 呪いの言霊

2014年5月23日公開。
『学校の怪談』シリーズ15年ぶりの新作。

ある日、詩織(石橋杏奈)は昭和63年発行の10円玉が小刻みに揺れる不思議な物音で目を覚ます。母の日記を読み返した彼女は、その日が母親の同級生たちがガス事故で亡くなった命日だったと知り、母の母校を訪ねることにする。片や高校に通う彩乃、未夢、友梨、芽生(小西彩乃、山邊未夢、新井ひとみ、中江友梨、庄司芽生)らは過去のガス事故についてうわさ話をしていたが……。(シネマトゥデイより)



90年代中盤は児童向けのホラー映画がよく製作されていて、
当時子供だったボクも、友達とよく観に行ったものですが、
その代表的な作品が『学校の怪談』シリーズです。
講談社やポプラ社の児童文庫『学校の怪談』を原作にした実写映画で、
1995年から1999年にかけて4作が作られました。
ホラー映画といっても小中学生向けなので、それほど怖いわけでもなく、
特に3作目までは小学生が主人公で、夜の小学校を舞台にした、
ホラー風味の冒険ファンタジーという趣の物語で、
そこに花子さんや動く人体模型などの学校の七不思議や、
人面犬や口裂け女など都市伝説の妖怪が登場するという内容でした。
特にマスコットキャラであるピンクのゴリラのようなテケテケが印象的でした。

ナンバリングタイトルじゃないのでまさかとは思いましたが、
本作はその『学校の怪談』シリーズの15年ぶりの新作ということになり、
当時のファンだったボクはシリーズ復活に感激してしまいました。
しかし本作は旧作に比べると趣を異にしすぎです。
舞台は小学校ではなく高校となり、登場人物も高校生以上になり、
それに伴ってターゲット層も上げたのか、冒険ファンタジーではなく、
学校ものホラー映画になってしまいました。
もちろんマスコットのテケテケも登場しません。
これはとても残念で、ボクはホラー映画ももちろん好きだけど、
学校ものホラー映画なんて他にいくらでもあるので、
あえて本シリーズでやる必要はないと思うんですよね。

ボクも旧作を観たことで、子供の頃からホラーに慣れ親しみ、
今では立派なホラー映画ファンになってしまいましたが、
ホラー映画の行く末を考えると、そんな作品は必要だと思います。
しかしゼロ年代以降、まともな児童向けホラー映画は皆無で、
現在、ボクの下の世代でホラー映画離れが深刻化しているのは、
そんな環境のせいもあるのではないかと思います。
だから本シリーズには、旧来の趣のまま復活してほしかったです。

本作は旧作と異なりガチのホラー映画になるということで、
メガホンもガチのホラー映画監督である落合正幸が取ってます。
彼は『感染』や『シャッター』などを撮った怪奇映画の巨匠のひとりで、
次回作は『呪怨』の最新作『呪怨 終わりの始まり』(来月公開)という、
ガッチガチのホラー映画監督です。
彼は数年前に一度、児童向けホラー映画『怪談レストラン』を撮りましたが、
やはり児童向けするため得意なホラー演出を抑えたのが裏目に出たか、
目も当てられないほどの駄作にしてしまったので、彼がメガホンを取るなら、
本作も旧来のような児童向けにしなかったのは正解かもしれません。
児童向けではないが、所詮はティーン向けなので、PG指定も避けるためか、
彼の演出力が最大限に活かされているとは言い難いけど、
なかなか雰囲気のある、そこそこ怖いホラーに仕上がっており、
少なくとも『怪談レストラン』のような駄作ではありません。

ただ本作は児童向けやティーン向けのホラー映画という前に、
東京女子流というアイドルグループの主演作という、
彼女らのファン向けのアイドル映画という側面も強いです。
ボクはAKB総選挙暫定2位の子の顔さえわからないほどアイドル音痴で、
東京女子流というのもグループ名を聞いたことがある程度でした。
余談ですが、ボクは関西人なので、グループ名に"東京"と付くだけで、
「東京のローカルアイドルか」と興味を失っちゃうんですよね。
彼女らがどれほど人気があるのかも全く知りませんが、
先達て初主演作となる青春映画『5つ数えれば君の夢』も公開されたそうで、
立て続けに2本も主演作が公開されるなんて、人気はともかく、
かなり事務所からプッシュされているのは窺えるので、ブレイクするかも?

ただ本作を観る限り、彼女らの魅力なんて全く伝わってこないので、
アイドル映画としてはあまりいい出来とはいえないかもね。
役名は実名を使っていますが、最後まで顔と名前が一致しなかったし、
本作には彼女ら以外にも数人女の子が出てるけど、
結局どの5人が東京女子流なのかも、正直わかりませんでした。
これは製作サイドにとっても残念でしょうが、観る側にとっても厄介で、
登場人物の見分けがつかないし、誰が話の中心かもわからないので、
状況を把握するのがとても困難でした。
結果、女子を見分けるのは諦め、女子は全員モブだと考え、
数少ない男子を主人公だと思って観ようと頭を切り替えました。
そうすると状況把握が楽になり、楽しく観れるようになりましたが、
主演がモブ状態でも同じだなんて、アイドル映画としては本末転倒です。

ただ状況把握が多少楽になっても、状況を完全に把握するのは不可能です。
それはキャラの見分けがつかないとかが原因ではなく、
本作の物語は多層構造になっており、とても複雑な脚本だからです。
原作が児童文庫だから、そんな難解な物語になるはずないけど、
実際は監督が手掛けたオリジナルストーリーで、妙に懲りすぎています。
だからこそ大人の鑑賞にも耐えうる作品になっているとも言えますが、
結局ちゃんと理解できなかったので、満足はできませんでした。
鑑賞中は謎だらけで「どういうことだろう?」と引き込まれますが、
最後まで謎の明瞭な回答が得られないため、不可解さが残ります。
もしかしたらあのオチで明快に理解できる人もいるかもしれないですが、
正直ボクは、監督も有耶無耶のまま幕を引いたのではないかと疑っています。
そんな不条理オチが許されるのもホラー映画の特権ですが、
『学校の怪談』シリーズはいつも明瞭なオチだし、感動的なラストだったので、
その新作でこんな不条理オチをされるのはちょっと残念です。
以下、ネタバレ注意です。

物語は3層で構成されています。
メインとなるのは北山田高校1年3組の生徒数名の話で、
この学年にはクラスは3組までしかないが、ある日、女子のひとりが、
無人で開かずの間の4組の教室から変な音がすると言い出すのです。
本当に変な音としか言えない、形容しがたい音でした。
その発言をキッカケに彼らは怪談話で盛り上がりますが、
そんな中、男子のひとりが、何年も前に4組でガス中毒事件が発生し、
何人もの生徒が死んだので、4組の教室は封鎖されたのだと話します。
そんなある日、女子のひとりが体育倉庫で足だけの化物に襲われます。
その時の怪物の唸り声が、伽椰子の声みたいで不気味でしたが、
『呪怨 終わりの始まり』のセルフオマージュかな?
女子はなんとか倉庫から脱出するも、気絶し保健室に運ばれますが、
保険の先生の様子がちょっとおかしくて…。
結局彼女は女子高生らしき幽霊に襲われ、
階段の踊り場の大鏡に閉じ込められてしまうのです。
大鏡は旧作でもお馴染みの小道具のひとつで、ちょっと懐かしかったです。
大鏡に閉じ込められる話は、怪談話をした時に、
生徒のひとりによる作り話だったのですが、それが実現したわけです。
例え作り話でも声に出すと現実になる「言霊」がテーマになっています。
でも足だけの化物の話なんて誰もしてなかったと思うし、
保険の先生の様子がおかしいのも、劇中に全く説明がなく不可解です。
ある時、3組の生徒は、学校に自分たち以外に誰もいないことに気付き…。

2層目の話は、学校に忍び込んだ4人の若者の話です。
彼らは学校のトイレで偽の心霊映像を作ってネットに流し、
金を稼ごうと考えて忍び込みました。
3組の話と同じ学校だし、同じ時間の物語だと思うので、
なぜまだ授業中の学校に忍び込むのか不思議ですが、
どうやら彼らはそこを廃校だと思っているらしく…。
幽霊役の男がトイレに隠れて、個室から顔を出し、
ハンディカメラに写り込むという段取りで撮影をはじめ、
見事にそれっぽい映像が撮れるのですが、
撮影後、幽霊役の男が「俺は顔を出していない」と…。
なんでもスタンバっている時に本物の幽霊を見て蹲っていたそうで…。
これもある意味、嘘が現実になる「言霊」なんですかね。
男たちがそんな話をしている時に、唯一の女の子は、
呆れて帰ろうとするのですが、なぜか学校から出られず迷子に…。
困った彼女は廊下で霊界が見えるという「狐の窓」をすると、
床から髪の長い女が湧いて出て、慌てて近くの教室に逃げ込むが、
そこはあの開かずの1年4組の教室で…。
そこにはこっくりさんをしたような形跡が残されていました。
一方、男3人も学校から出られなくなり、出口を探しますが、
その途中で写メを撮りながら歩いてくる女に遭遇します。
しかし彼女は自分たちが見えていない様子で、そのまま素通り。
その後彼らは、理科室で3組の生徒たちに遭遇するのですが、
3組の生徒たちには彼らが見えているし、話もできるみたいです。

3層目はその写メの女の話。
彼女はここの高校の最後の卒業生で、1年前に母を亡くしますが、
遺品から昭和63年製の10円玉4枚と、母の昭和63年の日記を見つけ、
母がこの学校で昭和63年にガス中毒事故になった
1年4組の生徒の生き残りだったと知り、母の友達の供養のためか、
母校が取り壊される前に、一度訪ねようと思ったようです。
だから写メで校舎を撮影しながら歩いてたわけですが、
なぜ若者グループに気付かなかったのかは謎です。
放送室で彼女は、母の日記に書いてあったことを校内放送で喋ります。
ちょうどその頃、若者グループと3組の生徒が理科室で遭遇した時で、
なぜか若者グループにはその放送が聞こえませんが、
3組の生徒たちには聞こえるみたいで…。

放送を聞いて、3組の生徒は驚愕します。
ガス中毒事故の話は男子が作った嘘の怪談話だったのもありますが、
彼らは今が昭和63年だと思っていたからです。
自分たちは4組で、実はもう死んでいるのではないかと薄々気付きます。
そして彼らが開かずの4組をこじ開けて、教室内に入ると、
そこには自分たちの死体が転がっていて…。
主要登場人物がすでに死んでいて、幽霊だったという展開は、
旧作でもお馴染みの展開だったので、正直予想通りでした。
ただ、ここからの展開が全く意味不明のものとなります。

写メの女は、校内放送後に放送室でVHSを見つけます。
ラベルにはガス中毒事故の日付が書かれており、気になって再生すると、
そこには当時の1年4組の教室の様子が映し出され、
どうやら生徒たちがこっくりさんを興じているようです。
しかし、彼らが呼び出してしまったのは、こっくりさんではなく悪魔。
するとそこに、その日は病欠で休んでいたため、
事故を免れたはずの母が映し出され、写メの女は驚愕します。
この若い頃の母が序盤で4組から変な音がすると言い出した女子です。
若い頃の母が突然狂ったように笑いはじめると、
周りの生徒たちが宙吊りになり、苦しみはじめます。
つまり4組が封鎖されたのはガス中毒事故なんかではなく、
若い頃の母が同級生を殺したからだということでしょうね。
VHSを見た写メの女は「お母さん、どうなってるの?」と混乱しますが、
母がどうなっているのかは作中で終ぞ説明されることはなく、
ボクたち観客も混乱しちゃいます。
まぁ悪魔に憑かれたっぽいのはわかりますが、
なぜ憑かれたのかも、いつ憑かれたのかもわかりません。
もしかしたら冒頭のこっくりさんのシーンが関係あるのかもしれませんが、
ちょっとボクには繋がりが理解できませんでした。
そもそも日本のホラー映画で悪魔って…。
トイレの幽霊や足だけの化物と悪魔の関係も全くわかりませんね。

一方、若者グループですが、廊下から湧いた幽霊から逃げて、
4組の教室に隠れた女の方は、教室の鏡の中からまた幽霊が湧いたので、
湧き切る前に鏡を破壊すると、学校の外に出られるようになり助かりました。
男たちの方は、4組の3人の男子と入れ替わり、63年の件の日に、
彼らが女子たちと教室でこっくりさんをするシーンで終わります。
とりあえず彼らは助からなかったということはわかりましたが、
全く意味の分からないオチです。
誰か理解できる人がいるなら教えてほしいです。

なんだか意味不明なラストで、釈然としない気持ちで劇場を出ましたが、
オチさえ筋が通るものだったら、なかなか佳作なホラー映画だったのにと、
ちょっと残念な気持ちになりました。
まぁそもそも『学校の怪談』をホラー映画にした時点で、
ある程度の残念な気持ちは残るのですが…。

-関連作-
怪談レストラン
シャッター

コメント

ほんと迷惑な話ですよね、復活させるなら最善を尽くせばいいのに、下手にホラー色強くしたり、アイドル起用したりして、、
数年前に、学校の怪談復活を願って仲間と話しあったこともあるのですが、まさかその時の悪い予想(子役じゃなくて、アイドルを使うんじゃないかな〜)が当たってしまってガッカリです

しかも、マイナーアイドルを使ってるくせして、宣伝もろくにして無いじゃないですか!一体なんのための映画だったのか

これがもし、旧作のような少年少女達のジュブナイルストーリーなら、どれだけ良かったことか…
絶対そっちのほうが売れたはずですよね!

  • 2014/05/31(土) 23:13:17 |
  • URL |
  • 学校の怪談世代 #-
  • [ 編集 ]

Re: 学校の怪談世代さん

最近になって気付いたのですが、
どうやら本作は90年代の東宝映画『学校の怪談』シリーズの新作ではなく、
ただ同じ原作小説を、全く関係ない人たちが再映画化しただけみたいです。
もっと言えば、2012年のSKE48主演でBeeTVで配信されていた
アイドルドラマ『学校の怪談』の劇場版らしいです。
AVEX主導なので、主演は現在のAVEXのイチオシ、東京女子流に交代しましたが。
旧作と全く関係ない作品と思えば、少しは溜飲も下がると思いますし、
万が一にも本作が好評でシリーズ化するようなことになれば、
旧シリーズの続編の目は完全に潰えるので、本作が売れなかったのはよかったかも。

  • 2014/06/01(日) 19:03:39 |
  • URL |
  • BLRPN #-
  • [ 編集 ]

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