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バトル・オブ・ザ・イヤー/ダンス世界決戦

先日、ボクにとって今年一番の嬉しいニュースがありました。
活動休止中だったHIPHOPグループ「KICK THE CAN CREW」の復活です。
旧ブログはJ-HIPHOPを中心に扱ったブログだったのですが、
ボクがJ-HIPHOPに嵌ったキッカケがKICKでした。
今でもKICKが最も好きな音楽グループです。
ブログ名もKICKのメンバーLITTLEのソロアルバムからパクってます。

しかしこの復活は遅きに失した感は否めません。
KICKやRIP SLYMEなどが盛り上げたJ-HIPHOPは、
KICKが活動休止していた10年間で風前の灯、…いや、完全に鎮火しました。
KREVAのソロ活動全盛期に復活していれば、状況は違ったかも…。
ボクも一時はJ-HIPHOPのCD年に何十枚も買うほど嵌りましたが、
熱もどんどん冷めて、今年は今のところ1枚しか買ってません。
買ってないというか、買おうにもCDが全く発売されないんですよね。
J-HIPHOPの人気が凋落して、売れないから売らなくなったのですが…。
KICKが活動再開してCDを発売したとしても、きっと売れません。
買った1枚もMCUとLITTLEによるULのデビューアルバム『ULTRAPS』ですが、
KREVAプロデュースなので、ほぼKICKも同然でしたが、全く話題にならず…。
結果を知るのが怖くて、何枚売れたのかも調べてません。

ということで、今日はヒップホップを盛り上げる映画の感想です。

バトル・オブ・ザ・イヤー/ダンス世界決戦
Battle of the Year

2014年5月2日リリース。
ブレイクダンスの国際大会を舞台にした青春ダンスムービー。

世界各国から選び抜かれた最高のブレイクダンス・チームが参加する国際大会「バトル・オブ・ザ・イヤー」が今年も開催されることになった。LAヒップホップ界の大物ダンテは、過去15年も優勝から遠ざかっているアメリカを復活させたい一心で、有名バスケットボールチームのコーチだった友人ブレークに監督を依頼。血気盛んなルースターをはじめ才能ある13人のダンサーを招集し、“ドリームチーム" として大会に送り込む。(シネマトゥデイより)



2000万ドルもの製作費を投じながら、全米5位デビューで、
全米総興収900万ドルも稼げなかった大コケ映画の本作。
B-BOYを題材にした映画だけど、劇中でも語られているように、
アメリカではヒップホップ文化離れが起きていて、
若者からも「クールじゃない」と言われているようなので、
それを題材にした本作がヒットするはずはありません。
そんなことは企画段階ではすでにわかっていたことですが、
ヒップホップ発祥の国として、ヒップホップ文化やブレイクダンスを、
もう一度盛り立てたいという思いで本作は製作された、
…というわけでもなく、おそらく海外市場でヒットできる算段だったようです。
劇中でも語られているように、フランス、ドイツ、ロシア、韓国では、
ヒップホップが未だにクールだと思われているようなので、
そこでヒットすれば、世界総興収で儲けられると考えたのでしょう。
ところが世の中そんなに甘くはなく、世界総興収でも1600万ドル程度に留まり、
まだ製作費を回収するには至っていません。
アメリカ代表のダンスチームが、ライバル仏独露韓とバトルする物語なので、
各国は敵として描かれているわけだから、その国でヒットしないのは当然です。
ライバルとしてすら描かれなかった国でも、もちろんヒットしません。
日本はブレイクダンスの強豪国のひとつですが、本作からはほぼ無視され、
劇場公開すらされずにビデオスルーとなりました。
海外市場を狙いながらも国内向けの内容の作品を作ってしまうような
アンバランスな作品では、コケて当然と言えるかもしれません。

そもそもヒップホップ文化はアメリカでは衰退したが
世界ではまだ流行っているなんて考えが幻想なのかも。
日本は世界大会の上位の常連であるブレイクダンスの強豪国ですが、
それほど裾野が広いわけでもなく、やってるのは一部の人だけ。
近年、文科省がダンスを必修化したので、
ブレイクダンスに接する子供は増えると思いますが、
ヒップホップを義務教育で教わるなんてヒップホップじゃないです。
本作はブレイクダンスの世界大会「バトル・オブ・ザ・イヤー」が舞台だけど、
この大会のどこに本来のヒップホップ精神があるのか…。
今やブレイクダンスは、ヒップホップとは全くの別物です。
本作もヒップホップ映画として売らずに、ダンス映画として売れば、
少なくともアメリカではもう少しいい成績を残せたはずです。
ダンス映画『ステップ・アップ』シリーズなどは、そこそこヒットしてますから。

LAヒップホップ界の重鎮で実業家のダンテは、
アメリカのヒップホップ文化の衰退を憂い、なんとか再興しようと、
毎年フランスで開催されているブレイクダンス世界大会
「バトル・オブ・ザ・イヤー(BOTY)」で、
アメリカ代表のブレイクダンスチームを優勝させたいと考えます。
そこで名門校のバスケコーチをしている"WB"ことブレイクに、
LAの最強チームのコーチを依頼するのです。
なぜバスケコーチにブレイクダンスのコーチを依頼するのかと思いますが、
彼は高校時代にダンテのブレイクダンスチームに所属していたそうで、
彼のチームをまとめる能力を買ったようです。
当時はB-BOYなんて黒人かラテン系しかいない時代で、
白人の彼は「ワンダー・ブレッド」と呼ばれたので"WB"です。
一応、ダンス経験者のはずですが、本作ではWBが踊るシーンは全くなく、
そんな彼になぜコーチをさせるのか、やはり不思議でした。
B-BOYのバイブルとも言えるドキュメンタリー映画
『プラネットB-BOY』も見たことがなく、BOTYも知らなかった彼に…。
依頼を受けた彼は案の定、筋トレやランニングなど、
バスケの練習みたいな指導を行い、ダンテに「ダンス教えろ」と怒られますが、
もともとバスケコーチなんだからそれは無理というものですよね。
まぁ彼が何でもバスケに例えようとするのは面白かったですけど…。

ダンテが用意したLA最強チームを見たWBは、
「LAで一番ではダメだ、全米の各都市から1番を集める」と解散させます。
BOTY本番まで残り3か月なのに、そんな即席チームで大丈夫かって感じですが、
BOTYとは各国や地域で予選を勝ち上がったチームが出るものなので、
そんな選抜チームを作るのはちょっと卑怯かも…。
WBは国内で行われるフリースタイル・セッションという個人の大会で、
オーディションして各都市を代表する22人の有望なB-BOYを集めます。

その22人が9週間の合宿を行い、1週間に一人ずつ脱落させて、
残った13人がアメリカ代表「ドリームチーム」になります。
アメリカのB-BOYは、各人の技術は高いけど、チームワークに欠けるので、
チームをまとめる手腕に長けたWBがコーチに抜擢されたわけだけど、
そんなチーム内で残留をかけて争わせる選抜方法だと、逆効果な気がしました。
実際にチームは殺伐とした空気が蔓延しています。
これは自分が悪者になることで、チームを団結させようというWBの思惑ですが、
実際にはそんなにうまくいかないと思います。
バスケ選手ならまだしも、相手は自意識過剰で我の強いB-BOYですから、
あまり厳しくすると辞退する者が続出しそうなものですよね。
しかもみんなバスケコーチのWBよりスキルも高そうだし…。
でもみんなBOTYにはどうしても出たいみたいで、辞退者は出ません。
なんだかヒップホップの反骨精神に反する真面目なやつばかりで…。
ひとりだけグリフターというB-BOYは、なかなか反骨精神のある奴で、
WBの指示を無視してダンスバトルでスタンドプレーしまくりますが、
それが原因で一人目の脱落者に選ばれてしまいます。
スキルはピカイチだったので、「グリフターでも落とされるのか…」と、
残りのメンバーはビビッてしまい、WBに不満を抱きながらも従順になります。

合宿は少年院だった廃墟で行うのですが、全くその施設を活かせてないので、
そんな場所でわざわざ練習する意味がわかりません。
ダンテならもっと素晴らしい設備の施設も用意できるだろうに…。
その後、合宿に振付師のステイシーが合流します。
男ばかりの中に女一人なので、何かモメ事が起きそうですが、結局何もなく…。
下手にロマンスにならなかったのは評価しますが、
何も起こらないなら別に女性振付師である必要もないと思います。
男と女ではダンスの魅せ方も違うし、この展開はちょっと違和感があります。

数週後、ロシアチーム「トップ9」とエキシビジョンを行うことになりますが、
そのバトル中にルースターとドゥ・ノックが仲間割れし、
スタンドプレーを連発したため、チームは惨敗してしまいます。
WBは当然激怒し、これは一発脱落だろうと思うほどの大失態ですが、
真面目なアーニスが2人を説教して仲直りさせて丸く収まるのです。
練習中にスタンドプレーしたグリフターは問答無用で脱落なのに不公平です。
更に合宿中は無断外出禁止なのに、フリップスが夜中に外出し、
合宿最終日の前夜にWBに見つかり、彼が最後の脱落者になると思いきや、
彼が妻子に会いに行っていたとわかって、同情からお咎めなしになり、
代わりにバンビーノのが最後の脱落者になります。
これもちょっと不公平で、WBの基準は曖昧すぎると思います。
あと一歩でBOTYだったバンビーノが可哀想ですが、神は彼を見放しませんでした。

合宿最終日、ダンテが有名なB-BOYカメルを連れて激励に訪れます。
憧れのカメルに会えたルースターは大興奮し、調子に乗って大技を披露。
見事に失敗し、足を負傷してしまい、メンバーから外れることになり、
バンビーノが繰り上げ復活するのです。
メンバーの中では主人公級の扱いを受けていたルースターなので、
彼の脱落は意外でしたが、よく考えたら当然かもしれません。
ルースターを演じるのは歌手のクリス・ブラウンで、
多少はダンスの心得もあるでしょうが、本職のダンサーには敵いません。
他のメンバーはボクも知らない役者ばかりなので、みんな本職だと思われますが、
その中に混ざって、彼が大会でパフォーマンスするのは難しいでしょうからね。
でもダンスのスキルの低い彼が抜けたことで、クオリティは上がりましたが、
正直、無名のメンバーばかりになり、華がなくなったような気がします。

アメリカ代表ドリームチームに選ばれた無名の13人ですが、
どうも気になるのは、黒人メンバーがスナイパー1人だということです。
やっぱりヒップホップ文化は黒人発祥の文化だから、
ヒップホップ文化再興を目指すチームに黒人が1人なのはどうかと…。
結局BOTYの参加者にほとんど黒人はいないんですよね。
だからBOTYがヒップホップ文化に根差しているとは思えないのです。
それにBOTYの優勝の常連国は韓国ですが、
アジア人が世界のトップになる競技というのは衰退するのが世の常です。
黒人文化であるヒップホップのブレイクダンスの頂点が韓国人なんて、
ブレイクダンスの人気が低迷するのも当然だと思います。
渡仏しモンペリエの会場に着いたドリームチームを待っていたのは、
彼らを見下す韓国チーム「ソウル・アサシンズ」の冷ややかな目線。
ボクは別にドリームチームを応援するつもりはなかったけど、
その韓国人の憎たらしい顔を見て、俄然応援したくなりました。
それにしてもあんなに憎たらしく描かれていたのでは、
韓国市場でも本作がヒットしなくて当然です。
世界最高峰の尊敬すべきチームのようには見えませんからね。
そういう意味では、本作が日本を無視してくれたのはよかったかも。
あんな憎たらしく描かれたら堪ったものではないですからね。
まぁあの憎たらしさは、世界広しと言えども朝鮮民族にしか出せませんが。

アメリカ代表ドリームチームを応援したいもうひとつの理由は、
メンバーのひとりサイトが日系人ということもあります。
調べてみるとサイト演じるスティーブ・テラダは、
アメリカで活動する「クエスト・クルー」のメンバーなんだそうで、
彼は『SAYURI』にも出演していたのだそうです。
本作ではそれほどエピソードには絡んできませんでしたが、
なぜか出演シーンはかなり多く、13人の中でも主要メンバーとして描かれます。
実はオーディション時にはエシーズという韓国系のメンバーもいたのですが、
彼は最終13人には残らず、いつの間にか脱落していた模様です。
そのお陰で純粋にドリームチームを応援できます。
そもそも黒人が少ないのも、アジア系、ユダヤ系、ラテン系など、
ドリームチームを多人種構成にしたい意図があったように思われますが、
ヒップポップ文化がアメリカ発祥を強調する内容なので、
その根幹であるアフロ・アメリカンをもっと重用するべきです。

BOTYは1回戦の参加20か国中、上位4チームが決勝トーナメントに進みます。
「バトル・オブ・ザ・イヤー」なんて言うから、ずっとバトルかと思ったら、
バトルは決勝トーナメントからで、1回戦はショーケースなんですね。
みんなで振りを決めて踊るというのも、自由なヒップホップ精神に反する気が…。
ショーケースを見る限りでは、確かに韓国チームは頭一つ抜けた印象ですが、
どうも違和感を覚えるのは、韓国チームのパフォーマンスだけ、
妙に凝ったカメラアングルや派手なエフェクトを使用していることです。
ドリームチームのパフォーマンスは、引き画が多くて、エフェクトも全くなく、
韓国に比べて地味な印象を受けますが、これってただの映像の差では?
実際のスキルにはそれほど差がないので、
優勝候補筆頭である韓国を凄く見せようという意図を感じます。
逆に意図がわからないのは、韓国のショーケース中に、
日本のテレビ番組「M-ON!」の生中継映像を挟んでいることです。
まるで日本が韓国チームを称賛しているようにも見えますが、同じアジア人だけに、
他国の人が見たら、韓国と日本の区別がつかずに同一視されかねず、不愉快です。

決勝トーナメントには仏独韓、そしてドリームチームが進出します。
ドリームチームはフランス「レフト・バンク・クルー」を降し、
決勝で韓国「ソウル・アサシンズ」とのダンスバトル対決になります。
結成3か月のチームが世界大会優勝なんて出来すぎなので、
どうせ負けるとは思ってましたが、やっぱり負けたのは悔しいですね。
もし相手がドイツだったらこんなに悔しくはないだろうけど…。
50点満点で49対48という高レベルの僅差で敗れましたが、
これはドリームチームの練習に問題があったのだと思います。
WBはチームワークを養う練習ばかりしてきたわけだけど、
ダンスバトルは即興なので、チームワークよりも個人技です。
チームワークを磨かなければ決勝には残れなかったでしょうが、
優勝目指すなら個々のレベルアップにも取り組むべきだったと思います。
会場は「USA!」コール一色だったし、もし多くのラップバトルのように
オーディエンスの判定なら、圧倒的にドリームチームが勝ってたはず。
まぁオーディエンスの判定なら毎年フランスが優勝することになるし、
世界の嫌われ者の韓国は決勝にも残れないけどね。

優勝できずに控室で落ち込むドリームチームですが、
あの厳しかったWBが「チーム以上、家族になれた」と激励し、
来年も出場することになってハッピーエンドです。
準優勝なら十分な結果だし、もし優勝していたとしても、
ダンテの思惑通りにヒップホップ文化が盛り上がることはないでしょう。
実際にアメリカチームは2011年にBOTYで準優勝したようですが、
それによって何が変わったということもなさそうです。
唯一準優勝がもたらしたことは、それを受けて本作が作られたことですが、
こんな大コケの失敗作に何の意味もありません。

コメント

ホンモノのクソ映画

今日見ましたがあまりの酷さにビックリしました。箱が大きかったりエキストラがすごい人数だったり、無駄に金かかってるなあーと思いましたが、2000万ドルもかかってたんですね …

主様のおっしゃるように、無駄な演出や、意味の分からない演出、韓国人のせいで吐き気がしました。

  • 2016/01/04(月) 13:46:39 |
  • URL |
  • つれづれくま #-
  • [ 編集 ]

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