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アドミッション -親たちの入学試験-

ゴールデンウィーク前の封切りラッシュの影響だと思うけど、
先週末も観たい映画が2本しか封切られなかったし、
今週末も1本しか封切られないので、来週はほとんど更新できないかも。
観たいDVDが数本あるので、その感想を書くことになりそうかな。
でも来週末も1本しか封切られないので、DVDの感想もそんなにもちません。
このままだと今月のブログ更新はスカスカになりそうだし、
血中映画濃度が薄まって五月病になりそうなので、
少しハードル下げて、あまり期待していない日本映画でも観に行こうかな。

ということで、今日はDVDで見た映画の感想です。

アドミッション -親たちの入学試験-
Admission.jpg

2014年4月23日リリース。
ティナ・フェイとポール・ラッド共演のロマコメ。

プリンストン大学の厳格な入試担当者であるポーシャ(ティナ・フェイ)は、ある日大学の同期だという新設高校の教師からの電話を受ける。彼女は昇進のチャンスを迎え、大学入学志願者を増やすため、その新設校を訪れる。電話の主、プレスマン(ポール・ラッド)からプリンストンを志望するジェレマイア(ナット・ウルフ)という少年を紹介されるが、気乗りがしない。その夜、プレスマンから食事に誘われたポーシャは、成り行きで彼とキスしてしまう。気を取り直して友人たちとのパーティに向かった彼女に対して、永年の恋人であるマーク(マイケル・シーン)は突然の別れを告げる。全ての歯車が狂い始めた彼女は、今までとは180度違う、感情的な行動を起こし始める。(公式サイトより)



全米初登場5位だった本作。
かなり期待ハズレな成績ですが、この出来であればそれも無理からぬこと。
出演作が日本でことごとくビデオスルーになるティナ・フェイの主演作なので、
本作もビデオスルーは決まっていたも同然ですが、
この出来であれば、ビデオスルーになれたのもラッキーだったかもね。

ヒロインが入試担当官という、なかなか珍しい設定で、
題材としては興味深かったのに、それを活かしきれない脚本で、
うまくやれば面白くなる目はあったのに、とても惜しいです。
何がダメだったかといえば、その斬新な題材を使って、
在り来たりなロマコメにしちゃったことでしょうね。
もしクライムスリラーかブラックコメディにしていれば、
かなり面白い作品になったような気がします。

あまり馴染みがない職業のため、完全には理解できませんでしたが、
入試担当官というのは、大学の入学事務局の職員で、
SAT(大学進学適性試験)の成績や、高校の内申書、
面接などにより、受験生の合否を決める人たちみたいです。
日本だと入試の成績で合否は決まるけど、
アメリカはいろんな要素を鑑みて合否判定するんですね。
日本でいえば推薦入試みたいなものかもしれません。
ボクは関西の有名私学卒ですが、推薦で入学したので、
自分もこんな感じで選別されたのかと思ったりして、
ちょっと興味深かったです。
でも、ヒロインが務める名門プリンストン大学は、
受験者数ナンバー1が自慢なようで、入試担当官の主な仕事は、
アメリカ中の各高校を回り、受験応募者を増やして、
受験者数ナンバー1を死守することみたいです。
プリンストン大学はアメリカでもランキング1~2を争う名門私立ですが、
日本でいえば慶応や早稲田みたいなものなので、
(アメリカでは公立より私立が上なので、東大や京大みたいなものかも。)
そんな名門は待ってるだけで受験生が殺到しそうなものだけど、
こんなに必死に受験者集めをしているなんて不思議ですね。
どうせ入学者数は変わらないのに、ただ名誉のためだけに…。
劇中での前年の受験者数は約26000人で、うち約1300人が受かったそうです。
早稲田の出願者は10万人を超えると聞いたことがあるので、
受験生を必死に集めているわりには少ないような気がします。
それでも倍率20倍はかなり難関ですが、
受験生を集めて倍率を上げる入試担当者は受験生の敵ですね。

いい受験生を集めると、入試担当官の評価も上がるようで、
みな躍起になっていますが、入学事務局長が今季で退職し、
ヒロインのポーシャはそのポストを狙って、いい結果を出そうと、
担当する北東部の高校を少しでも多く回ろうと張り切っています。
そんな折、新設校のニュー・クエスト高校の校長ジョンから、
説明会の依頼を受け、彼女は喜んで出向きます。
しかし説明会に集まった生徒たちは、いまいち食いつきが悪く…。
彼らは私大なんて所詮は石油会社と同じ民間企業で、
どこの大学でも大卒の資格さえ取れたら同じだと思っているのです。
ボクもその意見には賛成で、ボクも勉強苦手なのに、
頑張ってそこそこの大学を受験したけど、卒業して社会人になってみると、
ボクより学歴の劣る高校時代の友達の方が、
夢を叶えていたり、所得が多かったりしますもんね。
またボクより高い学歴の人が、ボクと同じ仕事をしてたりとか、
東大や京大なら話は違うでしょうが、学歴なんて何の役にも立ちません。

そんな食いつきの悪い生徒の中に、ひとりだけ熱心な生徒が…。
実は校長ジョンは、彼をポーシャに引き合わせたくて、
説明会の依頼を彼女にしたのです。
ジョン曰く、その生徒ジェレマイアは、ポーシャの息子だというのです。
ポーシャとジョンは同じダートマス大学の卒業生ですが、
彼女は大学時代に未婚で出産し、赤ちゃんを養子に出しましたが、
ジェレマイアの出生届を見たジョンは、彼女の息子ではないかと考え、
ジェレマイアには内緒にしたまま、ポーシャに引き合わせたのです。
それを聞いたポーシャは、子供が大嫌いだったのに、
自分に息子がいたと知った途端、急に母性に目覚めるのです。
そもそも子供が嫌いなら、子供の相手をする入試担当官にならないはず…。
それに彼女の母性はジェレマイアにだけではなく、
余所の子にまで向けられ、変質者扱いされたりもしますが、
なんだか彼女の性格の変更が急すぎて、ついていけません。
これならもともと子供嫌いなんて設定はない方がよかったです。

余所の子にまで母性を向けるポーシャなだけに、
実の子ジェレマイヤに対する母性の強さは言わずもがなでしょう。
彼を依怙贔屓して、なんとかプリンストン大に入学させようとします。
親心としてはわからなくもないが、こんな縁故入学は不公平で、
公私混同も甚だしいので、やはり同調しかねます。
しかしジェレマイアは、独学でSATをほぼ満点取るなど優秀なのですが、
授業はまともに受けてないため、内申書はかなり悪いです。
さらに対人関係も苦手みたいで、OBとの面接でも悪印象を与えます。
テストの結果だけではなく、総合的に合否を決めるシステムでは、
ポーシャの一存だけで、彼を合格させるのはかなり難しい状況です。
そこで彼女は、自分の母親に気があるポロコフ教授を母に引き合わせ、
ジェレマイアに有利な推薦状を書いてもらうことにします。
更に最終的な合否を決める選考会の前に、
ポスト争いをしている同僚の選考委員に休戦を持ち掛けたり、
他の選考委員一押しの受験生に投票して恩を売ったりして多数派工作します。
まぁそんな不正は百歩譲って見逃すとしましょう。
しかしどうしても許せないのは、選考会でジェレマイアを合格させるために、
あえて自分の受け持つ受験生を悪く言い、相対的に彼を持ち上げたことです。
そのせいで彼の前に先行された28人もの受験生が不合格になりました。
きっと中には入試担当官のプレゼン次第では合格した子もいたはずです。
ジェレマイア贔屓はいいけど、そのために他の子を貶めるなんて最低ですよ。
公私混同するだけでなく、他人の不幸を顧みないポーシャには嫌悪を感じます。
ロマコメでヒロインに嫌悪感を抱かれたらもうお終いです。
これがクライムスリラーなら問題なかったけど…。

ポーシャの必死のジェレマイア上げも虚しく、
他の選考委員から「彼は相応しくない」と一蹴され、結局不合格となります。
ところが、合格者のひとりが名門イェール大に入学すると知った彼女は、
合否データに不正にアクセスし、辞退した合格者の枠を
ジェレマイアに与えるように書き換えてしまうのです。
そのまま合格通知が発送され、ジェレマイアは合格することになりました。
これは依怙贔屓なんて軽い不正じゃない、立派な犯罪行為だと思います。
選考会時にこれ以上幻滅しようもないと思ったポーシャに、
更に幻滅させられるとは思いもよらなかったです。
不合格された受験生の親から「息子は受かってるはず」と問い合わせがあり、
入学事務局長が落としたはずのジェレマイアが合格したことに気付き、
ポーシャの不正がバレて、彼女は解雇されますが、
もし問い合わせがなければ、この不正は表沙汰にはならなかったわけで、
合格データがそんな杜撰に管理されていることにも驚きますよね。
本作はプリンストン大の名誉も著しく傷つけていると思うのですが、
なぜ同大学がロケ地を提供するなど本作に協力しているのか謎です。

何度も言うように、本作はロマコメなのが問題なのですが、
以上の感想では、特にロマンス要素はありません。
息子を想うあまりに暴走する母親の物語として描けばいいのに、
それと並行して、クエスト高校の校長ジョンとのロマンスが描かれます。
こんなロクでもない女のロマンスなんて応援する気にもなれませんが、
その内容もかなり薄っぺらくて、もうどうしようもないです。
なぜジョンと交際することになるかですが、
その理由はポーシャが同棲中の教授にフラれたから、というだけのことで、
別に相手がジョンである必然性も全くありません。
ジョンにしても、彼は教え子のジェレマイアのためを思って、
実母と思われるポーシャと引き合わせたわけだけど、
教え子の母親に手を出すなんて、教育者として最低の男です。
結局この物語は最低の男と最低の女によるロマンスで、
最低同士でお似合いだけど、そんな最低なロマンスは見たくないです。
後に、ジェレマイアがポーシャの息子だというのは、
ジョンの勘違いだったとわかり、ポーシャはジョンを責めます。
その勘違いのせいで、人生を棒に振ったような責め方でしたが、
ジョンはジェレマイアがプリンストン大に合格しなくても構わなかったので、
不正はポーシャが勝手にしたことだし、人生を棒に振ったのも自業自得です。
それによりケンカ別れしますが、なんだかよくわからないけど、
次に会った時には仲直りしてるんですよね…。
こんないい加減なロマンスならいらないし、それでロマコメになってしまい、
本作の題材の本来のポテンシャルを潰してるんだから残念です。

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