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たまこラブストーリー

昨日は大阪ステーションシティシネマに行ったのですが、
ゴールデンウィークかつファーストデイということもあってか、
チケットカウンターに長蛇の列が出来ていました。
いつも不思議なのですが、なぜ彼らは行列に並ぶんでしょうね。
紙の前売り券や招待券を利用するなら仕方がないけど、
ネットで予約する方が早くて簡単だし、いい席も取れるのに。
特にファーストデイなんて、ネット予約でも1100円均一なんだから、
前売り券を利用するから列に並んでるとは思えず、不思議です。
ネット予約は上映開始の20分前まで受け付けているので、
急に映画に行くことが決まっても十分間に合います。
列に並びながら弄ってるスマートフォンでネット予約すればいいのに…。
もしかして並んでいる人は、ネットに個人情報を入力したくない、
個人情報保護意識の高い人たちとか?

そういえば大阪ステーションシティシネマの売店を見たら、
ネット予約できる前売り券「ムビチケ」を売ってましたが、
同劇場ではムビチケでネット予約はできないみたいで…。
ムビチケを利用する人もチケットカウンターに並ばないといけないらしいです。
松竹系シネコンMOVIXでもムビチケの取り扱いが始まったみたいですが、
大阪ステーションシティシネマも半分は松竹資本だったはずなので、
ついにムビチケ対応になるかと思いきや、中途半端な対応です。
ネット予約ができないムビチケなんて、ただ割高なだけの前売り券ですよ。

ということで、今日は同劇場で観た松竹映画の感想です。

たまこラブストーリー
たまこラブストーリー

2014年4月26日公開。
テレビアニメ『たまこまーけっと』の劇場版。

高校3年生になった北白川たまこ。頭の中は商店街と家業である餅屋のことばかりだが、ある日、仲のいい友人たちが将来について真剣に考えていることを知る。そのころ、たまこの家の向かいに住む同級生で幼なじみの大路もち蔵も、ある決意を固めていた。周囲の人たちの変化を感じ、たまこもまた少しずつ心が揺れ始めていた。(シネマトゥデイより)



『アナと雪の女王』が公開7週目で首位に返り咲いたことでも話題になった
先週末の興行成績ランキングですが、GWでハイレベルな超激戦の中、
惜しくもベスト10入りを逃し、11位に入ったのが本作でした。
とはいえこれはかなり立派な成績です。
『アナと雪の女王』は744スクリーンで、動員56万人でしたが、
本作はたった24スクリーンで、動員2万人です。
1スクリーンあたりのアベレージなら本作の方が上で、
もしスクリーン数がもう少し多ければ、ベスト10も余裕だったでしょう。
話題作目白押しで、映画館も本作にスクリーンを割く余裕はなかったでしょうが、
深夜アニメの劇場版の客層を鑑みれば、いつ公開でも興収に影響なさそうなので、
あえてGW映画として公開して、激戦に揉まれる必要なかった気がします。
あの超駄作『小鳥遊六花・改 劇場版 中二病でも恋がしたい!』でも9位だったし、
GW以外ならベスト10入りは確実で、京都アニメーションの、
『涼宮ハルヒの消失』から続く連続ベスト10入り記録を伸ばせたのに…。

本作は京アニの深夜アニメ『たまこまーけっと』の劇場版です。
『劇場版 中二病でも恋がしたい!』の酷かったところは、
深夜アニメで放送したものに新カットを加えただけの出来の悪い総集編で、
完全に深夜アニメ第二期のプロモーションだったことですが、
本作は完全新作なので、同じ轍を踏む心配はありませんでした。
しかし、もともと深夜アニメを見る習慣がないボクは、
『たまこまーけっと』を最初の2~3話しか見てないんですよね…。
ボクはストーリー性を重視するので、日常系アニメは趣味に合わず、
完全に日常系だった『たまこまーけっと』の視聴は打ち切りました。
だからその劇場版である本作も、観に行くか悩むところでしたが、
京アニの『涼宮ハルヒの消失』以降の劇場版は全て観てるし、
本作はタイトルも『たまこラブストーリー』で、
どうやら日常系ではなく青春ロマンス映画になりそうだということで、
観に行ってみることにしました。

幸いにもテレビ版がストーリー皆無の日常系だったので、
本作はその続編とはいっても、ストーリーの繋がりも皆無で、
一見さんでも問題なく観れる作品に仕上がっています。
きっと意図的にそうしたんだろうなと感じたところは、
本編中でデラちゃんが一言も発しなかったところです。
デラちゃんは世にも奇妙な自由に喋る鳥(オウム?)で、
深夜アニメの時は喋っていたはずですが、本作では一切喋りません。
もしデラちゃんが喋ったら、一見さんは「何だあの鳥?」って混乱しますからね。
(尤も、本編上映前の短編「南の島のデラちゃん」では喋りまくってますが。)
どうやらデラちゃんは本作以前に国に帰ったみたいで、
本編での出番はワンカットのみで、おそらく深夜アニメ版のファンへの
ファンサービスで顔見世にカメオ出演しただけです。
デラちゃんが出ないことで、現実的な青春ロマンス映画に仕上がりましたが、
それがよかったのかどうかは判断しかねます。
デラちゃんは日常系アニメの中の唯一の非日常だったわけだし、
いわゆる道化的なポジションだったため、彼が抜けたことで、
作品からファンタジー要素が完全に排除されてしまったばかりか、
コメディ要素までかなり薄まってしまっている気がします。
劇場版化にあたり、そこまで作風を変えてしまって、
深夜アニメ版のファンは満足できたのでしょうか?

そもそも日常系萌えアニメを好む人って、キャラの男女交際を嫌うんじゃないの?
『けいおん!』なんかもそうだと思うけど、男子キャラを極力排除したりして、
片想いはOKだが両想いはなんて言語道断だというイメージがあったので、
日常系の『たまこまーけっと』でロマンスを描くと聞いた時は、
また思い切ったことをするものだと思いました。
もし『けいおん!』で同様のことをしたら、不満が殺到しそうな気がします。
まぁ本作の場合は社会現象化した『けいおん!』ほど人気があるわけでもないし、
ボクの日常系アニメファンに対する偏見かもしれないです。

それにロマンスとは言っても、キスすらしないプラトニックな内容なので、
ロマンス展開NGなファンでも、この程度は許容範囲かもしれません。
でもボクは端から青春ロマンス映画として観たのに、腑に落ちないことが…。
それはヒロインのタマコの相手役となるモチ蔵のことです。
プラトニックなロマンスを描く割に、なんだかチャラくないですか?
茶髪はアニメ的な表現でナチュラルボーン茶髪なのかもしれませんが、
高校生のくせに、片耳にピアスしているのがどうにも気になります。
性格的には純情なのに、その外見と内面が一致していません。
同級生の人気女子ミドリから片想いされるほどモテモテだし、
少女漫画のイケメンみたいで、正直ちょっと気に食わないです。

本作の序盤は主にモチ蔵視点で描かれ、東京の大学に進学することにした彼が、
片想い中の幼馴染タマコに、離ればなれになる前に告白しようとする展開です。
しかし、東京の芸術大学の映像科を志望するモチ蔵ですが、
本作からは彼の本気度が全く伝わってきません。
学校では映研に所属している彼ですが、劇中で彼らの作品の一部を見れますが、
動物の着ぐるみを着て、リンゴを追いかけるというチープにもほどがある作品で、
高3にもなって、真剣に映像作家を志す人の作品とは到底思えません。
そんな程度の将来の夢と、タマコとの日々を両天秤にかけて、
彼は将来の夢を選んだから東京への進学を選んだのでしょうが、
彼のタマコへの想いも、どの程度のものか推して知れるというものですよ。
きっと彼は東京の大学に進学しても、チープな映像を片手間に作りながら、
チャラくて身のない大学生生活を送るに決まってます。
いや、進学も無理で、地元で実家の餅屋を継ぐのが関の山かも…。
モチ蔵が映像に真剣に取り組んでいる姿をほんの少しでも描いていれば、
それだけで物語に説得力が出るのに、なぜその程度のこともしないのか…。
京アニの劇場版としては初めてのオリジナル作品らしいけど、
京アニは映像力に定評があり、原作物は得意だけど、
脚本力がなく、オリジナル作品は向かないのではないかと思わされます。
あと、ほんの些細なことだけど、主な舞台となるうさぎ山商店街が、
日本のどの辺にあるかくらい明言しておいた方がいいですよ。
標準語だしボクには関東近郊に思えたので、東京なんて近いだろと思えたので。
(タマコも江戸っ子口調になったりするし、東京の下町のような印象も…。)
後で調べたら、どうやら京都をモデルにしているみたいですが、
関西人のボクでも舞台が関西だったなんて全く過らなかったし、
舞台のモデルなんてコアなファンか、地元の人しかわかりませんよ。

中盤以降はタマコの視点で、幼馴染のモチ蔵から思いもよらぬ告白を受けて、
動揺してどうしていいのかわからず、ギクシャクしてしまう様子が描かれます。
高3とは思えないほど純情なタマコですが、ホントにまるで中学生みたいで、
このロマンスは淡い恋にもほどがあります。
淡い恋の機微をアニメで表現することに主眼が置かれているのでしょうが、
ロマンスとしては大きな盛り上がりもなく、平坦で面白味に欠けます。
ミドリとの片想い三角関係の決着も、のほほんと描きすぎでしょ。
所詮は元日常系アニメかと思うほど、ストーリーが弱いです。
たしかに京アニは絵が上手くて、特に女の子の可愛さは半端ないですが、
キャラの可愛さを過信して、ストーリーを軽んじてるんじゃないかな?
正直ボクは日本のアニメよりもハリウッドのアニメの方が好きですが、
向こうのアニメはキャラはバタ臭いけど、ストーリーが重視されていて、
それによってキャラが魅力的に見えることが多いです。
(アナやエルサはその外見で支持されているわけじゃないですよね。)
本作のキャラは、端から外見が可愛く、所作も可愛いが、
ストーリーがお粗末で、内面から出るような魅力がありません。

淡く平坦で、予想通りの展開になるロマンスが描かれますが、
そのストーリー性の弱さは、普通の映画のちょっとしたサブプロット並です。
なので本当にサブプロットにしちゃえばよかったのにと思います。
本作のメインプロットにするべきは、タマコが所属するバトン部の
マーチングフェスティバル出場の過程で、基本スポ根として描きながら、
並行してモチ蔵とのロマンスも軽く描く感じにすれば、
まだ少しは盛り上がるし、映画らしい物語になった気がします。
本作ではサブプロットとして描かれたフェスティバル出場の件ですが、
そのエピソードは最後まで描かれたからまだマシで、
タマコが新作モチを考案するエピソードなんて、後半完全になかったことに…。
ちょっとあり得ないレベルの構成力です。
あり得ないと言えば、父の唄うラブソングが入ったカセットテープのB面に、
母のアンサーソングが収録されていることに気付く件ですが、
何度も聴いてたのに今までB面の存在に気付かなかったなんてあり得ません。
感動的な展開でしょうが、違和感が強すぎて感動できませんよ。

ラストの展開にも違和感があります。
ミドリからモチ蔵が急に東京に転校することになったと聞かされたタマコは、
告白の返事をするために、彼が新幹線に乗る駅のホームに急ぎます。
ギリギリ間に合ったタマコは、モチ蔵に「大好き」と伝え、本作は幕を閉じますが、
両想いになってハッピーエンドだけど、ここで「大好き」はおかしいです。
転校を聞かされる前に、タマコはモチ蔵に返事をするのは決めてましたが、
その返事は「(告白されて)嬉しかった」というものだったはずです。
タマコはモチ蔵を幼馴染としか思ってなかったので、告白されて動揺したわけで、
だけど今の関係を崩したくないから、「嬉しかった」と伝えるつもりだったので、
最後の最後まで、彼女にモチ蔵に対する恋愛感情はなかったはずです。
それなのに急に「大好き」って…。
タマコのその感情の変化の機微が伝わるように描けていないのは、
青春ロマンス映画として致命的です。

結局、本作を楽しめる人は、キャラの外見の可愛さに萌えることができる人だけ。
オリジナル脚本が苦手な京アニは、素晴らしい原作を探して、
それを映像化することだけ頑張ればいいんじゃないかな。
まぁどうせ萌え目的の客が大半なんだから、
つまらない原作でも集客はそれほど変わらないかもしれないけど。

-関連作の感想-
涼宮ハルヒの消失
映画 けいおん!
小鳥遊六花・改 劇場版 中二病でも恋がしたい!

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