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とらわれて夏

5月になりましたね。
私事ですが、Auto PageからFC2に引っ越してきて、ちょうど一年になります。
旧ブログの方が検索エンジンに引っ掛かりやすかったみたいで、
未だに更新停止している旧ブログのアクセス数に追いつきませんが、
引っ越し当初から比べれば、かなり増え、本当に有難いことです。
ゴールデンウィークなので、映画も大盛況だし、休日でネットする人も多いのか、
特にここ数日はかなり堅調なアクセス数なのは嬉しいのですが、
デスクトップ使用者の6割が使っていると言われるIEの脆弱性が発見され、
「IEを使うな」と警告がされているので、MSが何か対策を講じるまで、
ネット利用者が減って、ウチのアクセス数も下がるかも。
でも、マジで危ないかもしれないので、IE使用者は気を付けないといけませんよ。
不用意にウチみたいな個人ブログにアクセスしない方がいいかもしれません。

ということで、今日は不用意に脱獄犯を家に泊めた母子の物語の感想です。

とらわれて夏
Labor Day

2014年5月1日日本公開。
ケイト・ウィンスレット、ジョシュ・ブローリン共演のヒューマンドラマ。

9月初めのレイバーデーの連休が迫る、アメリカ東部の閑静な町。シングルマザーのアデル(ケイト・ウィンスレット)とその息子である13歳のヘンリー(ガトリン・グリフィス)は、逃亡犯のフランク(ジョシュ・ブローリン)と出くわしてしまう。絶対に危害は加えることはないという言葉を信じ、アデルは彼を自宅にかくまうことに。やがて、家や車を修理し、料理を作り、ヘンリーに野球を教えるフランクに安らぎを覚え、魅了させられていくアデル。そして、人生を大きく変えかねないほどの重大な決意をする。(シネマトゥデイより)



本日日本公開だった本作ですが、木曜日に封切りなんて変則的な公開日です。
単純にファーストデーの集客を見込んで日程を決めたのかなと思いましたが、
それなら別に先週末から公開にしてもいいはずで、不思議でした。
でも原題が『Labor Day』と知って納得しました。
本作はレイバーデーの前後の舞台にした映画だからですね。
レイバーデーはアメリカの「労働者の日」で、日本で言うメーデーのようなもの。
だからわざわざメーデーを選んで公開することにしたのかもしれません。
とはいえ内容は労働争議云々とは全く関係ありません。
アメリカにとってレイバーデーは夏の終わりの祝日という印象なのだそうで、
夏の終わりのもの悲しさを表現した原題なのでしょう。

ちなみに、本作アメリカ本国での上映は、9月のレイバーデーではなく、
今年の1月末だったそうです。
なんでも本作は劇中に主人公らがピーチパイを作るシーンがあることから、
全米パイ協会と提携し、協会が定めた「パイの日」に合わせて封切ったそうです。
しかしそのコラボが、全米パイ協会にとってプラスになったかは微妙です。
なにしろ脱獄犯が卑猥な感じでパイを作るシーンでしたからね。
道徳的に物議を醸す、賛否両論な作品ですしね。

もっとも、ネガティブにしろポジティブにしろ、
コラボの影響が認められるほど、本作はヒットしてもいません。
トロント国際映画祭がワールドプレミアでしたが、話題になることもなく、
全米ボックスオフィスも初登場7位と全く振るいませんでした。
製作費も回収できてないみたいなので、コケたと言っても過言ではないです。
オスカー候補の常連ケイト・ウィンスレットとジョシュ・ブローリン共演で、
これほどヒットしないというのは予想外だったでしょうね。
その結果を受けて、よく日本で劇場公開してくれたものだと思います。
日本では公開規模が小さく、ファーストデーということもあったのか、
劇場は満席だったので、日本だとそこまで不人気ではない気がします。
ボク自身もなかなか面白い作品だと思いました。

シングルマザーのアデルはある理由から情緒不安定になり、
自宅に引き籠るようになり、夫から捨てられ、
母想いの13歳の息子ヘンリーと二人暮らしをしています。
1987年夏休みも終わりが迫る9月の木曜日、
二人は車で月一の買い出しにスーパーへ出掛けますが、
思春期のヘンリーが雑誌コーナーでエロ本を物色していると、
フランクと名乗る男に「助けてほしい」と声を掛けられます。
その男は右脇腹から出血しており、優しいヘンリーは放っとけなかったのか、
母アデルに引き合わせ、フランクを助けてあげようとお願いします。
ヒゲ面のゴツいフランクに、当然彼女は警戒心を露わにするも、
半ば息子を人質に取られるような状況で、渋々了承することに…。
フランクは脱獄犯で、日没まで家に匿ってほしいと言うのです。
右脇腹の出血は、誰かに撃たれたか刺されたかしたのかと思ったら、
盲腸の手術痕で、刑務所の病院から逃走したみたいです。
どうにも腑に落ちないのは、彼が何の目的で脱走したかです。
彼は殺人罪で懲役18年に処されましたが、報道での彼の写真は、
けっこう若かったので、その殺人事件はかなり前な印象を受けます。
模範囚なら脱獄しなくてもそろそろ仮釈放だったでしょうに、
なぜこのタイミングで脱獄したのか不思議です。
彼は脱獄の動機を「刑務所は御免だ」としか語りませんし、
脱獄してから何かアテがあったわけでもなさそうです。
ただ刑務所に比べ、病院の警備が手薄だから抜け出しただけでしょうか?

フランクはすぐ出ていく予定だし、アデルは仕方なく匿います。
その間に誰か来客でもあったら、母子も犯人隠避になってしまうので、
フランクはアデルを椅子に縛り付け、人質に見せかけるのです。
結局その日は誰も訪ねて来なかったので無意味でしたが、
縛り付けるのは誰か玄関まで来てからでも間に合うと思うんですけど…。
フランクは母子に手料理を作るのですが、手足が縛られてるアデルには、
彼が食事を口元まで運んでくれます。
アデルがそれを普通に食べるだけでもどうかしてるけど、
見ず知らずの男がフーフーしたものを食べるなんて考えられません。
普通食べさせてもらうにしても、介助は息子ヘンリーに任せるでしょ。
明らかに不自然な展開だと思いましたが、アデルは情緒不安定だから、
そんな常識は通用しない、…ということにしておきましょうか。

日没に出て行くはずなのに、夜中普通に寝ているフランク…。
翌朝、彼は美味しい朝食を作り、母子に振る舞います。
この日はアデルを縛るのはやめたみたいで、それどころか、
男手のない母子のために、家電や車の修理をしてくれるのです。
さらにヘンリーとキャッチボールで遊んだりして、
そんなフランクに、ヘンリーは理想の父親像を重ねます。
うーん、フランクは警察に追われる逃亡犯なのに、
庭でキャッチボールするなんて、人目は気にならないのかな?
そんな大胆なフランクですが、ご近所さんがおすそ分けに来た時は、
やっぱり慌てて隠れちゃうんですよね…。
そのおすそ分けが桃で、フランクは母子と一緒に例のパイを作ることに。
修理なんかは男の仕事だと思うし、料理など家事をこなす男もいるけど、
お菓子作りまでできる男はなかなかいませんよね。
「タピオカ粉を使えば、パイ皮がパリッとなるんだ」なんて、
まるでパティシエのお料理教室みたいですよね。

アデルにパイ作りを手とり足とり密着指導するフランク。
それにより二人は急激に親密になり、その夜には早くもヤッちゃいます。
その喘ぎ声は思春期の息子の寝ている子ども部屋にまで届き…。
普通なら「勘弁してよ、母ちゃん…」って感じになりそうなものですが、
離婚後ご無沙汰で触れ合いに飢えているのをわかっているヘンリーは、
母が喜んでいることが彼にとっても喜ばしいみたいです。
自分もフランクのことは嫌いじゃないし、応援してるのかも。
むしろ、その情事の音を聞いて、自分もムラムラしてきて、
同級生の女の子の透けたブラ紐を思い出して、身もだえしたり…。
完全に性に目覚めちゃったみたいです。

フランクは掃除洗濯炊事育児、なんでも完璧で、
旦那や父親としては理想の男ですが、仮にも会ったばかりの脱獄犯で、
ボクとしては、まだ彼のことを信用できないような気持でした。
しかし次の日、そんなボクも彼の印象が変わる出来事があります。
アデルは知人から、晩まで息子を預かってくれと強引に頼まれるのです。
その子は車椅子の知的障害児なのですが、フランクはその子に対しても、
とても優しく完璧に接っするのです。
これは簡単にできることじゃありませんよね。
この件で、ボクもフランクが本当に善人なのだと思うようになりました。
しかしその子を預けた知人女性は、情緒不安定な引き籠りのアデルに、
障害児の息子を預けるなんて、無茶というか無責任ですよね。

翌日、フランクからカナダのガイドブックを借りてきてほしいと言われ、
ヘンリーはひとりで図書館に行きます。
彼は図書館で同年代のオマセな女の子と友達になるのです。
その女の子は、両親が離婚し、父と暮らすため転校してきたばかりで、
自分は男を作った母から追い出されたと思い込んでおり、
母に男ができたと話すヘンリーに「あんたも追い出されるよ」と警告し、
彼は不安になり、先にフランクを追い出すべきかと考えます。
フランクは指名手配され、賞金1万ドルも掛かっているので、
ボクなら速攻通報しますが、ヘンリーは悩みます。
その夜、母アデルが「フランクとカナダで人生やり直す」と言い出し、
ヘンリーはやっぱり自分は捨てられるのかと狼狽しますが、
3人でカナダに引っ越すと聞いて安心します。
翌日から引っ越しの準備を始めますが、途中で女の子に会いに行くと、
女の子はヘンリーの母の男が脱獄犯だと勘付いたようで、
「まるで『ボニーとクライド』ね。ボニーは撃ち殺されるよ。」と警告。
また不安になるヘンリーですが、急に女の子からキスされて、
なんだか有耶無耶になります。
異常に勘のいい女の子ですが、結局よくわからない子でした。

ヘンリーが女の子と初キッスしている頃、
家ではアデルはフランクに、自分は子どもが産めないと告白します。
なんでもヘンリーを出産後、4回も流産しているらしくて、
街で妊婦を見かけるのが辛くなり、引き籠りになったそうで、
もっと子どもが欲しい旦那は、余所に女を作って離婚します。
なんだか急に重たい過去をぶち込まれて、ちょっと面喰いました。
でもむしろアデルよりもフランクの過去の方が気になりますよね。
本作では彼の過去が時折フラッシュバックで描かれますが、
全容は掴みにくいものの、どうも自分の妻子を殺したみたいです。
彼はたぶん主夫だったみたいで、幼い我が子の面倒を見てましたが、
妻は男遊びが激しかったみたいで、子どもが自分の子か彼女に問い詰め、
勢い余って殺してしまったみたいです。
ほとんど事故同然なので、これで懲役18年はないだろと思ったら、
妻の死に気を取られ、子どもをバスタブで溺死させてしまいます。
それも事故同然ですが、妻子殺しの凶悪犯扱いされたみたいです。
故意で殺人を犯したわけではないし、やっぱり基本善人の彼なので、
そんな彼なら、脱獄なんてしないで、ちゃんと罪を償いそうなのに、
なんだか経歴と行動がチグハグな気がします。
でも主夫だったなら、家事が得意なことには納得できました。

新学期が始まる月曜日、いよいよ引っ越すのですが、
その早朝、ヘンリーは父の家に書置き的な手紙を投函します。
その帰り道、新学期初日にふらふら歩いているヘンリーを見かけた警察が、
お節介にも彼を心配して、強引に家まで送られることに…。
家には指名手配中のフランクがいるのに大ピンチですが、
ヘンリーの素晴らしい機転により何とか凌ぎます。
しかし更にピンチは続き、アデルが銀行に引越資金を引き出しに行くと、
あまりに大金だったため、行員から心配され、事件性を疑われます。
うーん、なんともお節介な人ばかりの街ですね。
しかしまたしてもヘンリーの機転で難を逃れるのです。
しかしそのころ家では、あの障害児を預けた知人が急に訪ねて来て、
フランクと鉢合わせになります。
ただの修理屋だと誤魔化すフランクですが、かなり怪しまれてます。
そこにヘンリーでもいれば、機転で乗り越えられそうなものですが…。
たぶんその知人が通報したのか、アデルとヘンリーが家に帰ると、
パトカーのサイレンが聞こえ、フランクは観念します。
彼は母子が犯罪者を匿った罪に問われないように、二人を縛り上げ、
まるで誘拐したように見せかけて、警察に逮捕されます。
アデルは誘拐罪に問われたフランクの減刑を求めて、
不法監禁はなかったと訴えますが、聞き入れてもらえず…。

十数年後、大人になってベーカリーを経営するヘンリーの元に、
獄中のフランクから「もうすぐ仮釈放になる」と手紙が届きます。
ヘンリーは「母はまだ独身で、あなたを待っている」と返信し、
出所したフランクはアデルと再会できて、めでたしめでたしです。
うーん、なんかこの後日談の部分はあまりいらなかったような気がします。
フランク逮捕で終わってた方が、切なくてよかった気がするので…。
フランクから13歳の時に一度だけパイの焼き方を教えてもらったヘンリーが、
そのパイを再現してベーカリーを開店するなんて無理があるし、
成長したヘンリーを演じるのがトビー・マグワイアだったのも、
なんだかイメージと違って違和感がありました。
いわゆるストックホルム症候群を描いた物語なのは興味深いけど、
ちょっと特殊すぎて、合理性に欠け、リアリティが薄いかも。
ヘンリーの性の目覚めなど、彼の成長にもっと焦点を当てれば、
もっと面白い作品になったようにも思います。

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  • 2014/05/20(火) 20:25:43 |
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