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テルマエ・ロマエII

今年のゴールデンウィークは、例年よりも映画館が混雑している気が…。
消費税により映画鑑賞料も値上がりしたから、
客足も遠のくのではないかと思ってたけど、全く影響なさそうです。
むしろ消費増税、円安、日並びの悪さから、旅行など遠出は避け、
近場で遊ぶ人が増えて、映画館が繁盛してるのかもしれませんね。
ボクは仕事柄、ゴールデンウィークは関係ないので、普通の日常です。
普通にいつも通り映画を観に行きますが、この時期は席を取るのも一苦労です。

ということで、今日は満席だったゴールデンウィーク映画の感想です。
公開2日前に予約しましたが、その時点でいい席はほぼ埋まってました。

テルマエ・ロマエII
テルマエ・ロマエII

2014年4月26日公開。
大ヒットコメディ映画『テルマエ・ロマエ』の続編。

ユニークな浴場を作り上げ、一気に名声を得た古代ローマの浴場設計技師ルシウス(阿部寛)は、剣闘士の傷を癒やすための浴場建設の命を受け頭を悩ませていたところ、またもや現代の日本へタイムスリップ。そこで風呂雑誌の記者になっていた真実(上戸彩)と再会を果たすも、やがてローマ帝国を二分する争いに翻弄(ほんろう)されることになり……。(シネマトゥデイより)



約60億円の大ヒットを記録した前作から丸二年。
その続編がいよいよ公開されたのですが、かなり待望の続編だったようで、
ボクの近所のシネコンでも公開初週末は終日満員の大盛況でした。
『名探偵コナン』『相棒III』『アメスパ2』など競合が犇めくGW商戦ですが、
本作がGWの興収ナンバー1の大本命かもしれません。

でも、正直その出来は微妙だったかも…。
前半はなかなか面白いのですが、物語が動き出す後半、
普通ならどんどん盛り上がるはずなのに、本作は急激に尻つぼみに…。
原作はとても面白いギャグ漫画で、それを映像化した前半は面白いが、
おそらく本作の脚本家に脚色力がないため、
オリジナルストーリーになる後半で急激に盛り下がるのだと思います。
これは前作も同じ傾向でした。
あとは2作目ということで、設定の目新しさが薄れているのもあります。
古代ローマ帝国の浴場設計師ルシウスが、現代日本にタイムスリップし、
日本の風呂文化を学んでいく姿を描いた斬新なコメディで、
カルチャーショックを受けるルシウスの姿が滑稽で面白い作品ですが、
その斬新さも、二度目となるとインパクトが落ちるのは否めません。
しかもルシウスは現代日本の風呂文化を学ぶわけだけど、
いくら日本の風呂が多様性に富んでいると言っても、
たかが風呂の多様性なんて限界があり、おいしいネタはすでに前作で使用済み。
つまりはもうネタ切れなんですよね。

本作でルシウスが学ぶ風呂は、スパリゾートの温水プールにあるスライダーや、
草津温泉の湯もみや湯畑など、日本でもかなり特殊な風呂で、
古代ローマ人どころか、日本人にも馴染みがあるとは言い難い文化です。
それはまだ風呂だから百歩譲って認めるにしても、
足つぼマッシージやマッサージチェアなど健康器具や、
ストリップやマジックショーやゲームセンターなどの娯楽施設や、
ビールやラーメンや餃子といった食べ物など、
銭湯に置いてあったり、温泉街にあるというだけで、
風呂と直接関係ないものを学ぶ展開はいかがなものかと…。
(食べ物に至っては日本発祥のものですらないですからね。)
そんなものではルシウスがテルマエ技師である意味があまり感じられません。
このあたりは原作にもあるので、脚色力は関係ないかもしれませんが、
そんな展開が増えた原作もネタ切れで現在連載休止中ですからね。
前作が空前の大ヒットしたことに味を占めたフジテレビが、
ネタもないのに無理やり続編製作を決行した感は否めません。

もうひとつ、前作で話題になったのは、
古代ローマ人を主演の阿部寛、北村一輝、宍戸開、市村正親ら、
顔の濃い日本人俳優が違和感なく演じているということでした。
このキャスティングの妙も面白かったのですが、
やはり二度目ともなると慣れちゃって、本当に違和感がなさすぎて、
そこに面白味すら感じられなくなってしまいます。
彼ら顔の濃い日本人俳優はみんな続投しているのですが、
ここは新たな顔の濃い日本人俳優を投入して、
少しでも新鮮さを演出するべきなのに、本作で投入された古代ローマ人役は、
グラディエーターを演じた曙(アケボニウス)と琴欧州(コトオウシュヌス)…。
いやいや、外国人を外国人役に配役したら、そのままだろ、と…。

曙、琴欧州ともに元相撲取りですが、本作は日本相撲協会が協力しているらしく、
総勢17名(たぶん前述の2人は含まない)が撮影に参加しています。
なぜ日本相撲協会が協力しているかといえば、本作でルシウスが学ぶ日本文化に、
相撲も含まれているからで、相撲の振興になるかもしれないからでしょう。
健康器具や食べ物と同じで、テルマエ技師が風呂と直接関係ない
相撲なんて学んでどうするんだと思うのですが、
学んだら学んだでその知識をローマに持ち帰り活かせばいいのに、
そんな展開にならなかったことは首を傾げてしまいます。
それについては後述しますが、以下、ネタバレ注意のストーリーの感想です。

紀元前136年、古代ローマ帝国はハドリアヌス皇帝の方針で領土拡大路線を転換し、
他国に領土を返還したりと、平和路線に切り替わります。
それに不満を持った元老院は、コロッセオの剣闘を過激なものにして、
民衆の好戦意識を煽り、世論を味方にしようとします。
そんな元老院はルシウスを呼び出し、コロッセオの地下に、
「グラディエーターの疲労を癒すテルマエ」を作るように依頼します。
皇帝の平和路線賛成派のルシウスでしたが、その依頼を受け、
例によって風呂に浸かってワームホールで現代日本にやってきて、
そこで出会った相撲取りを平たい顔族(=日本人)のグラディエーターだと考え、
彼らがどのように疲労を癒しているのかを研究するのです。
その答えのひとつがバスクリンで、それをローマに持ち帰る展開はいいけど、
もうひとつの答えが前述のマッサージチェアなど健康器具で、
それもローマで再現するのですが、それってテルマエ技師の仕事なの?
余談ですが、マッサージチェアの再現方法は奴隷を使った人間椅子でしたが、
ルシウスが現代日本から何かを学んで持ち帰るたびに、
その再現に利用される奴隷が悲惨に目に遭ってますよね。
ハイテク技術を人力で再現するというのは面白いですが、
古代ローマの話とはいえ、人権侵害ネタを笑うのはなかなか難しいです。

次にルシウスはアントニウスから「子どものためのテルマエ」を依頼されます。
平和路線で子どもが増えたため、子どもたちが楽しめるテルマエを、
…ってことですが、いくらなんでもちょっと強引な展開ですよね。
再び現代日本に来たルシウスは、スパリゾート「湯~トピア」で、
ウォータースライダーを学び、ローマで再現します。
ウォータースライダーなんて単なる滝滑りなので、そんな原始的な遊びなら、
古代ローマの子どもたちもやってたと思いますけどね。
次にルシウスは、北方で国境警備中のケイオニウスから、
寒冷地で働く警備隊のためのテルマエを依頼され、
現代日本で樽風呂を学び、それを現地に送るのです。
イカ八郎演じる平たい顔族とのルシウスの絡みは面白いですが、
風呂好きな古代ローマ人なら、木製の風呂くらい作ってるでしょ。
ちょっと古代ローマ人を馬鹿にしすぎじゃないですか?

次にルシウスは皇帝から「平和のためのテルマエ」を依頼されます。
なんとも漠然とした依頼ですが、「恵みの湯」なる温泉を掘り当て、
そこに理想の温泉郷「ユートピア」を作るという大プロジェクトです。
またしても現代日本にタイムワープしたルシウスは、
三大温泉郷のひとつ、草津温泉にやって来ます。
湯もみや湯畑、そして温泉街を学んだルシウス。
もちろんそれらもローマでの温泉郷作りに取り入れるのですが、
「私は真似ばかりで、私ならではのテルマエが作れない」と悩みを吐露します。
だから本作では、ルシウス独自の斬新なテルマエを作る話になると思いきや、
結局最後まで真似したテルマエしか作ってません。
というか、その悩む展開はその後全く活かされず、忘れられてました。

草津温泉の中でも、ルシウスが最も感銘を受けたのが"混浴"です。
古代ローマでは混浴は風紀が乱れるとして禁止されていましたが、
平和路線賛成派のルシウスは、現代日本の混浴の牧歌的な光景に、
「あらゆる垣根を超えるために混浴は有効ではないか」と考えます。
しかしその案だけは皇帝から反対されてしまうのです。
まぁ混浴は古代ローマでもあったけど、うまくいかなかった文化であり、
現代日本から持ち帰った他の風呂文化とは性質が違いますよね。
混浴が牧歌的なのは日本人の民族性なので、
どこの国でも通用するものではないでしょう。
本作のラストではローマでも混浴が実現するのですが、
その光景は牧歌的とは程遠く、やはり風紀の乱れを感じました。
(混浴というか、温水プールみたいな感じでしたけどね。)
あと、草津温泉の混浴シーンですが、そこに熊までいるのはやりすぎ。
「あらゆる垣根を超える」のはいいけど、野生の熊との混浴は非現実的すぎて、
逆に日本の風呂文化を馬鹿にしてるんじゃないかとすら思えます。
あの地獄谷温泉でも野生のサルと人間の混浴なんてありませんからね。

温泉郷作りに精を出すルシウスに、北方警備中のケイオニウスが
疫病になったという報せが届き、彼は心配します。
そんな折、作業中にルシウスもギックリ腰に…。
彼は現代日本で鍼灸治療と指圧を受けて回復するのです。
ルシウスを治療したのは、温泉旅館の旦那さんでしたが、
彼は浪越徳三郎という指圧師の弟子だそうですが、
この浪越徳三郎は実在した指圧師・浪越徳治郎がモデルだそうです。
なんでも昔テレビでも活躍していた人だったみたいですが、
ちょっと古すぎて三十路のボクも全くピンと来ませんでした。
すごく偉大な人物として描かれますが、ボクにはボケ老人にしか見えず…。
後に浪越徳三郎は、ルシウスに連れられて古代ローマにやって来て、
病気の皇帝の治療にあたるのですが、ギックリ腰なら指圧で治るけど、
心労で衰弱した皇帝が指圧で治るとは到底思えません。
しかし皇帝は元気を取り戻し、浪越徳三郎はローマでも崇められ…。
せっかく風呂がテーマの作品なんだから、指圧なんかじゃなくて、
温泉の効能で病気を治すような展開にすればいいのに…。
むしろ本作ではテルマエによって病気が悪化した人もいます。
それは疫病にかかったケイオニウスです。

ケイオニウスの疫病は結核だったため、風呂は病状を悪化させる上に、
大衆浴場なので結核を周りに感染させてしまうのです。
風呂文化の素晴らしさを伝える作品のはずが、
こんな風呂のデメリットを描くなんて、なんとも意外でしたが、
そのマイナスを取り返すくらいのメリットが後に描かれると思いきや、
そんな描写は終ぞありませんでした。
結局、ケイオニウスの結核も治らず仕舞いのまま、本作は幕を閉じます。
ケイオニウスが結核で死ぬのは史実という設定なので治せないのかもしれないが、
前作と違って、本作は歴史の改変を避ける展開ではないため、
ケイオニウスの病気も治ってもよかった気がします。
病気も結核ではなく、温泉の効能で治るような病気を選べばいいのに…。

次期皇帝のケイオニウスには、兄ジェイオニウスがいますが、
彼は男色であるため、王位継承を辞退したようです。
しかし、元老院に担ぎ出され、病床の弟ケイオニウスのふりをして、
民衆を領土拡大路線に扇動しようとします。
そのために、民衆を平和ボケさせ、堕落させると因縁を付けて、
大軍勢でルシウスが建設中の温泉郷を襲撃するのです。
そこに病をおして現れたケイオニウスにより、彼は逮捕されますが、
この兄弟の関係が修復する展開になると思っていたので意外でした。
意外というか、病気も治らない上に、兄とも仲違いしたままなんて、
なんともケイオニウスが気の毒な終わり方で残念です。

大軍勢を扇動したジェイオニウスが捕えられて、一件落着かと思いきや、
大軍勢はなぜかそのまま襲撃を続け、温泉郷は混沌と化します。
その混乱を止めたのは、恵みの湯の噴出です。
ルシウスがずっと探しながらも見つけられなかった恵みの湯が、
このタイミングで噴出し、混乱が治まったのですが、
その恵みの湯を掘り当てたのは、なんと現代日本から来た相撲取りたち。
まさか序盤の相撲ネタが、この展開の伏線だったなんて…。
…いや、全く感心してはいません。むしろ呆れてしまいました。
そもそも相撲取りに温泉が湧く場所なんてわかるはずないですが、
単なる温泉発掘作業員なら前作の百人隊長たちでもいいはずで、
相撲取りである必然性が全くありません。
せっかく相撲取りなのであれば、彼らは相撲を古代ローマに伝えるべき。
好戦的なグラディエーターの殺し合いに熱狂する古代ローマの民衆に、
現代日本のグラヂエーターである相撲取りが、
安全で平和的だけど熱狂できる相撲を教えれば、
それだけで元老院の目論見は潰せるはずなのです。
それでこそ、序盤のルシウスの相撲観戦が伏線として活きるというものです。
百歩譲って、古代ローマに相撲は伝えない展開を認めるとしても、
せめて温泉郷を守るために大軍勢と戦いましょうよ。
相撲取りが温泉だけ掘って帰るって、その展開の何が面白いんだ?

まぁとりあえず、元老院の陰謀が打ち砕かれ、
恵みの湯も沸いて、理想の温泉郷も完成し、
古代ローマの内乱は治まって、めでたしめでたしです。
お気づきでしょうが、あえて上戸彩演じるヒロイン真美について、
この感想では、一切触れないように書きました。
彼女の役は原作には登場しない映画のオリジナルキャラですが、
本当に邪魔なので、意図的に無視しました。
というか、彼女を無視しても、ちゃんと感想が成立するということで、
彼女が本作の物語に不要であることを伝えたかったのです。
この作品にヒロインなんて要らないし、
本作にルシウスのロマンスなんて誰も期待していませんよ。
そのロマンスのせいで、後半はギャグもほとんどなくなって笑えないし、
安っぽいメロドラマ化しちゃってると思います。
前半のギャグ路線は楽しめたので、そのまま最後まで行ってほしかったです。

-関連作の感想-
テルマエ・ロマエ

コメント

ダメ出しばっかし。
あんたはドキュメント映画でも見たら?
娯楽映画は軽い気持ちで見るもの。あんたに見る資格があるように思えない。

  • 2015/09/17(木) 10:07:52 |
  • URL |
  • 暴れ鹿 #-
  • [ 編集 ]

Re: タイトルなし

ダメ出しばっかし、とダメ出し。
あんたはメディアの絶賛レビューでも読んだら?
素人の感想文なんて軽い気持ちで読むもの。
あんたに読むする資格があるように思えない。

…なんて言われたら変だと思うだろ?
映画観るのに資格なんてないんだよ。
言われなくてもドキュメント映画も観るしな。

  • 2015/09/19(土) 18:35:31 |
  • URL |
  • BLRPN #-
  • [ 編集 ]

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