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映画クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん

ボクは『クレヨンしんちゃん』の映画が好きで、毎年欠かさず観ています。
その最新作公開の約一週間前に発売された、
過去21作もモチーフにしたミニゲームで楽しめる3DSのゲームソフト
『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ カスカベ映画スターズ!』にも
とても興味をそそられて、買おうかなと思ったんですが、
悪徳ゲーム会社バンダイナムコのゲームなのでやめました。
『ジョジョの奇妙な冒険ASB』で煮え湯を飲まされて以来、
バンダイのゲームは一生買わないと誓ったので。
でも日本のアニメや漫画のゲーム化権はほとんどバンダイナムコに独占され、
その中には好きな作品もあるので、ちょっと辛いものがあります。
ほとんど自社開発しないバンダイは、自社が版権を持つ作品のゲームを、
他社に開発してもらうことも多いので、出来のいいゲームもありますが、
儲け主義のバンダイの意向で、有料DLCや課金アイテムなども多いので、
彼らがその姿勢を改めるまでは、バンダイのゲームは買いません。

ということで、今日は『カスカベ映画スターズ!』にもDLCとして登場する
『クレヨンしんちゃん』の映画最新作の感想です。
そのDLCも今は無料配信中ですが、すぐに有料になります。
だから「早めに買えよ」ってことですが、その手には乗らないです。

映画クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん
クレヨンしんちゃん 2014

2014年4月19日公開。
人気アニメ『クレヨンしんちゃん』の長編劇場版22作目。

マッサージに行った父ひろしが、なぜかロボットになって帰ってくる。リモコンで家事をこなす“ロボとーちゃん”にしんのすけは大喜び。しかし、それは日本の父親たちの復権をたくらむ「父ゆれ同盟」の陰謀だった。そして父親革命が発生し、父親たちが暴動を開始。それに対し、ロボとーちゃんはしんのすけと共に立ち上がり……。(シネマトゥデイより)



9作目『オトナ帝国の逆襲』、10作目『戦国大合戦』は大人も泣ける作品と絶賛され、
『クレヨンしんちゃん』の映画が、単なる子ども向け作品ではないと認知されましたが、
その後監督が代わり、(浮き沈みはあるものの)長らく低迷が続きました。
しかしここ数作は少し復調の兆しが見え始め、完全復活も近いと思っていたのですが、
本作で見事に復活し、久しぶりに大人も泣ける作品の誕生です。
評判も上々のようで、なんと初週末の興行成績が前作の1.5倍に。
それでも『名探偵コナン』や絶好調の『アナと雪の女王』の怪物級アニメには及ばず、
ランキングは3位止まりでしたが、この群雄割拠のGW商戦の中で、
厳しい戦いが予想された中、前作よりも成績を大きく伸ばしたのは立派です。
初週末の成績がよかったということは、それだけ期待が高かったわけだけど、
本作『逆襲のロボとーちゃん』は、傑作『オトナ帝国の逆襲』と、
「逆襲」繋がりだっただけに、みんな名作誕生の予感を感じていたのかも。

前作21作目『B級グルメサバイバル!!』は幼稚園の園児たちが中心で、
主にしんのすけの友情が描かれており、それはそれで珍しくて楽しめましたが、
『クレヨンしんちゃん』の映画はだいたい野原一家(シロ含む)が中心です。
そんな中でも近年は15作目『ケツだけ爆弾!』ではシロとのペット愛、
17作目『カスカベ野生王国』ではミサエとの母子愛、
20作目『宇宙のプリンセス』ではヒマワリとの兄妹愛が描かれるなど、
家族の誰かをフィーチャーした作品が多かったです。
そうなれば次は父ヒロシの番で、予想通り今回はヒロシがフィーチャーされましたが、
これが本作の人気の秘密ではないでしょうか。
本作の冒頭では、ヒロシが息子しんのすけを連れて、
ロボットアニメ『カンタムロボ カンタムVSアコギデス』を観に行くシーンがあるけど、
本作のお客さんもそんな感じで、親子連れが多かったですが、
父親と観に来ているチビッコが多いように見受けられました。
これは今回に限ったことではなく、『クレヨンしんちゃん』の映画の傾向です。
『オトナ帝国の逆襲』や『戦国大合戦』も男性人気が高いですよね。
なので週末に子供を映画に連れて行こうと思った時に、
父親だと『名探偵コナン』よりも『クレヨンしんちゃん』を選ぶのかも。
ましてや父子愛がテーマの作品であれば父親自身も関心を持てるだろうしね。
『オトナ帝国の逆襲』も最も感動したと人気のあるシーンは、
ヒロシの回想シーンだったし、『クレヨンしんちゃん』の映画の客は、
家族愛の中でも父子愛が描かれることを望んでいるのかも。
ボクも『クレヨンしんちゃん』開始当初は、しんのすけに近い年齢だったけど、
いつのまにかミサエを超え、ヒロシの年齢に近づきつつあります。
ボクには子供はいませんが、作品の見方も徐々にヒロシの目線になってきたし、
もともと父子愛を描いた映画は大好きなので、本作もツボでした。

あと本作は、脚本家に中島かずきを起用してますが、
彼はロボットアニメや特撮ヒーロー出身で、
(カルト的人気アニメ『キルラキル』も手掛けています。)
何が男子ウケするか、ちゃんとわかっている人だと思われますが、
父子をターゲットにした本作では、その人選は見事に的中しています。
ただ感動できるだけではなく、とても楽しくて熱い展開ですからね。
製作費がめちゃめちゃ低いことで知られる『クレヨンしんちゃん』の映画ですが、
本作は作画もなかなか凝っていて、いつもよりお金が掛かってそうです。
製作サイドもそれだけ自信作だったのかもしれませんが、
この絶好の出足であれば、興収20億円も狙えるかもしれません。

父子愛をテーマにした作品ではあるものの、
しんのすけと父ヒロシの関係がメインではなく、
本作はしんのすけとロボとーちゃんの関係がメインとなります。
腰痛になったヒロシが、マッサージを受けるため
メンズエステ「ビューティフル・ダディ」に行ったのですが、
マッサージが終わって目覚めると、ロボットに改造されていて…。
ロボットになったヒロシに「ロボとーちゃんだ!」と大はしゃぎのしんのすけ。
しかし妻ミサエは当然そんな機械の夫を受け入れることは出来ず、
用心のために彼を家から閉め出して警察に相談します。
そんなある日、幼稚園の保護者同伴の遠足で、
完全オートメーション化された建設現場を見学に行ったしんのすけですが、
怪しい案内ロボットのせいで鉄筋の上で宙吊りになってしまいます。
あわや転落死のピンチを救ったのがロボとーちゃんで、
そんな彼のことをミサエも「ロボットでもいい、立派な父親だわ」と認めるのです。
しかしロボとーちゃんは、鉄拳寺堂勝なる謎のオッサンが企む計画のために、
エステでヒロシの記憶をコピーして作ったアンドロイドだったのです。

つまりロボとーちゃんは、サイボーグ化したヒロシではなく、
しんのすけとは血の繋がった父子ではありません。
しかしヒロシの記憶を持つ彼自身は、自分はあくまでヒロシだと思っており、
鉄拳寺に捕まっていた本物のヒロシが発見されて、自分が偽物だとわかっても、
その事実を素直に受け入れることなんてできないのです。
シュワちゃんのクローン映画『シックス・デイ』の主人公みたいで、
ロボとーちゃんの心境を思うと何とも切ないです。
あれほど信頼してくれたミサエも、いざ本物の夫が見つかれば、
もちろん本物のヒロシの方に靡きます。
記憶は本物の完璧なコピーなので、ロボとーちゃんの家族への想いは本物同様で、
彼は家族を諦めることができず、本物のヒロシに対抗意識をむき出します。
ロボットの彼は、家事も仕事もバリバリこなせる機能があるので、
本物のヒロシよりもスペックが高く、家族にそこをアピールしますが、
彼も内心ではそんなこと無駄だとわかっているような気がします。

ミサエはどんなに高スペックな偽物の夫よりも、
やはり生身の本物の夫の方が大切だと思っていますが、
まだ5歳児のしんのすけは、そこまで区別したりせず、
「とーちゃんもロボとーちゃんもオラのとーちゃんだ」と言います。
しんのすけにとっては血の繋がりなんてものは関係ないのでしょうが、
それだけに何をもって父親とするかを純粋に感じているのでしょう。
本当の父子ではないしんのすけとロボとーちゃんの関係を描くことで、
「父親とは何か」というテーマに迫った感動作です。
本作の敵である鉄拳寺は、そのテーマに対して、
「父親とは家族から惧れ敬われるものである」と考えており、
父親が威厳を失いつつある日本の現状を憂い、「大日本躾け直し計画」を実行し、
家庭で邪険に扱われる父親たちをロボとーちゃんの扇動で蜂起させ、
「父よ、勇気で立ち上がれ同盟」略して「ちちゆれ同盟」を組織します。
鉄拳寺の考え方は時代錯誤に思えますが、
たしかに家庭に居場所がない父親が増えているのも事実で、
一家の大黒柱たる父親の威厳失墜は憂うべきことかもしれず、
鉄拳寺の考えにもある程度共感してしまいます。

なんと鉄拳寺も実はロボで、下春日部署の警察署長が遠隔捜査しています。
彼はイケメンだし、その若さで署長なんてすごいと思うのですが、
意外なことに彼も家庭では妻や娘に邪険にされており、
署長になるにあたっても単身赴任しているそうで…。
それが我慢ならない彼は、頑固オヤジロボ鉄拳寺を作り、
父親復権のために「大日本躾け直し計画」を実行したのです。
ヒロシが扇動役に選ばれたのは典型的な情けない父親だからだそうで、
たしかに優しいヒロシはミサエの尻に敷かれることもあるし、
しんのすけやヒマワリにも振り回されてますが、それでも家族から愛されてるし、
ちちゆれ同盟の他の父親のように、家族に邪険にされたり、
家庭に居場所がないようなタイプではありません。
むしろ目指すべき理想の父親だと思えるので、扇動役の人選には疑問が残りますね。

ヒロシは理想の父親ですが、署長やちちゆれ同盟の他の父親連中は、
ボクから見てもダメ親父で、彼らが家庭で邪険にされるのは自業自得です。
家庭に居場所がない彼らは、休日の昼間に公園にタムロしていますが、
そこでも遊びに来た子連れのヤンママ連中に邪険にされ、追い出されます。
あたかもそんな彼らが気の毒なような感じで描かれていますが、
オッサンが公園で喫煙したり、遊具やベンチを占拠しているのは、
やはりマナーとしてかなり問題があると思います。
彼らを公園から追い出すヤンママを横暴なやつらのように描いてますが、
ボクとしては彼女たちの方が義があると思うんですよね。

ちちゆれ同盟の「家族は父親を尊敬すべき」という考えは自分本位で、
ある意味「家族を虐げたい」と思っているようなもので、
そんな父親を、家族も尊敬するはずありません。
ヒロシは彼らと違い、家族から愛されているのは、
なにより本人が家族を愛していて、それが家族にも伝わっており、
彼なら家族を守ってくれると信頼されているからです。
家族を守りたいという気持ちは、ヒロシもロボとーちゃんも同じで、
2人とも家族のために全力で戦いますが、
血の繋がりなんて気にしない純真なしんのすけにとっては、
2人とも信頼すべきとーちゃんなんだろうと思います。
それが「父親とは何か」というテーマに対する本作の答えで、
それは血の繋がりではなく、家族を守るのが父親であるということですね。

署長との戦いに捨て身の攻撃で勝利するも、半壊したロボとーちゃんは、
最後にしんのすけの前でヒロシに腕相撲勝負を挑みます。
普通に腕相撲すればヒロシがロボとーちゃんに勝てるはずありませんが、
激闘の末なんとヒロシが勝利するのです。
しんのすけに「強いだろ、おまえのとーちゃんは」と言い残し、
機能停止してしまうロボとーちゃんですが、自分の最期を悟り、
自分の家族を託すヒロシに華を持たせたのかもしれません。
またヒロシの家族への想いを、腕相撲で確かめたのかもしれませんね。
最終的にはロボとーちゃんは壊れる運命なのは予想できましたが、
予想以上に感動的なラストだったと思います。

そんな久しぶりに会心の出来だった本作ですが、
ちょっと残念だったのはクライマックスの戦いです。
署長に記憶を消去されたロボとーちゃんですが、
ピーマン責めに耐えるしんのすけの頑張りで記憶を取り戻します。
このシーンもとても感動的でよかったのですが、
共闘することになったロボとーちゃんと野原一家の前に
署長の最終兵器が立ちはだかりますが、…その最終兵器が酷いです。
ものまね芸人コロッケのネタ「五木ひろし」をモチーフにした、
五木ひろし型の巨大ロボットなのですが、完全に滑ってます。
「ヒロシ」繋がりなのはわかるけど、コロッケのネタ自体が面白くないし、
たぶんチビッコにはわからない誰得なネタです。
ロボとーちゃんも対抗して、劇中映画のカンタムロボのように巨大ロボ化するが、
それも五木ひろしロボの攻撃であっさり倒されてしまい、何とも肩透かしな展開です。
(その攻撃「コブシウェーブ」には少し笑いが起きてましたが…。)
普通なら巨大ロボの登場は盛り上がるところですが、
五木ひろしやコロッケの設定は興醒めなので普通に巨大な鉄拳寺ロボでいいのに…。

『オトナ帝国の逆襲』や『戦国大合戦』ほどではないものの、
ここ10年では最高の出来で、完全に復調したと思いますが、
次もこの調子で頑張ってほしいです。

<関連作の感想>
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