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名探偵コナン 異次元の狙撃手(スナイパー)

『アナと雪の女王』の興行成績が100億円を突破したそうで、
今年の年間ランキングの1位は、この作品で決まりだと思われます。
昨年の年間1位である『風立ちぬ』の120億円にどれだけ迫れるかが注目ですが、
ウチの近所のシネコンでも今週末から3D吹替版の公開が始まったりと、
まだまだ勢いは衰えてないので、GW頃には抜けるかもしれません。
ボクの知人も「吹替版と字幕版の二回観た」と言ってましたが、
そんなリピーターもけっこういるのかもしれませんね。
今年最大の話題作なので、まだ観てない人は観に行った方がいいです。
ミュージカル映画なので、ビデオリリースを待つより、
劇場の音響設備で観た方がいいと思いますしね。

ということで、今日は5週連続1位だった『アナと雪の女王』を破り、
先週末1位になった映画の感想です。

名探偵コナン 異次元の狙撃手(スナイパー)
名探偵コナン 2014

2014年4月19日公開。
青山剛昌原作のテレビアニメ『名探偵コナン』シリーズ劇場版第18弾。

高さ635メートルを誇るベルツリータワーのオープニングセレモニーに出席し、東京を見渡せる展望台からの景色に胸を躍らせるコナンたち。そんな中、一発の弾丸が強固なガラス窓を貫通し男性の胸を撃ち抜く。騒然とする状況下で、コナンと女子高生探偵・世良真純はFBIを巻き込む形でスナイパーを追い掛けるものの、すんでのところで逃げられてしまう。警察、FBI、コナン、世良が調べを進めていく過程で、海軍特殊部隊ネイビーシールズと事件の関連が浮上。さらに謎めいた大学院生・沖矢昴の暗躍も……。(シネマトゥデイより)



本作はアニメ『名探偵コナン』の劇場版第18弾ですが、前作第17弾との間に、
クロスオーバー作品『ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE』がありました。
『名探偵コナン』の劇場版は、毎年なかなか素晴らしい出来なのですが、
『ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE』の出来はイマイチで…。
やっぱり『名探偵コナン』には『ルパン三世』は邪魔でしかなかったです。
その証拠に、本作は公開初週末に65万人も動員していますが、
それは『ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE』の120%以上の動員で、
『名探偵コナン』単独の方が、クロスオーバーを上回る結果です。
普通なら『名探偵コナン』のファンに加え『ルパン三世』のファンが観るので、
クロスオーバーは単独作を上回るはずなのですが、
『ルパン三世』のコラボのお陰で動員した『ルパン三世』ファンよりも、
『ルパン三世』のコラボのせいで観に来なかった『名探偵コナン』ファンの方が
多かったってことでしょうね。
これでは今年公開の実写版『ルパン三世』の興収が懸念されます。
とはいえ、『名探偵コナン』単独の劇場版の中でも、本作の成績は格別で、
もしかしたらクロスオーバーを経たことで、
『ルパン三世』のファンを本作に取り込めたのかもしれませんね。
本来あのクロスオーバーは『ルパン三世』をフックアップする企画でしたが、
逆に『名探偵コナン』の踏み台になったのかもしれません。

興収40億円以上も狙える好発進だった本作ですが、正直ボクには意外でした。
本作は近年の中では最も振るわないんじゃないかと予想していたので…。
というのも、本作には久しぶりに新キャラが複数登場し、
彼らを中心に物語が進む内容だからです。
『名探偵コナン』の原作単行本は70万部程度の発行部数だし、
テレビアニメのレギュラー放送の視聴率も10%前後なので、
本来ならこんなに劇場版がヒットするはずないのですが、
毎年年間ランキングでも上位になるほど大ヒットするのは、
劇場版のみのファンがかなり大勢いるからだと推測されます。
斯く言うボクもそのひとりで、原作は50巻までで読むのやめたし、
テレビアニメも10年近く観ておらず、劇場版だけのお付き合いです。
劇場版だけでも楽しめたのは、劇場版がほとんど番外編だったからで、
主要レギュラーキャラもずっと固定されていたから、
原作やレギュラー放送の流れに関係なく観ることができたためです。
ところが本作は、原作やレギュラー放送で比較的最近登場したと思われる
新キャラが劇場版にも顔を出し、かなり幅を利かせています。
それに伴い、原作のストーリーにも絡む内容になり、
番外編的ではなくなっているため、劇場版のみのファンには敷居が高く、
敬遠されるのではないかと思ったからです。
でも結果的には過去最高の出足を記録し、意外な結果だと思いましたが、
思えば『ONE PIECE』など少年漫画の劇場版の場合は、
完全な番外編より原作と関連する物語の方が成績はいいですよね。
もちろん新キャラで敬遠した劇場版のみのファンもいたでしょうが、
それ以上に普段劇場まで来ない原作ファンを動員したのかも?

何にしても、原作も読んでないしレギュラー放送も見ていないボクは、
新キャラの存在には戸惑ってしまいました。
ボクの言っている新キャラというのは世良真純と沖矢昴のことです。
調べてみると世良真純は原作73巻から、沖矢昴は原作61巻から登場しているので、
既刊83巻なので、それほど新キャラというわけでもなさそうですが、
50巻までしか読んでないボクには2人とも全く知らないキャラで…。
劇場版は毎回オープニングで登場キャラの説明をしてくれるので、
それを聞けば話についていけるかと期待したのですが、
今回2人については何ともアッサリした説明だったので不安が残りました。
世良真純は新一や蘭と同級生の高校生探偵の女の子で、
沖矢昴は新一宅に居候する男、くらいのかなり薄い説明です。
それもそのはずで、本作を観る限りでは2人の素性に関しては、
現行のレギュラー放送でもまだ謎だらけな段階みたいな感じですね。
そんな謎の新キャラ2人がコナンたちと知り合った経緯も全くわからないので、
2人の人間関係もわからない中で、本作の物語が進行するので、
いろいろと戸惑うところが多かったです。
2人がコナンの正体を知っているかどうかもわからないし、
敵か味方かもわからないので、どういう心持ちで観ればいいのか…。

本作で沖矢昴が殉職したはずのFBI赤井秀一であると明確に示唆されてましたが、
こんな本筋のストーリーに絡みそうな重要そうなことを、
劇場版なんかで発表してしまっていいのでしょうか?
レギュラー放送の視聴者が有料の劇場版を観るなんて保証はないのに…。
まぁモンゴルマンの正体がラーメンマン的な、公然の秘密なのかもしれませんが、
テレビはテレビ、映画は映画なので、どちらも見なきゃ成立しないような演出は、
映画ファンとしてあまり感心できないです。
テレビの延長線上で映画を作るなら、そんなのテレビで放送すればいいので、
劇場版とはいえ、やはり番外編としてテレビとは分けて作るべきです。
世良真純の方はその赤井秀一の妹らしいですね。
途中でうっすら気付きましたが、蘭たちはまだ気付いてないようですが、
コナンは気付いているようないないような…、ちょっと判断しかねます。
コナンが世良真純や沖矢昴の素性を知っているか否かだけでも、
彼らの関係性に大きく影響するので、物語の見え方がかなり変わってきます。
あの立場上警戒心が強いはずのコナンが、服部平次以外の高校生探偵を頼ったり、
実家に謎の人物の居候を認めるなんて違和感がありすぎですが、
コナンが新キャラ2人のことをどう思っているかくらいは言及してほしかったです。

沖矢昴はそれほど出番があったわけでもないので問題ないですが、
世良真純の存在は、これまでの劇場版の主要キャラの相関関係に、
かなり影響を与えているように思えます。
高校生探偵である彼女は、コナンとタメを張るくらい頭脳明晰で、
いつもの服部平次的なポジションで、コナンの相棒として活躍しますが、
単なる相棒ではなく、女の子なのでヒロイン的なポジションにもなります。
新ヒロインの登場により、正ヒロインの欄や、準ヒロインの灰原の扱いが、
かなり悪くなっているような気が…。
特に蘭ですが、コナンが犯人に撃たれそうになって身を挺して守るのも、
いつもだったら彼女のやりそうなことなのに、世良真純に譲っており、
最大の特徴である武闘派なポジションまで奪われちゃってますよね。
蘭の影が薄くなったことで、『名探偵コナン』の劇場版の一面である、
ロマンス的な展開がすっかりなくなってしまいました。
なんだか新キャラにより、人間関係の絶妙なバランスが崩れたような印象で、
ちょっと残念な気もします。
ただ世良真純はワリと可愛いし、ちょっと色っぽいところもあるので、
キャラとしてはけっこう好きですけど…。

沖矢昴や世良真純の素性を垣間見れるのはサブプロットで、
メインプロットは単発の事件が描かれるため、
そこを楽しむ分にはあまり新キャラは関係なく、
劇場版のみファンのボクでも十分楽しめました。
今回の事件もなかなか込み入っており、こんな難しい話だと、
チビッコは理解できないんじゃないかと思えますが、
大人の鑑賞にも耐えうる骨太なサスペンスだったと思います。

高さ635mのベルツリータワーで悪徳不動産屋が狙撃され、
容疑者として元Navy SEALsの狙撃手ハンターが浮上し、
警視庁はFBIと協力してハンターの行方を追うが、
その間にも次々と狙撃事件が発生する、という話です。
ベルツリータワーはスカイツリーをモチーフにしてますが、
他のランドマークはそのままなのに、なぜスカイツリーだけ名称変更?
『ルパン三世VS名探偵コナン』ではスカイツリーはそのままだったのに、
これではこの世界の東京には600m級のタワーが2本あることに…。
ベルツリータワーは鈴木財閥がオーナーという設定が終盤で必要になるため、
スカイツリーのままではダメだったのでしょうが…。

容疑者ハンターは「シルバースター」なる勲章も授与された英雄でしたが、
後に交戦規定違反の疑いで剥奪され、さらに戦場で頭に被弾したことで退役。
その後、PTSDに悩まされながら荒れた生活を送りますが、更に不幸は続き、
彼の妹は婚約者に婚約破棄され自殺、妻も薬物中毒で亡くなります。
6年前に消息不明になったハンターですが、3か月前にシアトルで、
彼の交戦規定違反について書いた記者が狙撃され、FBIから指名手配に。
その後、日本に滞在中の交戦規定違反を告発した男と、それを証言した男、
妹を裏切った婚約者、財産を奪った不動産屋に復讐するため、日本に入国します。
そもそもハンターの交戦規定違反は告発した男のでっち上げで、
ハンターの功績に嫉妬し、シルバースターを剥奪するための嘘です。
ハンターの標的は全員かなり悪い輩なので、
コナンやFBIが彼の連続狙撃事件を阻止するために奮闘するけど、
ボクとしては標的は全員狙撃されるべきだと思えたので、
コナンにも「余計なことするな」と思っちゃいました。

ハンターを追っていたコナンたちですが、
なんと3件目の狙撃事件の犠牲者がハンター自身で、
真犯人が誰だかわからなくなります。
それがマスコミで報道されたことで、無差別狙撃という憶測がネットで流れ、
東京中が混乱するのですが、こんなネット炎上を揶揄したような
シニカルな展開は『名探偵コナン』では珍しく、ちょっと新鮮でした。
やはり連続狙撃は続きますが、もちろん無差別ではなく、
ハンターの嘘の交戦規定違反の証人だった男マーフィが狙撃され、
最後はハンターを告発した男ウォルツが狙撃されると推測されます。
4件目の狙撃で、普通狙撃では使わないレーザーサイトを使用していたことから、
コナンは真犯人はハンターと共犯だと考えるのです。
なぜそんな結論になったのか、ちょっとピンと来ませんでしたが、
たしかに真犯人はハンターの意思を継いで復讐していたのです。
犯人は狙撃場所に何かの目的でダイスを置いていましたが、
それは最後の標的ウォルツに向けた、あるメッセージでした。
コナンは偶然にもそのメッセージに気付き、最後の狙撃場所を予測しますが、
異常に頭がいいコナンでも偶然気付けただけのそのメッセージが、
アホの標的ウォルツごときに伝わるはずありません。
とにかくこのダイスのメッセージは難解すぎるため、
ボクも全然納得できるものではありませんでした。

ラストのコナンの超人的活躍も、いつも以上に度を越えていて、
いくらなんでもそれはないだろうと思ってしまいました。
特に酷いのは、犯人より先にサッカーボールでウォルツを狙撃したところ。
異次元の狙撃手(スナイパー)ならぬ、異次元のストライカーですよ。
もうひとり超人的すぎるのは、FBIの天才狙撃手・赤井秀一こと沖矢昴です。
彼はコナンや蘭を助けるため、ベルツリータワー展望デッキにいる犯人を
近くのビルから狙撃するのですが、そんな狙撃が成功するはずありません。
できるとすれば『ルパン三世』の次元くらいのものですが、
クロスオーバーで変な影響受けたんじゃないかと心配になりました。
『名探偵コナン』はあくまでミステリーなので、
あまり超人的な能力者が増えるのは好ましくありません。
ただ、そんな沖矢昴も、犯人を仕留めるには至りませんでした。
結局犯人は蘭の空手でノックアウトされ、FBIに確保されるのですが、
さすがに沖矢昴に決着まで付けさせる展開は良しとしなかったのかな。

それにしても、沖矢昴も世良真純も、
完全にコナンを普通の子どもだとは思ってませんが、
FBIのジョディ先生まで、コナンをかなり頼りにしているみたいで、
重要な情報をどんどん彼に与えてくれますが、
FBIもコナンの正体をすでに知ってるんでしたっけ?
正体を知ってるか否かに限らず、もうほとんどの主要キャラが
コナンは普通じゃないと気付いていている状態なので、
コナン自身もあまり子供のフリをしなくなっちゃいましたね。
黒づくめの組織に正体を知られてはいけない立場上、
そんなに目立ったらマズい気がするんですが、
もう他人の目なんて関係なしの大立ち回りをしすぎじゃないですか。
ド派手なスケボーでの公道チェイスもお決まりの展開ですが、
今回はちょっと酷く、彼のせいで一般車両が事故ったりしてました。
交通法規を軽く二桁は破っていると思われます。
子ども扱いされながら、時には子どもの見た目をうまく利用して、
事件を解決するコナンが好きなので、周りがコナンを超人視する人ばかりだと、
なんだかちょっと微妙かもしれません。
「見た目は子ども、頭脳は大人」な初期設定を大切にしてほしいです。

本作も決して面白くないわけじゃないのですが、
派手なアクションシーンを描くために、物語を作っている感じなので、
もっとミステリーとしても楽しめる物語にしてほしいです。
本作も推理の余地なんて全くなく、これではミステリーとは言い難いです。

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