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ペイン&ゲイン 史上最低の一攫千金

消費増税が行われてから、意識的にいろんな店を回ったんですが、
それでわかったのは、まともな店ほど値札の税込表示をしているということ。
考えてみれば当たり前で、そもそも本体価格しか表示しない店は、
少しでも安く見せたいという店側の思惑で客を誤認させようとしている店で、
まともかどうかは別にしても、誠意がない店なのは明白です。
それに生鮮食品を扱う店が特にそうだけど、税込価格を表示する店は、
税込価格を意識して値付けをしているので、本体価格だけの店より安いです。
例えば200円前後で売りたい国産アスパラガスだったら、
税込価格を表示する店は税込で198円(本体価格184円)にするけど、
本体価格のみ表示する店なら平気で税抜198円(税込価格213円)にしますから。
賢い主婦なら当然すでに気付いていると思うけど、
税抜価格のみ表示している店では買い物しない方がいいです。

近所のTSUTAYAも税抜価格のみ表示しているのですが、
もともと旧作DVD4枚(新作2枚までOK)が税込で1000円だったのに、
今は税抜で1000円になっていて、総額1080円になりました。
消費税は3%上がっただけなのに、8%も値上げするなんてムカつきますが、
姑息なのは便乗値上げと言われないように、消費増税前の3月から、
すでに税抜表示に切り替え、税抜1000円に変えていたことです。
(もちろん3月中は総額1050円でしたけどね。)
税込1000円を税抜1000円に変えるような姑息な便乗値上げは巷で横行してますが、
調達コスト増などを理由に消費者庁から便乗値上げと認定された例は
未だに一軒もないそうで、ふざけんなって感じですが、
少なくとも旧作DVDには調達コストも関係ないだろ、って思います。

ということで、今日は新作DVDの感想です。

ペイン&ゲイン 史上最低の一攫千金
Pain and Gain

2014年3月26日リリース。
マーク・ウォールバーグ、ドウェイン・ジョンソン共演のクライムアクション。

マイアミのジムで働くダニエルは、筋トレだけが生き甲斐のしがないトレーナー。いつか成功して大金を掴む夢を捨てられない彼は、ジムの常連客で裕福なビジネスマンを誘拐しようと計画する。同僚のエイドリアン、さらに前科持ちのポールの協力を得て、史上最低のやり方で全財産を客から強奪してしまう。だが、秘密捜査官の登場によって3人はピンチに追い込まれ…。(公式サイトより)



本作は『トランスフォーマー』シリーズのマイケル・ベイが監督し、
その新シリーズで主演を務めるマーク・ウォールバーグの主演作で、
新『トランスフォーマー』のタッグによる注目作であり、
全米でも初登場ナンバー1に輝いた大ヒット作ですが、
なぜか日本ではビデオスルーになってしまいました。
『ワイルドスピード』シリーズのドウエイン・ジョンソンや、
『キャプテン・アメリカ』の新作で新ヒーローを演じることでも注目の
アンソニー・マッキーが脇を固めているのに、
この布陣でもビデオスルーになってしまうなんて、
一体何を基準に日本公開を決めているのか不思議です。
先達ても全米初登場1位だったヒット作『泥棒は幸せのはじまり』が、
見事にビデオスルーになってしまいましたが、ハリウッド映画ファンとしては、
せめて全米1位の作品くらい手放しで日本劇場公開してくれと思います。

実際はなぜビデオスルーになったのかはわかります。
『泥棒は幸せのはじまり』も本作も、コメディ映画だからです。
日本ではハリウッドのコメディ映画はウケないと思われているようで、
コメディ映画はいくら全米で大ヒットしても
ビデオスルーになる確率が異常に高いんですよね。
『テッド』の日本での空前のヒットにより、その流れも変わると期待したけど、
『テッド』でも主演だったウォールバーグの主演作である本作がこれでは…。
たしかに笑いのツボには国境があるので、日本でのヒットは難しいけど、
本作は日本人には伝わりにくいポップカルチャーのネタはないし、
クライム映画としても十分に面白い作品だと思うので、
一か八か劇場公開してみてもよかったんじゃないかな。
マイケル・ベイの監督作ってだけでも超大作感があるので、
それなりに客も入りそうな気がするんだけど…。

製作費1億ドル越えが当たり前のマイケル・ベイ作品ですが、
本作の製作費はたったの2600万ドルだったそうです。
彼にしては破格の製作費ですが、それでも全くチープさは感じられません。
『トランスフォーマー』シリーズのようなCGは使う必要がないので、
その分製作費を抑えられるのは当たり前ですが、
さらに監督と主演ウォールバーグのギャラは成功報酬のみの契約だったそうです。
つまり彼らのギャラは一切製作費からは出ず、もし本作がコケたら、
ノーギャラになるということですが、蓋を開けてみれば大ヒットで、
さぞ儲かったことでしょう。まさに一攫千金です。
そんな契約を結ぶなんて、よほど自信作なのだろうと思いますし、
なるほどその自信も頷ける面白い作品に仕上がっていると思います。
まぁ本作がノーギャラでも『トランスフォーマー』の新作のギャラで
十分すぎるほど取り戻せると考えただけかもしれませんが…。

本作はマイアミ・ニュータイムズ紙に載ったルポを原作にした物語で、
1995年に起きた誘拐事件および殺人事件を基にした実話の映画化です。
しかしその内容は、あまりにも破天荒すぎて、実話だとは思えないほどですが、
それが本当に実話だというのだから興味深いです。
もちろん面白く脚色されているところもあるでしょうけど、
それを差し引いたとしても、あり得ない物語です。
なにがあり得ないかといえば、犯人たちがバカすぎること。
彼らはボディービルダーなのですが、まさに脳みそまで筋肉でできている、
いわゆる脳筋と呼ばれるようなバカなのですが、
その脳筋が立てたズサンな誘拐計画が見事に成功してしまうんですよね。
結果的に彼らは逮捕されてしまうわけですが、こんな雑な犯罪が、
一時的にでも成功し、大金を手に入れることができたなんて驚きです。
見ていてツッコミどころだらけの犯罪なので、彼らがもう少し頭がよければ、
もっと上手くできたかもしれないし、捕まらなかった可能性もあります。
つまり客に「これくらいなら自分でもやれるんじゃないか」と思わせてしまう、
ある意味アメリカンドリームな内容です。

筋トレが趣味のルーゴは、スポーツジムのトレーナーですが、
客から軽く見られていることにウンザリしていました。
自分はこんな完璧なボディーなのに、もっと認められてもいいはずだ、と。
そんな折、インチキ臭い実業家ジョニー・ウーの啓発セミナーに触発され、
もっといい生活をするために何か行動を起こそうと考え、金持ちの誘拐を計画し、
同僚のドアバルと、ムショ上がりのドイルを仲間に引き入れ、
顧客のダイナー経営者カーショウを誘拐するのです。
たしかにいくら努力してムキムキになっても、なかなか金にはなりませんよね。
ルーゴが報われないと感じるのもわからなくもないですが、
そこで犯罪に走るのは安易すぎます。
特に誘拐なんてのはムキムキじゃなくてもできるし、その筋肉を活かさないと、
あまり意味がないように思うのですが、そんなことは全く考えないところが、
彼が脳筋たる所以なのかもしれませんね。
ただ彼は体ばかり鍛えて頭が弱いのかといえばそうでもなく、
なんと彼の手腕で、ジムの客を6週間で3倍に増やしたこともあります。
ムダ毛処理サービスやストリッパーを無料会員にしたことで、
老人ばかりだったジムに若い客を大量に呼び込みました。
なかなかのビジネスセンスで、独立でもしてジムの経営者になれば、
金持ちにもなれそうですが、それでも儲けるには犯罪しかないと考えるのは、
やっぱり脳筋のバカだからなのでしょうか。

そんな脳筋バカのルーゴに賛同する共犯者2人もかなりバカで、
同僚でデブ専の黒人ドアバルは、インポの治療費のために金が必要で、
ルーゴの計画が無茶苦茶だとわかっていながらも協力します。
ステロイドの副作用でインポになったそうですが、
そこまでしてムキムキになりたい理由がわかりません。
ムショ上がりのドイルは、ムショで敬虔なクリスチャンになったため、
はじめは犯罪を拒否しますが、知り合いの神父がゲイだと知ったのを機に、
なぜかルーゴに協力することにします。
3人も集まればひとりくらいまともな人がいてもよさそうだけど、
やはり3人とも脳筋で、マッチョにはバカしかいないのかと思っちゃいますね。

ルーゴの場当たり的な計画で、何度も誘拐に失敗しますが、
職場から出て来たカーショウを、なんとか拉致します。
貧弱なオッサンひとり浚うくらい、簡単にできそうなものなのに、
何度も失敗するところに彼らの犯罪センスのなさが窺えます。
目隠ししたカーショウを倉庫に監禁し、財産を奪おうと脅しますが、
ジムの顧客であるカーショウは、コロンの匂いでルーゴが犯人だと気付きますが、
黙ってればいいものを、気付いたことをうっかり示唆してしまい…。
カーショウは脳筋じゃないけど、相当バカですね。
正体がバレたと気付けば、プロの誘拐犯ならすぐに殺しますが、
ルーゴは脳筋なので、そのまま計画を続行し、
全財産を譲渡する書類にサインさせようとします。
でも正体を知っているので、サインしちゃえば、あとは殺されるだけなので、
カーショウはサインを拒み続け、そのまま3週間が経過します。
3週間も行方不明なのに誰からも捜索願も出されないのは不自然ですが、
コロンビアから単身移民してきたようなので、家族はいないみたいです。
それでも職場は騒ぎそうなものですが、彼は従業員から嫌われているので、
誰も心配しなかったのでしょう。

監禁中、ルーゴとドアバルからは拷問を受けるカーショウですが、
ドイルからは優しくしてもらえます。
ドイルは敬虔なクリスチャンなため、暴力は嫌いなのですが、
それに加えてカーショウとは、元アル中の断酒者として意気投合します。
カーショウがユダヤ教からカトリックに改宗して、更に仲良く…。
ストックホルム症候群の逆パターンで面白いですが、
ドイルは脳筋の犯人3人の中でも最も単純なバカです。
ドイルを演じるのはドェイン・ジョンソンですが、
いつもはマッチョだけどインテリな役が多い彼なので、
ここまで脳筋のバカを演じているのは珍しいですよね。
結局、拷問に耐えかねたカーショウは監禁3週間目に書類にサインし、
始末されることになるのですが、もちろんドイルは猛反対。
しかしルーゴに押し切られて、カーショウ殺害に協力します。
いや、協力するどころか、実行犯にされちゃうんですよね。

ついにカーショウにサインさせることに成功しますが、
財産譲渡には公証人の立ち合いのもとサインする必要があるとわかります。
そこでルーゴはジムの上司ミースを騙して、文書を公証させます。
これによりミースは共犯者になってしまうので、気の毒ではありますが、
彼も金に目が眩んで、立ち会わず公証してしまったので、自業自得かな。
この事件の関係者はバカばっかりです。
ルーゴはカーショウの全財産を譲渡されますが、驚いたことに、
カーショウの屋敷にそのまま住んでしまうんですよね。
しかも彼のダイナーの経営者にまでなってしまいます。
現金は3人で山分けしますが、他の資産はルーゴが独り占めしてるのに、
他の2人から不満は出なかったのが不思議ですが、バカだから気付いてないとか?
それにはじめは交通事故に見せかけて殺す計画だったのに失敗して、
結局車で轢き殺したので、死体を見れば他殺だってバレるのに、
彼の家で悠長に住んでいたら、怪しまれかねないのにね。

ところがそうならなかったのは、カーショウが生きていたためです。
頭部をタイヤで轢き潰したと思われましたが、頭がブロックの隙間に挟まり、
彼は危機一髪助かっていたのです。
彼が生きていたなら、警察に駆け込まれて、ルーゴが逮捕されそうなものですが、
驚いたことにそうもならなかったのです。
もちろんカーショウは警察に一部始終を証言しますが、
警察は彼の話を全く信じず、取り合おうとはしません。
たしかにボクも実話とは思えない話なので、嘘くさいとは思うけど、
犯人名まで証言しているのに、一切捜査しないなんてね。
それは単に話が嘘くさいからではなく、カーショウがコロンビア移民なので、
ドラック使用による妄想に決まっていると、警察が決めつけたからです。
いやはや、犯人もバカなら被害者もバカ、その上まさか警察までバカだとは…。
バカばかりだったため、このままではこの事件は日の目を見ないところでしたが、
ここで本作で唯一マトモと言っても過言ではない人物が登場します。
それが元警察の私立探偵ウッドです。
カーショウから相談を受けた彼は、ルーゴらの調査をはじめ、
警察署長に「このままでは次の犠牲者が出る」と警告します。
それでも動こうとしない警察ですが、ウッドの警告が現実となります。

分け前を豪遊してあっという間に使い切ったドイルは、
ルーゴらにもうひと稼ぎしようと持ち掛けます。
けっこうな大金だったのにすぐ使い切るなんてホントにバカですが、
ドイルはその前に肩慣らしのつもりで強盗して、警察に銃撃され、
足の親指を失う重傷を負っているのに、全く懲りない大バカです。
ドアバルもデブのナースと結婚し、新居を買って金が尽きたので話に乗り、
はじめは拒んだルーゴも結局協力することになります。
今度のターゲットは百万長者のポルノ王。
ダイナーの経営者カーショウとは比べ物にならない大物ですが、
何と彼らは、バカのくせに投資詐欺を計画するのです。
まぁルーゴは老人を騙す詐欺で服役したこともありますから、
誘拐より詐欺の方が得意だと思っているのかもしれませんが、
やはりそう簡単にはいかず、交渉のためドアバルの家に招待した時に、
やたら疑われて、激怒したルーゴが誤ってポルノ王を殺してしまいます。
更に同伴していた彼の妻に馬用の鎮静剤を注射しやはり殺してしまい、
なんと死体の身元を隠そうと、首と手首を手斧で切り落とし、
指紋を消すために手首をバーベキューコンロで焼いてしまうのです。
そして胴体を樽に詰めて、湖に沈めてしまうのです。
なんだか急に猟奇的な展開になってビックリです。
でもやはりバカなのは、手首斬り落とすだけでも指紋はわからなくなるのに、
なぜ焼くなんて面倒なことをするのか疑問ですよね。
または、どうせならもっと細かく刻んで焼いちゃえばいいです。
何にしても、カーショウの時は死体を放置したくせに、
なぜ今回はこんな微妙に念入りに証拠隠滅を図るのでしょうか。

ポルノ王の失踪を受けて、漸く警察もカーショウの言葉を信じて出動し、
間もなく2人は逮捕され、バハマまでボートで逃亡したルーゴも逮捕されます。
死体の証拠隠滅は効果的だったようで、裁判は難航するのですが、
カーショウの証言で3人の有罪が決まります。
裁判で警察に協力的な態度だったドイルは懲役15年、
ルーゴとドアバルは死刑判決を受けるのです。
ルーゴの上司ミースも懲役15年の判決を受けるのですが、
騙されて公証人になっただけなのに、ドイルと同じ判決って…。
それだけ公証人の責任は重いということかな。

結局、本作は何が描きたかったのかといえば、
アメリカンドリームで一攫千金なんて狙わないで、
地道に働いて普通の幸せを掴んだ方がいい、ということのようです。
でもそんなこと、ノーギャラになるかもしれない映画を撮るような
博打打のマイケル・ベイ監督に説かれたくないですね。
むしろルーゴのようなバカでもアメリカンドリームを掴みかけたのだから、
誰でも上手くやれば一攫千金できますよ、って印象を受けました。
世の中には2種類の人間がいる。
「行為者(やり手)」か「臆病者(おく手)」かだ。
…ってルーゴが敬愛するジョニー・ウーも言ってましたが、
インチキ臭い奴だけど、それはその通りなのかもね。

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